コールセンターの応答率とは?目安や計算方法、低下の原因と高める方法

 
最終更新日:2024.4.3
顧客からの問い合わせやクレームの窓口であるコールセンターでは、電話のつながりやすさ、つまり応答率が重要な指標です。顧客がコールセンターに電話を入れ、いつまでもつながらないという状態になれば、離脱のリスクはますます大きくなります。
ここでは、応答率とはどのような指標なのか、応答率を高めるためのポイントについて解説します。
 
 

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コールセンターの応答率とは、問い合わせやクレームのために顧客がかけた電話に、どれだけ対応できたかを示す指標

コールセンターでは、さまざまな数値が業務状況を示す指標として使われています。応答率はそのうちのひとつで、問い合わせやクレームのために顧客がかけた電話に、どれだけ対応できたかを示す指標です。いわば、「つながりやすさ」を表す数値といえます。
この応答率は、下記の計算式で算出できます。

<応答率の計算式>
応答率=対応件数÷着信件数×100

応答率は短いスパンで測定する

コールセンターへの入電本数は、時期や曜日によって異なりますし、1日のうちでも偏りがあるものです。かかってきた電話にほぼ100%対応できる時間帯があれば、電話が立て込んでしまって半分も対応できないという時間帯もあります。
ですから、応答率を計測するなら、30分あるいは1時間ごとに区切り、その中でどれだけ応答できたかを算出することをおすすめします。

応答率の数値をどう読み解くか?

応答率は、高いに越したことはありません。しかし、さまざまな理由で下がるケースはあります。 ひとつは、新商品の発売やキャンペーンの開始などによって、着信数が急増した場合。これは一時的なものですし、事前に予測できる事象です。
もうひとつは、コールセンターに何らかの問題が起こっている場合。このケースでは、早急に原因を突きとめ、改善しなくてはなりません。こうしたコールセンターの現状は、ある程度、応答率によって読み解くことができます。

<応答率から読み解けるコールセンターの状況>

  • 応答率90%以上
    ほぼすべての着信に対応できている状況です。
  • 応答率80~90%未満
    電話をかけてきた顧客が「つながりにくいな」と感じ始めるレベルです。コールセンターとしては、最低でもこのレベルを維持しないと、クレームにつながるおそれがあります。
  • 応答率50~80%未満
    着信に対してオペレーターの対応が追いついていない状況で、人員不足や対応時間が長いなどの要因が考えられます。オペレーターの負荷が大きくなりすぎ、疲労しているかもしれません。
  • 応答率50%未満
    「いつ電話してもつながらない!」と顧客が怒りを感じるレベルです。そのまま自社から離れてしまうことも十分ありえます。こうなる前に手を打つことが重要です。

なぜコールセンターの応答率を高める必要があるのか?

応答率をどうやって高めるか考える前に、「なぜ応答率は高いほうが良いのか」「なぜ向上を図る必要があるのか」をきちんと理解しておくことが大事です。

コールセンターは企業にとって、顧客との重要な接点です。そこでの対応ひとつで、顧客の自社に対する印象は、良くも悪くも変化します。たとえ少々待たせたとしても、電話がつながり、疑問や問題を解決できれば、顧客は「これでひと安心だな」と思うでしょう。

しかし、何度かけても電話がつながらなかったら、顧客はもう電話をかけてきてはくれません。自社に対する好意は薄れ、競合他社に流れる可能性が高くなります。
そうした事態を防ぐために、応答率の向上が重要になるのです。

 
 

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コールセンターの応答率を下げないための2つの注意点

それでは、どのようにすれば応答率を高めることができるのでしょうか。続いては、応答率を高めるためのポイントをご紹介します。

<応答率を下げないための2つの注意点>

  • 現状を把握する
  • 目標を設定しておく

現状を把握する

応答率が低い状況を言い換えれば、「その時点で対応できるオペレーターの数が足りていない」ということになります。なぜ、そのような状況になっているのか、原因を把握することが大切です。 一般的に考えられる原因としては、下記のようなものが挙げられます。

<応答率が低い原因>
  • オペレーターの人員不足
  • 離席中のオペレーターが多い
  • 着信に対する対応時間が長い

目標を設定しておく

応答率をどのくらいにしたいのか、その目標値を設定しておきましょう。現在の応答率をどれほど向上させるのか、その到達点があいまいではモチベーションが高まりませんし、必要な策も見えにくくなってしまいます。
まずは、「少なくともこのレベルの応答率は必要」というラインを設定して、いかにしてそこに近づいていくかを考えましょう。

コールセンターの応答率向上のための3つの具体策

応答率が伸びない要因がわかったら、それに合わせて具体策を打ち出していきましょう。最後に、応答率を向上させるために考えられる3つの具体策をご紹介します。

<応答率向上のための3つの具体策>

  • 適切な人員配置を行う
  • 対応時間を短縮し、時間効率を高める
  • コールセンターシステムを活用する

適切な人員配置を行う

着信件数は、曜日や時間帯によって差があります。あらかじめ状況を予測しておき、それに合わせた人員配置を行うことで、応答率の向上に貢献できます。
応答率が低いというのは、その時点で対応できるオペレーターの人数が十分ではないということですから、勤務日の調整や休憩時間の配分など、人員配置の調整によって改善することが可能です。
そうした調整を行っても、まだ人数が足りないという場合には、オペレーターの増員を検討してもいいかもしれません。ただしその場合、着信件数が少ない曜日や時間帯に人員過剰になってしまわないか、チェックが必要でしょう。

対応時間を短縮し、時間効率を高める

1件あたりの着信に、後処理も含めてどれほどの時間をかけているか。これは、平均処理時間(AHT)という指標で表します。この平均処理時間が小さければ、着信1件に対してより短時間で対応できていることになりますから、次の着信を取りやすくなり、結果的に応答率を高めることにつながります。
ただし、対応時間の短縮を意識するあまり、ユーザーの言葉をさえぎったり、早口になったりすると、顧客満足度が大きく下がる要因になります。ですから、会話はゆっくり確実な対応を行い、電話を切ってからの後処理の効率化によって、時間短縮を図るようにしましょう。

コールセンターシステムを活用する

コールセンター業務に必要な機能を詰め込んだコールセンターシステムを導入すれば、コールセンターを悩ませる問題の多くは改善あるいは解決されるでしょう。
コールセンターシステムは、着信と同時に、電話番号からユーザーの情報を表示させたり、通話しながらデータベースから問題の解決法を検索したりと、オペレーターをサポートする多くの機能があります。また、通話内容をモニタリングして品質管理に役立てるなど、マネージャーにとっても便利な機能を備えていたり、顧客情報を管理するツールであるCRMと連携して、これまでの購入履歴などを一元管理・閲覧できたりするシステムもあります。
こうしたシステムを活用すれば、応答率はもちろん、コールセンター全体のパフォーマンスを底上げすることが可能です。

コールセンターの応答率の向上が顧客満足度の向上に結びつく

顧客からすると「困ったときにすぐに電話がつながるかどうか」は、非常に大きな問題です。
コールセンターにはさまざまな問題や課題がありますが、まず「つながること」を考えることが顧客の利便性を高め、顧客満足度の向上に結びつきます。
ひいては、顧客からの信頼を集め、自社の価値を高めることにもつながるのです。
 
 

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