名刺管理方法は、デジタルとアナログどっちがおすすめ?管理ツールの選び方を解説

 
最終更新日:2024.5.29
クライアントやベンダーなど、いろいろな人と交換する名刺。その枚数が増えてくると管理が大変です。デジタルで管理している企業も多いと思われますが、そのデータは十分に活用されているでしょうか。
名刺の山は単なるデータベースではありません。名刺には多くの顧客情報が盛り込まれていますから、名刺管理を顧客管理につなげることができ、売上増大に結びつけることもできるのです。 ここでは、名刺管理の重要性や効果的な名刺管理の方法のほか、名刺管理ツールの選び方を解説します。
 
 
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管理された名刺は顧客情報の宝の山

名刺は、きちんと整理しているつもりでも、いつの間にかどんどん枚数が増えていき、管理が追いつかなくなってしまいがちです。やりとりを長くしていないクライアントに連絡しようとして、「あの方の名刺、どこに行ったんだろう?」と探し回った経験は、誰もがしているものです。
近年では、名刺を管理するデジタルツールが多数登場していますが、これらのツールを使う前にまず大切なのは、名刺に対する意識改革。「名刺は単なる連絡帳ではない」という認識を持つことです。

セミナーを開催したり展示会や見本市に参加したりすると、来場者から実に多くの名刺をいただきます。改めて見てみると、そこには様々な情報が詰め込まれています。企業名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス。名刺の裏に事業内容などが列記されていることがありますが、これなども貴重な情報でしょう。
これらの情報をすべてデータとして記録・蓄積しておけば、必要な時にすぐに取り出すことができますし、業種ごとに分類することもできます。少々手間はかかりますが、公開されている資本金や従業員数などのデータから、企業規模ごとに分けておくこともできるでしょう。こうしたデータが増えてくれば、自社製品がどんな企業に興味を持たれているのかが見えてきますし、マーケティング上の有力なリストとしても活用できます。
名刺はファイルに仕舞っておくだけでは紙の束にすぎませんが、少し手をかけて管理すれば、たちまち売上へと結びつく、宝の山へと変化するのです。

デジタル名刺管理のメリット

名刺をデジタル管理する方法やそのためのツールはいくつもありますが、アナログにはない多くのメリットを共通して備えています。代表的なところを4つご紹介します。

<デジタル名刺管理の4つのメリット>

  • 保管スペースが不要
  • すばやく検索できる
  • 入力が簡単
  • データの活用ができる

保管スペースが不要

名刺ファイルは意外と場所をとりますし、ファイルの数が増えるとさらに保管スペースを確保するのが大変です。しかし、デジタルによる管理なら、場所をとりません。しかも、クラウドサービスを使えば、外出先からでもスマートフォンやタブレットで確認ができます。
訪問先に出向いたところで「あの人の部署はどこだったっけ…」などと慌てることもなくなります。

すばやく検索できる

アナログでの名刺管理の場合、目的の名刺を探し出すまでに時間がかかってしまいます。一瞬のうちに目指す名刺を検索できるデジタル管理ならば、こうした無駄な時間を使うこともありません。

入力が簡単

デジタル管理の場合、名刺を入力する際には、専用の小型スキャナーで名刺を読み込むか、スマートフォンで撮影するかの方法が広く使われています。 いずれも簡単な作業で登録できますから、手間がかかりません。

データの活用ができる

デジタルならではの大きな利点は、データの活用です。テキストデータとして入力した情報は、自社の顧客あるいは見込み顧客情報として活用できます。SFAやCRMでの利用は、最も効果的な活用法でしょう。

アナログ名刺管理の2つのメリット

名刺フォルダーやボックスを使った、アナログな名刺管理方法にもメリットはあります。そのいくつかをご紹介しましょう。

<アナログ名刺管理の2つのメリット>

  • コストをかけずに管理できる
  • 枚数が少なければ、かえって効率が良い

コストをかけずに管理できる

アナログな名刺管理はツールを使いませんから、その分のコストがかかりません。PCもスマートフォンも不要で、管理アプリの操作を覚える必要もありません。いただいた名刺に必要な情報を書き込むことも簡単にできます。さらに、データ化しないことで、セキュリティ対策にもなります。 業種によっては、日頃からあまりPCを使わず、スマートフォンもメールか電話連絡がメインという人も多いことでしょう。そんな場合は無理にデジタル化せず、アナログ管理のほうが適しているかもしれません。

枚数が少なければ、かえって効率が良い

これも業種やポジションによりますが、新規の顧客や取引先と会うことが少なく、名刺の枚数がさほど多くないなら、アナログ管理でも不便を感じることは少ないでしょう。 日頃からやりとりの多い相手の名刺だけをファイルしておけば、必要な時にサッと確認することができますから、デジタルツールを使うよりも手軽です。
 
 
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売上につながる名刺管理の3つの方法

管理ツールを使って名刺情報を活用すれば、うまく売上に結びつけることも可能です。そのために踏まえておきたい3つの方法について解説します。

<売上につながる名刺管理の3つの方法>

  • 属人性を排除して情報を共有する
  • 名刺管理の目的を明確にする
  • SFAやCRMとの連携で効果的なナーチャリングが可能

属人性を排除して情報を共有する

アナログの名刺管理は属人性が強く、たとえ同じ部署内でも名刺を共有することはあまりないでしょう。つまり、デスクを並べる同僚であっても、彼の顧客の担当者が誰なのか、部内で知る人がいないのです。これでは、自社の担当者が不在の時に何らかのトラブルが起こっても、スピーディな対応ができません。
しかし、名刺管理をデジタル化し、名刺情報が部署内で共有されていれば、とりあえず先方の担当者に連絡を入れ、状況を説明することはできます。こうした対応ができるのは、名刺をデジタル管理していればこそです。

名刺管理の目的を明確にする

ただ、「名刺を探す手間と時間を省きたい」というだけであれば、ごくシンプルな管理ツールで十分でしょう。しかし、「名刺情報からテレアポリストを作りたい」ということであれば、テキストデータの出力機能が必要ですし、「見込み顧客リストとしてナーチャリングに活用したい」となると、SFAやCRMといったほかのツールとの連携を考える必要があります。
名刺管理の目的が何かをまず明確にしておかないと、ツールの選びようがありません。反対に、目的が明確であれば、最適なツールは自ずと定まってきます。

SFAやCRMとの連携で効果的なナーチャリングが可能

名刺情報を、SFAやCRMに吸い上げておき、接触したチャネルやコミュニケーション履歴を追加しておけば、見込み顧客のリストとして活用することができます。 SFAやCRMは先方とどんなやりとりをしたのかを時間軸で記録でき、購買意欲や確度などの情報も盛り込めます。また、さまざまな切り口で情報を抽出することも可能ですから、集めた名刺を無駄にせず、自社のリードとしてナーチャリングしていくことができます。 名刺管理ツールの中には、広く使われているSFAやCRMとシームレスに連携できる製品もあります。すでにSFAやCRMを導入している企業であれば、そうした管理ツールを使うのも良い方法でしょう。 名刺管理を、単純に「名刺の情報を取り出しやすくする」ということではなく、「企業の顧客管理として機能させる」ことで、売上につなげることができるのです。

名刺管理ツールで名刺を読み込む2つの方法

名刺管理ツールは名刺そのものを画像として読み込み、それをOCRと呼ばれる文字認識ソフトで解析してテキストデータにするという手順でデータ化します。名刺の読み込み方はツールによって違います。ここでは、名刺の読み込み方を2つご紹介します。

<名刺管理ツールで名刺を読み込む2つの方法>

  • 専用スキャナーで読み込むタイプ
  • スマートフォンのカメラで読み込むタイプ

専用スキャナーで読み込むタイプ

名刺専用のスキャナーを使うタイプです。スキャナーで読み込んだ画像は、専用ソフトのOCR機能でテキスト化され、データベースとして保存されます。大量の名刺を高速で処理できるため、頻繁に名刺交換をする人には向いているでしょう。
取り込んだデータはExcel形式やCSV形式で書き出すこともできます。

スマートフォンのカメラで読み込むタイプ

スマートフォンなどで撮影した名刺の画像を、OCRでテキスト化して記録するタイプです。内容を確認し、必要に応じて修正をかける場合もあります。専用の機器が不要で手間がかからず、どこでも名刺情報を共有できるのが特徴です。

名刺管理ツールの3つの選び方

最後に、名刺管理ツールの選び方について考えてみましょう。市場には多くのツールが出回っており、その中からひとつを選ぶのは簡単ではありません。 ですが、以下の3つのポイントを押さえておけば、便利で間違いのない選択ができるはずです。

<名刺管理ツールの3つの選び方>

  • 使用目的に合致している
  • 社内でのデータ共有ができる
  • セキュリティが堅固である

使用目的に合致している

あまり多くの機能を望まないのであれば、シンプルでコンパクトな製品で十分です。しかし、将来的に「名刺情報を顧客管理に活用したい」というニーズがありそうであれば、そうした機能を持つツールを導入したほうが得策です。

社内でのデータ共有ができる

個々の社員が持っている名刺を全社員で共有すれば、それは人脈の有効活用になります。必要なキーパーソンに最短距離で接触することもできるでしょう。 また、クラウドサービスであれば、単なる共有ではなく最新情報にどこからでもアクセスすることができ、利便性が高まります。

セキュリティが堅固である

ネットワーク上でデジタルデータを扱う場合、セキュリティ対策は忘れてはなりません。情報漏洩が起こることのないよう、どれほどのセキュリティ対策がなされているか確認しておきましょう。

有益な情報源である名刺をもっと活用しよう

いつの間にか溜まっていく名刺は少々厄介な存在ですが、見方を変えれば大きな可能性を秘めたデータベースとなります。そこに気づけば、めったに開かない名刺フォルダーが宝の山に変貌します。 社内全体に眠っている名刺をデータ化すれば、顧客や取引先はもちろん、業績向上の資源としても活用することができます。 名刺は有益な情報源です。しっかり管理し、あなたのビジネスに役立ててください。
 
 
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