MAを使ってどのような分析が行える?分析時の注意点を解説
マーケティングオートメーション(MA)には分析機能があり、さまざまな切り口で施策の効果を測定することができます。しかし、注意すべきポイントもありますから、それを踏まえて分析を行うことが大事です。
ここでは、一般的なMAで行える分析と、その注意点について説明します。
MAで何を分析できる?
まずは、MAのレポート機能を使って、どのようなことが分析できるのかを解説します。
見込み顧客ごとの行動分析
PCやスマートフォンからインターネットに接続し、サイトを閲覧したりメールの送受信を行ったりする際には、グローバルIPアドレスが利用されます。
グローバルIPアドレスは、同じものが世界に2つとありません。ですから、自社サイトを訪れた見込み顧客のグローバルIPアドレスをチェックし、追跡していけば、どのサイトから遷移してきたのか、どのページにどれくらい滞在したのかということがわかります。
こうした行動分析により、個々のグローバルIPアドレスに対して、たとえば「一番長く滞在したページに掲載されている商品の、セールスメールを配信する」というアクションが可能です。
また、グローバルIPアドレスから、ウェブサイトを訪れた見込み顧客の企業名を調べることができる場合もあります。
現代では、インターネットをまったく使わずにビジネスを進めるということは困難です。そのため、あらゆる業界の企業がインターネットを活用しています。そして、インターネットの利用頻度が高い企業であれば、その会社独自の固定IPアドレスを持っている場合があります(通常は、接続される度にグローバルIPアドレスが変化する)。そのため、グローバルIPアドレスを「逆引き」することで、どこの企業、組織、法人からのアクセスであるかを知ることができるというわけです。
「特定企業からのアクセスが多く、料金表のページがよく見られている」といった状況なら、自社製品・サービスの購入を検討中で、価格面で競合と比較している段階かもしれません。セールスからアプローチすべき場面であるといえます。
メール施策の効果分析
MAによるマーケティング施策は、メールが中心です。そこでは、「開封率」がとても重要な指標となります。HTMLメールを送っていれば、MAでその開封率を把握することができます。また、メール内のリンクを経由したサイトの移動など、見込み顧客の行動をチェックすることも可能です。
これらの情報があれば、誰がどのような興味と関心を持っているかを知り、見込み顧客のセグメンテーションを最適化できます。それに合わせて次のメール施策を打つことで、より多くの見込み顧客にアクションを促すこともできるでしょう。
MAによる分析の注意点
ただし、分析を行うにあたり、注意したいポイントもあります。その点についてもご説明しておきましょう。
初期はシンプルなシナリオから始める
しかし、最初から複雑なシナリオを組むのは避けるべきです。MAによる分析では、シナリオの流れに沿って、その施策が良かったのかどうかを判断していきます。そうすることで、どこがボトルネックになっているのかが見つけやすくなるためです。とはいえ、分岐の多い、複雑なシナリオでは分析するだけでも手間がかかりますし、どの施策に問題があるのかが見えにくくなってしまいます。
「初めは小さくシンプルに、少しずつ大きく複雑に」というやり方で、シナリオづくりに臨みましょう。
分析する指標はできるだけ少なくする
ですから、あらかじめ関係者同士ですり合わせを行い、指標を最小限にまで絞り込んでおくことが大切です。たとえば、「重視するのは開封率とクリック率、そのほかの数値は参考程度」としておけば、分析とその後の改善をスピーディに行えます。
見込み顧客の数に合ったセグメントを設計する
しかし、セグメントは必ずしも、「細かいほど良い」というわけではありません。セグメンテーションを複雑にすれば、セグメント内の見込み顧客の数も少なくなります。そうなると、施策の効果測定の正確さが担保できません。
もちろん、見込み顧客の数が膨大で、セグメントを細かくしても分析に足る母数として十分であれば、問題はありませんが、そうでないなら、まずは見込み顧客の獲得を強化して、母数を増やしていくことが先でしょう。
分析と改善は継続して行う
MAによる分析と、それを基にした改善を、常に繰り返し継続することが大切です。シナリオ設計もセグメント設計もそうですし、メールのタイトルや文面、サイト内の記事など、コンテンツ全般にも同じことがいえます。
消費者のニーズや市場のトレンド、競合他社の動向などは、とどまることなく変化しています。その変化に対応するためには、状況を常に正しく測定し、それに合わせた方策を打っていくことが不可欠です。マーケティング施策の効果を高め、自社の収益に結びつけるためにも、分析と改善を怠ってはなりません。
MAの効果をさらに高めるための方法
サイト全体の解析を欠かさないようにする
ですから、たとえばGoogle アナリティクスなどでアクセス解析を行い、サイトの状態を改善する努力も続ける必要があります。サイトへの訪問者数、ページごとの閲覧数と滞在時間。それらのデータを分析して、サイト全体のパフォーマンスを高めることです。そのようにしてから、何度も訪問する見込み顧客や特定ページの滞在時間が長い見込み顧客などに、それぞれ適したアプローチをかければ、優良な見込み顧客を効率的に集めることができるはずです。
STP分析を活用する
まず、市場や顧客を属性によってグループ分けする「セグメンテーション」。次に、ターゲットとするグループと、提供する製品・サービスを決める「ターゲティング」。そして、市場の中での自社の立ち位置を決める「ポジショニング」です。
STP分析を行うことで、競合他社との差別化を図りつつ、「誰に、何を」プッシュするかが明確になります。その上で、MAによる各種施策を打つことで、その効果をさらに高めることが可能です。
自然検索からの流入を常に意識する
自然検索からの流入は、直接的なコストをかけずに見込み顧客を増やせるという、大きなメリットがあります。そのためにはSEOが必須ですが、重要なのは「良質のコンテンツを作成し、常に改善を続ける」ということです。
施策を始めた当初は頻繁に記事の公開を行っていたけれども、やがて記事の公開頻度が少なくなっていき、いつしか更新が止まってしまう。こうしたことは、よく起こるものです。見込み顧客の興味と関心に応えられるコンテンツが、常に豊富に用意されている状態を維持できるよう、体制を整えておきましょう。
MAの分析を活用し、成果につなげよう
中長期的な視点でMAでの分析を継続しながら、成果につなげていきましょう。
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