メルマガとは?配信知識や種類、効果測定方法といった基礎知識を紹介
多くの企業で行われているメールマーケティング。中でもメールマガジンは、低コストで始められるハードルの低さから、ほとんどの企業で活用されています。しかし、作り方や使い方を間違えてしまうと、逆効果にもなりかねません。
ここでは、メルマガの役割や種類、効果測定の方法、送付する際の注意点といった、メルマガ施策を始める際に知っておきたい基礎知識について解説していきます。
ビジネスにおけるメルマガの役割とは?
しかし、メルマガとは何か、その役割はどこにあるのか、改めて考えてみると、即座に答えられる人は多くないかもしれません。それでも発信する企業にとっては、使い方次第で極めて有効なツールとなります
メルマガはプッシュ型のナーチャリングツール
メルマガは、メールを活用したマーケティングツールのひとつです。その内容や配信するタイミング、配信先のセグメントなど、すべて配信元でコントロールできます。これが、メルマガの最大の特徴といえます。
メルマガに、目的に沿った内容を盛り込み、最適なタイミングで配信することで、その効果はさらに高まるでしょう。反対に、メルマガの内容が目的とずれていたり、配信のタイミングが悪かったりすれば、効果は落ちてしまいます。また、メルマガを配信するには、法律上、本人の承諾や要求が不可欠ですので、ここにも注意が必要です。
こうした難しさはありますが、企業側がコントロールできるプッシュ型のツールであること、見込み顧客であるターゲット層に幅広く情報発信できることなど、ナーチャリングツールとして優れた可能性を秘めています。
BtoBでのメルマガの役割と特徴
メルマガは、BtoBとBtoCとで、その役割や特徴が異なります。そうした違いは、購入プロセスの違いや顧客が要求する要素などの違いから生まれます。
BtoBの場合、購買決定までのプロセスが複雑で、複数の人間が関わります。そのため、検討期間が長くなることが多いものです。また、検討材料として機能やスペック、コストや導入事例など、多くの情報を集めなくてはなりません。もちろん、競合品との比較もされるでしょう。
そのため、メルマガは十分な情報を提供するものでなくてはなりません。中でも重要なのは、その製品によって「やりたいことができるようになるか」「業務の効率化が図れるか」「コストパフォーマンスは十分か」という点でしょう。
購入することで生まれる価値を明確に訴求することが、BtoBでのメルマガの特徴といえます。
BtoCでのメルマガの役割と特徴
BtoCの場合、購入を決定するのは個人です。高額商品や耐久消費財でなければ、購入決定までの時間は短く、そのプロセスも単純で、購買意欲が高まると、あまり間を置かずに購入する傾向があります。ですから、BtoCでのメルマガでは、週末や連休中、給料日後など、購買意欲が高まるタイミングをつかむことが大切です。
また、メルマガの内容についても、「週末限りの特別価格」「メルマガ会員限定情報」といった文言を使い、特別感を演出するなどといったムードづくりが必要でしょう。
BtoCのメルマガでは、新商品やセール、クーポンなどの情報を伝えるという役割のほか、ブランドイメージの醸成という一面も担っています。そのため、情報一辺倒ではなく、画像や動画など、読者の感情に訴える要素も重要です。
目的ごとのメルマガの種類
続いては、目的に応じたメルマガの種類について見ていきましょう。
信頼を高める「ブランディングメール」
市場に存在する多くの競合の中から自社製品やサービスを選んでもらうためには、自社ブランドを訴求し、好意を持ってもらうことが必要です。画像やデザインの自由度が高いメールはブランディングツールとして適していますし、狙ったセグメントに定期的にアプローチすることで、読者との接触時間を増やし、距離感を縮めて信頼感を高めることにも役立ちます。
また、メルマガ配信システムを活用することで、開封率や掲載したURLへのクリック率など、読者がどのような行動を起こしたのかを分析して、さらに洗練されたブランディングにつなげることができます。
サイトに誘導する「ダイレクトメール」
メルマガの多くは、ブランディングメールとダイレクトメール、それぞれの要素を併せ持っていますが、そのバランスはケースバイケースとなります。セグメントに合わせて、あるいは読者の反応を見ながら、柔軟に調整していきましょう。
見込み顧客を育成し行動を促す「ステップメール」
ステップメールは見込み顧客の行動に合わせて、最適なメッセージを送信する手法です。たとえば、サンプル請求があったら、すぐにサンクスメールを送信する。その4日後に、商品の到着確認のメールを送る。10日後に、より効果的な使い方などを紹介する…。このようにステップを踏んで、見込み顧客とのコミュニケーションを深めていきます。
見込み顧客の行動を起点にしているため、効率的なフォローアップができるというのが、ステップメールの大きな特徴です。
メルマガの効果を測定するKPI
そのためには、KPIの設定がカギとなりますが、メルマガに関連するKPIはいくつかあります。これらの数値を配信ごとに集計し、分析しておきましょう。そして、継続的に数値を追跡しながら、メルマガに盛り込む記事の内容や構成、ボリューム、さらには配信するタイミングなどを調整していくことが大切です。
配信数
ですから、Webとリアルの両面にわたる営業活動で、メール送信可能な見込み顧客をできるだけ多く集めることが重要です。
送信成功率・エラー率
配信するメールアドレスの間違いなどによる恒久的なエラーを放置しておくと、送信先のサーバーやインターネットサービスプロバイダ(ISP)などによって迷惑メールと判定される可能性があります。こうなると、配信したメルマガは自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられ、ユーザーの目にふれることがなくなってしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、送信成功率やエラー率を監視しておくとともに、送信リストを常にきちんと保つことが大切です。
開封率
メルマガのタイトルや配信時刻も開封率を左右する要素のひとつです。メルマガの内容を反映した上で、できるだけ絞り込んだタイトルをつけることで開封率は上げられますし、平日の朝に配信すれば、出勤の電車内でチェックするという行動を期待することができます。これも、商材や送信対象によって変化する部分ですから、配信の度にデータを分析し、調整していく必要があります。
クリック率(CTR)
メルマガに設置したURLを踏んでもらうことで、ユーザーを自社サイトに誘導することができるのですから、このクリック率をいかに上げるかということは、メールマーケティングにおいて重要なミッションです。これは、ユーザーの興味を刺激し、関心を呼ぶ内容と表現が求められる部分です。
また、メール文面のレイアウトが崩れているとクリック率が低下する傾向がありますから、配信前にいくつかの環境でチェックを行うようにしてください。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率はメルマガ配信の最終的な成果であり、ほかのKPIの分析とそれを基にした改善は、すべてこの数値を高めるために行われます。コンバージョン率を高めるためにクリック率を改善し、開封率を向上させ、さらに母数となる配信数を増やす…という具合です。
メルマガを配信する施策を実施する際のメリット
メルマガ施策を実施する際の注意点
目的と送信先の属性がずれていないか
見込み顧客を引き込みたいのか、リピーターを育成したいのか、優良顧客にさらなる情報やサービスを提供したいのか。セグメント化された配信リストを用意しておき、目的に合った送信先に配信することで、施策の効果をさらに高めることができます。
配信頻度とタイミングを検討する
メルマガは、発信側がコントロールできる媒体であり、その目的はコンバージョン率の最大化です。「1人でも多くの人に読んでもらう」ことも重要ですが、それは最終目的ではありません。
ですから、まずは「2週間に1回、午前8時配信」などと決めておき、配信の度に結果を分析して、調整していくことです。セグメントに応じて最適な頻度とタイミングを設定できれば、なお良いでしょう。
継続的にブラッシュアップしていく
どのような設定なら効果が最大化されるか、常に探っていくことが大切です。
特定電子メール法に抵触しないようにする
日本では、営利目的での広告や宣伝のためにメール送信を行う場合、迷惑メールを排除するために、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)が施行されています。一般的に行われるメルマガ配信はこの法律の適用範囲ですから、十分な注意が必要です。
ポイントとなるのは「オプトイン」「オプトアウト」「必要な情報の表示」の3点です。
- オプトイン
オプトインとは、メールの送信先に対して、事前に送信の同意あるいは希望を得る必要があることです。たとえ商品の購入などがあったとしても、それとは別にメール送信への同意を得る必要があります。 - オプトアウト
オプトアウトとは、メールの受信者が配信停止を希望した際には、それ以降のメール配信を行ってはならないことです。そのため、配信メールの中に、配信停止のための連絡先やリンクを設置しておく必要があります。 - 必要な情報の表示
配信するメールには、送信責任者の氏名または名称と住所のほか、問い合わせのための電話番号やメールアドレスを表示しておかなくてはなりません。
詳細については、総務省が「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」を定めています。メルマガ施策を行う前に、チェックしておくといいでしょう。
メルマガ配信にデジタルツールを活用しよう
大量の配信をさばくためには配信ツールが必要です。さらに、CRM(顧客関係管理)やMAの機能を活用すれば、配信の成果をさらに高めることができるでしょう。
配信ツールで確実にメルマガ配信する
メルマガは「送信して終わり」ではなく、結果の集計や分析が重要となります。その意味でも、配信サービスや専用ツールは、長期的なメルマガ配信には必要不可欠なものといえるでしょう。
CRMでセグメントを明確にする
CRMを活用するメリットは、送信先のセグメント化が自由にできること。蓄積されたメールアドレスを「問い合わせレベル」「サンプル請求レベル」「購入レベル」「リピーターレベル」という具合にセグメント化し、それぞれのアドレスに最適なメルマガを配信することができます。これにより、メルマガ施策を効率良く進めることができ、その成果を高めることが可能です。
顧客管理とメルマガ配信を1つのツールで、シームレスに処理することができますから、作業効率という点でも有効です。
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MAで綿密なシナリオを構成する
本来メルマガは、発信元である企業側が主導できるマーケティング手法です。その半面、見込み顧客である読者の意識や行動に合わせた対応が難しい面もあります。そこをフォローできるのが、MAによるステップメールです。
事前に綿密なシナリオを用意しておき、サンプル請求や商品購入などの読者側のアクションに合わせ、タイミング良くメール配信を行うことで、メールマーケティングの成果をさらに高めることができます。CRMとの連携を図れば、作業の効率化も実現できるでしょう。
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試行錯誤を繰り返しながらメルマガの成果を上げていこう
配信頻度やその内容、タイトルのつけ方、さらに配信先のセグメントやステップメールの活用など、あらゆる点で試行錯誤を重ねながら、顧客獲得・売上拡大につなげていきましょう。
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