三菱地所リアルエステートサービス株式会社

市場・顧客志向の営業を実現し、
“お客様の戦略的パートナー”へと
飛躍する情報プラットフォームを完成”

 

Salesforceですべての営業情報を管理し、
コンサルティング営業の強化と
ワンストップサービスを目指す

企業としての存在価値を
高めるための取り組み

三菱地所リアルエステートサービスは、三菱地所グループのB2B専業の不動産サービス事業者だ。企業が抱える経営課題解決に向けた不動産ソリューションを手掛けており、全国・全アセットに対応した不動産の売買・賃貸仲介、オフィスビル・住宅の企画から管理・運営サポート、不動産鑑定事業・分社化した三菱地所パークスが手掛ける駐車場事業を行っている。デベロッパーや設計会社などグループ各社との連携に加え、法律・会計事務所や金融機関等のパートナーと協力し、法人顧客の不動産ニーズやウオンツ・経営課題に対してトータルなソリューションを全国規模で提供できることが強みだ。
同社が営業組織の改革に取り組んだのは、2011年にさかのぼる。営業体制を担当者の能力重視のやり方から組織営業体制へと切り替えるとともに、顧客セグメント別に組織変更を実施したのだ。
マーケティング部、デジタル戦略部担当執行役員 阿部 康二 氏は、「営業改革とCRM/SFAの導入は、B2B専業の不動産会社として先進的なデジタル環境を導入し、顧客へのサービス提供の質やスピードを高めるための取り組みでもありました」と話す。
その際に採用したのはForce.com。プラットフォームとして導入し、基本機能にCRM/SFA機能をカスタマイズにて開発・導入することになった。CRM/SFAの定着には時間をかけた。情報システム部門は運用と保守のみを担当し、事業部主導で活用を推進。顧客情報の共有は徐々に組織に浸透し、複数の営業担当者が1 社の顧客情報を円滑に共有することや、多様なニーズ・課題を持つ顧客に対して関連部署がかかわる際の情報共有の徹底を図ることでクロスセルやアップセルに繋がり、お客様の満足度が上がる等一定の成果を得ることができた。
 

Sales Cloudを中心に据えた
情報プラットフォームへ

一方、課題も生まれた。全社的な推進組織が存在しなかったため、事業部主導による部分的な改修などにより、入力されたデータを全社的に活用しにくい状況が一部に見られるようになった。また、ある事業部はCRM/SFAを使いこなしていたが、別の事業部では必要最低限のデータのみを登録して良しとするなど、活用の深さにばらつきも見られた。
2019 年、デジタル戦略部が立ち上がり、阿部 氏は主導的立場を任された。営業改革を加速し、「DXによりまずは社内の生産性を高め、将来はデジタルを使って新しいサービスを作れるような情報プラットフォーム」(同氏)を目指した新たなデジタル基盤への取り組みに着手した。
マーケティング部マーケティング課長 打田 大輔 氏は、「不動産業界の生産性について、危機感がありました。手作業が多く、紙文化が残っているために他業種に比べて生産性が低いのです」と話す。
「今回のDXは、テクノロジーを使って新しいサービスを作って行かなければ生き残れないという決意を持って取り組みました。そのためにも、まずは生産性の向上。事業部ごとに個別導入されていたシステムを棚卸しした上で情報プラットフォームに何を使うか検討し、一気に切り替えようと考えました。現行システムを抜本的に見直すことで、予算を成長投資に振り分けることも狙いでした」。
既存システムをゼロベースで見直すことになったため、Force.com上で開発されたCRM/SFAも見直しの対象になった。市場にある複数のソリューションを精緻に比較・検討した結果、同社はSales Cloudの採用を決めた。
阿部 氏は、「Salesforceは標準機能が優れていて、作り込みが必要ないと判断しました。結果的に、Force.comをベースにVisualForceで作り込んだClassic環境から、Sales Cloud/Lightningの最新環境への移行という形になりました」と話す。2018年の本社移転を機に、営業部門のモバイルワーク促進にも取り組んでおり、Salesforceがモバイル環境で使い勝手の良いソリューションであったことも高く評価された。

データ分析とAIを活用し、
新たなビジネス形態を構想

これにより、Salesforceはより広範な領域を受け持つことになる。CRM/SFAとしては、標準機能をフル活用することで共通のデータモデルを全事業部で活用。マーケティング部門におけるAccount Engagement (旧Pardot)のさらなる活用推進に加え、管理部門での活用も促進し、集客から商談のクローズ、物件の管理まで、一気通貫で情報が連動する。これにより取引先件数は倍増し、取り扱い物件数は1.5倍に。さらにWeb経由での商談獲得数も倍増し効率化を促進できた。
SalesforceとG-Suiteを標準APIで連携させることで、Excelから脱却することも目玉の施策になる。会議に必要なデータはすべてSalesforceからアクセスできるようになり、紙の資料のプリントアウトは廃止。基本的に、すべての資料はSalesforceのダッシュボートを使って可視化することになる。
蓄積したデータは、分析して次のビジネスに生かす。営業現場では標準のアナリティクス機能を利用するほか、Salesforce Einsteinを生かしたAI活用も視野に入っている。経営層向けの資料や外部向けに公開するデータとして分析結果をビジュアルに表現したい場合は、Tableauを活用する。
阿部 氏は、「今回のプロジェクトは、不動産業界の最先端を行くDXと位置づけています。顧客視点に立つコンサルティング営業を実現し、不動産にかかわるすべてをワンストップで提供できる体制を整えるにあたって、サービスの幅も奥行きも専門性も、さらにはスピードも高めていく必要があります。その中心になるのが、Salesforceに蓄積する情報です」と話す。
打田 氏は、「たとえば地図等のエリア情報や不動産マーケット全体の市況情報、自治体や行政のオープンデータ、経済動向など、営業現場で利用するすべてのデータを手作業ではなく、RPA等のデジタルツールを用いて集約・登録する方向です。不動産にかかわるすべての情報を集め、Salesforceを使って新しいビジネスの形を創り上げることを目指します」と加える。
新たな情報プラットフォームは、2020年6月に営業部門で1 次稼働したばかりだ。今後は段階的に各事業部への導入を進めていく。社内の人材も育った。Salesforce認定資格を3人、Tableau認定資格“Jedi”を1人が取得。デジタル技術とビジネス実務を融合出来る人材として大きな期待がかけられている。推進体制は整った。「顧客の経営課題を理解し、顧客に深くコミットした上で提供するワンストップサービス」の実現に向け、同社は大きな一歩を踏み出した。
※ 本事例は2020年6月時点の情報です
 
 

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