メルマガとは?配信知識や種類、効果測定方法といった基礎知識を紹介

 
最終更新日:2024.4.8

多くの企業で行われているメールマーケティング。中でもメールマガジンは、低コストで始められるハードルの低さから、ほとんどの企業で活用されています。しかし、作り方や使い方を間違えてしまうと、逆効果にもなりかねません。

ここでは、メルマガの役割や種類、効果測定の方法、送付する際の注意点といった、メルマガ施策を始める際に知っておきたい基礎知識について解説していきます。

 
 
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ビジネスにおけるメルマガの役割とは?

ネットショップで買い物をしたり、ツールのデモ版をダウンロードしたりすると、定期的に送られてくるメルマガ。新聞の折り込みや郵便受けに投げ込まれたチラシのように、現代人にとってはごく日常的なものといえるでしょう。
しかし、メルマガとは何か、その役割はどこにあるのか、改めて考えてみると、即座に答えられる人は多くないかもしれません。それでも発信する企業にとっては、使い方次第で極めて有効なツールとなります

メルマガはプッシュ型のナーチャリングツール

メルマガは、メールを活用したマーケティングツールのひとつです。その内容や配信するタイミング、配信先のセグメントなど、すべて配信元でコントロールできます。これが、メルマガの最大の特徴といえます。
メルマガに、目的に沿った内容を盛り込み、最適なタイミングで配信することで、その効果はさらに高まるでしょう。反対に、メルマガの内容が目的とずれていたり、配信のタイミングが悪かったりすれば、効果は落ちてしまいます。また、メルマガを配信するには、法律上、本人の承諾や要求が不可欠ですので、ここにも注意が必要です。

こうした難しさはありますが、企業側がコントロールできるプッシュ型のツールであること、見込み顧客であるターゲット層に幅広く情報発信できることなど、ナーチャリングツールとして優れた可能性を秘めています。

BtoBでのメルマガの役割と特徴

メルマガは、BtoBとBtoCとで、その役割や特徴が異なります。そうした違いは、購入プロセスの違いや顧客が要求する要素などの違いから生まれます。

BtoBの場合、購買決定までのプロセスが複雑で、複数の人間が関わります。そのため、検討期間が長くなることが多いものです。また、検討材料として機能やスペック、コストや導入事例など、多くの情報を集めなくてはなりません。もちろん、競合品との比較もされるでしょう。
そのため、メルマガは十分な情報を提供するものでなくてはなりません。中でも重要なのは、その製品によって「やりたいことができるようになるか」「業務の効率化が図れるか」「コストパフォーマンスは十分か」という点でしょう。
購入することで生まれる価値を明確に訴求することが、BtoBでのメルマガの特徴といえます。

 
 
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BtoCでのメルマガの役割と特徴

BtoCの場合、購入を決定するのは個人です。高額商品や耐久消費財でなければ、購入決定までの時間は短く、そのプロセスも単純で、購買意欲が高まると、あまり間を置かずに購入する傾向があります。ですから、BtoCでのメルマガでは、週末や連休中、給料日後など、購買意欲が高まるタイミングをつかむことが大切です。

また、メルマガの内容についても、「週末限りの特別価格」「メルマガ会員限定情報」といった文言を使い、特別感を演出するなどといったムードづくりが必要でしょう。
BtoCのメルマガでは、新商品やセール、クーポンなどの情報を伝えるという役割のほか、ブランドイメージの醸成という一面も担っています。そのため、情報一辺倒ではなく、画像や動画など、読者の感情に訴える要素も重要です。

目的ごとのメルマガの種類

BtoBとBtoCでは、メルマガの役割や特徴には違いがあります。そうした違いを踏まえた上で大切なのは、そのメルマガの目的は何かということを、はっきりさせておくことです。その上で、それぞれの目的に沿った内容構成にし、送信先とタイミングを計って配信することがポイントとなります。
続いては、目的に応じたメルマガの種類について見ていきましょう。

信頼を高める「ブランディングメール」

自社および自社ブランドのイメージを醸成するのが、ブランディングメールです。
市場に存在する多くの競合の中から自社製品やサービスを選んでもらうためには、自社ブランドを訴求し、好意を持ってもらうことが必要です。画像やデザインの自由度が高いメールはブランディングツールとして適していますし、狙ったセグメントに定期的にアプローチすることで、読者との接触時間を増やし、距離感を縮めて信頼感を高めることにも役立ちます。
また、メルマガ配信システムを活用することで、開封率や掲載したURLへのクリック率など、読者がどのような行動を起こしたのかを分析して、さらに洗練されたブランディングにつなげることができます。

サイトに誘導する「ダイレクトメール」

主に販促のために使われるのがダイレクトメールです。ブランディングメールはイメージ先行ですが、こちらはサイトへの誘導が目的となるため、新商品や限定セールなどの情報が中心となります。また、ショートコラムを掲載したりクイズを掲載するなどして、その続きをWebで展開することで、自社サイトへの誘導を図ることもできます。
メルマガの多くは、ブランディングメールとダイレクトメール、それぞれの要素を併せ持っていますが、そのバランスはケースバイケースとなります。セグメントに合わせて、あるいは読者の反応を見ながら、柔軟に調整していきましょう。

見込み顧客を育成し行動を促す「ステップメール」

ステップメールは、本来の意味ではメルマガとはいえません。しかし、MA(マーケティングオートメーション)の普及とともに、有効なメールマーケティング手法として、活用が広がりつつあります。
ステップメールは見込み顧客の行動に合わせて、最適なメッセージを送信する手法です。たとえば、サンプル請求があったら、すぐにサンクスメールを送信する。その4日後に、商品の到着確認のメールを送る。10日後に、より効果的な使い方などを紹介する…。このようにステップを踏んで、見込み顧客とのコミュニケーションを深めていきます。
見込み顧客の行動を起点にしているため、効率的なフォローアップができるというのが、ステップメールの大きな特徴です。

メルマガの効果を測定するKPI

どのようなメルマガでも、配信して終わりとなってはいけません。その結果を次に活かし、ブラッシュアップを重ねていくことが大切です。
そのためには、KPIの設定がカギとなりますが、メルマガに関連するKPIはいくつかあります。これらの数値を配信ごとに集計し、分析しておきましょう。そして、継続的に数値を追跡しながら、メルマガに盛り込む記事の内容や構成、ボリューム、さらには配信するタイミングなどを調整していくことが大切です。

配信数

ほかにどのようなKPIを設定するにしても、すべての母数となるのが配信数です。この配信数が少なすぎると、開封率やクリック率などの数値がぶれやすく、データの正確さが損なわれてしまいます。
ですから、Webとリアルの両面にわたる営業活動で、メール送信可能な見込み顧客をできるだけ多く集めることが重要です。

送信成功率・エラー率

全配信数に対して、確実に送信できたメールの比率が送信成功率です。裏を返すと「送信したメールのうち、どれほどエラーが発生したか」という、エラー率として表現することもできます。
配信するメールアドレスの間違いなどによる恒久的なエラーを放置しておくと、送信先のサーバーやインターネットサービスプロバイダ(ISP)などによって迷惑メールと判定される可能性があります。こうなると、配信したメルマガは自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられ、ユーザーの目にふれることがなくなってしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、送信成功率やエラー率を監視しておくとともに、送信リストを常にきちんと保つことが大切です。

開封率

開封率とは、受信されたメルマガが開封された比率のことをいいます。一斉配信のメルマガの開封率は20%前後といわれますが、これは扱う商材やコンテンツの内容、送信対象によって変わってきます。また、PCよりもスマートフォンのほうが、開封率が高いという傾向も見られます。
メルマガのタイトルや配信時刻も開封率を左右する要素のひとつです。メルマガの内容を反映した上で、できるだけ絞り込んだタイトルをつけることで開封率は上げられますし、平日の朝に配信すれば、出勤の電車内でチェックするという行動を期待することができます。これも、商材や送信対象によって変化する部分ですから、配信の度にデータを分析し、調整していく必要があります。

クリック率(CTR)

メルマガ内のURLがクリックされた比率がクリック率(CTR)です。これも、さまざまな要因によって上下する数値ですが、おおよそ開封率の10%が目安です。ですから、開封率が20%ならば、クリック率は2%から3%というのが一般的です。
メルマガに設置したURLを踏んでもらうことで、ユーザーを自社サイトに誘導することができるのですから、このクリック率をいかに上げるかということは、メールマーケティングにおいて重要なミッションです。これは、ユーザーの興味を刺激し、関心を呼ぶ内容と表現が求められる部分です。
また、メール文面のレイアウトが崩れているとクリック率が低下する傾向がありますから、配信前にいくつかの環境でチェックを行うようにしてください。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR)は、企業側が意図したメルマガの目的、たとえば問い合わせや商品購入、サンプル請求などの行動を起こしたユーザーの比率です。クリック率のさらに10分の1程度を目安にするといいでしょう。
コンバージョン率はメルマガ配信の最終的な成果であり、ほかのKPIの分析とそれを基にした改善は、すべてこの数値を高めるために行われます。コンバージョン率を高めるためにクリック率を改善し、開封率を向上させ、さらに母数となる配信数を増やす…という具合です。

メルマガを配信する施策を実施する際のメリット

メルマガ配信は、低コストで効率的にターゲット顧客へ直接アプローチできる施策です。情報をスピーディーに更新・配信可能であり、顧客の関心に基づいたカスタマイズされたコンテンツを提供することで、顧客との関係強化に寄与します。この継続的なコミュニケーションは、顧客の購買意欲を刺激し、長期的なロイヤルティの構築に役立ちます。
 
 
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メルマガ施策を実施する際の注意点

メルマガ施策を実践する際には、注意したい点がいくつかあります。ポイントをしっかり押さえておくことでメルマガの効果を高め、効率良く成果につなげることができます。

目的と送信先の属性がずれていないか

メルマガにはそれぞれ目的があります。ですから、配信にあたっては、「誰に、どのようなメルマガを届けるのか」が重要になります。目的と送信先の属性がずれたままの状態では、せっかくのメルマガも効果を上げられません。それどころか、送信先のユーザーから、「このメルマガは役に立たないし、興味もないな」とそっぽを向かれてしまうことにもなりかねません。
見込み顧客を引き込みたいのか、リピーターを育成したいのか、優良顧客にさらなる情報やサービスを提供したいのか。セグメント化された配信リストを用意しておき、目的に合った送信先に配信することで、施策の効果をさらに高めることができます。

配信頻度とタイミングを検討する

メルマガをどれくらいの頻度で配信するか、また配信日時の設定をどうするか。これは、メルマガの目的や性格によって異なり、すべてに共通するセオリーは存在しません。頻繁に配信すれば、より多くの反応が期待できそうですが、送信先にうるさがられて購読停止を誘発するリスクもあります。
メルマガは、発信側がコントロールできる媒体であり、その目的はコンバージョン率の最大化です。「1人でも多くの人に読んでもらう」ことも重要ですが、それは最終目的ではありません。
ですから、まずは「2週間に1回、午前8時配信」などと決めておき、配信の度に結果を分析して、調整していくことです。セグメントに応じて最適な頻度とタイミングを設定できれば、なお良いでしょう。

継続的にブラッシュアップしていく

メルマガは、常にブラッシュアップすることで、成果を高めることができます。記事の内容や構成、タイトルのつけ方はもちろん、前項でふれた配信頻度とタイミングも同様です。結果を集計・分析し、次の施策に活かすようにしましょう。
どのような設定なら効果が最大化されるか、常に探っていくことが大切です。

特定電子メール法に抵触しないようにする

日本では、営利目的での広告や宣伝のためにメール送信を行う場合、迷惑メールを排除するために、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)が施行されています。一般的に行われるメルマガ配信はこの法律の適用範囲ですから、十分な注意が必要です。
ポイントとなるのは「オプトイン」「オプトアウト」「必要な情報の表示」の3点です。

  • オプトイン
    オプトインとは、メールの送信先に対して、事前に送信の同意あるいは希望を得る必要があることです。たとえ商品の購入などがあったとしても、それとは別にメール送信への同意を得る必要があります。
  • オプトアウト
    オプトアウトとは、メールの受信者が配信停止を希望した際には、それ以降のメール配信を行ってはならないことです。そのため、配信メールの中に、配信停止のための連絡先やリンクを設置しておく必要があります。
  • 必要な情報の表示
    配信するメールには、送信責任者の氏名または名称と住所のほか、問い合わせのための電話番号やメールアドレスを表示しておかなくてはなりません。

詳細については、総務省が「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」を定めています。メルマガ施策を行う前に、チェックしておくといいでしょう。

メルマガ配信にデジタルツールを活用しよう

メルマガ配信を実施するなら、各種デジタルツールの活用は不可欠となります。
大量の配信をさばくためには配信ツールが必要です。さらに、CRM(顧客関係管理)やMAの機能を活用すれば、配信の成果をさらに高めることができるでしょう。

配信ツールで確実にメルマガ配信する

メルマガ配信はメーラーを使っても可能ですが、「送信先アドレスをBCCではなくCCで送信してしまった」など、人為的なミスが起こりやすいもの。また、数十件ならともかく、送信先が数百、数千となれば、配信サービスを活用するか、専用のツールを使ったほうが安全です。
メルマガは「送信して終わり」ではなく、結果の集計や分析が重要となります。その意味でも、配信サービスや専用ツールは、長期的なメルマガ配信には必要不可欠なものといえるでしょう。

CRMでセグメントを明確にする

顧客管理ツールとして広く使われているCRM。製品によっては、高機能なメールマーケティング機能が実装されており、メルマガ配信ツールとしても存分に活用できます。
CRMを活用するメリットは、送信先のセグメント化が自由にできること。蓄積されたメールアドレスを「問い合わせレベル」「サンプル請求レベル」「購入レベル」「リピーターレベル」という具合にセグメント化し、それぞれのアドレスに最適なメルマガを配信することができます。これにより、メルマガ施策を効率良く進めることができ、その成果を高めることが可能です。
顧客管理とメルマガ配信を1つのツールで、シームレスに処理することができますから、作業効率という点でも有効です。

MAで綿密なシナリオを構成する

MAも、メールマーケティングでは有用なツールです。ただしMAは、メルマガというよりも、ステップメールでその本領を発揮してくれます。
本来メルマガは、発信元である企業側が主導できるマーケティング手法です。その半面、見込み顧客である読者の意識や行動に合わせた対応が難しい面もあります。そこをフォローできるのが、MAによるステップメールです。
事前に綿密なシナリオを用意しておき、サンプル請求や商品購入などの読者側のアクションに合わせ、タイミング良くメール配信を行うことで、メールマーケティングの成果をさらに高めることができます。CRMとの連携を図れば、作業の効率化も実現できるでしょう。

試行錯誤を繰り返しながらメルマガの成果を上げていこう

メルマガの使い方、分析の方法、さらにツールの活用を解説してきましたが、これらはメルマガを活用したマーケティングの、ほんの入り口にすぎません。メルマガ施策は、業種や扱う商材の性格によって「何がベストか」が大きく異なるため、回数を重ねて分析・改善を続け、ブラッシュアップしていくしかありません。それだけ時間も手間もかかりますが、その成果が着実に見えるというのが、メルマガの優れたところです。
配信頻度やその内容、タイトルのつけ方、さらに配信先のセグメントやステップメールの活用など、あらゆる点で試行錯誤を重ねながら、顧客獲得・売上拡大につなげていきましょう。
 
 
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