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Data Cloudの破壊力の内幕に迫る — Salesforceでオーガニックに最も急成長しているイノベーション

※本記事は、2024年2月29日に米国で公開されたInside the Disruptive Force of Data Cloud — Salesforce’s Fastest-Growing Organic Innovationの抄訳です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


Salesforce のハイパースケールデータエンジンである Data Cloud は、Einstein 1 Platform に深く統合されています。実際、Data Cloud は Einstein 1 の中核であり、企業のすべての構造化データと非構造化データを統合して 360 度の顧客ビューを作成し、どのチームの従業員も製品やサービスに関するリアルタイムの顧客情報にすばやくアクセスして行動できるようにします。Data Cloudを通じて、あらゆるSalesforceアプリケーションとワークフローで、自動化、予測および生成AI、そしてアナリティクスが活用されています。

Data Cloud の成功は、業界で評価されています。Salesforce は最近、ガートナーのカスタマーデータプラットフォームのマジック・クアドラントのリーダーの1社として評価されました。Salesforce のユニファイド・データ・サービスおよび Einstein 担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーである ラウール・アウラドカー(Rahul Auradkar) は、次のように述べています。「今回の評価は、あらゆるビジネスアプリケーションで優れた顧客体験を提供し、Salesforce のお客様の成長を促進する上で、データと AI が極めて重要な役割を果たしていることを明確に示すものだと考えています」

このインタビューでは、アウラドカーに、Data Cloudの進化とこの破壊的イノベーションの展望について聞きました。

Q. Data Cloud は、現在市場にある従来の CDP とどう違うのですか?

Data Cloud は、企業内でサイロ化され、連携の取れていない構造化および非構造化 データを統合し、顧客に関する実用的かつ包括的な 360 度ビューを提供します。Salesforce  Einstein 1 Platform に深く統合されているため、連携された統合データと豊富なメタデータ(データに関するデータ)、そして顧客に関する包括的なビューから得られるインサイトは、Salesforce のすべてのサービスとアプリケーションでネイティブに利用できます。これは、Flow Automation、Apex コード、Lightning Webコンポーネント、レポートといった Salesforceのサービスが、この豊富なデータとインサイトをネイティブに使用できるようになったことを意味します。Data Cloud は、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Commerce Cloud、および業種別クラウド製品と AppExchange アプリの結合レイヤーと言えます。 

基本的に、Data Cloudは企業が直面する主要な課題に対応、つまり、閉じ込められたデータを解き放ち、CRM、AI、自動化、分析などを、すべてのタッチポイントやチャネルで活用できるようにします。

他のCDPはマーケター向けに構築されており、カスタムソリューション、カスタムAPI、クエリ、複数のリクエストがないかぎり、他のビジネス機能から簡単にアクセスしたり、使用したりすることはできません。企業は、これまで閉じ込められたデータに生命を吹き込み、AIの力を引き出し、業務フローの中で顧客体験に直接利益をもたらすために、カスタムソリューションを開発し、維持する必要がありました。

Data Cloud での完全な360度の顧客ビュー

SalesforceのEinstein 1 Platformにネイティブなオープンで拡張可能なアーキテクチャ(BYOLBYOMゼロETL統合)により、Data CloudはSalesforceのメタデータのパワーを活用します。この柔軟性により、企業は、Snowflake(3月に日本でも一般提供開始)、AWS Redshift(日本の顧客も対象に現在試験運用中)、Google BigQuery(3月に日本でも一般提供開始)、Databricks(日本の顧客も対象に現在試験運用中)など、あらゆるソースにわたってデータを取り込んだり、連携させたりすることができます。そして、自動化、アクティベーション、分析を促進し、セールス、サービス、マーケティング、コマース、その他の顧客エンゲージメントシナリオ全体でアクションを起こすために、データを連携し、統合します。

従来のデータ プラットフォームとは異なり、Data Cloud は Snowflake や Databricks などの外部データレイクとシームレスに統合できます。ゼロETLにより、これらのプラットフォームからのデータに即座にアクセスでき、Salesforce アプリケーション内で使用可能になるため、営業などの顧客対応チームは、Sales Cloud 内で貴重なインサイトを直接活用できるようになります。構造化及び非構造化データの力をまとめることで、Data Cloud は、予測および生成 AI の迅速かつ安全な導入を可能にし、正確で関連性が高く、企業のデータに基づいた結果を提供します。

Q. SalesforceはなぜData Cloudを開発したのですか?

Salesforceは、No.1のAI CRMプロバイダーとして、データとAIの力をもたらす素晴らしい統合体験の提供を含め、お客様を「カスタマーカンパニー」にすることを常に使命としてきました。

CRMでデータを一元化し、360度の顧客ビューを構築しようと努力しているにもかかわらず、ほとんどの企業データは切り離されたままであるため、顧客体験を向上させるために使えないか、部分的にしか効果がありません。実際、顧客の80%は、企業が収集するデータ量を考慮すると、顧客体験の向上を期待しています。

多くのお客様は、データのクラウド移行や、データガバナンスポリシーの導入に投資してきました。中にはマーケター専用のCDPに投資してきた企業もあります。なぜでしょうか?マーケティング担当者は、カスタムAPIやデータチームへの絶え間ないリクエストをしなければ簡単にアクセスできなかったり、使えなかったりする顧客データに懸念を抱いています。CDPは存在するものの、必ずしも的を得ているとは限りません。

企業の70%近くが、顧客とのやり取りは完全にデジタルで行われていると回答していますが、すべてのチャネルで完全に一貫した顧客体験を提供していると回答した企業は26%に過ぎません。また、ビジネスリーダーの81%が、データのサイロ化がDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを妨げていると報告しています。

お客様が持っている顧客データは、競争優位をもたらすはずです。

Salesforce ユニファイド・データ・サービス   および Einstein担当EVP 兼 ゼネラルマネージャー、ラウール・アウラドカー(RAHUL AURADKAR)

私たちは真の顧客データプラットフォームを構築するのであれば、マーケターのためだけにまた新たなサイロを構築してはならないとわかっていました。私たちは、このデータを当社のアプリケーションスイート全体にわたって解放し、そのデータをインサイト、AI、実行可能性に役立てる必要がありました。お客様が持っている顧客データは、競争優位をもたらすはずです。

Q. Salesforceは、CDPの提供開始からわずか3年余りで、2024年度のガートナーのカスタマーデータプラットフォームのマジック・クアドラントのリーダーの一社と位置付けられました。その理由は何ですか?

Salesforceは20年以上にわたりCRM市場をリードしてきました。カスタマーサクセスは当社のコアバリューの1つであり、お客様からのフィードバックやインサイトに積極的に耳を傾け、製品開発の原動力としています。しかし、お客様が持っている構造化データと非構造化データが、顧客とのエンゲージメントに、完全には有効活用されていないことが明らかになりました。デジタルトランスフォーメーションの爆発的な進展と、プライバシーに対する長期的なシフトにより、ファーストパーティデータの価値はますます高まっています。

Salesforce は、Data Cloud をオーガニックイノベーションとして提供するという課題に取り組みました。現在、Data Cloud は驚異的な成長を遂げ、お客様から絶大な支持と成功を得ており、当社でオーガニックに最も急成長しているイノベーションです。この四半期、Data Cloud は 7 兆件のインバウンドレコードを処理し、1.2 兆件のアクティベーションが顧客エンゲージメントを促進し、驚異的なペースで成長しています。私たちは、プラットフォーム機能、アプリケーション、コアのクラウド製品を、私たちを成功に導いた同じメタデータ・レイヤー上で革新しました。

私たちは、Data Cloud の成功とお客様にお届けしている価値について、謙虚な気持ちと興奮を覚えると同時に、私たちのイノベーションによって業界を急速に前進させています。

Q. Data Cloud は企業にどのような価値を提供しますか?

Data Cloud は、切り離され閉じ込められた構造化データと非構造化データを統合し、実用的で包括的な 360 度の顧客ビューを提供します。Data Cloudは、顧客に関するリアルタイムのデータとインサイト、および製品やサービスに関する顧客とのやりとりへのアクセスを組織全体のチームに提供し、あらゆるタッチポイントでパーソナライズされた顧客体験を提供できるようにします。主なメリットは以下の通りです:

  • コードやカスタム API 統合ではなく、クリック操作で企業全体の全顧客データを Salesforce Data Cloud に取り込む
    • ゼロETLパートナーシップ: Snowflake、Databricks、AWS、Google と提携し、Data Cloud で実データのコピー作業なし(ゼロETL)での連携を実現しています。お客様は、データ移動またはコピーすることなくデータにアクセスし、活用することができます。
    • Salesforce コネクタ: 数回のクリックだけで、Salesforce のソリューション全体にわたって、すべてのデータを統合できます。
    • すぐに使えるコネクタ: Amazon S3 などのクラウドストレージと連携する構築済のコネクタを活用できるよう、コネクタライブラリへの追加を常時行っています。
    • MuleSoft:当社はNo.1のAI CRMのほか、MuleSoftによるNo.1のAPIのための統合プラットフォームも有するため、お客様はあらゆるシステムやあらゆる種類のデータをData Cloudにシームレスに接続できます。
  • BIとAIのインサイトを活用し、顧客エンゲージメントのためのより良いインサイトを得るために包括的な顧客ビューを構築
    • データの変換と連携: Data Cloud は、サードパーティのゼロETL ツールを使用することなく、ソースデータを統合し、改良します。使いやすいインターフェイスにより、企業データを共通のモデルに簡単にマッピングし、統一された顧客ビューを作成できます。
    • ID解決: データの変換後は当社のID解決サービスを活用して、組織全体ですべての製品やサービスにアクセス可能な単一の顧客ビューを構築できます。
    • 分析と予測: プラットフォームに組み込まれたネイティブ機能により、お客様は統合データ上でAI/BIインサイトを実行できます。解約スコアやライフタイムバリューのような新しいインサイトを作成することも、BYOM(Bring Your Own Model)テクノロジーで企業独自のAIモデルを適用することもできます。
  • 顧客体験全体にわたるデータの活性化
    • Customer 360全体のアクティベーション: Data Cloud は、Einstein 1 Platform にネイティブに構築され、BI と AI のインサイトを活用して、セールス、サービス、マーケティング、Eコマース、プライバシーの保護、ペイドメディア AdTech など、Customer 360 全体にわたって驚くほど統合されたアクティベーションを促進します。

Q. 生成AIの時代にデータが重要なのはなぜですか?

AI革命はデータ革命であり、信頼革命でもあります。生成AIの出力の質は、その原動力となるデータの関連性と文脈に直結しています。実際、58%の就業者は、信頼できる顧客データが、自分の職務で生成AIをうまく活用するために不可欠だと考えています。しかし、ITリーダーの62%は、データシステムを完全に連携させてAIテクノロジーを活用する準備がまだ整っていないと回答しています。さらに、企業データの90%は、PDF、電子メール、ソーシャルメディアへの投稿、音声ファイルなどの非構造化形式で存在し、ビジネスアプリケーションやAIモデルからはほとんどアクセスできません。

AI革命はデータ革命であり、信頼革命でもあります。

Salesforce ユニファイド・データ・サービス   および Einstein担当EVP 兼 ゼネラルマネージャー、ラウール・アウラドカー(RAHUL AURADKAR)

また、ITリーダーの80%は、データをより効果的に活用するための生成AIの変革の可能性を認めていますが、59%はこのパワーを引き出すための統合されたデータ戦略を必要としています。そこでData Cloudが極めて重要な役割を果たします。

Q. お客様の興味深いData Cloudの使用事例を教えてください。

あらゆる業界のあらゆる規模のお客様が、Data Cloud を使ってビジネスを変革し、CDP でできることやすべきことを再定義しています。

例えば、Mascoma 銀行は、Financial Services Cloud と Data Cloud を使用して、顧客と銀行の関係全体を把握し、顧客とその口座にまつわるアクティビティを理解しています。すべての顧客、口座、取引データの単一情報源としてSalesforceを使用することで、銀行員は、顧客のファイナンシャルウェルネス(経済的な健康状態)についての目標達成を支援する体制が整いました。

ヒースロー空港も、数千万人の乗客記録のリアルタイムデータに基づく Salesforce Data Cloud と Einstein を使用して顧客とのやり取りをパーソナライズし、適切なタイミングで適切なサービスを適切な乗客に提供できるようにしています。また、データとAIを活用したエクスペリエンスにより、空港は次回の空港利用前に利用者のニーズを予測することができます。

また、FedExはSalesforce Data Cloudへの最近の投資を通じて、カスタマーサービス、マーケティング、セールスを統合し、顧客により多くの情報を提供し、効率的でパーソナライズされた体験を提供することで、顧客体験を向上させています。

詳細情報

ここで言及されている未発表のサービスや機能は、現在利用可能なものではなく、期限内に提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入を決定してください。


Gartner,Magic Quadrant for Customer Data Platforms (ガートナー、顧客データプラットフォームのマジック・クアドラント)2024年2月14日、リジー・フー・クネ|ベンジャミン・ブルーム|レイチェル・スミス|エイドリエル・テイ|スザンヌ・ホワイト|デビッド・ウォルターズ

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