MAを使ってどのような分析が行える?分析時の注意点を解説

投稿日:2021.10.7

マーケティングオートメーション(MA)には分析機能があり、さまざまな切り口で施策の効果を測定することができます。しかし、注意すべきポイントもありますから、それを踏まえて分析を行うことが大事です。
ここでは、一般的なMAで行える分析と、その注意点について説明します。
 
 

はじめる前に読んでおきたい
マーケティングオートメーション

 
これからMA(マーケティングオートメーション)の導入を検討される方必見。導入前に知っておくべき5つのポイントをまとめました。

MAで何を分析できる?

MAには、マーケティング施策の結果を集計し、分析するためのレポート機能が実装されています。この機能を使えば、サイトを訪れた見込み顧客がどのように行動したのか、狙ったとおりの効果を上げられたのかということを、詳しく読み取ることが可能です。
まずは、MAのレポート機能を使って、どのようなことが分析できるのかを解説します。

見込み顧客ごとの行動分析

PCやスマートフォンからインターネットに接続し、サイトを閲覧したりメールの送受信を行ったりする際には、グローバルIPアドレスが利用されます。
グローバルIPアドレスは、同じものが世界に2つとありません。ですから、自社サイトを訪れた見込み顧客のグローバルIPアドレスをチェックし、追跡していけば、どのサイトから遷移してきたのか、どのページにどれくらい滞在したのかということがわかります。
こうした行動分析により、個々のグローバルIPアドレスに対して、たとえば「一番長く滞在したページに掲載されている商品の、セールスメールを配信する」というアクションが可能です。

また、グローバルIPアドレスから、ウェブサイトを訪れた見込み顧客の企業名を調べることができる場合もあります。
現代では、インターネットをまったく使わずにビジネスを進めるということは困難です。そのため、あらゆる業界の企業がインターネットを活用しています。そして、インターネットの利用頻度が高い企業であれば、その会社独自の固定IPアドレスを持っている場合があります(通常は、接続される度にグローバルIPアドレスが変化する)。そのため、グローバルIPアドレスを「逆引き」することで、どこの企業、組織、法人からのアクセスであるかを知ることができるというわけです。

「特定企業からのアクセスが多く、料金表のページがよく見られている」といった状況なら、自社製品・サービスの購入を検討中で、価格面で競合と比較している段階かもしれません。セールスからアプローチすべき場面であるといえます。

メール施策の効果分析

MAによるマーケティング施策は、メールが中心です。そこでは、「開封率」がとても重要な指標となります。HTMLメールを送っていれば、MAでその開封率を把握することができます。また、メール内のリンクを経由したサイトの移動など、見込み顧客の行動をチェックすることも可能です。
これらの情報があれば、誰がどのような興味と関心を持っているかを知り、見込み顧客のセグメンテーションを最適化できます。それに合わせて次のメール施策を打つことで、より多くの見込み顧客にアクションを促すこともできるでしょう。

MAによる分析の注意点

マーケティングにおいては、さまざまな施策を打つ度に結果を集計・分析し、次に活かすことが重要です。そのためにも、MAの分析機能をフルに活用して、施策をより洗練させ、施策の効果を高めていくことが大切といえます。
ただし、分析を行うにあたり、注意したいポイントもあります。その点についてもご説明しておきましょう。

初期はシンプルなシナリオから始める

マーケティング施策におけるシナリオには、決まった形がありません。そのため、より多くの状況に対応し、1人でも多くの見込み顧客をすくい上げようとすると、改善を繰り返すうちに非常に複雑なものになってしまうことがあります。
しかし、最初から複雑なシナリオを組むのは避けるべきです。MAによる分析では、シナリオの流れに沿って、その施策が良かったのかどうかを判断していきます。そうすることで、どこがボトルネックになっているのかが見つけやすくなるためです。とはいえ、分岐の多い、複雑なシナリオでは分析するだけでも手間がかかりますし、どの施策に問題があるのかが見えにくくなってしまいます。
「初めは小さくシンプルに、少しずつ大きく複雑に」というやり方で、シナリオづくりに臨みましょう。

分析する指標はできるだけ少なくする

メール施策の効果測定をする場合、さまざまな指標が考えられます。また、MAにも、多くの指標をチェックできるような分析機能が装備されています。しかし、すべての指標をチェックするのは、時間と手間を考えると、現実的とはいえません。
ですから、あらかじめ関係者同士ですり合わせを行い、指標を最小限にまで絞り込んでおくことが大切です。たとえば、「重視するのは開封率とクリック率、そのほかの数値は参考程度」としておけば、分析とその後の改善をスピーディに行えます。

見込み顧客の数に合ったセグメントを設計する

多種多様な属性を持つ見込み顧客を、どのようにセグメントするか。これは、マーケティング施策の効果に関わる、重要な要素です。細かく、正確なセグメンテーションを行えば、見込み顧客の属性によりフィットした施策が打てるからです。
しかし、セグメントは必ずしも、「細かいほど良い」というわけではありません。セグメンテーションを複雑にすれば、セグメント内の見込み顧客の数も少なくなります。そうなると、施策の効果測定の正確さが担保できません。
もちろん、見込み顧客の数が膨大で、セグメントを細かくしても分析に足る母数として十分であれば、問題はありませんが、そうでないなら、まずは見込み顧客の獲得を強化して、母数を増やしていくことが先でしょう。

分析と改善は継続して行う

MAによる分析と、それを基にした改善を、常に繰り返し継続することが大切です。シナリオ設計もセグメント設計もそうですし、メールのタイトルや文面、サイト内の記事など、コンテンツ全般にも同じことがいえます。
消費者のニーズや市場のトレンド、競合他社の動向などは、とどまることなく変化しています。その変化に対応するためには、状況を常に正しく測定し、それに合わせた方策を打っていくことが不可欠です。マーケティング施策の効果を高め、自社の収益に結びつけるためにも、分析と改善を怠ってはなりません。

MAの効果をさらに高めるための方法

最後に、MAの分析機能を補い、施策の効果をさらに高めるための方法をいくつかご紹介しましょう。

サイト全体の解析を欠かさないようにする

MAの分析機能は、個々の見込み顧客とその行動の把握が中心です。しかし、それだけでは、肝心のサイトの構成やコンテンツの良し悪しまではわかりません。
ですから、たとえばGoogle アナリティクスなどでアクセス解析を行い、サイトの状態を改善する努力も続ける必要があります。サイトへの訪問者数、ページごとの閲覧数と滞在時間。それらのデータを分析して、サイト全体のパフォーマンスを高めることです。そのようにしてから、何度も訪問する見込み顧客や特定ページの滞在時間が長い見込み顧客などに、それぞれ適したアプローチをかければ、優良な見込み顧客を効率的に集めることができるはずです。

STP分析を活用する

STP分析は、マーケティング戦略の方向性を決めるためのフレームワークで、その内容は3段階に分かれています。
まず、市場や顧客を属性によってグループ分けする「セグメンテーション」。次に、ターゲットとするグループと、提供する製品・サービスを決める「ターゲティング」。そして、市場の中での自社の立ち位置を決める「ポジショニング」です。
STP分析を行うことで、競合他社との差別化を図りつつ、「誰に、何を」プッシュするかが明確になります。その上で、MAによる各種施策を打つことで、その効果をさらに高めることが可能です。

自然検索からの流入を常に意識する

自然検索からの流入は、直接的なコストをかけずに見込み顧客を増やせるという、大きなメリットがあります。そのためにはSEOが必須ですが、重要なのは「良質のコンテンツを作成し、常に改善を続ける」ということです。

施策を始めた当初は頻繁に記事の公開を行っていたけれども、やがて記事の公開頻度が少なくなっていき、いつしか更新が止まってしまう。こうしたことは、よく起こるものです。見込み顧客の興味と関心に応えられるコンテンツが、常に豊富に用意されている状態を維持できるよう、体制を整えておきましょう。

 
 

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MA(マーケティングオートメーション)は獲得した見込み客の情報を一元管理し、マーケティングプロセスの可視化や自動化を実現するツールとして活用できます。ここでは、マーケティング実務作業の自動化、AIによるスコアリング、マーケティングROIの分析まで、具体的な活用シーンを5分で解説します。

MAの分析を活用し、成果につなげよう

MAは、サイトを訪れたユーザーの行動に特化した分析を得意とします。その結果を基にシナリオに手を入れ、コンテンツを追加し、配信メールに修正を加えることで、より多くの見込み顧客を獲得し、案件化していくことが可能になります。「いまから始めるマーケティングオートメーション 定番シナリオ20選」は実用レベルで使われているMAシナリオを厳選し、それぞれのシナリオの注目ポイントの解説もついたeBookです。まずはこれを参考にしながらシナリオ作成を始めてみましょう!
中長期的な視点でMAでの分析を継続しながら、成果につなげていきましょう。
 

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