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就業者の77%が自律型AIの未来を信頼:実現の鍵は人間の関与

※本記事は2024年6月26日に米国で公開された77% of Workers Trust an Autonomous AI Future. Humans Are Critical to Getting There の抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


Salesforceが実施した最近の調査によると、今日の就業者はすでに仕事の半分近くをAIに任せています。現状では、AIと人間が共同作業する形態がもっとも快適であるという結果が出ていますが、コードの作成、データインサイトの発見、コミュニケーション用の文書作成などの業務において、時間を節約するためにAIを信頼しタスクの遂行を任せる動きも進んでいます。 

今のところ、就業者はすべての業務をAIに委ねているわけではありません。本調査によると、今日の就業者は社員研修、トレーニング、データの安全性確保といった任務を人間が監督することを好んでいます。しかし、この状況は長く続かないでしょう。調査結果は、知識の習得と教育に投資することが、自律型AIの未来に対する安心感や信頼につながることを示唆しています。 

重要な理由:テクノロジーが進歩するにつれ、AIが完全に自律的な動作をする未来が想像できるようになってきています。Salesforceが実施した世界の約6,000人を対象とした調査では、就業者はAIを活用した未来に期待を寄せていることが明らかになりました。また、AIツールを使って信頼関係、知識、経験を築く上で、人間らしさが重要だと考えていることもわかりました。

調査結果:

世界の就業者、特にリーダーはAIが自律的に行動する未来を信じ、すでに仕事の一部を任せている 

AIへの信頼度は一般の従業員よりもリーダーの方が高いことがわかりました。AIに任せている仕事量の割合は、前者が40%に対し、後者は51%となっています。 

  • 現在、就業者はすでに仕事の約43%をAIに任せており、AIに仕事を任せる傾向が強まっています。
  • 世界の就業者の77%が、最終的に自律的なAIの動作を信頼できるようになるだろうと回答しています。その内訳は以下のとおりです。
    • 10%が、現在、自律的なAIの動作を信頼している。
    • 26%が、今後3年未満で自律的なAIの動作を信頼できるようになると考えている。
    • 41%が、3年以上経てば自律的なAIの動作を信頼できるようになると考えている。

就業者はAIと人間の協働を好む一方、特定のタスクに対してはAIに単独で処理をさせ始めている

  • 今日、世界の就業者の54%が、大半のタスクを人間とAIで共同で行っています。 
  • 同じ就業者を対象に、これらのタスクをAIに一任できるかどうか尋ねたところ、少数のグループが「一部は任せられる」と回答しました。自律型AIに任せても問題ないと思われるタスクには、次のようなものがありました。
    • コードの作成:12%が、AIにコード作成を完全に任せられると回答。
    • データインサイトの発見:13%が、AIにデータインサイトの発見を完全に任せられると回答。
    • コミュニケーション用文書の作成:12%が、AIに社内外のコミュニケーション用文書の作成を人間の介入なしで任せられると回答。
    • パーソナルアシスタントの役割:12%が、自律型AIにパーソナルアシスタント役を務めてもらってもよいと回答。
  • 回答者によると、現時点では人間の関与が必要な業務も存在します。世界の就業者は次の業務については人間のみを信頼する傾向が最も強いことがわかりました。
    • インクルーシブであること:47%が人間のみを信頼。
    • 社員研修とトレーニング:46%が人間のみを信頼。
    • データの安全性確保:40%が人間のみを信頼。

自律型AIの未来を切り拓く鍵は、人間の関与と育成

  • AIへの信頼を築くには人間の関与が欠かせません。
    • 世界の就業者の63%が、人間の関与を増やすことがAIへの信頼向上につながると答えています。 
  • AIに対する懸念は、理解不足から生じている可能性があります。というのも、世界の就業者の54%が、自分の職場でAIがどのように導入され、管理されているのか知らないと回答しているからです。
    • 自分の職場でAIがどのように導入され、どのように管理されているか知っている就業者は、知らない就業者に比べて、「今後2年以内に自律的なAIの動作を信頼できるようになるだろう」と回答した人の割合が5倍高いことがわかりました。
  • トレーニングの実施も、自律型AIに対する信頼を築く鍵となる可能性があります。
    • 就業者の62%が、スキルの習得とトレーニングの機会がAIへの信頼向上につながると答えています。

AIに関する知識のジェンダーギャップ:男性は女性に比べて、職場でAIがどのように導入され、管理されているかについて知っていると回答する割合が94%高い。 

Salesforceの視点:「就業者はAIを活用した未来に期待を寄せており、当社の調査によれば、人間の関与がその実現に寄与することが示されています。今日のAIシステムにおいて、人間が主導的な役割を担うことで、信頼を築き、AIの導入を促進し、就業者がAIのあらゆる可能性を引き出せるようになります」– Salesforce 倫理的および人道的利用最高責任者、ポーラ・ゴールドマン(Paula Goldman)

詳細情報:

  • SalesforceのAI製品に対する信頼を得るための取り組みはこちら
  • Salesforceが自律型AIの未来に備えるための信頼とトレーニングについてはこちら(英語)
  • AIの活用において人間による舵取りが必要な理由を解説したポーラ・ゴールドマンの寄稿記事はこちら
  • Salesforce Futures制作チームによるAIエージェントに関する記事はこちら(英語)。 
  • 信頼できるAIが収益拡大に役立つと経営幹部が考える理由はこちら(英語)。

調査方法:本記事のデータは、SalesforceとYouGov社が協力し、2024年3月20日から4月3日にかけて二重盲検法で実施した調査に基づいています。本調査は、米国、英国、アイルランド、オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、シンガポール、スイスの9か国におけるさまざまな規模や業種の企業を代表する約6,000人のフルタイム知識就労者を対象に、オンラインで実施されました。