営業管理ツールとは?SFAやExcelを比較、選ぶ際の注意点を解説
営業の業務では、案件情報や顧客情報を管理するため、さまざまな営業管理ツールを使います。その種類は多岐にわたり、特徴も機能も違いがあるので、目的や用途に合ったツールを選ぶことが重要です。
ここでは、実際にどんなツールがあり、ツールによって何ができるのか、営業管理の基礎知識を解説します。
営業管理ツールを使う理由は?
営業管理ツールで管理するべき4つの項目
営業管理ツールで管理できる項目は、主に4つあります。
- 目標管理
- 案件管理
- 行動管理
- モチベーション管理
どこに重きを置くかは、企業によって違ってくるでしょう。
現場の動きに対して経営側の管理を強めたい場合には、案件管理と行動管理の比重が高まるでしょうし、個々のメンバーの自主性・自律性をさらに引き出したいなら、モチベーション管理を重視したくなるはずです。
いずれにせよ、これら4つの項目をPDCAサイクルのもとでしっかり管理することが、個々のメンバー、ひいてはチーム全体の能力向上につながり、売上の増大へと結びつきます。
ツールについてお話しする前に、まずはこれら4つの管理項目について見ていきましょう。
目標管理:目標と実績のギャップを管理する
営業の仕事は案件をクローズして成約に導くこと、さらに端的に言えば「売上を作ること」です。となると、そこには目標値というものが存在します。この目標値と実状とのギャップを管理することが目標管理となります。目標管理をする上での重要なポイントとしては、次の3つが挙げられます。
<目標管理のポイント>
- 現状の実績よりも、少し背伸びした目標値を設定する
- 目標値をメンバーごと時系列で細分化する
- 必ず達成するという意識をメンバー間で共有する
越えるべきハードルは高すぎても低すぎても効果が上がりません。少し背伸びしたレベルに設定することがポイントです。「ちょっときついけど、頑張ればできるかも」という緊張感と期待感が、より高いパフォーマンスにつながります。
また、年間目標を細分化して月間目標値を割り出し、「1月あたり1人何件の成約」というような、短期的かつ具体的な目標に置き換えると、目標がよりリアルに見え、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
そして、最も重要なことは、こうして設定した目標を、必ず達成するのだという意識を現場全体で共有することです。
案件管理:案件ごとの進捗や見積額、確度を管理する
多くの場合、1人の営業担当者が担当する案件が1つだけということはありません。いくつかの案件を同時進行で進めているはずです。それらの案件は、成約の確度や契約額など、さまざまな違いがあります。ですから、案件ごとに優先順位をつけ、効率良くさばいていかなくてはなりません。
この案件管理をおろそかにしてしまうと、訪問のタイミングを逃して失注してしまったり、確度の低い案件に時間をかけてしまったりと、効率の悪い結果になりかねませんから、漏れのないようにマネジメントしたいところです。
行動管理:目標に向けた効率的な行動を管理する
案件に対する行動をマネジメントするのが行動管理です。
複数の案件に対してどのような行動をとり、結果としてどれだけの成約に至ったかを管理するのですが、ここでは「入り口と出口」だけを見ていてはいけません。
見込み顧客に訪問のアポをとり、最終的に成約に至るまでには、実に多くの段階を踏むことになります。そのステップごとの数値を算出していくと、これまで気づかなかった行動上の弱点が見えることがあります。
たとえば、アポをとって訪問するまでは順調に進むけれど、その先の「見積もりとともに提案する」というステップへの進行率が低いとなれば、そこに何らかの弱点があると見ることができます。もしかしたら訪問した席で、自社製品の特徴や相手側のベネフィットなどを、十分に伝えられていないのかもしれません。
このように、行動とその結果を分析することで、弱みを発見して改善し、営業効率を高めていくことが可能になります。
モチベーション管理:前向きに取り組むモチベーションを管理する
売上目標という明確な数値が設定されていると、営業活動の結果によっては個々の営業担当者にモチベーションの大きな変化が起こりがちです。そこをマネジメントしていくことも、営業管理において重要です。
モチベーションが落ちてしまった営業担当者が客先に出向いても、なかなか契約をとることはできません。しかし、一度落ちてしまったモチベーションを引き上げることができれば、成果となって表れます。それが自信となってさらにモチベーションが上がる…という好循環にのることができれば、パフォーマンスの回復どころか、それ以上の向上も期待できます。
モチベーション管理では、チームメンバーとの情報共有、それ以上にマネージャーとのコミュニケーションがカギとなります。定期的な面談に加えて、チャットツールや社内SNSなどを使った適切なアドバイスなど、タイミングをとらえたコミュニケーションが有効です。
営業管理ツールを選ぶ際の3つのポイント
現在、多くの企業では、さまざまなツールを使って営業管理が行われています。しかし、中には用途と目的に合わないツールを採用したために、思うような効果が上がっていないというケースもあるのではないでしょうか。
道具は、用途と目的に合ったものを選ばないと逆効果にもなりかねません。どのようなツールを選べばいいのか、考えてみましょう。
<営業管理ツールを選ぶ際の3つのポイント>
- Excelなら誰でも使えるメリットがあるがデメリットも多い
- グループウェアはコミュニケーション重視
- 営業管理に特化したSFA
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Excelなら誰でも使えるメリットがあるがデメリットも多い
しかし、Excelはあくまでも表計算ソフトです。時間軸での管理ができない、更新や共有など運用に難がある、データが増えるにつれて動作が重くなるなど、Excelでの営業管理はデメリットのほうが多いと言わざるをえません。
グループウェアはコミュニケーション重視
ただ、グループウェアはコミュニケーション機能がベースです。顧客管理や案件管理機能を持つものもありますが、できることには限界があります。そこを見極めた上で、導入を検討するようにしてください。
営業管理に特化したSFA
顧客管理、案件管理に加えて、日々の営業活動とその成果を記録。それを分析することで、営業活動をより効率的にブラッシュアップできます。入力した情報はリアルタイムで更新・共有され、ツールによっては、外出先からモバイルでのアクセスも可能です。
営業効率化のための管理ツールを導入するなら、SFAは最適な選択といえます。
営業管理ツールのSFAで実現できる3つのこと
では、SFAを導入することで、何がどのように変わり、何が実現するのでしょうか?
SFAで実現できることのうち、代表的な3つのことをご紹介します。
<営業管理ツールのSFAで実現できる3つのこと>
- 多岐にわたる管理機能で、営業を効率化できる
- 営業プロセスを分析して弱点を克服できる
- 個人プレイからチームプレイへの移行
多岐にわたる管理機能で、営業を効率化できる
個々のメンバーは、今月の目標値と実績、進行中の案件の内容を見比べながら、今後の商談の進め方を決めることができますし、マネージャーは各メンバーの行動を見ながら適切なタイミングでアドバイスすることができます。
顧客情報、案件情報、担当者の行動履歴、それぞれの領域のあらゆる情報を、SFAは一元管理して蓄積します。このデータを活用することで、営業業務の効率化を図り、売上の増大に結びつけることができるのです。
営業プロセスを分析して弱点を克服できる
訪問にはこぎつけるのだが、提案に至らない。見積もりを出しても、なかなか稟議が通らない。こうした営業業務の問題や課題の発見を容易にするのは、SFAによる情報管理があればこそです。さらに、それらを解決・改善できれば、チーム内全員で共有し、営業部門全体のパフォーマンスを高めることができます。
個人プレイからチームプレイへの移行
SFAは「情報共有」を重視して設計されています。各メンバーが入力する情報は、マネージャーはもちろん、チームメンバーにも瞬時に公開されます。この機能は、営業という業務を、個人プレイからチームプレイへと転換する役割を果たします。
営業部門では、一握りのスタープレイヤーが売上の多くを生み出すということが、珍しくありません。しかし、彼らスタープレイヤーのノウハウを部門全体で共有できれば、チーム全体の能力を底上げすることができます。
また、情報の共有によって、他のメンバーの活動や商談の進捗を見ることができ、必要ならばアドバイスし合うことができます。担当者が不在の際に、何らかのトラブルが起こっても、SFAでこれまでの経緯をチェックすれば、他のメンバーでも適切に対応することができるでしょう。
このように、SFAは営業活動のスタイルまで変革し、部門全体の能力をさらに高めてくれるのです。
営業管理のSFAと顧客関係管理のCRMの違いは?
しかし、管理する情報や機能の面で共通する部分が多く、両者の境界は曖昧になってきました。ツールによっては、それぞれの機能を幅広くカバーしているものもあります。
ですから、これから導入を検討するのであれば、「SFAかCRMか」というよりも、「そのツールで何がしたいか」「何ができるか」というところから選択肢をしぼっていくといいでしょう。
自社に合った営業管理ツールを選択しよう
ただし、SFAといっても多くの製品が登場しており、それぞれに特徴があります。「何がしたいか」から出発し、機能やコストなどを勘案しながら、自社に何が必要なのかを見極めた上で、導入するツールを選ぶようにしてください。
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