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2030年までに1億本の樹木を保全する目標に向けて:進捗の報告

※本記事は2024年6月25日に米国で公開された100M Trees Funded by 2030: Evaluating Our Progressの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


1t.orgの共同創設者であり、1兆本の森林保全活動の支援者であるSalesforceは、2030年までに1億本の樹木を保全、再生、育成する活動に資金の提供等を含む支援を約束しています。 

活動4年目を迎えるにあたり、SalesforceはEnvironmental Resources Management(ERM)に対し、13か国にわたる29件の大型森林保全プロジェクトに関する第三者中期評価を依頼しました。Salesforceは目標の半分以上に到達し、これまでに5,200万本の樹木に投資しましたが、報告書では、不十分な現地計画と異常気象が主な原因で、投資した樹木の約10%が失われていることが判明しました。 

重要な理由:Salesforceが実施したような第三者評価は、説明責任を果たすだけでなく、プロジェクトの経過に合わせて森林の再生と保全の戦略を改善し、インパクトを最大にするうえで重要になります。自然は常に変化しており、樹木も気候、動物、人間の活動の影響を受ける動的なエコシステムの一部です。 

監査について:ERMは、テクノロジーの活用と現地訪問を組み合わせて評価を実施しました。プロジェクトの現場を撮影した広範囲にわたるドローン映像を分析し、判断に迷うプロジェクトについては、非軍事用ではでは最高解像度の衛星画像を数千枚にわたり入手して分析しています。そして、詳細のデータを必要とする4つの現場にフィールドチームを派遣しました。プロジェクトパートナーやステークホルダーと面談し、コミュニティへの影響、生物多様性、気候などに関する森林プロジェクトの進捗について確認しました。 

さらに詳しく:監査では、いくつかのベストプラクティスが明らかになりました。Salesforceはその多くをプログラムの立ち上げ当初から実践しています。

  • 現地コミュニティと協業する。Salesforceが初めて1億本の樹木の保全への資金提供にコミットしたとき、ツリーカウンターを公開して説明責任を果たし、目標に対する進捗を追跡できるようにしました。しかし、資金をもとに保全された樹木の本数はプロジェクトの成果の1つにすぎません。森林再生においてもっとも大きな成功は、生物多様性や人々が得る恩恵が増加することです。たとえば、ウガンダでは、2つの現地コミュニティのメンバーが再生プロジェクトの一部として3,000本を植林しました。木が成長すると、枝を薪として販売することで収入を得ることができます。コミュニティは、再投資によってさらに植林を増やし、自然生育地の再生の継続、生態系のネットワークの確立、将来的に安定した収入源の確保を図っています。その結果、コミュニティのサポートが永続化し、自然と人間の両方にメリットをもたらしています。
  • ランドスケープの視点を導入する。森林のエコシステムは、単独では成り立ちません。巨大な社会経済的かつ生態学的なランドスケープの一部になっているのが一般的です。大規模な植林だけでは、緊急性の高い気候変動の影響や、世界中の人々に対する影響を緩和できません。森林再生の取り組みでは、対象となるランドスケープのあらゆる事象を考慮しなければなりません。適切な樹種を、適切な時期に、適切な場所に植える必要があります。ある地域では、評価の結果、樹木の枯死率が予想より高くなっていることが判明しました。不十分な現地計画と樹種選択の不備が主な原因でした。当社と森林再生のパートナーはこの重要な教訓を活かし、より包括的なランドスケープアプローチを取ることで速やかに軌道修正をしました。 
  • レジリエンス(回復力)に投資する。山火事、干ばつ、洪水などの異常気象による災害は、森林のエコシステムにとって大きな負担となることがあります。異常気象が増える中、樹木の損失、生物多様性とレジリエンス(回復力)を考慮した森林投資を行うことがますます重要になっています。たとえば、Salesforceが投資したオーストラリアのプロジェクトでは、現地コミュニティと密接に協業し、文化的な野焼きの習慣と土地管理を組み合わせた結果、山火事が発生する前に野焼きを実施することで、種子の発芽を促すことができました。Salesforceは、こうした戦略を今後の投資に直接組み込むように努めています。 
  • 透明性を保ち、教訓を共有して、プロジェクトを進める。1t.orgの企業・創設パートナーとして、Salesforceは、樹木育成パートナーとのオープンなコミュニケーションラインを確保しています。最新情報とフィードバックをやり取りすることで、協業プロセスとシステムを継続的に改善できます。今年の秋、Salesforceは初の企業パートナーとしてRestor.ecoで森林プロジェクトの詳細を公開することで、透明性をさらに向上させる予定です。プロジェクト詳細のオンライン公開により、Salesforceは、プロジェクトを通じて学んだ教訓とベストプラクティスを1兆本の森林保全活動の参加者と共有し、グローバルなインパクトをさらに拡大していきます。

Salesforceの視点:Salesforceの気候アクション担当バイスプレジデントで、「国連生態系回復の10年」諮問委員会のメンバーでもあるティム・クリストファーセン(Tim Christophersen)は次のように語ります。「森林を保全して再生するには、世界規模でのコレクティブアクションが必要です。今回のような評価を実施し、主な調査結果を公開することで、1兆本の森林保全活動に参画する政府、企業、非政府組織、個人の広範なエコシステムをサポートしたいと考えています。互いに協力することで、グローバルな気候と自然の目標を達成できるはずです。」

今回のような評価を実施し、主な調査結果を公開することで、1兆本の森林保全活動に参画する政府、企業、非政府組織、個人の広範なエコシステムをサポートしたいと考えています。互いに協力することで、グローバルな気候と自然の目標を達成できるはずです。

Salesforce 気候アクション担当バイスプレジデント 兼「国連生態系回復の10年」諮問委員会メンバー ティム・クリストファーセン(Tim Christophersen)

業界の視点:

  • 「私たちは、自然の大規模な再生を支援する活動におけるSalesforceのリーダーシップを歓迎し、この評価プログラムによって信頼と説明責任を確立する取り組みを支持します。これは意欲的で複雑なプロジェクトです。実際に学んだ主な事実を共有することで、森林再生におけるベストプラクティスを広めて、最終的に世界中のコミュニティの現場にポジティブな影響をもたらすことができます」ー ERM Global Corporate Sustainability & Climate Change共同責任者、Matt Klein氏 
  • 「樹木の本数や面積だけでなく取り組みのインパクトを測定することは重要です。森林のもつソリューションを最大限活かすには、保全、回復、森林再生を適切な方法で実践する必要があります。その意味で、Salesforceを始めとするパートナーと連携できることを誇らしく思います。彼らは透明性と説明責任を促進するだけでなく、プロジェクトで学んだことを他の組織や企業と共有し、継続的に改善できる環境を生み出しています。このコラボレーション精神が米国における1t.orgの推進力になっています。いち早く賛同し、私たちの取り組みを牽引してくれるSalesforceなどのパートナーに感謝しています」ー American Forests プレジデント 兼 CEO、Jad Daley氏 
  • 「グローバルな気候および自然の目標を達成するには、森林などの重要なエコシステムの減少を食い止めなければなりません。Salesforceは、地球を守り再生するために企業や民間部門が果たすことができる、また果たすべき重要な役割を体現し続けています」ー UNEP「国連生態系回復の10年」コーディネーター、Natalia Alekseeva氏

次のステップ:

  • Salesforceは、2027年に次回の評価を、2030年に最終評価を実施する予定です。 

詳細情報:

  • Salesforceのサステナビリティの取り組みについてはこちら
  • Salesforceの1億本の森林保全に関するコミットメントについてはこちら(英語)。
  • 新しい1t.orgのヨーロッパチャプター についてはこちら(英語)。