住民ひとりひとりを中心とした統合的ケアの実現に向けた提言
官・民それぞれに求められる役割とその具体的ソリューション
現在、日本では人口減少と超高齢化が大きな問題となっています。高齢化で膨らむ医療費や社会保障費に反比例して、医療や社会保障を支える労働人口は減少の一途をたどっています。このような中で、近年日本では、医療・介護の在り方が見直されてきています。また、限られた医療資源を活用し、質の高いケアを低コストで提供することは、世界共通の課題です。 質の高いケアを低コストで提供するには、患者を中心とした統合的な予防・ケアを実現する必要があり、各地域では、医療連携の必要性が高まっています。
医療連携において重要な観点は、主に以下の3つです。 1つ目は、患者を中心とした統合的な予防・ケアを提供するための組織的・臨床的な統合です。2つ目は、こうした連携強化の促進に必要となる、「量の提供」ではなく「価値の提供」を基盤とした支払い構造やインセンティブの最適化です。 そして3つ目は、医療連携を支えるインフラとして の情報連携・データ利活用の促進です。゙本書では、 特に情報連携・データ利活用の側面から、地域医療連携について考察を行っていきます。