リードクオリフィケーションとは?3つの手法や注意点、効果を解説

 
最終更新日:2024.4.22
さまざまな方法で獲得した見込み顧客(リード)。しかし、そこには購買意欲や興味という点で、大きな幅が存在します。
その中からどのように購入確度の高い有望なホットリードを選別していくのか。ここでは、有望な見込み顧客を抽出する、リードクオリフィケーションの基礎知識を解説します。

リードクオリフィケーションとは、見込み顧客であるリードから、将来的な顧客となる可能性の高い層、つまりホットリードを抽出する工程

リードクオリフィケーションとは、見込み顧客であるリードから、将来的な顧客となる可能性の高い層、つまりホットリードを抽出する工程を指します。

メーカーやベンダーのオフィシャルサイトや製品サイトには、情報を求めるユーザーから多くのアクセスがあり、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードなどが行われています。これらのアクセスはすべて将来的に顧客となりえる人からのものと考えることができます。

しかし、これらの見込み顧客は自社製品に対する興味や導入の必要性においてかなりの幅があり、すべてが有望なホットリードであるわけではありません。ですから、すべての見込み顧客にセールスをかけるのは非効率であり、現実的とはいえません。

そこで、見込み顧客全体をフィルタリングし、顧客になる可能性の高いホットリードを抽出する必要があります。

そのために行うのが、リードクオリフィケーションです。

 
 
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セールスとマーケティングから見たリードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションに関しては、セールス部門とマーケティング部門とのあいだで、少々の認識のずれが起こりやすいようです。その要因には、見込み顧客に対する捉え方の違いがあります。 元々、BtoBの領域では、アウトバウンドセールスが一般的でした。この場合、成約の可能性が高いターゲットを選別してからセールスを行うため、それなりの成約率が得られます。

しかし、マーケティング部門が主体となり、インバウンドセールスを行う場合、自社にアクセスしてきたユーザーを見込み顧客として集めることになります。そのため、成約の可能性が低いユーザーまでもが、見込み顧客としてまぎれ込む可能性があるのです。

こうしたずれを補整するには、セールスとマーケティングとのあいだで、共通のホットリードの定義を作ることです。そうすれば、リードクオリフィケーションに対して両部門が共通認識を持つことができ、商談のクローズという同じ目的に向かって連携することができます。

リードクオリフィケーションをセールスプロセスに加える3つのメリット

リードクオリフィケーションをセールスのプロセスに加えることで、何がどのように変わるのでしょうか?3つのメリットを詳しく解説していきましょう。

<リードクオリフィケーションをセールスプロセスに加える3つのメリット>

  • 有望な見込み顧客への効率的なアプローチができる
  • 低確度の見込み顧客の掘り起こしができる
  • 見込み顧客のデータベース化ができる

有望な見込み顧客への効率的なアプローチができる

リードクオリフィケーションを行うと、見込み顧客それぞれを自社製品への興味の強さや購買意欲によって、ランク分けすることができます。そして、それぞれのセグメントに対して、適したアプローチを行えます。そのため、画一的なマーケティング施策では取りこぼしていたような見込み顧客をすくい上げることができ、コンバージョン率を高めることができます。マーケティングコストの効率利用という点でも有用でしょう。

低確度の見込み顧客の掘り起こしができる

リード全体を分類することで、ホットリードだけでなく、低確度の見込み顧客、つまりコールドリード層を抽出することもできます。この層も、的確なアプローチをかけることで自社商品への興味を引き出し、ホットリードへの転換を図ることができます。
つまり、ナーチャリングによってコールドリードを掘り起こすことができるというわけです。

見込み顧客のデータベース化ができる

リードクオリフィケーションによって分類された見込み顧客の情報は、データベースとして管理できます。そのため、セールス部門は必要に応じて、それぞれのセグメントの中から有望な見込み顧客を抽出し、個々にアプローチをかけることができます。
また、CRMなどのツールを使ってデータを定期的に更新・蓄積していくことで、マーケティング施策やセールス手法の効果の分析・検証に活用することもできます。
 
 
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リードクオリフィケーションの3つの手法

続いては、リードクオリフィケーションの3つの手法についてご説明します。単独で行うよりも、複数の手法を併用することで、より効果的となります。

<リードクオリフィケーションの3つの手法>

  • 見込み顧客のスコアリング
  • ナーチャリングシナリオの設計
  • 見込み顧客の状況確認

見込み顧客のスコアリング

見込み顧客の購買意欲や成約確度を推し測るための手法のひとつが、スコアリングです。企業規模や担当者の決裁権なども採点対象に含めれば正確性は増しますが、インバウンドセールスで集めたデータとなると、そうした情報はすぐには得られません。ですからまずは、資料請求や問い合わせ、デモ版のダウンロードなど、見込み顧客の行動に対して加点していく方法をとるといいでしょう。
そして、「総得点が何点になったら、セールス部門がアプローチする」など、ルールを決めておきます。

ナーチャリングシナリオの設計

コールドリードをホットリードに転換し、さらにセールス部門に引き継げる状態にまで育成するには、そこへ至るおおよその道筋をつけておかなければなりません。そこで必要になるのが、ナーチャリングシナリオの設計です。
見込み顧客の行動から、見込み顧客の置かれた状態、たとえば情報収集の段階にあるのか、それとも購入を検討している状態なのかを把握することができます。このように、自社の商品がどのようなプロセスで購入されているのかを事前に検証しておくと、シナリオ設計に大いに役立ちます。それぞれの状況に合わせたシナリオを用意して、それにもとづいたアプローチをとることができるからです。

見込み顧客の状況確認

リードクオリフィケーションは、見込み顧客の属性や行動を数値化し、ホットリードを抽出するものです。しかし、見込み顧客はプログラムされたマシンではありませんから、数値だけで表現できるものではありません。

そこで重要なのが状況の確認です。見込み顧客側の状況は、それこそ刻々と変化していきますから、定期的なコミュニケーションをとり、数字に表れない変化や新たな情報が得られれば、それに合わせた対応策を打っていく必要があります。

また、見込み顧客の実際の状況とスコアリングの点数がかけ離れているようなら、スコアリングのルールを見直すことも必要でしょう。そうすることで、リードクオリフィケーションの精度を、さらに高めることができます。

リードクオリフィケーションをMAで行う際の3つの注意点

最後に、MA(マーケティングオートメーション)によるリードクオリフィケーションを行う際に、注意しておきたい3つの注意点について説明しておきましょう。これらの要素は完全に排除することが難しいため、常に注意が必要です。

<リードクオリフィケーションをMAで行う際の3つの注意点>

  • スコアリングされた点数は、個人スコアである
  • 購買タイミングを計ることはできない
  • 過剰な選別は機会損失につながる

スコアリングされた点数は、個人スコアである

MAによるスコアリングでは、リードが個人的な趣味や興味から自社サイトにアクセスを繰り返した場合、購入確度は高くないのに、スコアばかりが加算されていくということが起こります。
こうしたケースを判別するためにも、スコアだけに頼らず、見込み顧客の状況を確認する作業が重要になるのです。

購買タイミングを計ることはできない

リードクオリフィケーションによって、個々の見込み顧客がどのようなセグメントにあるかを分類することができます。しかし、数値上「購買の確度が高い」とされるグループにあっても、そのタイミングまで計ることはできません。そのため、先走ってアプローチすると「まだ検討中」と言われてしまい、慎重を期して時間を置くと、「検討の結果、他社の製品を購入した」ということも起こります。
これも前項と同じく、見込み顧客の状況確認を丁寧に行うことで回避できますが、スコアリングのルールを調整したり、時間軸を考慮した対応をとったりするということも、検討したほうがいいかもしれません。

過剰な選別は機会損失につながる

スコアをベースにしたリードクオリフィケーションでは、「見込み顧客の購入意欲は高いのに、スコアが基準値に達しないためにアプローチ対象から漏れてしまう」ということが起こることもあります。つまり、数値による選別のハードルが高いため、販売機会の損失が起こるという状況です。
こうした不安があれば、試しに選別のハードルを少し下げてみるといいでしょう。それで成果が高まるのであれば、それを新たな判断基準とするのです。
他の多くの企業活動と同じく、リードクオリフィケーションも常にブラッシュアップが必要です。より多くの成果が得られるよう、精度を高めていきましょう。

ポイントを押さえたリードクオリフィケーションを実現しよう

効率の良いセールス活動のためには、リードクオリフィケーションは欠かせない作業です。しかし、そこには注意が必要なポイントもあります。
収集した見込み顧客の情報をどのように扱い、どのようなアプローチをかければ成果につなげることができるのか。常に考え、必要に応じて調整していき、最善の結果を追求していくことが大切です。
 
 
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