カスタマーサクセス(CS)のKPI15選|設定理由とポイントを解説
カスタマーサクセス(CS)とは、自社が提供する商品やサービスを通じて顧客を成功に導くことです。
カスタマーサクセスの達成を目標に掲げていても、実際は顧客を成功に導けたのかわからないこともあるでしょう。カスタマーサクセスを追究し、結果を確認するためには適切なKPIの設定が必要です。
本記事では、カスタマーサクセスとは何かをおさらいしたうえで、15個のKPIを解説します。KPIの設定理由とポイントにも触れるので、カスタマーサクセスの効果測定を行いたい方は参考にしてみてください。
カスタマーサクセス(CS)とは|顧客を成功に導くこと
カスタマーサクセスとは、自社の顧客を成功へと導くために、能動的に働きかけていくあらゆる活動を意味します。また、そうした活動を専門的に手掛ける部署を指す場合もあります。
自社が提供する商品やサービスの利用によって顧客を成功に導くことで、顧客と継続的な関係性を築くことが可能です。
その継続的関係のなかで、自社がどれだけ利益を得られたかを示すLTV(顧客生涯価値)を高めることが大きな目的とされています。
カスタマーサクセスという言葉や考え方は、2000年頃から使われはじめたといわれており、SaaSの普及とともに一気に広まりました。
さまざまなサービスをインターネット上で提供するSaaSの料金形態は、利用期間に応じて料金を支払うサブスクリプション型が一般的です。
気軽に導入できる一方、商品やサービスに満足できなければすぐに解約できるため、競合他社に流れてしまう可能性が高いわけです。SaaSの利用によってLTV(顧客生涯価値)を高めるためには、商品やサービスを長く使ってもらう必要があります。
そこで、カスタマーサクセスという考え方が生まれました。
カスタマーエクスペリエンス(CX)との違い
項目 | カスタマーサクセス | カスタマーエクスペリエンス |
目標 | 顧客の成功をサポートし、LTVの向上を狙う | 顧客と長期的な関係を構築し、LTVの向上を狙う |
実施内容 | 顧客が満足するさまざまな体験を提供し、体験の質を向上させる施策を考える | 顧客に自社の商品やサービスを長く使ってもらうために、顧客のサポートを実施およびブラッシュアップする |
顧客体験を意味するカスタマーエクスペリエンスとは、顧客が商品やサービスを認知してから購買に至るまでのプロセスで発生する体験すべてを指します。
たとえば、実店舗で商品を購入した際に受けた接客やECで商品を購入するきっかけとなった広告などです。
商品やサービスに対する顧客満足度を向上させるために、カスタマーエクスペリエンスをブラッシュアップしていくと、最終的にはカスタマーサクセスにもよい効果を与えます。そのため、カスタマーサクセスを見据えてカスタマーエクスペリエンスを構築することが大切です。
以下の記事では、カスタマーエクスペリエンスを高める方法を解説しているので、あわせてご覧ください。
カスタマーサポートとの違い
項目 | カスタマーサクセス | カスタマーサポート |
持続性 | 顧客が商品やサービスを利用している間、継続する | 顧客の課題が解決されると一度終了する |
期間の特徴 | 長期的になりやすい | 短期的になりやすい |
カスタマーサポートとは、顧客が商品やサービスに対して抱える課題や悩みを解決するためにサポートすることを指します。たとえば、顧客がSFAについて思い描いている運用ができるかどうかを問い合わせた際、対応するのがカスタマーサポートです。
カスタマーサポートは短期的になりやすいものの、顧客の課題を解決するなかで顧客満足度の向上を狙えます。また、継続利用中の顧客の課題を解決するために、カスタマーサクセスチームへつなぐことも可能です。
カスタマーサクセスでKPIを設定する理由
カスタマーサクセスでは、重要業績評価指標であるKPI(Key Performance Indicator)を設定し、定期的に効果測定を行います。
目的にあったKPIを設定することで、目標を達成するためのプロセスを定量的に評価できるようになり、実施した施策や業務の効果を可視化します。
カスタマーサクセスにおいて、KPIの設定は重要です。定量的なデータを定期的にチェックすると、カスタマーサクセス業務の課題が見つかりやすくなるためです。定期的な効果測定はやりっぱなしを防ぎ、業務を振り返るチャンスにもなります。見つかった課題を解消し、業務を改善することでLTVを向上させられます。
カスタマーサクセスに関連するKPI15選
カスタマーサクセスに関連するKPIから、15選を紹介します。
- LTV(顧客生涯価値)
- 継続率(リピート率)
- 解約率(チャーンレート)
- 顧客維持率(リテンションレート)
- 顧客単価
- アップセル・クロスセル率
- NPS(顧客推奨度)
- NRR(売上継続率)
- CSAT(顧客満足度スコア)
- CSQL(Customer Success Qualify Lead)
- アクティブユーザー数
- セッション時間
- 口コミ・レビューサイトの投稿獲得数
- オンボーディング完了率
- ヘルススコア
KPIは、使用目的にあわせて導入することが大切です。
ここでは、カスタマーサクセスの発祥の由来となったSaaSにおけるKPIに注目します。それぞれの意味と計算方法、目的を解説するので、カスタマーサクセスのKPI設定に役立ててください。
KPIの設定方法は、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
1)LTV(顧客生涯価値)
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客が自社の商品やサービスを使いはじめてから使い終わるまでの間にもたらされる利益を指します。提供サービスがサブスクリプション型SaaSの場合、計算方法は以下の通りです。
LTV=顧客単価×粗利率×平均購入回数(回/年)×平均継続期間(年) |
LTVの測定によって、カスタマーサクセスの効果を判断できます。カスタマーサクセスに取り組む際は、LTVの目標数値を設定し、LTVを高めていくために業務をブラッシュアップしていくことが大切です。
以下の記事では、LTVを向上させる方法について詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
2)継続率(リピート率)
継続率(リピート率)は、ある期間内でサービスの利用を継続している顧客の割合を指します。
サブスクリプション型SaaSでは、顧客維持率(リテンションレート)と同様に扱われることもありますが、厳密には異なります。
計算方法は以下の通りです。
継続率=(ある期間の終了時の継続顧客数÷ある期間の開始時の継続顧客数)×100 |
継続率が高いほど、顧客はサービスに満足しているといえるため、顧客満足度の指標の1つとして用いることが可能です。
以下の記事では、継続率を向上させるための施策を解説しているので、あわせてご覧ください。
3)解約率(チャーンレート)
解約率(チャーンレート)とは、総顧客のうち、解約を選んだ顧客の割合を指します。
解約率にはいくつか種類があり、SaaSの場合関連する指標は以下の2つです。
- 3-1)カスタマーチャーンレート
- 3-2)レベニューチャーンレート
サブスクリプション型は売り切り型と異なり、一定期間ごとに契約を更新するか解約するかを顧客が選択します。顧客満足度が低いと解約される可能性が高くなるため、カスタマーサクセスの指標として重要です。
なお、解約時には、以下のように解約理由をフィードバックしてもらうことも大切です。
- サービスの内容に不満がある
- コストパフォーマンスが悪い
- より優秀な他社製品がある
顧客の声をすくい上げて今後に活かせれば、今以上に顧客に寄り添ったサービスを提供できます。
以下の記事では、解約率を下げる方法を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
3-1)カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートは、顧客数をベースとした解約率で、以下の計算方法で算出します。
解約率=(ある期間で解約した顧客数÷ある期間以前の顧客総数)×100 |
料金プランが1つしかないSaaSの場合は、カスタマーチャーンレートをチェックするだけでも十分でしょう。
3-2)レベニューチャーンレート
レベニューチャーンレートとは、売上や収益をベースとした解約率で、以下の種類があります。
項目 | グロスレベニューチャーンレート | ネットレベニューチャーンレート |
意味 | 解約によって失った収益をベースとした解約率 | 解約によって失った収益とアップセル・クロスセルで増加した収益をベースとした解約率 |
計算方法 | グロスニューチャーンレート=(ある月に失った収益÷月初の収益)×100 | ネットレベニューチャーンレート={(ある月に失った収益-増加した収益)÷月初の収益}×100 |
4)顧客維持率(リテンションレート)
顧客維持率(リテンションレート)は、ある期間内で維持できた顧客の割合を指します。
計算方法は以下の通りです。
顧客維持率={(ある期間の終了時の顧客数-ある期間の新規顧客数)÷ある期間開始時の顧客数}×100 |
計算式中の「ある期間」は、任意で設定できます。カスタマーサクセスでは、顧客に長くサービスを使ってもらうことを目的としています。「ある期間」を半年間あるいは1年間に設定し、顧客維持率の変化を見ることでカスタマーサクセスの業務を評価可能です。
以下の記事では、顧客との関係を維持するためのリテンションマーケティングについて解説しているので、あわせてご覧ください。
5)顧客単価
顧客単価とは、顧客が一度に支払う金額のことです。
サブスクリプション型SaaSの場合毎月購買が発生するうえ、プランのアップグレードやダウングレードがあるため、顧客単価が変動しやすいといえます。
計算方法は以下の通りです。
顧客単価=ある期間の売上÷総顧客数 |
顧客単価は、カスタマーサクセスの目標であるLTVの算出に必要です。
顧客単価の向上はLTVの向上につながります。したがって、顧客単価の向上を目指すマーケティング施策を評価する指標としても用いられます。
6)アップセル・クロスセル率
アップセル・クロスセル率とは、総顧客のなかでアップセルやクロスセルに至った顧客の割合を指します。
アップセルとクロスセルの意味と計算方法は、以下の通りです。
項目 | アップセル | クロスセル |
意味 | 顧客が利用中のプランからより単価の高いプランへ移行を促すこと | 顧客が利用中のプランのオプションや関連サービスの購入を促すこと |
計算方法 | アップセル率=アップセルした顧客数÷総顧客数 | クロスセル率=クロスセルした顧客数÷総顧客数 |
アップセル・クロスセルによって、顧客単価を向上させられるため、カスタマーサクセスにおいて重要な指標です。
顧客とよりよい関係を築き、顧客の課題をさらに解決していくためにも適切なアップセルやクロスセルが求められます。
以下の記事では、アップセルとクロスセルに導く方法について解説しているので、参考にしてみてください。
7)NPS(顧客推奨度)
NPS(顧客推奨度)とは、利用しているサービスを提供する企業に対する愛着や信頼をあらわす顧客ロイヤルティの指標の1つです。
NPSを測定する際は、利用しているサービスを周囲の人間にどの程度勧めたいかをあらわす推奨度を、顧客に10段階で評価してもらいます。評価によって、顧客を以下の3種類に分類し、顧客ロイヤルティを測定します。
- 0~6点をつけた人:批判者
- 7~8点をつけた人:中立者
- 9~10点をつけた人:推奨者
計算方法は以下の通りです。
NPS=推奨者の割合-批判者の割合 |
NPSの向上がLTVの向上につながると考えると、カスタマーサクセスにおいて重要な指標といえます。
NPSについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
8)NRR(売上継続率)
NRR(売上継続率)とは、顧客がサービスの利用のために支払っている料金を調査し、前年比や前月比を算出することで、どれだけ維持できているかを測定する指標です。
サブスクリプション型SaaSの場合、利用プランのアップグレードやダウングレードによって使用料が変動するため、顧客全体の利用料の変動を見るためにも用いられます。
計算方法は、以下の通りです。
NRR=月初のMRR+(既存顧客のアップセル/クロスセルによる月間収益-解約した顧客によって損失した月間収益-既存客のダウングレードによって損失した月間収益)÷月初のMRR×100 |
MRRとは、毎月固定で得られる収益を指します。NRRを把握するためには、MRRを算出しておく必要があります。
MRRについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
9)CSAT(顧客満足度スコア)
CSAT(顧客満足度スコア)は、顧客満足度を測定し、可視化する指標の1つです。
顧客満足度調査をはじめとするアンケート調査によって測定します。もっとも簡単な計算方法は、以下の通りです。
CSAT=(アンケート調査で「満足」と回答された数÷アンケート調査の総回答数)×100 |
CSATが高いと、顧客はカスタマーサクセスに満足していると捉えられます。CSATは、カスタマーサクセスの課題を見つける際に活用できます。
10)CSQL(Customer Success Qualify Lead)
CSQL(Customer Success Qualify Lead)とは、カスタマーサクセスの施策によって生成された、アップセルやクロスセルの対象となる精度の高い見込み客を指します。
他の指標とは異なり、数値化できる計算方法はありません。
カスタマーサクセスでは、顧客単価の向上が目標の1つとなるため、顧客をアップセルやクロスセルにつなげる必要があります。CSQLは、顧客のなかでもアップセルやクロスセルによって顧客単価が向上する見込みが高いため、優先的に働きかけることが大切です。
まずは、カスタマーサクセスサービスによって顧客をCSQLに育成し、顧客をアップセルやクロスセルに導きましょう。
11)アクティブユーザー数(AU)
アクティブユーザー数(AU)とは、現在サービスを利用している顧客数のことです。アクティブユーザー数が多いほど、サービスが多くの顧客に使われていることを意味します。
アクティブユーザー数には、以下の種類があります。
アクティブユーザー数の種類 | DAU | WAU | MAU |
意味 | 1日あたりのアクティブユーザー数 | 1週間あたりのアクティブユーザー数 | 1ヵ月間あたりのアクティブユーザー数 |
計算方法 | DAU率=1日あたりのアクティブユーザー数÷全ユーザー数 | WAU率=1週間あたりのアクティブユーザー数÷全ユーザー数 | MAU率=1ヵ月間あたりのアクティブユーザー数÷全ユーザー数 |
それぞれのアクティブユーザー数を確認することも大切ですが、それぞれの全ユーザー数に対する割合と変動を見ることも大切です。たとえば、サービスリリース後にダウンロード数が増えても、DAUが低ければ長期的な収益が見込めない可能性があります。
カスタマーサクセスサービスによってDAUを改善できれば、長期的な収益につなげられます。
12)平均セッション時間
SaaSにおいて重要となるセッション時間とは、顧客がサービスを利用している時間の平均を指します。平均セッション時間が長いほど、顧客はサービスに満足しているといえるでしょう。反対に平均セッション時間が短い場合は、顧客がサービスに利用価値を感じていないため、解約リスクが高まります。
計算方法は以下の通りです。
平均セッション時間=セッション時間の合計÷サービスの利用者数 |
顧客がサービスの使い方をよくわかっていないと、平均セッション時間が短くなります。平均セッション時間を延ばすためには、サービスの利用開始段階でオンボーディングによって顧客に使い方を熟知させるといった手法が有効です。
13)口コミ・レビューサイトの投稿獲得数
口コミ・レビューサイトの投稿獲得数や評価の高さは、カスタマーサクセスの指標に1つになり得ます。
もっとも簡単な測定方法は、ある期間内に獲得したレビュー数をカウントすることです。
顧客の生の声である口コミやレビューのなかでもマイナスのレビューは、サービスの具体的な改善点を見つける際に役立ちます。プラスの評価が増えるように、サービスを充実させていくことで、LTVや顧客満足度の向上を狙えます。
14)オンボーディング完了率
オンボーディングとは、顧客がサービスの利用開始時点でスムーズに扱えるようサポートすることを指し、カスタマーサクセスサービスの1つです。オンボーディング完了率は、オンボーディングを提供している顧客に対して、自社が設定したオンボーディングのゴールに到達した顧客の割合を指します。オンボーディングの効果を測定できる指標の1つといえます。
計算方法は以下の通りです。
オンボーディング完了率=(自社が設定したオンボーディングのゴールに到達した顧客数÷オンボーディングを提供している顧客数)×100 |
オンボーディング完了率を上げることで、顧客がスムーズにサービスを利用できるようになるため、解約リスクの抑制効果を見込めます。オンボーディングをブラッシュアップし、完了率が高まると、LTVの向上にもつながります。
オンボーディングの概要については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
15)ヘルススコア
ヘルススコアとは、顧客のサービス利用状況を数値化した指標です。ヘルススコアをチェックすることで、顧客がサービスを継続してくれるかどうかを判断できます。ヘルススコアが低い場合は、解約リスクが高い状態です。
ヘルススコアの基準には、アクティブユーザー数やNPSなどを用います。複数指標を組みあわせ、100点満点となるように点数を設定することで、ヘルススコアを可視化できます。
ヘルススコアを高めるカスタマーサクセスサービスを構築することで、LTVの向上を狙うことが可能です。
カスタマーサクセスのKPI設定のポイント
カスタマーサクセスのKPIを設定する際は、以下のポイントに留意してみてください。
- 自社に合った指標を選ぶ
- 短期的に対応できるKPIを設定する
- そのKPIが適切か、常に検証する
- カスタマーサクセスのKPIを達成するしくみを作る
自社のカスタマーサクセスを評価できる指標を設定できたら、評価と改善を繰り返すことで、質を高めることが可能です。
自社に合った指標を選ぶ
どの指標をKPIに設定するかは非常に重要です。
たとえば、複数の商品を扱っている場合、以下のような目標ごとに適切な指標が異なります。
- 全体的な底上げをしたい
- 特定の商品に注力したい
- 成約間もない顧客を手厚くケアして優良顧客に育てたい
- それとも優良顧客向けのアップセルを強化したい
会社の方針や業務状況、扱う商品によって、適切なKPIは変わってくるのです。
そのため、KPI設定を行う前に「どの要素を伸ばしたいのか」を決めておくことが大切です。それに沿った指標をKPIに設定することで、目的に合った業績を正しく評価できるでしょう。
短期的に対応できるKPIを設定する
KPIを設定する理由は、業績を評価することです。評価はを分析、改善しなければ、KPIを設定する意味がありません。分析と改善には、いずれも時間がかかり、結果が出るまでには、さらに時間がかかります。これではタイムラグが長くなるばかりで、顧客離れが進むため危険です。
そのため、KPIには、短期的に対応できるものを選ぶことがポイントです。測定にある程度の期間が必要な指標を使う場合は、それを補う短期指標を併用するといいでしょう。KPIの動きを見ながら、短期間でPDCAを回していける指標を設定することが大切です。
そのKPIが適切か、常に検証する
KPIは「一度決めたら、それで固定」というものではなく、定期的に見直し、変更していくものです。
当初設定したKPIが、実際に回してみたらあまり実状を反映していなかったということは、少なくありません。むしろ、最初から完璧なKPI設定ができるケースのほうが少ないでしょう。適切でないKPIをそのまま使い続けていると、KPIを設定した意味が薄れてしまううえ、改善しても、期待した効果が得られません。
そのため、一般に広く使われている数値をKPIに設定したとしても、そのKPIが妥当かどうか、常に検証することが大切です。もしも妥当でないと判断したら、ほかの数値に差し換えたり追加したりしながら、修正していきましょう。
カスタマーサクセスのKPIを達成するしくみを作る
LTVを高めるための適切なKPIが設定できたら、達成するための行動に落とし込みます。たとえば、アップセル・クロスセルのタイミングを測るためには、顧客ごとにどのような機能がよく使われているのかをチェックし、具体的な行動に移します。
KPIは設定するだけでは意味がなく、達成するために行動することが不可欠です。そのためには、KPIの下に、施策レベルにまで落とし込んだサブKPIを設けておき、その数値を追いかけることでKPI達成に近づけるというしくみを作っておくと、達成するべきKPIのためにやるべきことが明確になります。
たとえば、解約率をKPIとした場合は、初回ログイン率やアクティブ率がサブKPIとなります。
まとめ:最適なKPIを設定しカスタマーサクセスを成功させよう
カスタマーサクセスによってLTVを高めるためには、最適なKPIを設定する必要があります。そして、評価と改善を繰り返すことで、サービスの質を高めていくことが大切です。
KPIを設定するうえで必要な数値を回収する際、手作業では膨大な手間と時間がかかるためおすすめできません。日頃から顧客データを回収、蓄積できるSFA/CRMツールを活用すると、必要な指標を自動で計算してくれるので業務の効率化につながります。
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