ワークフローの自動化は、システムによって実現できる

投稿日:2022.6.10
業務の効率化、生産性の向上という見地から、ワークフローシステムによるワークフローの自動化が注目されています。業務の流れの中に潜む無駄を排除するワークフローの自動化は、企業に多くのメリットをもたらしてくれます。
ここでは、ワークフローシステムの導入で何が変わるのか、システム導入のポイントを解説します。

ワークフローの自動化とは?

ワークフローの自動化とは、ワークフローシステムを活用し、ワークフロー上の各タスクを自動化することです。データの入力や実行などの各作業の大部分を自動化し、人の手による作業を排除することで、関係者の作業負荷を軽減するとともに、フロー全体の効率化を可能にします。

ワークフローの自動化の必要性

ワークフローの改善を考える場合、ワークフローシステムの導入による自動化は、とても有効な選択肢となります。その理由はどこにあるのでしょうか。
そもそも、ワークフローの改善にあたっては、紙ベースからデジタルベースへの移行や、申請・承認・決裁といった各プロセスの時間を短縮させる施策を打つ必要があります。また、申請漏れや確認漏れ、記入ミスなどのヒューマンエラーの排除なども行わなければなりません、さらに、ワークフロー全体を見直し、無駄な二重チェックや煩雑なやりとりを整理することも重要です。
これらの課題や問題を解決し、生産性を高める有用な方法が、ワークフローシステムを活用したワークフローの自動化なのです。

ワークフローにおける課題

ワークフローを改善する場合、そのフローの中に潜む課題を見つけることも重要です。当然、課題はひとつだけとは限りません。
続いては、ワークフローシステムが導入されていない企業にありがちな、ワークフローの課題の例を見ていきましょう。

ばらばらな書式

申請書類の書式が定まっていないと、担当者によって書式がばらばらになってしまいます。そのため、決裁に必要な情報が不足し、判断がつかないということが起こることも。こうなると、承認者から申請者に対して、改めて聞き取りや確認をとらなくてはならず、無駄な手間と時間を消費してしまいます。
また、書式が規定されていても、その雛形が「どこに保管されているのかわからない」「これが最新の書式なのかわからない」では、やはり確認のために無駄な時間がかかり、業務の遅延を招いてしまいます。

必要なメンバーに書類が届かない

業務上の各種申請は、その内容によって申請先が異なります。それをきちんとルール化し、社内に周知しておかないと、「この申請は誰に提出すればいいんだ?」ということになってしまいます。提出先や承認者を調べるために、ここでも手間と時間がかかりますし、「とりあえず上司に渡しておけばいいか」などと安直に行動すると、結果としてワークフローが混乱していくばかりです。
また、必要以上に承認者の人数が多いのも、意思統一や決定までのスピードが遅いという点で好ましくありません。

承認者が多すぎる

複数部署が関係する申請内容や、金額の大きな契約などでは、決裁までの承認者が増えるのは、しかたのないことです。とはいえ、申請内容に対して多くの承認者を設定すると、それだけ決裁までの時間がかかり、非効率な場合もあります。
これは、役職者の権限や責任の所在にも関わることですから、変更は簡単ではないかもしれません。また、時間と手間ばかりを優先すると、承認プロセス本来の役割が損なわれることもあります。しかし、「どんな申請に対して、誰の承認が必要なのか」を、見直す必要はあるでしょう。

承認遅れによる業務の停滞

「承認者の確認が遅れた」「承認者が不在で申請できない」「承認の判断がなかなかできず、プロセスが停滞している」といった理由で決裁が遅れるのは、まったくの無駄といえます。場合によっては、申請者はどこで業務が止まっているのかわからないこともあり、その際は状況を把握するためには関係者に確認しなくてはなりません。これでは、本来ならば不要な手間と時間がかかることになります。
こうした状況を改善するには、連絡と確認をスピーディに行うしくみと、進捗状況の可視化が必要です。

記載ミスによる差し戻し

紙ベースでのワークフローはもちろん、Wordファイルを使っている場合でも、入力ミスは起こります。こうなると、申請書類を差し戻し、最初からやり直しということになってしまいます。
注意していれば防げるミスだけに、こうした事態はできるだけ避けたいところです。

ワークフローシステムで何が変わるのか

前の項目で挙げたワークフロー上の課題は、ワークフローシステムの導入によって、その多くが解決できます。システムの導入によって、具体的に何が変わるのかご説明しましょう。

申請・承認・管理の手間を軽減できる

申請書の入力・送信は、手間も時間もかかります。デジタル化されていても作成の手間はかかりますし、紙ベースとなると、プリントして提出という作業が加わります。本社と支社とのあいだでやりとりするとなると、発送・返送の作業もプラスされます。これでは、決裁までに要する手間が膨らむばかりです。
ワークフローシステムを活用すれば、このプロセスが一気に省力化されます。申請内容に応じて、あらかじめ設定した承認者に自動的に通知が送られますし、処理を終えた申請はシステム上で履歴として残されます。
このようにシステムの導入によって、ワークフローのすべての段階で、作業負荷を大きく軽減できるのです。

決裁までの時間を短縮できる

作業負荷の軽減と並ぶ大きな変化が、申請から決裁までの時間短縮です。アラート機能を使えば、自分宛の申請が出されるとメールなどで通知してくれますから、見落としがありません。
また、クラウド型のシステムであれば、スマートフォンやタブレットで操作できますから、外出先でも対応可能です。つまり、外回りに出ていて、あるいは出張中のために対応ができないということがないのです。外出中でも申請・承認の手続きができるため、ワークフロー全体のスピードアップにつながります。

申請・承認のステータスを可視化、共有できる

ワークフローシステムを使うと、業務の進捗がステータスとして管理され、状況が可視化されます。ですから、「申請したのに、まだ決裁が下りない…」という場合でも、どこで停滞しているのかがひと目でわかります。関係者に確認して回る必要がなく、混乱を招くこともありません。
また、いつも特定のプロセスで停滞してしまうようなら、そこに改善の余地がないかを検証し、ワークフローのさらなる効率化を図ることもできます。

テレワークに対応できる

ワークフローシステムの多くは、クラウドサービスとして提供されています。そのため、外出先からはもちろん、テレワークにも容易に対応できます。
コロナ禍が激しさを増してきた頃、多くの企業がテレワークを試験的に取り入れました。しかし、従来のワークフローがそのままだったため、「決裁印を押すためだけに出社する」ということが、実際に多くあったといわれています。ワークフローシステムを導入すれば、そうした無駄を一掃することが可能です。

内部統制を強化できる

ワークフローシステムを導入すると、ワークフロー全体がシステムによって管理されます。そのため、決まった流れと手順でしか業務を進めることができず、予定されている承認者をスキップしたり、反対に設定されていないメンバーが申請・承認を行おうとしたりすると、アラートが発せられるしくみになっています。
融通がきかないという見方もできるでしょうが、この機能は内部統制を固め、文書の改竄を防ぐために大いに役立ちます。コンプライアンスの視点からも、必要な機能でしょう。

ワークフローシステムを導入する際のポイント

続いては、ワークフローシステムを導入する際のポイントについてご説明しましょう。
SFAやCRMなど、多くのビジネスツールに共通することですが、これらのツールやシステムは、導入しただけで効果を発揮するものではありません。それだけに、事前の準備やシステムの選定、もしくは導入後の運用体制などを、しっかり用意しておくことが大切です。そうでないと、「せっかく導入したのに、たいして効果が見られなかった」ということにもなりかねないのです。
システム導入・運用のためのコストや手間を無駄にしないためにも、十分注意するようにしてください。

導入の目的を明確にし、担当者を決める

ワークフローシステムによって、何をどうしたいのか。その目的を明確にしておくことが、最初にやるべきことです。
ワークフローシステムを導入して得られる成果はいくつかありますが、おもなものは次のとおりです。

<システム導入で得られる成果>

  • ワークフロー全体の効率化
  • 申請から決裁までの時間短縮
  • デジタル化、ペーパーレス化によるコストの削減

導入・運用の目的は、システムの選定にも関わってきます。まずはここをしっかりと固め、そこから次の一歩を踏み出すことが大切になります。
また、ワークフローの改善・再構築をスムーズに進めるには、導入・運用をリードしていく担当者が必須です。各部門から選出した担当者でチームを組み、プロジェクトとして進めるといいでしょう。部門間のマネージャークラスの連携、さらに役員クラスの後押しがあれば、作業を進めていく上で大きな助けとなるはずです。

現状の問題点を整理し、新たなワークフローを決定する

ワークフローシステム導入の目的に合わせ、現状のチェックを行います。ワークフロー全体の効率化を果たすためには、現状のどこに非効率な部分があるのか、検証しなくてはなりません。その上で、それぞれの問題点を改善した、新たなワークフローを策定していくのです。
ワークフローの改善は、「これまでのやり方を変えること」です。現場での抵抗感は強いかもしれません。ですから、現場の声を丁寧に聞き取り、無理を与えないように進めていくことが大切です。フローができたら、漏れや不備がないか、プロジェクトメンバーが各部門に持ち帰り、十分に検討を重ねてください。

目的に合ったワークフローシステムを選定する

最初に設定した「ワークフローシステム導入の目的」と、その後に策定した「新たなワークフロー」を踏まえて、具体的なシステムの選定を行います。選定にあたって重視すべきは、操作性と設定の柔軟さ、そしてセキュリティの堅固さです。
操作性は、「誰でも簡単に使えること」「モバイルでも利用できること」がポイントです。また、システムそのものに柔軟さがあれば、自社の事情や体制に合わせ、細かな部分をカスタマイズしていけます。重要書類の受け渡しを行うことを考えれば、強固なセキュリティは必須です。
いずれにせよ、スペックやコストを見比べ、いくつかの製品に絞り込んだら、試用版で使い勝手を確かめてみるといいでしょう。また、導入と運用に関して、ベンダーからのサポートが受けられるかどうかも確認しておきたいところです。

スモールスタートでテストするのも良い方法

製品の選定が固まったら、いよいよワークフローシステムの導入です。必要な設定を済ませたら、まずは稼働テストを行います。
こうしたシステムやツールは、実際に使ってみると「ここはちょっと具合が悪い」「ここはやり方を変えたほうが使いやすい」など、多くのことに気づくはずです。試用版では見えなかったこれらの箇所を修正しながら、システムを整えていきましょう。

また、検討を重ねて策定した新たなワークフローにも、不具合が見つかるかもしれません。こちらも、より適した形に修正し、フローを磨き上げていきます。
ワークフローシステムは、導入した後の微調整や、運用方法の手直しが必要になります。それを考えると、最初は少人数で使い始め、調整が済んだところで部内・社内に広げていくという、スモールスタートを切るのも良い方法です。

ワークフローシステムを活用した自動化で、業務を効率化しよう

ワークフローは、時に複数の部署や多くの担当者が関わります。そのため、無駄や不具合があったとしても、それを変えるのは簡単ではないかもしれません。しかし、非効率的なワークフローを改善し、ワークフローシステムによって自動化すれば、現状を大きく超える効率性と生産性を実現できるかもしれないのです。
誰かが変えようとしなければ、環境は変わっていきません。まずは声を上げ、ワークフロー自動化への第一歩を踏み出してください。
 

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