コールセンターの応答率とは?目安や計算方法、低下の原因と高める方法
ここでは、応答率とはどのような指標なのか、応答率を高めるためのポイントについて解説します。
コールセンターの応答率とは、問い合わせやクレームのために顧客がかけた電話に、どれだけ対応できたかを示す指標
コールセンターでは、さまざまな数値が業務状況を示す指標として使われています。応答率はそのうちのひとつで、問い合わせやクレームのために顧客がかけた電話に、どれだけ対応できたかを示す指標です。いわば、「つながりやすさ」を表す数値といえます。
この応答率は、下記の計算式で算出できます。
応答率=対応件数÷着信件数×100
応答率は短いスパンで測定する
ですから、応答率を計測するなら、30分あるいは1時間ごとに区切り、その中でどれだけ応答できたかを算出することをおすすめします。
応答率の数値をどう読み解くか?
応答率は、高いに越したことはありません。しかし、さまざまな理由で下がるケースはあります。 ひとつは、新商品の発売やキャンペーンの開始などによって、着信数が急増した場合。これは一時的なものですし、事前に予測できる事象です。
もうひとつは、コールセンターに何らかの問題が起こっている場合。このケースでは、早急に原因を突きとめ、改善しなくてはなりません。こうしたコールセンターの現状は、ある程度、応答率によって読み解くことができます。
<応答率から読み解けるコールセンターの状況>
- 応答率90%以上
ほぼすべての着信に対応できている状況です。 - 応答率80~90%未満
電話をかけてきた顧客が「つながりにくいな」と感じ始めるレベルです。コールセンターとしては、最低でもこのレベルを維持しないと、クレームにつながるおそれがあります。 - 応答率50~80%未満
着信に対してオペレーターの対応が追いついていない状況で、人員不足や対応時間が長いなどの要因が考えられます。オペレーターの負荷が大きくなりすぎ、疲労しているかもしれません。 - 応答率50%未満
「いつ電話してもつながらない!」と顧客が怒りを感じるレベルです。そのまま自社から離れてしまうことも十分ありえます。こうなる前に手を打つことが重要です。
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なぜコールセンターの応答率を高める必要があるのか?
応答率をどうやって高めるか考える前に、「なぜ応答率は高いほうが良いのか」「なぜ向上を図る必要があるのか」をきちんと理解しておくことが大事です。
コールセンターは企業にとって、顧客との重要な接点です。そこでの対応ひとつで、顧客の自社に対する印象は、良くも悪くも変化します。たとえ少々待たせたとしても、電話がつながり、疑問や問題を解決できれば、顧客は「これでひと安心だな」と思うでしょう。
しかし、何度かけても電話がつながらなかったら、顧客はもう電話をかけてきてはくれません。自社に対する好意は薄れ、競合他社に流れる可能性が高くなります。
そうした事態を防ぐために、応答率の向上が重要になるのです。
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コールセンターの応答率を下げないための2つの注意点
それでは、どのようにすれば応答率を高めることができるのでしょうか。続いては、応答率を高めるためのポイントをご紹介します。
<応答率を下げないための2つの注意点>
- 現状を把握する
- 目標を設定しておく
現状を把握する
応答率が低い状況を言い換えれば、「その時点で対応できるオペレーターの数が足りていない」ということになります。なぜ、そのような状況になっているのか、原因を把握することが大切です。 一般的に考えられる原因としては、下記のようなものが挙げられます。
<応答率が低い原因>- オペレーターの人員不足
- 離席中のオペレーターが多い
- 着信に対する対応時間が長い
目標を設定しておく
まずは、「少なくともこのレベルの応答率は必要」というラインを設定して、いかにしてそこに近づいていくかを考えましょう。
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コールセンターの応答率向上のための3つの具体策
応答率が伸びない要因がわかったら、それに合わせて具体策を打ち出していきましょう。最後に、応答率を向上させるために考えられる3つの具体策をご紹介します。
<応答率向上のための3つの具体策>
- 適切な人員配置を行う
- 対応時間を短縮し、時間効率を高める
- コールセンターシステムを活用する
適切な人員配置を行う
応答率が低いというのは、その時点で対応できるオペレーターの人数が十分ではないということですから、勤務日の調整や休憩時間の配分など、人員配置の調整によって改善することが可能です。
そうした調整を行っても、まだ人数が足りないという場合には、オペレーターの増員を検討してもいいかもしれません。ただしその場合、着信件数が少ない曜日や時間帯に人員過剰になってしまわないか、チェックが必要でしょう。
対応時間を短縮し、時間効率を高める
ただし、対応時間の短縮を意識するあまり、ユーザーの言葉をさえぎったり、早口になったりすると、顧客満足度が大きく下がる要因になります。ですから、会話はゆっくり確実な対応を行い、電話を切ってからの後処理の効率化によって、時間短縮を図るようにしましょう。
コールセンターシステムを活用する
コールセンターシステムは、着信と同時に、電話番号からユーザーの情報を表示させたり、通話しながらデータベースから問題の解決法を検索したりと、オペレーターをサポートする多くの機能があります。また、通話内容をモニタリングして品質管理に役立てるなど、マネージャーにとっても便利な機能を備えていたり、顧客情報を管理するツールであるCRMと連携して、これまでの購入履歴などを一元管理・閲覧できたりするシステムもあります。
こうしたシステムを活用すれば、応答率はもちろん、コールセンター全体のパフォーマンスを底上げすることが可能です。
コールセンターの応答率の向上が顧客満足度の向上に結びつく
コールセンターにはさまざまな問題や課題がありますが、まず「つながること」を考えることが顧客の利便性を高め、顧客満足度の向上に結びつきます。
ひいては、顧客からの信頼を集め、自社の価値を高めることにもつながるのです。
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