SFAのデータ分析で営業部門を活性化しよう

投稿日:2021.9.22

多くの企業で導入が進んでいるSFA。しかしSFAは、蓄積されたデータを分析し業務に活用してこそ、その真価を発揮してくれます。では、どのようなデータを記録し、分析・活用すればいいのでしょうか。
ここでは、営業部門を活性化するSFAのデータ分析について解説します。

SFAはデータ分析が重要なポイント

SFAは、導入しただけで売上が上がる魔法のツールではありません。適切に運用してこそ、さまざまなメリットを生み出してくれます。そこで重要なのは、SFAに蓄積された情報を分析することです。このデータ分析を行ってこそ、SFAはその真価を発揮してくれるといっていいでしょう。

なぜデータ分析が重要なのか?

なぜ、SFAのデータ分析が重要なのでしょうか。SFAに蓄積されたデータを分析すると、営業の現場で何が起こったのかが可視化されます。それにより、成約に結びつきやすい顧客属性を見つけたり、失注しやすい行動が見えてきたりします。それを業務プロセスに反映させれば、業務効率の改善と収益の向上が期待できるというわけです。
また、「成功する営業パターン」を標準化すれば、メンバー間の能力差を補って、チーム全体のパフォーマンスの底上げと、属人性を排除できますから、営業担当者の異動や退職によって顧客へのサービスの質が落ちることも防げます。
このように、SFAのデータ分析と業務プロセスへの反映によって、多くのメリットを得ることができるのです。
 
 
 
 
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分析対象となるSFAのデータ

日々の営業活動を通じて、SFAにはさまざまな種類の情報が蓄積されています。まずは、それらの情報の種類を知っておき、目的に合った情報を分析していくことが大切です。

  • 顧客情報
    顧客情報とは、会社名、担当者名とその役職、過去の商談内容など、顧客そのものに関する情報です。営業業務においては基本的な情報ですが、これさえ部内で共有されていないという企業もあるのではないでしょうか。
    しかし、SFAで顧客情報を共有しておけば、転職や退職、産休・育休、長期療養などによる営業担当者交代の際にも、スムーズに引き継ぎができます。
  • 活動情報
    活動情報は、営業担当者の活動の記録です。顧客先へのアポイント数や訪問記録、商品の提案履歴など、あらゆる営業活動が含まれます。人事評価の資料として使うこともできますし、業務スタイルの改善や標準化のためのサンプルとしても活用が可能です。
  • 案件情報
    案件情報とは、商談化した案件に関する情報です。提案の内容やそれに対する顧客からの要望、商談の進捗、成約確度とその変化、見積額と契約の成否など、案件についてのあらゆる情報が含まれます。進行中の案件状況をマネージャーが確認し、必要なサポートやアドバイスを与えるためにも使われます。

基本的なデータ分析の方法

SFAに蓄積された情報を分析する方法はいくつもあり、「何を知りたいか」によって選ぶ必要があります。また、正確な分析を行うためには、ある程度のデータ量が必要です。データが少ないと誤差によるぶれが大きくなり、正確さを欠いてしまうからです。
SFAにすでに多くの情報が蓄積されているならいいのですが、導入から日が浅く、データ量が十分でないと、間違った結果を導いてしまう危険性もあります。そのような場合は、まずデータが蓄積されるまで待ったほうが賢明でしょう。
ここでは、SFAの情報を活用したデータ分析の方法をいくつか解説します。

全体を見渡す「動向分析」

動向分析は、市場や業界などの大きなフィールドの中で、どのようなトレンドが起こっているかを分析する方法です。どのような商品が人気なのか、売れている価格帯はどこか、週あるいは月ごとに、どのような変化が起こっているのかということを、分析によってつかみます。
動向分析では、全体的な動向をとらえるのが目的ですので、個別の例を具体的に追いかけることはしません。この分析で大局的な動きを見定め、それを基に営業方針を定めていきます。

結果の要因を探る「要因分析」

前項の「動向」が起こった要因を探るのが、この要因分析です。市場や業界に見られる大きな動きには、必ずその動きをもたらした要因があります。それを探り出し、自社の製品やサービスに反映させれば、販売の機会を広げることができるはずです。
また、売れ行きが伸び悩んでいる製品・サービスがあるなら、「売れない要因」を探り出すことで、改善につなげたり、マーケティングの方法を変えたりして、状況を打破できるかもしれません。

仮説と実践を行う「検証分析」

動向分析と要因分析の次のステップとして使われるのが検証分析です。前の2つの分析によって、動向と要因の関連が分析できたら、それを踏まえて収益を高める仮説を立て、実践・検証します。その検証結果を分析して仮説を修正し、再び実践する。このサイクルを繰り返して理想の状況に近づけていくのです。
成果が上がれば、次はさらにその先を目指して、収益を着実に増やしていきましょう。

AIが未来を予測する「予測分析」

これまでにご紹介した3つの分析法は、いずれも「過去の事実を分析・検証する」という手法でした。しかし、これらとはまったく異なる分析手法が、近年注目を集めています。それが、AIを活用する予測分析です。
予測分析では、市場から収集した膨大なデータが分析対象となり、「要因と動向」という過去の記録、いわば経験知だけに頼らず、「ニューラルネットワーク」という予測モデルを使用します。これは、人間の心の動きに近い複雑なしくみを持っており、一見すると関連がなさそうなデータのあいだにも関連性を見つけ、未来予測をはじき出してくれます。
AIの予測分析は、必ず当たるというものではありませんが、機械学習を重ねることで、その精度を高めることが可能です。すでに、この分析機能を搭載したSFAも登場し、特別な知識がない人でも、精密な未来予測を容易に行える環境が整いつつあります。

データ分析の効果をさらに高めるには?

SFAのデータ分析を効率良く行い、その効果をさらに高めるためには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。これは、SFAの運用、およびそれ以前の製品の選定にも関わってきます。
SFAを導入するなら、効果的に運用したいと考えるのは当然のこと。ですから、これらのポイントについては、製品選定の段階から考慮しておくといいでしょう。

入力する担当者の負担を減らす

SFAが現場に定着しない理由のひとつとして、「入力作業が面倒」というものがあります。これは、入力作業そのものを面倒だと感じる担当者の心理的な障壁や、あまりに多くの入力項目を設定しているという物理的な手間など、いくつかの要因が挙げられます。また、SFAのユーザーインターフェースや操作性に問題があり、使いづらいというケースも考えられるでしょう。
SFAは、蓄積された多くのデータを分析し活用することで、真価を発揮します。そのためには、入力の負担をできるだけ軽くすることは重要課題といえます。製品選定の前にデモ版を試用してみて使い勝手を確かめたり、セットアップの際には入力項目をできるだけ絞り込んだりするなど、担当者の負担を減らす工夫を施してください。

他ツールとの連携を図る

SFAは、単体でも十分に活用できますが、MAやCRMなど、ほかのツールと連携することで、営業プロセス全体を効率化することができます。
MAは、マーケティング活動で案件化する前段階の見込み顧客を獲得して管理・育成し、購買意欲を高めてから営業に渡すためのツールです。CRMは、日本語で「顧客関係管理」と呼ばれ、顧客とのコミュニケーションを管理し、良好に保つことで、クロスセルやアップセルにつなげていくためのツールを指します。
これらのツールを連携させ、情報を共有することで、マーケティングから営業、さらにアフターセールスの段階までを一元管理し、よりきめ細かい提案や効果的な施策を打っていくことが可能になります。

適切な指標を設定する

SFAのデータを分析すれば、営業業務をさまざまな面で改善していくことができます。その際、そうした改善がどれほどの効果を上げたのか、検証することは不可欠です。そうでないと、改善活動そのものが業績向上に役立っているのかわかりません。
ですから、何らかの指標を設定し、改善の効果を測定することが大切です。見込み顧客からの案件化率や成約率、失注率など、解決したい課題に合わせて、適切な指標を選びましょう。
複数の指標を設定しても構いませんが、あれもこれもと欲張ってしまうと、注力するべきポイントが見えづらくなってしまいます。その場合は優先順位をつけておき、優先度の高い指標からクリアするようにしてください。

データ分析の結果の活かし方

SFAのデータ分析は、さまざまな形で活用することができます。最後に、データ分析の結果の活かし方の具体例を、いくつか挙げておきましょう。

現実的な目標設定に使う

企業の営業部門の多くは、半期や四半期ごとの目標を掲げ、その達成に向けて努力を重ねています。しかし、ここで大切なのは、その目標設定がどのように決められたのかということです。「前年同期の◯◯%増」「前年同月から◯◯万円増」など、その根拠は企業によって違いますが、得てして「なんとなく決められている」ということも多いのではないでしょうか。
根拠の曖昧な目標設定では、そこに至る道筋や方法も見えづらくなります。しかし、SFAのデータ分析にもとづいた目標値を設定すれば、その達成のために何をすべきか、それもデータ分析によって導き出すことが可能です。

行動管理で作業効率を高める

個々の営業メンバーの実績は、そのメンバーの行動の結果と紐づきます。逆にいえば、目標値である実績を残すためには、どのような行動が必要なのかが見えてきます。これが行動管理です。
まずはSFAの行動データを分析し、自分の行動に無駄がないかをチェックします。アポイント数や商談数、クロージングの件数や売上額などを計測すれば、どの部分の行動が足りていないかが明確になり、自ずと改善策が見えてきます。高い実績を持つほかのメンバーのやり方を取り入れるのもいいでしょう。この手法をセールス部門全体に適用すれば、全員が「勝てる営業プロセス」を実践できるようになり、全体のパフォーマンスを大きく底上げすることが可能です。

案件を管理して営業戦略に活かす

ひとつひとつの案件がどのように進み、どのような状況にあるか。そうした進捗をリアルタイムで管理することは、営業担当者にとっても、マネージャーにとっても重要なことです。一方で、こうした案件の進捗を分析することで、営業プロセスの改善や営業戦略に活かすこともできます。
「案件化から成約までに、何回の商談を重ねているか」「提案の手順やタイミングはどうか」「相手からの要望や要求に、どのように応えればその後の展開が開けるのか」など、無事に成約に至ったケースだけでなく、失注した場合についても管理・検証しておくと、「失注を招きやすい要因」を洗い出すことが可能です。
行動管理と同じく、案件管理においても、SFAのデータは有用なもの。さまざまな角度から分析し、営業ノウハウを積み上げていきましょう。

チームの結束力を高める

SFAのデータ分析を営業業務に反映させることで、これまで挙げたような多くの成果を生み出すことができます。それは、勘や経験ではなく、データにもとづく思考や行動によって得られるものです。同時に、個人の能力だけでなく、部門全体のパフォーマンスを高め、チームプレーで目標に向かうという、意識の変化を促すものでもあります。
営業という業務は属人性が強いものです。しかし、その固定概念を薄め、取り払うことができれば、メンバーがいい意味で競い合い、協力し合う環境を作ることができます。その結果、営業チームとしての結束力を高め、個々のメンバーのモチベーションを大きく高めてくれるでしょう。

SFAは、データ分析してこそ価値を持つ

SFAは営業業務を効率化し、現場の作業負荷を軽減してくれます。しかし、それ以上に大きな役割は、蓄積されたデータを分析することで、さまざまなメリットを生み出すことです。
日々、変化していく状況やその日の行動を入力するだけでなく、そのデータを分析し有効活用することで、営業部門のパフォーマンスは今以上に高まっていくでしょう。
 

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