バリューチェーンをひとつの基盤でつないだデジタル変革により、より良い顧客体験を提供

科学・医用システム事業部門での活用事例

製品購入からアフターセールスまで すべてのバリューチェーンをつなぎ ビジネスをスピードアップ

部署間の連携を阻害していた顧客関連情報の分断

 日立グループの中核企業として、バイオ・メディカルシステムや半導体製造装置などを設計・製造・販売する株式会社日立ハイテク。約1,500社に上る顧客企業と密接なコラボレーションを行いながら、新たな製品やソリューションを生み出し続けています。

 「顧客に長い年月活用いただく当社の製品やソリューションは、導入してからも様々な活動を行う必要があります」と語るのは、株式会社日立ハイテク理事でデジタル推進本部 本部長を務める酒井 卓哉氏。フィールドエンジニアと関連部署とが密に連携し、アフターセールスの対応スピードを向上、顧客の信頼と満足度を高めることは重要な課題だと説明します。

 しかしフィールドで発生した各種情報は部署ごとで管理されているほか、関連プロセスも多数存在。さらに顧客関連情報を共有するプラットフォームも統一されていなかったため、情報伝達が分断されやすい状況を作り出していました。

「ありたい姿」を明確化した上で「顧客360度ビュー」の構築に着手

  まずは社内のマインドセットから変えていく必要があると判断し、2017年5月からデザイン思考に着目、企業変革支援プログラム「Salesforce Ignite」による部門横断プロジェクトで「ありたい姿」を明確化していきます。製品中心から顧客中心へとマインドを変えていくには製造・販売・サービスといったバリューチェーンが1つのプラットフォームで連携し、お客様とつながる仕組みが必要であると確信した同社は、Salesforce Service Cloudを活用した「顧客360度ビュー」の構築に着手するのです。

 Salesforceが選ばれた理由は3つあります。第1は、すでに2005年から営業部署の案件管理でSales Cloudを利用しており、十分な実績があったこと。第2は、すでに部署ごとに運用されていた「ナレッジDB」を、簡単に移行できること。そして第3は、アジャイル型のスモールスタートが可能で、その後のグローバル展開も容易なことです。

 2018年10月にはSalesforce上でのシステム構築をスタート。この作業を2019年4月末までに完了し、同年5月から利用を開始しています。

 

顧客とのつながりを維持するための
会員制サイト「S.I.navi 」がSalesforceと連携

日立ハイテク社内では様々な部門と用途でSalesforceの活用が進んでいますが、具体的な活用の1つに、科学・医用システム事業をリードする部門があります。「科学・医用システムの販売で大きな課題となるのが、お客様のシステム更新時期に合わせたタイムリーなアプローチの実現とグローバル化の加速です」と語るのは、日立ハイテク科学・医用システム事業統括本部 事業戦略本部 事業管理部 コミュニケーション戦略グループ 主任の伊藤 裕基氏。顧客による情報収集が更新時期のタイミングで集中的に行われる傾向があるため、ここを逃してしまうと他社に顧客を奪われる危険性が高くなるといいます。そこで、顧客との繋がりを維持するため「S.I.navi(エスアイナビ)」という会員制サイトをSalesforce Community Cloud、Account Engagement (旧Pardot)を活用し大幅にリニューアル。会員登録済みの方へは興味に合わせたパーソナライズをし、会員未登録の潜在顧客へは複数のオファーで興味度合いを引き出すアプローチをオンライン上で行っています。これらの情報を営業担当者が確認した上で顧客への個別提案を行う一連のサイクルが日々動き続けています。
※ 本事例は2019年8月時点の情報です
 
 

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