Salesforceは新バージョンのAIエージェントビルダー「Agentforce 2dx」を発表した。開発者向けツールやマーケットプレースの利用による機能強化で、開発からビジネス適用までの開発効率の向上を支援する。
米Salesforceは2025年3月5日(現地時間)、自律型AIエージェントプラットフォーム「Agentforce 2dx」を発表した。併せて、無料の開発者向け環境やマーケットプレースも発表した。AIエージェントの構築がより簡単になるというが、何ができるのか。
「Agentforce」は自律型のAIエージェントを構築し、業務フローやアプリケーションに組み込むことができるAIエージェントビルダーだ。新バージョンのAgentforce 2dxでは、開発者向けの新たなローコード/プロコードツール群がリリースされ、AIエージェントの構成、テスト、展開をより迅速にできるようになった。分析機能と組み合わせることで、リアルタイムデータとガイダンスを利用して、AIエージェントのパフォーマンスを監視、デバッグ、最適化できるという。
また、無料の開発者環境として「Agentforce Developer Edition」の提供も開始した。この環境でAgentforceを利用したAIエージェントのプロトタイプを作成できる。Agentforce Developer Editionには、データプラットフォーム「Data Cloud」への10GBのアクセスと1時間あたり150LLM(大規模言語モデル)の生成が含まれており、Data Cloudでの機能を試すことも可能だ。
さらに、Agentforce向けのマーケットプレース「AgentExchange」も発表した。既に200社以上のパートナーによる数百種類のテンプレートやアクションのライブラリが公開されている。これらを利用することで、AIエージェントをより迅速に開発、展開できる。
AIエージェントの開発者コミュニティー「Agentblazer」(英語)も立ち上げた。Salesforceの管理者、開発者、CTO、CIOをはじめとするITリーダーがベストプラクティスを共有し、学習サイト「Trailhead」でスキルを習得しながら、「AIエージェントファースト」の組織づくりを推進する包括的なグループだ。
Salesforceは、Agentforceの導入効果について、調査会社による分析結果を挙げて「Futurum Researchの調査では、Agentforceを使用している組織はROIを最大5倍の速さで達成し、総所有コストを少なくとも20%削減できるため、競争優位性を維持し、業務を大幅に効率化できることが分かった。Agentforceを導入した企業では、ケースの解決時間が40%速くなり、リードのコンバージョン率が25%向上するなど、収益と顧客維持率に直接的な影響を与えている」と伝えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.