Salesforce、「Agentforce Testing Center」を発表　自律型AIエージェントの大規模テストが可能な初のライフサイクル管理ツール

合成的に生成されたデータを活用してAgentforceのテストを実施、使用状況とフィードバックを十分に監視しながら、正確な応答とアクションを確実に実行可能に

日本でも利用可能な新たなData Cloud向けのSandbox対応とDigital Walletの機能強化により、AIおよびデータのライフサイクル全体を安全な環境でテストしながら、透明性の高いコスト管理と最適化が可能に

※本記事は2024年11月20日に米国で公開されたSalesforce Introduces Agentforce Testing Center: First-of-Its-Kind AI Agent Lifecycle Management Tooling for Testing Autonomous AI Agents at Scaleを元に一部内容を日本向けに再編集したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

米国Salesforce（以下、Salesforce） は、Agentforce のテストを自動化し、安全なSandbox環境でAIエージェントのプロトタイプを試作し、大規模に使用状況を透明性高く管理できるAIエージェントライフサイクル管理ツール「Agentforce Testing Center」を発表しました。

AIエージェントは、ソフトウェアの新たな概念であり、顧客や従業員の代わりに推論、そして行動できるインテリジェントなシステムです。一方で、その可能性を最大限に引き出すには、AIエージェントを実際の運用環境で中断することなくテストおよび設定する必要があります。この業界初となる新しいツールチェーンにより、チームはAgentforceでAIエージェントのテストや作動、監視を大規模かつ高い信頼性のもと確実に実行でき、あらゆる企業が「AIエージェントファースト」を実現することが可能となります。

Salesforce AI PlatformのEVP兼GMであるアダム・エヴァンス（Adam Evans）は、次のように述べています。「Agentforceは、企業が無限の労働力を生み出すことを支援します。この価値を迅速に提供するために、CIO（最高情報責任者）はAIエージェントシステムをテストおよび監視するための新しいツールを必要としています。Salesforceは、2006年にForce.comでアプリケーションライフサイクル管理のコンセプトを導入しました。このAIエージェントライフサイクル管理という新しいカテゴリーには独自のツールが必要となりますが、SalesforceはAgentforce Testing Centerでこのニーズに対応します。Agentforce Testing Centerによって、企業はテスト、導入、監視を安全かつ反復可能な方法で行うためのノーコードツールを活用して、信頼できるAIエージェントを展開できるようになります」

このAIエージェントライフサイクル管理という新しいカテゴリーには独自のツールが必要となりますが、SalesforceはAgentforce Testing Centerでこのニーズに対応します。Agentforce Testing Centerによって、企業はテスト、導入、監視を安全かつ反復可能な方法で行うためのノーコードツールを活用して、信頼できるAIエージェントを展開できるようになります

Salesforce AI Platform EVP兼GM アダム・エヴァンス（Adam Evans）

イノベーションの実践：他のベンダーは、顧客がAI（英語）を導入する前に適切なテストを実行するために必要な機能を備えておらず、ハルシネーションや不正確な結果、標準的よりも低い水準の顧客体験につながる可能性があります。Agentforce Testing Centerは、エンタープライズ グレードの Salesforce Platform上に構築され、Data Cloudと統合されているため、すべての組織が AI エージェントを簡単にテストおよび監視し、高い信頼性に基づいて導入できます。

新しい機能は次のとおりです。

• Agentforce向けのAI生成テスト： Agentforceを使用するチームは、顧客が質問をしたり、AIエージェントとやりとりする際に考えられるあらゆる方法を正確にテストする必要があります。AIエージェントの推論過程を調査するPlan Tracerを備えた Agent Builder に加え、新しいAgentforce Testing Center により、トピックとアクションの選択を大規模にテストできます。Testing Centerは自然言語による指示を使用して、Agentforce Service Agentを利用する際に顧客が行うリクエストなど、数百の合成インタラクションを自動生成します。チームは、テストデータを使用して指示を改良し、期待したトピックがより頻繁に選択されるようにすることで、顧客体験を向上できます。
• AgentforceとData Cloud向けSandbox：Agentforce をテストするチームは、安全で隔離された環境でテストする必要があります。現在一般提供されている（英語） Salesforce Sandbox は本番環境の組織のデータと構成をミラーイメージで再現したもので、Data CloudとAgentforce の両方をサポートします。組織のデータとメタデータをリスクのない環境に複製することで、開発チームは非構造化データ基盤を迅速に構築し、業務に支障をきたすことなくAgentforceのプロトタイプを厳密に作成できます。チームは、初期ユーザーグループを対象にユーザー受け入れテスト（UAT：User Acceptance Testing) を実施し、Agentforce が意図した通りにタスクを実行することを確認したうえで、変更セット、DevOps Center、Data Cloud とAgentforceをサポートするSalesforce CLI などの使い慣れたツールを使用して、これらの変更を本番環境に移行できます。
• Agentforceの監視と可観測性：Data Cloud向け Sandboxの一般提供により、本番環境に先立って、安全な環境でEinstein Trust Layerの完全なテストが可能になり、Agentforce Agentとプロンプトテンプレートの迅速な設定が可能になります。Einstein Trust Layer の監査証跡とフィードバック（英語）がSandbox内に保存されるため、チームはユーザーからのフィードバックに基づいてプロンプトやアクションを繰り返すことで、AI テストのクローズドループを構築できます。Agentforce が本番稼働すると、Agentforce Analytics（英語）とUtterance Analysis（英語）を通じて、定着率と精度に関する詳細なインサイトを取得するための新しい機能が利用できるようになります。これらは、Agentforceライフサイクルを通じて継続的に反復処理するためにData Cloud上にネイティブに構築された、新しい可観測性ソリューションです。
• Digital Walletにおける透明性の高い使用状況の監視：Data Cloud SandboxとAgentforceの使用量はDigital Wallet（英語）で計測されるため、顧客はAI開発ライフサイクル全体にわたる使用状況を完全に可視化できます。新しい機能強化により、どの機能がクレジットを消費しているか詳細なインサイトが得られるため、チームは規模を拡大しながら使用状況に関する新しい傾向を発見できます。また、Digital WalletはSalesforce Platformに統合されているため、例えば使用量が特定の最小値を示す閾値を超えた場合に管理者へ自動的に警告することができます。

提供時期：

• Agentforce Testing Center は現在クローズド・パイロット段階にあり、2024年12月初旬にSandboxで一般提供予定です。日本市場での提供時期は未定です。
• AgentforceとData Cloud 向けSandboxサポートは、日本市場でも一般提供を開始しています。*
• Agentforce AnalyticsとUtterance Analysisは、日本市場でも一般提供を開始しています。*
• DevOps Center、Salesforce CLI、AgentforceとData Cloudの変更セットのサポートは、一般提供を開始しています。日本市場でも一般提供を開始しています。*

*Agentforce向けの各機能は英語に対応しており、日本語の対応時期は未定です。
　

詳細情報：

• Salesforce Foundationsを無料で開始するには、こちら（英語）。
• Agentforce Testing Center（英語）でAIエージェントをテストする方法は、こちら（英語）。
• AgentforceとData Cloudの顧客事例は、こちら（英語）。　
• AgentforceでROIを見積もる方法は、こちら。
• Data CloudがAgentforceをどのように強化しているかの詳細は、こちら（英語）。
• Salesforce Platformでのテストと導入については、こちら（英語）。
• 新しい Agentblazer（英語）とDatablazer（英語）コミュニティに参加する。