MA導入に失敗する理由とは?失敗しないためのポイントを解説

 
最終更新日:2024.3.11
マーケティングオートメーション(MA)の導入に失敗して、うまく運用できずにいる…。そうした悩みを抱える企業は、意外と多いのではないでしょうか。マーケティングオートメーション(MA)をスムーズに導入し、運用して成果を上げるためには、それなりの準備が必要です。 ここでは、マーケティングオートメーション(MA)導入の失敗例と、失敗しないためのポイントをご紹介します。

マーケティングオートメーション(MA)導入による失敗例

マーケティングオートメーション(MA)の失敗例を紹介します。

<マーケティングオートメーション(MA)の失敗例>

  • 失敗例1:目的・目標が固まっていない
  • 失敗例2:営業部門との連携が不十分である
  • 失敗例3:運用設計ができていない
  • 失敗例4:見込み顧客の絶対数が少ない
  • 失敗例5:データが整理されていない
  • 失敗例6:コンテンツが不足している
  • 失敗例7:人的リソースが不足している
  • 失敗例8:早期の結果を求めてしまう

マーケティングオートメーション(MA)の導入がうまくいかない、なかなか成果が出ないという場合は、必ず何らかの理由があります。

ここからは具体的な「失敗例・理由」をご紹介していきます。これからMAを導入しようと考えているなら、ここで挙げた項目に該当しないかどうか確認してみてください。

 
 

いまさら聞けないマーケティングオートメーション

 
MAツール導入前に知っておくべき 5つのポイントをご紹介します。MAツールが注目された背景から活用方法まで、理解できます。 ぜひeBookをご活用ください。

失敗例1:目的・目標が固まっていない

マーケティングオートメーション(MA)を使う目的がはっきりしないまま導入しても、うまくいきません。「導入すること」が目的になってしまうと、その後の運用がおろそかになってしまい、「施策を打って結果を検証し、改善を重ねる」というプロセスが、まったく機能しなくなってしまうからです。
ですから、MA導入にあたっては、まず「マーケティングオートメーション(MA)で何をしたいのか」を明確にし、携わる人の共通認識を作っておくことが大切です。たとえば、「見込み顧客を◯件獲得したい」あるいは「商談化率を◯%アップ」など、具体的な数値を盛り込むと、誰にでもわかりやすい指標となります。自社の業務課題に沿った目的を掲げておきましょう。

失敗例2:営業部門との連携が不十分である

マーケティング部門と営業部門が、それぞれ独立している場合には、双方の十分な連携が必要です。本来、マーケティングオートメーション(MA)はマーケティング担当者だけのものではありません。そこで獲得する見込み顧客、つまりリードは、最終的には自社に利益をもたらす顧客となります。つまりマーケティングオートメーション(MA)は、収益を生むプロセス全体に関わるものですから、営業部門も積極的に関与すべきだといえます。
幅広いリード層のどこにターゲットを定めるのか、見込み顧客の購買意欲がどれほどのレベルになったら営業にパスするか。それらの点について、マーケティング部門と営業部門との取り決めが重要といえるでしょう。

失敗例3:運用設計ができていない

さまざまな方法で見込み顧客を獲得し、見込み顧客ごとに適したコンテンツで育成し、購買意欲が高まったところで営業部門にパスして商談化する。この一連のプロセスに、マーケティングオートメーション(MA)が関わります。ですから、このプロセスをどのように進めるかをきちんと設計しておかないと、「次に何をすればいいのかわからない」という状態になってしまうのです。
マーケティングオートメーション(MA)の運用設計では、実に多くの作業が必要です。顧客のペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作る。見込み顧客を属性によって区分し、それぞれに適切なナーチャリングを行う。見込み顧客の行動をスコアリングして、どれほどのレベルになったら営業部門に渡すかを見極める。こうした十分な準備があってこそ、マーケティングオートメーション(MA)を有効に運用することができます。

失敗例4:見込み顧客の絶対数が少ない

マーケティングオートメーション(MA)は、おもにメールマーケティングで見込み顧客を育成し、商談へと導きます。近年ではSNSにも対応したマーケティングオートメーション(MA)が登場していますが、BtoBの領域では、まだまだメールでのコミュニケーションがメインとなります。
しかし、メールマガジンやセールスメールの開封率はそこまで多くはありません。ですから、見込み顧客が数百件程度では、営業部門にパスできる確度の高い見込み顧客を生み出すことができません。また、あまりに母数が少ないと、マーケティングオートメーション(MA)による施策の結果の誤差が大きくなり、分析を誤ることにもつながってしまいます。
マーケティングオートメーション(MA)を導入する際には、まず「どれだけの見込み顧客を持っているのか」を精査することです。もしも数が少ないようなら、過去に獲得した見込み顧客の掘り起こしや、新たに増やす施策から始めたほうがいいでしょう。

失敗例5:データが整理されていない

見込み顧客や顧客の情報は、社内のいろいろなところに眠っているものです。それは、過去の問い合わせ履歴であったり、セミナーへの申込みであったり、展示会や見本市でのアンケートなどもあるかもしれません。紙ベースで保管されているものもあるでしょう。そうしたさまざまな情報があっても、フォーマットが統一されていないと、マーケティングオートメーション(MA)を有効活用することができません。
ですから、マーケティングオートメーション(MA)を使い始める前に、まず社内に見込み顧客や顧客の情報が眠っていないか、入念にチェックすることが重要といえます。そして、フォーマットが異なるデータはすべて統一し、事前に整理しておくことが大切です。

失敗例6:コンテンツが不足している

獲得した見込み顧客を育成する「リードナーチャリング」のプロセスでは、見込み顧客の興味や関心に合ったメール配信を行い、それぞれに適したコンテンツへと誘導します。つまり、メールの内容だけでなく、誘導先となるコンテンツ自体、見込み顧客の属性に合わせて複数用意しておく必要があるのです。
見込み顧客が抱えている課題は千差万別です。マーケティングオートメーション(MA)を導入しようとしている企業を例にとると、「マーケティングオートメーション(MA)に興味がある」といっても、「マーケティングオートメーション(MA)って何?」という初歩的な知識しかない企業や、「SFA・CRMと連携させた活用法は?」といった実務的な悩みを抱えている企業もあります。それら、多種多様なニーズに応えられるだけのコンテンツがないと、ナーチャリングが不十分になり、見込み顧客の離脱を招いてしまうでしょう。

失敗例7:人的リソースが不足している

事前の準備もさることながら、運用を開始してからも、マーケティングオートメーション(MA)は常に分析・改善を繰り返す必要があります。
しかし、十分な知識を持った担当者を必要数確保するのは、簡単ではありません。とはいえ、人員が不足している体制では、せっかく見込み顧客を獲得しても、その後のナーチャリングに手が回らなくなってしまいます。そして、アプローチのタイミングを逃がし、購買意欲を高められないまま終わってしまったら、せっかく獲得した見込み顧客が他社に流れてしまうということも起こります。
マーケティングオートメーション(MA)を導入する際にはコストばかりでなく、人的リソースが十分かどうかも、しっかり検討しておきましょう。

失敗例8:早期の結果を求めてしまう

多くの準備をし、コストを投下して担当者をそろえてマーケティングオートメーション(MA)を導入・運用するとなると、早期に成果を出したいと考えるのは、無理からぬことです。しかし、「見込み顧客を育成し、購買意欲を高めて営業部門に渡す」というのがMAの役割です。目に見える効果が出るまでには、ある程度の時間がかかります。
また、マーケティング施策は、結果の検証と改善を重ねながら成果を積み上げていくもの。マーケティングオートメーション(MA)を導入したからといって、すぐに大きな成果が得られるものではありません。
ここを理解しておかないと、「使ってみたけれど役に立たない」と、効果が出る前にマーケティングオートメーション(MA)が使われなくなってしまう場合があるでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)に対する誤解を解消することが大切

マーケティングオートメーション(MA)の導入や運用がうまくいかない、あるいは失敗してしまう理由の多くは、マーケティングオートメーション(MA)に対する誤解、あるいは理解の不足から来るといえます。このような状況でマーケティングオートメーション(MA)を導入してしまうと、運用する段階になって「こんなはずでは」と後悔することにもなりかねません。

まずは、マーケティングオートメーション(MA)で誤解されやすいポイントを見ていきましょう。

<マーケティングオートメーション(MA)に関する誤解>

  • マーケティングオートメーション(MA)ですべてが自動化されるわけではない
  • マーケティングオートメーション(MA)を稼働させるためには知識が必要である
 
 

いまさら聞けないマーケティングオートメーション

 
MAツール導入前に知っておくべき 5つのポイントをご紹介します。MAツールが注目された背景から活用方法まで、理解できます。 ぜひeBookをご活用ください。

マーケティングオートメーション(MA)ですべてが自動化されるわけではない

MAの「マーケティングオートメーション」という正式名称から、「MAはマーケティング業務を自動化してくれるツール」と認識されることがあります。確かに間違いではありませんが、何もかも自動化してくれるわけではありません。
見込み顧客を獲得し、商談へと誘導するためには、時間も手間もかかります。人の手で行うのは、決して効率的とはいえません。その部分を自動化してくれるのがマーケティングオートメーション(MA)なのですが、自動化のための台本となるシナリオは、人の手で作っておかなければなりません。そしてこのシナリオは、試行錯誤を繰り返して練り上げる必要があります。そうしたプロセスがあって、初めてマーケティングオートメーション(MA)の成果を得ることができるのです。

マーケティングオートメーション(MA)を稼働させるためには知識が必要である

日本では、独立したマーケティング部門が設置されている企業はそこまで多くはありません。また、部門として存在していても担当者が少なかったり、営業部門との兼務だったりということもあるのではないでしょうか。このような状況だと、実際の業務だけで大きな負荷がかかってしまい、マーケティングに関する知識を身につける余裕もありません。
マーケティングは多種多様な施策を使い分け、結果を分析しながら進めていくものです。ですから、一通りのマーケティングの知識に加え、マーケティングオートメーション(MA)を導入する際にはMAの操作に関する知識も必要です。こうしたスキルが不十分なまま高機能なマーケティングオートメーション(MA)を導入しても、その真価を十分に引き出すことはできないでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)導入で失敗しないためには?

これまでにご紹介した「失敗例・理由」を理解し、事前に避けることができれば、MAの導入・運用で失敗せずに済むでしょう。さらに、いくつかのポイントを押さえておけば、失敗の可能性を極力減らし、マーケティングオートメーション(MA)の効果的な運用も可能です。続いては、マーケティングオートメーション(MA)導入で失敗しないためのポイントについて、いくつかご紹介していきます。

<マーケティングオートメーション(MA)導入で失敗しないためのポイント>

  • 現状を把握し、目的を定める
  • PDCAを高速で回す
  • 自社に合ったツールを選ぶ
  • サポート体制を確認しておく

現状を把握し、目的を定める

マーケティングオートメーション(MA)導入の際には、自社の現状を把握した上で、マーケティングの方向性をきちんと定めることが必要です。
マーケティングには多くの施策がありますが、それらは「新規見込み顧客の獲得」「獲得した見込み顧客の育成」「購買意欲の高い見込み顧客を選別し、営業に渡す」という、3つのプロセスから成り立っています。そして、施策の効果を高めるためには、それぞれの段階で施策の効果を分析し、それを基に「次の一手」を打っていくことが肝心です。

まず、自社の状況を把握して、「次に何をすべきかを決め、そのためにマーケティングオートメーション(MA)をどう使うのか」という発想が求められます。

PDCAを高速で回す

マーケティング施策は、分析結果から仮説を立て、試行錯誤の積み重ねによって練り上げていくものです。そのため、常にPDCAサイクルを高速で回していくことが重要になります。
マーケティング担当が他業務との兼任であったり、専任のスタッフが少なかったりすると、この「PDCAの高速回転」は難しいかもしれません。しかし、マーケティング施策において、PDCAの高速化はとても重要です。マーケティングオートメーション(MA)によってマーケティング業務の作業負荷を軽くすることができるのですから、そこで浮いた時間や労力を、施策結果の分析や改善策の立案に振り向けるべきでしょう。そうすることで、施策の精度はますます磨かれ、効果が高まっていくはずです。

自社に合ったツールを選ぶ

市場に登場しているマーケティングオートメーション(MA)には、多くの種類があります。その中から、「自社に合った製品を選ぶ」ことは、とても重要です。見込み顧客の獲得を重視したもの、管理に重点を置いたもの、ランディングページやオウンドメディアといったコンテンツ作成に強いもの、幅広い機能を平均的に実装したものなど、実にさまざまなマーケティングオートメーション(MA)がそろっています。
ですから、製品を選ぶ際には、まず自社の状況と目的を明確にし、どんな製品なら課題解決の助けとなるかを検討するといいでしょう。

サポート体制を確認しておく

実際にマーケティングオートメーション(MA)の運用を始めてみると、予想外のトラブルや問題が持ち上がることもあるかもしれません。そんなときに頼りになるのが、ベンダー側のサポートです。
ベンダーによって大きく差があるところですが、マーケティングオートメーション(MA)の導入とその後の運用について、効果的な活用ができるよう、サポート体制が用意されていることがあります。これは、マーケティングオートメーション(MA)の活用に慣れていない企業にとっては有用ですから、積極的に活用しましょう。
また、よく使われているマーケティングオートメーション(MA)であれば、ユーザーコミュニティが活発に活動しています。そこに参加しているのは、全員が同じ製品のユーザーですから、実務上で困ったこと、悩んでいることがあれば、どんどん質問してみましょう。思いもしなかったアイデアや解決策を教えてくれるはずです。
 
 

いまさら聞けないマーケティングオートメーション

 
MAツール導入前に知っておくべき 5つのポイントをご紹介します。MAツールが注目された背景から活用方法まで、理解できます。 ぜひeBookをご活用ください。

マーケティングオートメーション(MA)の導入・運用を成功させるために入念な準備を

「マーケティングオートメーション(MA)を導入したけれど、効果がなかった」という話は、しばしば目にします。しかし、失敗には必ず理由があるのです。
もしも、これからマーケティングオートメーション(MA)の導入を考えているなら、ここで挙げた項目について、ひとつひとつ確認してみましょう。そして、万全の準備を整えてマーケティングオートメーション(MA)を導入し、ビジネスの拡大に活かしてください。
 

関連記事・リソース

 

無料eBook

最新の消費者調査

2019年度版 顧客体験の最新事情に関する調査

無料eBook

世界のマーケティング事情

全世界4,100人のマーケティングリーダーを対象とした調査

関連製品

 

Essentials

中小企業向けCRM

スモールスタートで
実現するSFA・カスタマーサービス

Sales

営業支援

世界No.1のCRMで、
スマート、スピーディに営業

まずはご相談ください

Salesforceはお客様のビジネスを成功させるため、あらゆる形で支援します。新規顧客の開拓から商談成約、顧客の維持・拡大に対して、Salesforceがどのようなサポートを提供できるかを15分程度でご説明いたします。
弊社のエキスパートがいつでもお待ちしております。
までお電話ください