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Einstein Copilotの全貌 − その機能と効果

※本記事は、2024年3月6日に米国で公開されたEinstein Copilot In-Depth: What It Is, How It Works, and What It Can Doの抄訳です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


Salesforceは、カスタマイズ可能な対話型生成AIアシスタント、Einstein Copilotをリリースしました。 Einstein Copilotとは何か、その機能やビジネスへ与える効果など、Einstein Copilotに関する疑問に答えます。

Einstein Copilotとは?

Einstein Copilotは、Salesforce CRMのパワーと、対話形式でユーザーとコミュニケーションするAIアシスタントの利便性を兼ね備えています。

有用な回答を生成するために必要な適切な企業データが不足している他のAIアシスタントやCopilotとは異なり、Einstein Copilotは、組織独自のデータとメタデータを利用して、プライバシーとデータガバナンスを維持しながら、コストのかかるAIモデルのトレーニングを必要とせずに、強力な顧客インサイトとレコメンデーションを生成します。

Einstein Copilotは、質問への回答、コンテンツの要約、新しいコンテンツの作成、複雑な会話の解釈、ユーザーのタスクの動的な自動化のすべてを、SalesforceのNo.1 AI CRMアプリケーション全体の一貫した対話型UIから行うことができます。マーケティング担当者は、Einstein Copilotを使用して、より効果的なデジタルストアを構築できます。カスタマーサービス担当者は、返信の生成からアクティビティの提案まで、リクエストに迅速に対応できるようになります。また、営業担当者はEinstein Copilotを活用することで、顧客をより深く理解し、取引を成立させることができます。

Einstein Copilotには、あらかじめプログラムされた機能、自動応答、およびプロンプトが表示された際に、AIがユーザーに代わって実行できるビジネスタスクのライブラリが付属しています。アクションを組み合わせることで、動的なマルチステッププランを実行できます。

Einstein Copilot、Data Cloud、Einstein 1 Platformの連携は?

Einstein Copilotは、SalesforceのEinstein 1 Platformの一部であり、ユーザーインターフェース、さまざまなAIモデル、データを、単一のメタデータ駆動型プラットフォームに統合しています。お客様にとって信頼できるAIプラットフォームであるEinstein 1 Platformは、あらゆるデータを安全に接続し、ローコードでAI搭載アプリを構築し、まったく新しいCRM体験を提供します。

Einstein Copilotの仕組み

AIは、学習されたデータがあってこそ活用することができます。だからこそ、Einstein CopilotをData Cloudに組み込むことで、非常に強力になります。Data Cloudは、あらゆる製品やシステムからあらゆるタイプのデータを接続、連携させ、ビジネスユーザーが毎日使うSalesforceアプリケーションに接続し、包括的な360度の顧客ビューを提供し、あらゆるビジネスプロセスにわたってCRM、AI、自動化、分析を強化します。

BYOL (Bring Your Own Lake)とは、企業があらゆるシステムを Data Cloud と統合し、AWS Redshift、Google BigQuery、Databricks、Snowflake などのデータレイクにあるすべてのデータに Salesforce 内でアクセスできることを意味します。また、Data CloudのゼロETL統合機能により、プラットフォーム間でデータを移動する必要がなくなるので、シームレスに外部の予測モデルに接続してSalesforceワークフローを使うことができます。

また、データの約 80% は、非構造化データであるとされていますが、Data Cloud のセマンティック検索と埋め込みは、データと対話するまったく新しい方法を提供します。Einstein Copilot SearchはEinstein Copilotを強化するもので、リアルタイムの非構造化および構造化ビジネスデータにアクセスして問題を解決し、コンテンツを生成できるAIアシスタントをセールス、カスタマーサービス、マーケティング、コマース、ITチームに提供します。

Data Cloud を使用すると、構造化および非構造化、Salesforce 内外、多くの異なるデータレイクにまたがる、関連する信頼できるすべての顧客データとビジネスデータを統合し、すべてのチームとワークフローで使うことができます。

Einstein Copilot は、どのようにチームの作業を高速化するのか?

Einstein Copilotは、どのようにチームの作業を高速化するのか?

Einstein Copilot は、AI と対話するための直感的なインターフェイス、ワールドクラスの AI モデル、AIのメリットを享受するために必要なデータとメタデータの高度な統合を提供します。

Einstein Copilotは、顧客との関係で何が起こっているかを真に理解する能力を備えた唯一のCopilotです。

Salesforce 会長 兼 CEOマーク・ベニオフ(Marc Benioff)

これらのことは、すべての Salesforce CRM アプリケーションと統合されている Einstein Copilot が、生産性を大幅に向上させ、顧客体験を向上し、利益率を高めることを意味します。

  • 営業担当者は、記録を要約したり、カスタマイズされたコミュニケーションを生成したりすることで、よりパーソナライズされた顧客エンゲージメントを提供し、取引の成約を加速させることができます。
  • サービスチームは、異なるシステムから関連する回答、オファー、データを表示することで、案件解決を合理化し、顧客満足度を高めることができます。
  • 金融サービス企業は、データ収集と分析を自動化することで、顧客のオンボーディングを簡素化し、パーソナライズされたファイナンシャルプランを作成することができます。これにより、アドバイザーは顧客との関係構築や戦略的アドバイスにより多くの時間を割くことができます。
  • マーケティング担当者は、新しいキャンペーンの開発を簡素化し、パーソナライズされた消費者の閲覧や購入の嗜好に基づいてWebサイトのランディングページを作成し、Salesforceプラットフォーム全体から統合された顧客プロファイルデータに基づいて入力される問い合わせフォームを簡単に作成できます。オンライン購入後、Einstein Copilotは自動的に顧客アンケートを作成することもできます。これは、企業が長期的なエンゲージメントを高め、将来の申し込みを促進するのに役立ちます。
  • Eコマース小売業者は、Einstein Copilotを利用することで、コンバージョンの高いデジタルストアの構築を段階的に支援できるだけでなく、会話だけでさまざまなストアフロントコンポーネントをカスタマイズして設計できます。ユーザーは、Einstein Copilotで、複数商品のカタログデータ管理といった複雑なタスクを自動化でき、生成的AIの力を利用して、多言語での商品説明、パーソナライズされた商品プロモーション、コンバージョンを促進するSEOメタデータを開発できます。
  • 開発者は、自然言語を使用してEinstein CopilotにApex コードの生成を促し、より効果的で正確なコードを提案し、コードの脆弱性をプロアクティブにスキャンすることで、生産性を大幅に向上できます。これら全てを開発環境から行うことができます。
  • Tableauで作業するデータアナリストは、生産性の向上を享受できます。対話型インターフェースを使用することで、アナリストはわずか数回のプロンプトで未加工から実用的なインサイトに移行できます。Einstein Copilotは、データ探索の迅速化、ベストプラクティスに基づく関連性の高いビジュアライゼーションの構築、反復タスクの自動化、効率的なデータキュレーションの促進を支援します。

企業はEinstein Copilotをどのようにカスタマイズできるのか?

企業がEinstein Copilotをビジネス向けにカスタマイズする方法とは

ユーザーは、Data Cloud と深く統合されたローコードツールのセットである Einstein 1 Studio を使用して、Einstein Copilot をカスタマイズし、あらゆる CRM アプリに AI プロンプトとアクションをシームレスに組み込むことができます。

  • プロンプトビルダー: ローコードでプロンプトを管理できるツールで、ユーザーが業務フローの中でカスタムで再利用可能なAIプロンプトを作成できるようにし、対話型インターフェースを超えて生成AIの用途を広げます。
  • Copilot Builder: ユーザーがAIアシスタントをカスタマイズおよび選択できるアクションまたは機能のライブラリ。例えば、アカウントレコードの更新や出荷情報の取得などのタスクを実行するようなAIアシスタントの設定に使用できます。
  • モデルビルダー: Anthropic、Hugging Face、Google、OpenAIなどの独自のLLMを使用し、Einstein Copilotのカスタム機能を強化します。

Salesforceは、Einstein Copilotの信頼性をどのように確保しているのか?

信頼できる会話型AIを導入するには?

今日のビジネスにとって、信頼はこれ以上ないほど重要となっています。実際、Salesforceの調査によると、2023年に法人顧客がAIを利用して体験を向上する可能性は、前年に比べて低下しています。また、別の調査では、ほとんどの人(57%)AIを信用していないことがわかりました。

Einstein Copilotは、Einstein Trust Layerが提供するプライバシーとセキュリティ対策により、信頼できるAIインタラクションを提供することで、このような懸念に対処します。すべてのAIインタラクションは、SalesforceのEinstein 1 Platformの一部であるEinstein Trust Layerを通過します。Einstein Trust Layerは、個人を識別できる情報(PII)のマスキング、有害性のある出力のスコアリング、SalesforceのLLMパートナーからのゼロデータリテンションによる不正アクセスやデータ侵害からの情報保護などの機能を実行できます。

Einstein Trust Layerの新機能である顧客設定によるデータマスキングでは、管理者がマスキングしたいフィールドを選択できるため、より高度な制御が可能になります。さらに、AIのプロンプトとレスポンスから収集された監査証跡とフィードバックデータはData Cloudに保存され、Flowやその他のEinstein 1 Platformツールで簡単にレポートしたり、自動アラートに使用したりできます。

Salesforceは、信頼できるAIには人間の舵取りが必要であると考えています。Salesforceでは、個々のAIとの対話に人間が介入するのではなく、人間が本当に注意を払う必要のあるリスクの高い項目に集中できるよう、より強力なシステム全体の制御を設計しています。言い換えれば、AIに船を漕がせながらも、船の舵取りは人間に常に任されているということになります。つまり、お客様は、人間とAIの両方から最高の成果を得ることができるのです。

Einstein Copilotは、CRMの未来をどのように形作るか? 

Copilotは、人々がボタンをクリックするのではなく、主に対話型インターフェイスを通じて人間がソフトウェアと対話する未来を最初に垣間見るものであり、人々がテクノロジーを使用する方法を根本的に変えるものです

Einstein CopilotをSalesforceのEinstein 1 Platformに統合することで、あらゆる規模の企業が生成AIを最大限に活用できるようになります。

Einstein Copilotに質問や指示を与えるだけで、繰り返しの作業を自動化し、ユーザーが簡単に情報にアクセスできるようにすることで、より戦略的な作業に時間を割くことができます。また、Copilotはデータを分析して、人間が発見するのが困難で時間がかかるようなインサイトを提供します。このようなインサイトは、営業やマーケティング戦略から製品開発やカスタマーサービスに至るまで、あらゆることについて企業がより適切な意思決定を行うのに役立ちます。

Einstein 1 Studioで利用可能なカスタマイズなど、Einstein Copilotの新機能により、企業はニーズに合ったスキルとプロンプトを備えた独自のAIアシスタントを構築し、カスタマイズできます。

Einstein Copilotはどのように入手できるか?

Editionsに追加することで、Einstein Copilotにアクセスできます。詳細な価格については、こちらをご覧ください。

Einstein Copilotは、Sales CloudService Cloudで現在グローバルに利用可能で、Marketing Cloudでは2024年後半に利用可能になる予定です。さらに、Einstein Copilot for  Tableauは今年後半に発売される予定です。Tableauは現在、Tableau PulseTableau Copilot(現在はベータ版)で生成AI機能をサポートしています。Einstein Copilotは当初、米国と英語でのデータレジデンシーをサポートします。

詳細情報

  • Einstein Copilotのニュースはこちら、ビデオはこちら(英語)。
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