テレアポとは?トークスクリプトの作り方や成功率の上げ方を解説
ここでは、テレアポをより効率化するコツと極意についてご紹介します。
テレアポとは、電話をかけて営業する「伝統的」手法
これは、電話をかける側にとってもかけられる側にとっても、あまり望ましいものではありません。
飛び込み営業と並ぶ辛い仕事
5回、10回と受付で門前払いされてもあきらめず、相手が根負けするほどに通い詰めて面会してもらい、契約をとる。一昔前までは、実際にそうした武勇伝を持つ営業担当者も多くいたことでしょう。それを実現するしたたかさ、粘り強さ、押しの強さを鍛えるためには、見知らぬ相手に、それも顔も見えない電話という手段で営業するテレアポは、格好のトレーニングになります。
そうしたこともあって、新人営業担当者の多くがテレアポや飛び込み営業のノルマを課されるのですが、慣れない本人たちにとっては、決して楽な仕事ではありません。
営業される側からも煙たがられがちなテレアポ
このようにテレアポという業務は、アプローチする側にもされる側にも、ストレスを与えがちです。
テレアポが嫌がられる理由(営業担当者/営業先)
そのための一歩として、まずはテレアポという手法が含んでいるマイナスポイントを洗い出してみましょう。
営業担当者にとってのテレアポの嫌な3つのポイント
まずは電話をかける側である、営業担当者にとってのテレアポの嫌なポイントを紹介します。これは、個人差が大きいところですが、主なポイントを挙げていきましょう。
<テレアポの嫌な3つのポイント(営業担当者目線)>
- 成功率が高くない
- 時間効率が悪い
- 精神的ストレスがある
成功率が高くない
テレアポは、一般的に成功率が高くありません。そもそも、担当者に電話をつないでもらうところからハードルが存在しますし、仮につながったとしても、最初の10秒で「うちは間に合ってるから」と、冷たく切られてしまうのは日常茶飯事です。
そのため、多くの営業担当者がテレアポに対する成功体験が乏しく、自信を持つこともできません。結果、「どうせ断られるのでは」という意識の中で作業することになります。
時間効率が悪い
相手の顔が見えない電話でのコミュニケーションでは、自分に信頼感を持ってもらおうと、つい話が長くなります。また、電話を切られたくない意識から、不要な言葉が多くなり、前置きが長くなる傾向も表れます。
しかし、時間と言葉をかけたからといって、必ずしも信頼されるわけではありません。むしろ、時間をかけた上で「いや、うちはいいよ。もう電話してこないで」などと言われてしまったら、それまでの労力が無駄になってしまいます。
精神的ストレスがある
前項までの話とリンクしますが、テレアポ業務は、得てして気持ちをネガティブな方向に誘導しやすいものです。そしてひと度「嫌だなぁ」という感覚を持つと、それをなかなかぬぐい去ることができません。
ネガティブな精神状態でテレアポをしていれば、良い結果に結びつかないのは当然のこと。そのため、ますます気持ちが折れていくという、悪循環にはまってしまいます。
営業先にとってのテレアポの嫌な2つのポイント
テレアポを受ける営業先にとっても、この手法のデメリットはあります。
<テレアポの嫌な2つのポイント(営業先目線)>
- 時間を取られる
- 押しつけがましい
時間を取られる
電話は、相手の状況にお構いなく割り込んでいくようなものです。トラブルやアクシデント、あるいはプレゼンの準備などで多忙であったり、何か重要な判断を迫られたりしているような状況で、突然入ってくるテレアポは、迷惑でしかありません。
「今忙しいから、後で」とやんわり断っても「では、これだけ聞いてください」などと引き延ばされると、イライラが募るばかりです。これでは、双方にとってマイナスにしかなりません。
押しつけがましい
押しつけがましさは、テレアポだけでなく、飛び込み営業にもいえることかもしれません。営業を受ける側からすると、自社商品に対して強い自信と愛着を持っていることは理解できるのですが、こちらが断っているにもかかわらずアプローチしてくる営業スタイルは、わずらわしいだけでしかありません。
テレアポの基本的なトークスクリプトの6つのコツ
トークスクリプトとはテレアポの「台本」であり、基本的な話の流れをまとめたものです。テレアポはこのトークスクリプトに沿って進めていきますが、よくある相手の反応や、質問されることに対しても台本を用意しておき、臨機応変な対応ができるように準備しておきます。 業種によって、あるいは扱う商材によってトークスクリプトの内容が変わりますが、「挨拶」から始まる基本的な骨組みはほぼ共通です。
<トークスクリプトの6つのコツ>
- 「挨拶」は堅くなりすぎず、あっさりと
- 限られた言葉で自分を知ってもらう「自己紹介」
- 相手の興味と関心を素早くつかむ「キャッチ」
- 相手の反応によって枝分かれしていく「対応」
- 安心感とと信頼を築く「共感」
- 「アポ取り」では、主導権を相手と分け合う
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「挨拶」は堅くなりすぎず、あっさりと
相手の顔が見えない電話では、声の印象が結果に大きく作用します。まして、第一声は第一印象そのもの。そのため「ご多忙のところ、恐縮です」というような、堅苦しい言葉が飛び出しがちです。
しかし、こちらが堅い姿勢をとると、相手も身構えてしまいます。挨拶は第一印象を決めると同時に、その先のトークをスムーズに進める、入り口となるものです。挨拶は堅くなりすぎずに、あっさりと抑えるといいでしょう。
限られた言葉で自分を知ってもらう「自己紹介」
ビジネス上では、「◯◯社の△△と申します」というのが一般的な自己紹介ですが、テレアポでは、このような自己紹介では不十分です。何をしている人間が、何の用事で電話をかけてきたのかわかりませんから、相手は警戒してしまいます。
さらに一歩踏み込んで、「□□というサービスを手掛けております、◯◯社の△△と申します」とすれば、自分が何者で何のために電話をかけているのか、相手がイメージすることができます。
相手の興味と関心を素早くつかむ「キャッチ」
キャッチとは、いわゆる「つかみ」で、テレアポの成否に関わる重要な部分です。広告のキャッチコピー、メルマガの件名と同じく、相手が「その先の情報を知りたい」と思うような、興味と関心を引きつける言葉が必要です。
たとえば、「□□というサービスのご案内です」という言葉よりも、「業務効率をさらに高める、□□という新しいサービスのご案内です」のほうが、相手に刺さりやすいはずです。 効率アップ、生産性の向上、コスト削減…相手の課題意識を刺激する言葉を使えば、トークを進めやすくなります。さらに、明確な根拠があるなら「従来比で150%」「時間とコストが半減」など、具体的な数値を入れると効果的でしょう。
その製品・サービスによってどんな利益を得られるのか、相手にイメージさせることが重要です。
相手の反応によって枝分かれしていく「対応」
ここから先は、相手の反応によって対応を変えていきます。「それはいいね」「え?そんなことできるの」など、好意的あるいは懐疑的な反応が返ってきたら、「ほかにも、このような機能も備えています」「こうした例が実際にございました」など、それぞれに対応するトークの流れを作ります。 少々難しいのは、「うちはいいや」と拒絶される場合です。
「もう少しだけ聞いてください」などと、しつこく粘るのは逆効果で、引き際が肝心です。
しかし、断られるたびに引き下がっていては、アポを取るのは難しいでしょう。 このような場合は、「◯◯のような課題の解決にはきっとお役に立てるのですが、そうした課題はございませんか」と、別の切り口から話の糸口を探ってみましょう。質問によって相手の悩みや業務課題を引き出し、それを自社製品・サービスがどのように解決するのかを説明できれば、うまく話を続けることができます。
安心感と信頼を築く「共感」
テレアポにおいては、相手の状況に共感し、信頼感を築くことが非常に重要です。このプロセスを通じて、相手が心を開きやすくなり、こちらの提案に対して前向きに考えるようになります。
まずは、相手の話に耳を傾け、その状況に対して共感を示すことが必要です。たとえば、「それは大変ですね。多くの企業様も同じような課題を抱えていらっしゃいます。」といったフレーズを使うことで、相手は自分の問題が理解されていると感じ、安心感を持つことができます。
堅苦しくなりすぎない、リラックスしたトーンで会話を進めることも重要です。自己開示を少し交えて、「実は私も以前、○○のことで悩んでいたんです。」といった共通の経験を共有することで、相手に親しみやすさを感じてもらい、自然な対話が生まれます。
相手の意見や反応に対して適切なフィードバックを行うことも、信頼関係を強化する重要なステップです。「そのポイントは非常に大切ですね。私も同じく○○という意見を持っています。」といったフィードバックを適時に行うことで、相手は自分の意見が尊重されていると認識し、より積極的なコミュニケーションが生まれます。
「共感」を取り入れることで、相手との関係がより深まる基盤を築くことができ、テレアポの成功率は格段に向上します。
「アポ取り」では、主導権を相手と分け合う
一通りの説明を済ませたらアポ取りの段階ですが、ここで大事なのは2点です。 まず、「買うか買わないかの判断は、相手に任せる」こと。
当たり前のことですが、一方的にアポ取りを進めてしまうと、押しつけがましい印象を持たれ、相手が不快になることがあります。「導入するかどうか、ご判断いただくためにも、詳しくご説明させてください」というように、最終判断の主導権を相手にゆだねる姿勢を見せることです。
反対に、訪問の日程は、近日中でいくつかの候補をこちらから提案し、その中から選んでもらうといいでしょう。「いつ頃お伺いすればいいでしょうか」では、相手に「手が空いたら、こちらから連絡しますよ」と、かわされてしまいます。
テレアポの成功率を高める9つのテクニック
<成功率を高める9つのテクニック>
- 成功率の高いリストを使う
- スクリプトを十分に練っておく
- 架電のタイミングを計る
- セールス感を弱める
- 話は手短に、簡潔に伝える
- アポイントは選択肢をしぼる
- 話し方にも工夫が必要
- 会話の内容の記録を取る
- 引き際を見誤らない
1 成功率の高いリストを使う
テレアポでは、とかく量が重視されがちですが、電話を入れる対象が自社のターゲットから外れていては、成約どころか商談にすらなりません。自社で用意できればいいのですが、業者からリストを購入したりするような場合には、その精度と鮮度については厳しく見極めるべきでしょう。
意気込んで電話したところで「ああ、その事業部は3年前に売却しましたよ」などと言われてしまっては、目もあてられません。
2 スクリプトを十分に練っておく
伝えるべき言葉の順序を間違えただけで、電話を切られてしまうこともあります。また、うまく言葉をつないでいけば、それだけ長い時間、会話を続けることができ、情報の伝達や信頼感の醸成につなげることもできます。それだけに、トークスクリプトは非常に大切です。
実際に、何をどの順序で話していくか、相手の反応にどう対応するかは、商材や価格帯などで大きく変わってきます。しかし、スクリプトの作成で重視すべきポイントは、「相手の情報を引き出す」「自社製品のメリットを理解させる」「それを導入することの利点を気づかせる」の3点です。 もちろん、すべてがクリアできなくても構いません。少なくとも、自社製品に興味を持ってもらえれば、訪問のアポイントにつなげることができます。
3 架電のタイミングを計る
業種によっては、多忙な曜日、時間帯もあります。また、「月曜の午前中はずっと会議」という企業も少なくありません。そんなときに営業のテレアポを入れても、徒労に終わるだけです。
何度か電話を入れて「不在」「会議中」ということが続くようなら、「いつ頃お電話すればよろしいでしょうか?」と聞いてしまうのもひとつの方法です。
4 セールス感を弱める
そうした意味では、単に製品の長所を述べるのではなく、それを購入することによってもたらされる価値を語ったほうが有効でしょう。
5 話は手短に、簡潔に伝える
話が長いと「またこの次に」ということになりやすいものですし、簡潔でないと短い時間で伝えたいことを伝えることができません。慣れが必要な部分ではありますが、常にこうした意識を持っておくことが大切です。
6 アポイントは選択肢をしぼる
ですから「◯日か△日でしたら、終日いつでもお伺いできます。どちらがよろしいでしょう?」と選択肢をしぼり、相手に選んでもらうのが得策です。
7 話し方にも工夫が必要
営業トークは作り声になってしまいがちですが、それは相手からの信頼を得るための障壁になりやすいもの。「あなたのために役立つ話をしたいのです」という意識を持ち、営業だということを相手に感じさせない落ち着いた話し方を心掛けることが大切です。
8 会話の内容の記録を取る
たとえば「今忙しいから、かけ直してくれ」というのは、相手によく言われることです。しかしそのときに、「◯曜日の△時頃なら空いているんだけど」といったひと言があったなら、これは重要な情報です。電話を入れるならこの時間帯だ、ということがわかりますし、実際に電話がつながる確率も高いでしょう。
また後日、同じリストへの架電が必要になったとき、こうした記録が役立ちますし、別のアプローチを試してみるといった改善も可能になります。
9 引き際を見誤らない
ですから、テレアポにおいても、引き際を見極めることが肝心です。「またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします」という一言を添えて電話を切れば、お互い嫌な思いをしなくて済みます。自社の印象を損ねることもありませんし、時間を浪費することもありません。こうした引き際も、テレアポでは重要な要素です。
テレアポには、社外リソースを有効活用しよう
営業担当者は、商談を進めてクローズまで持っていくのが本来の役割です。しかし、多くの企業では、新規開拓のためのテレアポにそのリソースが割かれており、そのために、時間的にも精神的にも無視できない損失を受けています。
ならば、このプロセスを外注化することも、業務効率を考える上では意味があります。テレアポだけでなく、見込み顧客から案件化までのプロセスを外注する方法もあります。
テレアポは、新人のトレーニング的な意味があるとはいえ、ただ漫然と行っていたのでは、その成功率は決して高くはありません。それを自社内でまかなうとなれば、ここでご説明したような工夫は必要でしょう。
また、テレアポを外注してしまえば、営業は本来の業務である商談に専念することができます。テレアポを自社で行うのがいいのか、外注に任せるのがいいのかは、企業の方針によって異なりますが、最も貴重なリソースである人材を、いかに有効活用するかを考えることは、極めて重要です。
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不毛に見えるテレアポは、クローズの最初の一歩
しかし、テレアポは最終的にクロージングへとつながる最初の一歩です。ここで紹介したコツや極意を参考に、苦手意識を克服し、ゴールをイメージしながら効率の良いテレアポを実践してください。
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