スコアリングとは?スコアリングで顧客に合った施策を打ち出そう
ここでは、スコアリングの概要やメリット、注意点について解説していきましょう。
スコアリングとは?
スコアリングによって施策が変わる
たとえば、資料やサンプルを請求してくれた見込み顧客には、自社ブランドをより深く知ってもらい、本商品の購入を促します。本商品を購入してくれた顧客には、自社と自社製品に対する信頼を高める施策を行い、リピートを促します。すでにリピーターとなってくれた顧客には、上位グレードへのアップセルや、他商品のクロスセルをプッシュします。
このように、スコアリングによって顧客やリードを分類し、それぞれに対する施策を変えていくことで、より効率的にマーケティングの成果を高めていくことができます。
スコアリングが持つ重要な意味と役割
ホットリードを抽出できる
自社の見込み顧客に対して、さまざまなスコアリングを施すことで、見込み顧客をさらにセグメント化し、それぞれに最適なアプローチをかけることができます。これは、スコアリング手法の中でも「リードスコアリング」と呼ばれますが、その第一歩となるのが、ホットリードの抽出です。
見込み顧客は、決して均質な集団ではありません。自社製品に対する興味や、購入の必要性を感じている度合いは、個々の見込み顧客によって大きな差があります。ですから、自社製品に強い興味を持ち、購入をより真剣に検討している層、つまりホットリードを抽出し、そこに集中的にアプローチすれば、購買の確度がグンと高まります。つまり、効率良く売上に結びつけることができるというわけです。そのために、スコアリングが役に立つのです。
『B2Bマーケターのリード創出ガイド』では、有望な見込み顧客を創出する方法を詳しく解説しています。変化する顧客のニーズに常に対応し、有望なリードをより多く獲得する秘訣を紹介していますので、貴社のリード創出にご活用ください。
低ニーズ層も明確にできる
ホットリードを抽出できるということは、そうでない低ニーズ層、コールドリードを抽出することもできるということになります。この層は自社製品やサービスに対する興味が薄く、購買の可能性も高くないグループですが、だからといって放置していいわけではありません。ホットリードとは違うアプローチによって必要な情報を届け、興味をかき立てることで、購買意欲を引き出すことも可能です。つまり、コールドリードをホットリードへと転換することもできるというわけです。
とはいえ、コールドリードは自社製品やサービスへの興味が薄いため、あまりに積極的なアプローチは逆効果になり、離脱を招きかねません。ですから、コールドリードにはどのような施策が適しているか、十分にプランを練っておく必要があります。同時に、コールドリードとホットリードとの境界線をスコアリング上で定義しておき、どのような状態になったらホットリードとして扱うかを線引きしておきましょう。
セールス部門とマーケティング部門を連携できる
セールス部門は「もっと確度の高いリードを回してくれないと、成果を出せない」とマーケティング部門に注文をつけますし、マーケティング部門は「有望なリードを送っているのだから、クローズまで頑張ってもらわないと困る」と文句を言います。「確度の高い、有望なリード」を定義する、共通の物差しがないために、こうしたことが起こるのです。
しかし、スコアリングを導入し、セールスとマーケティングとのあいだで「総合点が◯点になったら、セールス部門に委ねる」と決めておけば、こうした衝突は起こりません。双方の理解が深まり、同じ目標に向かって連携できるようになります。
スコアリングのメリット
スコアリングによる営業とマーケティングの効率化と最適化
マーケティングの効率化
スコアリングのデメリット
スコアリングの判断が難しい
見込み顧客がわかりづらい
スコアリングする対象は?
外面情報
一番把握しやすい情報ですが、簡単には変化しない要素ですから、スコアの増減に影響を与えることはほとんどありません。しかし、長期的には、昇進などでスコアを大きく左右する可能性もあります。
内面情報
これは、相手とのコミュニケーションを重ねることで、少しずつ探り出していく必要があり、時間も手間もかかります。状況によって大きく変化する可能性が高い要素です。
行動情報
CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)を導入していれば、これらの行動は全て履歴として残り、自動的にスコアリングしていくことができますから、外面情報と並んで扱いやすい情報といえるでしょう。『SaaS ビジネス成功の基礎「The Model」』で詳しく解説していますが、スコアが高い見込み客から優先的にアプローチしたり、より興味がありそうな内容を盛り込んだアプローチをすることで、フォローの質を高めて商談化率を向上させることができます。
スコアリングする際の注意点
事前に絞り込みを行っておく
まずは、スコアリングする対象を事前に絞り込み、できるだけホットリードを抽出できるようにすることです。
たとえば、自社サイトを訪れた顧客や見込み顧客の全てを拾い上げると、スコアリングの対象がかなりの数になります。MAなどのツールを使えば作業の手間はかかりませんが、それらの訪問者の中にはデータ上のノイズとなる、確度の低い見込み顧客も相当数混じっています。
ですから、スコアリングする前に「価格ページを参照し、なおかつ直近の1週間で3回以上、製品ページにアクセスした」といった条件を設け、ノイズを除去しておくのです。
つまり、スコアリングでホットリードを抽出する前段階で、ホットリードであろうと思われる有力な対象群を抽出しておくというわけです。こうすることで、確度の高い層だけをすくい取ることができます。
効果的にMAを活用するには、各見込み客の属性やステージに合わせたシナリオを作成し、それをMAツールで実行していく必要があります。『いまから始めるマーケティングオートメーション 定番シナリオ20選』では、はじめての方にとってハードルが高いMAのシナリオ立案について分かりやすく解説していますので、短期間での成果創出にご活用ください。
PDCAを確実に回していく
何をするにもPDCAを確実に、しかも高速で回していくことは大事なことです。マーケティング領域では、特にその重要性は高いといえるでしょう。さまざまなマーケティング施策を実行したら、その結果を集計・分析し、次の施策に反映することは不可欠です。
それは、スコアリングについても変わりません。対象となる顧客や見込み顧客の属性や行動に対してどのように配点していくのか、継続的に検証し、採点基準を見直していくことが求められます。セールス部門とも定期的にミーティングを行い、高スコアのリードがどれほど購買に至っているか、スコアとのずれがないか、検証する機会を設けましょう。
スコアリングの結果と実際の成果がほぼ一致するようになるまで、つまりスコアリングの精度が満足のいくレベルに達するまでは、こうした作業が月に1回程度は必要です。
スコアリングに偏重しない
スコアリングによる数値化されたデータは、マーケティング上、有用なものです。しかし、偏重してしまうと、思わぬ見落としが起こる場合もあるということは覚えておきましょう。
対応する施策があってこそ、スコアリングが活きる
まずは、実際にスコアリングをしてみることをおすすめします。そして、ブラッシュアップを重ね、その成果を確かめてください。
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