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Dreamforce 2024:主な発表とAgentforceによる新たなAI時代

※本記事は2024年9月17日に米国で公開されたDreamforce 2024: Key Announcements and a New AI Era with Agentforceの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


先週開催されたDreamforce 2024(英語)では、140カ国以上から45,000人以上のトレイルブレイザー(英語)がサンフランシスコに集結し、さらに数百万人がSalesforce+でDreamforceを視聴しました。SalesforceがAgentforce(英語)によってどのようにAIの新時代を切り開こうとしているのか、Dreamforce 2024のニュースを振り返ります。。Agentforceは、サービス、セールス、マーケティング、コマース領域のタスクを処理する、画期的な自律型AIエージェントのスイートであり、これまでにない効率性と顧客満足度を実現します。Agentforceにより、企業は数回のクリックで従業員の能力を増強し、必要に応じて素早く労働力を拡張することができます。

Dreamforce 2024基調講演での主な発表(英語)

Agentforce AIエージェント(英語)は、データの分析、意思決定、顧客サービスに関する問い合わせへの回答や見込み顧客の選別、マーケティングキャンペーンの最適化などのタスクに対して行動を起こすことができます。Agentforceを活用することで、組織や業界に関わらず、あらゆるユースケースに対応する独自のAIエージェントを容易に構築、カスタマイズ、導入することができます。

すぐに利用可能なAgentforceのAIエージェントは、カスタマイズを容易に行え、コーディングすることなく、クリックのみで導入でき、数分でセットアップが完了します。第一弾のAgentforceには、セールス、サービス、マーケティング、コマース向けのAIエージェントが含まれます。例えば、Service Agentは従来のチャットボットをAIに置き換えることができ、事前にプログラムされたシナリオなしで幅広いサービスの問題に対応するほか、カスタマーサービスの効率を向上させます。Agentforce SDRは、24時間365日、見込み顧客と関わり、CRMや外部データに基づいて質問への回答、見込み顧客の否定的な反応への切り返し、見込み顧客の特定、さらにはミーティングの設定まで、行うことができます。

Agentforceのプレスリリース

AgentforceはAIの第三の波*を象徴するものです。Copilotからさらに進化し、正確さと関連性の新たな基準を設定し、生産性と顧客満足度を前例のないレベルまで高め、インテリジェントなAIエージェントの新時代を切り拓きます

Salesforce 会長 兼 CEO、マーク・ベニオフ(Marc Benioff)

*第一の波は予測型AI、第二の波は生成AI、第三の波は自律型AI


Dreamforceにおいて、Salesforceは参加者が数分で最初のAIエージェントを構築できるよう、Agentforce Launch Zone(英語)を設けました。参加者は、Agentforceの「アドバンス・フォース」エキスパートから個別のガイダンスを受け、自律型AIエージェントの作成を容易にする大規模言語モデル(LLM)を備えた最先端のAI搭載Slackアプリを使用して、最初のエージェント・プロトタイプを開発しました。

詳細情報:

  • Sales Agentの詳細は、こちら(英語)。
  • Service Agentの詳細は、こちら(英語)。
  • Agentforce for Marketingの詳細は、こちら(英語)。
  • Agentforce for Commerceの詳細は、こちら(英語)。
  • Industries AIの詳細は、こちら
  • SalesforceのAIユースケースライブラリーは、こちら(英語)。
  • AIの動向レポートは、こちら(英語)。
  • AppExchange Agentforceのコレクション は、こちら(英語)。

Agentforceの詳細

WileySaksOpenTableなどの顧客はすでにAgentforceの可能性を探索しています。

Agentforce Studioは、チームがエージェントをカスタマイズできるようにする、ローコードAIビルダーのスイートです。

  • Agent Builderは、フロー、プロンプトのテンプレート、Apex、APIなどの既存のツールを使用して、企業がローコードでAIエージェントを設定できるようにします。ユーザーはトピックを定義し、そのトピック内で特定の指示を記述し、AIエージェントが選択できるアクションのライブラリを作成することによって、AIエージェントに実行させるジョブを設定できます。
  • Model Builderは、Salesforce全体でAIモデルとLLMを登録、テスト、有効化するためのローコードビルダーであり、コントロールプレーン(管理基盤)です。 
  • Prompt Builderを使用することで、ユーザーはすぐに利用可能なプロンプトのテンプレートを自社のCRM、またはData Cloudのデータで簡単にカスタマイズし、生成結果のアウトプットを強化できます。

無料のAIトレーニングや新たなAIトレーニングセンター

Salesforceは、AIスキルアップの機会を広げるため、2025年末まで、無料オンライン学習プラットフォーム「Trailhead」を通じて、質の高いAIコースとAI認定プログラムを無償で提供します。さらに、サンフランシスコ本社には、対面でのコミュニティ向けAIトレーニングコースを提供するポップアップのAIセンターや、従業員がAIツールやAIエージェントに関連するスキルを向上するための専用フロアなど、新たなスペースを開設します。また、日本にもトレーニングセンターを展開する計画です。

これにより、未来の仕事を担う人材育成に5,000万ドル以上を投資を行うこととなります。
Agentforceのパートナーネットワーク(英語) は、企業の Agentforce が、Salesforce とサードパーティのシステムとエージェントの広範なネットワークにわたって、アクションを連携させる必要のある複雑なタスクを完了できるようにするオープンなエコシステムです。顧客は、SalesforceのAppExchange(英語)から信頼できるサードパーティの拡張機能を簡単にインストールして、Agentforceのすぐに使えるエージェントをカスタマイズしたり、特定のスキルを持つ新しいAIエージェントを構築したり、特定の業種、業務内容、または独自のユースケースのためにパートナーが構築したエージェントを導入したりすることができます。ローンチパートナーには、Amazon Web Services、Box、Google Cloud、IBM、Workday、Zoom などが含まれます。

6 のスライド 1。
コレクションのスライドショーをスキップ
Jignesh // Slackで会話するだけで、エージェントを構築するようなものでした。人間なら数カ月かかるような課題を、5〜10分程で解決できました。
Sheridan // Agentforceは、顧客が求めている答えを即座に提供してくれます。例えば、「私の注文はどこ?」「なぜ見つからないの?」という回答に対して、誰かからの返答を待つ代わりに、即座に返答を得ることができます。
Abhisek // 以前よりも少し幅広い機能を構築できるようになりました。以前は、非常に処理的な会話を提供していましたが、今はもっと継続的な会話ができるようになったと思います。
Tyler // 短時間で収集できた情報量には感心させられました。立ち上がりがとても早く、これを活用することで人々が短時間でどのような恩恵を受けることができるのかがよくわかりました。
Arthur // 社内の従業員がレポートを作成したり、リストを提供したり、さまざまなことに活用することで、日々の業務が少しでもスムーズになるのではないかと考えています。また、顧客がAIエージェントと対話できるようになれば、担当者が外出中で質問に答えられないときでも対応することができますし、非常に役に立つと思います。
Matt // エージェントを対話形式で作成できるビルダーがあり、適切なアクションを選んでくれて、かなり短時間で導入準備ができました。
コレクションのスライドショーの終わり

Salesforce Researchが提供する新しい AIモデルには、Agentforce で自律的な営業タスクを実行するために学習・設計された独自のモデルである xGen-Salesおよび、複雑なタスクを処理して実用的なアウトプットを生成するように設計された新しい大規模行動モデル群である xLAM が含まれます。これらのモデルを組み合わせることで、Salesforceの顧客は、行動を起こす自律型AIエージェントを迅速に設定して展開し、前例のないスケールを推進できるようになります。

Data Cloudのイノベーション

Salesforce Platformの心臓部であり、Agentforceの基盤でもあるData Cloudは、顧客データとビジネスデータを統合・調和させ、Customer 360アプリケーション、Flow、アナリティクスおよびAgentforce、そしてSalesforceの画期的な自律型AIエージェント群全体で、よりパーソナライズされ、文脈に即した、タイムリーな顧客体験を提供します。

Dreamforceで発表されたData Cloudの新たなイノベーションには、ウェビナーや通話などの音声および動画コンテンツのネイティブ処理を含む非構造化データのサポートの追加、AI活用も含めて、誰もがデータを一貫して解釈して使用することを可能にする、標準化されたセマンティックデータモデル、顧客の文脈を考慮し、より迅速な情報発見を可能にする検索機能の向上、変化する顧客ニーズに即座に対応するためのリアルタイムなデータアクティベーション、そして業務を保護し、不要なデータ露出を防ぐためのデータセキュリティおよびガバナンス機能の追加などが含まれます。

Customer 360アプリケーションのイノベーション

Salesforce Customer 360アプリケーションは共通の基盤を持ち、TableauとSlackによる分析とコラボレーション機能により、セールス、サービス、マーケティング、コマースにおいて、あらゆる顧客接点で AI を活用したパーソナライズされたエクスペリエンスを実現します。Salesforce Platform上に構築されたCustomer 360アプリケーションは、共有データとサービスを活用してシームレスに連携し、一貫性のある顧客体験を提供できます。

Customer 360アプリケーションの新たな機能は以下の通りです。

Tableau Einstein(英語) は、データドリブンな業務において拡張性、効率性、価値向上を求めるすべての人に対して、ビジネスインテリジェンス (BI) とアナリティクスの機能を提供します。Customer 360アプリケーション、Agentforce、Pulse、Slack など、業務フロー全体にデータとインサイトをインテリジェントに組み込んで設計されているため、データを活用したアクションの推進が可能になります。Tableau Einstein は Salesforce Platform 上に構築されているため、あらゆるチームが分析によるインサイトを活用して、より迅速かつ効果的に戦略的な意思決定を行うことができます。
Tableau Einsteinの詳細

Slackは、AIエージェント向けの新しいユーザーインターフェースを発表しました。ユーザーは、 Agentforce Agentsと、Adobe、Anthropic、Cohere、Perplexityなどのパートナー企業が提供するサードパーティのAIエージェントの両方を使用して、データと会話したり、インサイトを明らかにしたり、タスクを実行したりできるようになります。さらに、Salesforce CRMレコードをチャネルベースの会話に接続する新しいタイプのSlackチャネルにより、チームが連携して仕事を進めることができるように、コラボレーションのための統一されたスペースと顧客のリアルタイムビューを提供します。
Slackのイノベーションの詳細(英語)

Sales Cloudでは、Agentforce SDRとAgentforce Sales CoachというAgentforce上に構築された2つのセールスエージェントに加え、アカウントプランニング、見込み客開拓、予測、報酬管理により営業チームの収益向上を支援する、新しいデータとAIを活用した機能を追加しました。これらのイノベーションは、Salesforce と外部データをData Cloudで統合し、AI を活用したインサイトを業務フローに反映させることで、営業担当者に顧客とビジネスの完全なビューを提供します。
Sales Cloudのイノベーションの詳細(英語)

Service Cloudの新しいイノベーションでは、サービス担当者に段階的な解決プランを提供し、顧客の感情の追跡を可能にし、顧客体験を向上させるための AI ベースのレコメンデーションを提供できるようになりました。さらに、Agentforce Service Agentは、企業のナレッジベースなど信頼できるデータに基づき、24時間365日、顧客の自己解決または問い合わせの抑制を行うことができるため、顧客と正確で流暢な会話を行い、必要に応じて人間の担当者に問い合わせをエスカレーションすることができます。
Service Cloudのイノベーションの詳細(英語)

Salesforceは、フィールドサービス向けに、AIを活用したイノベーションを発表しました。これには、ディスパッチャーが緊急の問題に迅速に対処できるようにするAgentforce for Dispatchersや、ディスパッチャーとスーパーバイザーがリアルタイムのデータを使用してパターンや重要な傾向を特定し、ユーザーが重要なことをすばやく確認して即座に行動を起こせるようにする AI を活用したホーム画面を提供するField Service Operations Homeなどが含まれます。
フィールドサービスのイノベーションの詳細(英語)

Marketing Cloudの新しいイノベーションでは、顧客がビジネス全体のデータを通じてAgentforce Agentsおよび自動化機能を駆使しながら顧客関係を構築できるように支援します。Marketing Cloud Advancedは、高度な自動化とAI機能を備えたMarketing Cloudの最新版で、マーケティング担当者はマーケティングジャーニーをセールス、サービス、コマースのワークフローと連携し、あらゆる顧客との接点をパーソナライズできます。また、Einstein Marketing Intelligenceは、すぐに活用できるマーケティングインサイトと、自動化されたデータの調和、連携、可視化により、クロスチャネルのキャンペーンパフォーマンスを管理、最適化する環境をマーケティング担当者に提供します。マーケティング担当者は、キャンペーンのパフォーマンスを測定し、ROI(投資利益率)を継続的に改善できます。Marketing Cloudのイノベーションの詳細(英語)

次世代 Commerce Cloud は、B2C、DTC、B2B コマース、注文管理、決済など、あらゆるコマースの要素を、企業規模のデータと信頼性の高いAI を搭載した単一のプラットフォームに統合します。さらに、Marchant、Buyer、Personal Shopperを含む 3 つのAgentforce Agentを発表しました。これらは、直接的な人間の指示を必要とせず、商品レコメンデーションや注文の照会など、幅広いタスクを自律的に管理するよう設計されています。
Commerce Cloudのイノベーションの詳細(英語)

Industry AI (英語)Salesforceは、Data Cloudに支えられ、Einstein Trust Layerによってサポートされた、15の業種別クラウドにまたがる、高度にカスタマイズ可能な100以上の業界固有のプロンプト、データモデル、AI機能を発表しました。これらのIndustries AIの機能は、大規模な運用スケールで、あらゆる役割とワークフローにわたって仕事の進め方を変革する、業界固有のAgentforce AIエージェントを作成するための基盤としても機能します。数分で設定を完了でき、24時間稼働し、業界固有の業務タスクやアクションを自律的に実行します。
Industry Cloudのイノベーションの詳細はこちら

MuleSoftは、開発者や管理者がCRMや外部システムから構造化データと非構造化データを簡単に統合し、AIエージェントやアシスタントを信頼できるデータに基づいて運用できる包括的な統合ソリューションを発表しました。これにより、企業はData CloudとAgentforceの機能をフル活用して、顧客体験のパーソナライズ化、従業員ワークロードの大幅な強化、より深い顧客関係の構築を実現し、最終的に収益の向上につなげることができます。
MuleSoftのイノベーションの詳細(英語)

Salesforceはまた、高度なデータ管理、データセキュリティの強化、データプライバシーの向上を実現する「Data Governance for the AI Enterprise」を発表しました。これにより、ITチームは現在および将来のAI関連規制に迅速に対応できるようになります。
Data Governance for the AI Enterpriseの詳細(英語)

Salesforce Venturesの新しいAIファンド

Salesforce Venturesは、新たに5億ドルのAIファンドを設立し、AIへの投資を拡大する(英語)ことを発表しました。AIイノベーターへの投資額は過去18か月で10億ドルに達しています。Salesforce Venturesは、これまでAnthropic、Cohere、Runway、TogetherAI、Mistral AI、Hugging Faceをはじめとした市場を牽引する企業を含む20社のAI企業に対して投資を行ってきました。今回の投資は、これまでの出資を基盤として、企業エコシステムを通じた大きな成長機会や業界の専門知識とともに、長期的な資本を提供し続けることを意味します。

地域社会への還元

Salesforceは、米国の学区やグローバルな教育関連の非営利団体に対し、新たに2300万ドルの助成金を提供し、学生が将来成功するために必要なスキルを身につける支援を行います。この助成金は、学生にキャリア準備の機会を提供し、AIやSTEMなどの新しいスキルを習得することで将来に備える手助けをするとともに、教育者には教室で活用できる最新のテクノロジーを提供します。また、この新しい助成金は、AIトレーニングへのアクセスを拡大し、有意義なキャリアへの道筋を拡げている非営利団体も支援します。Salesforceは創業以来、教育分野に1億5000万ドルを寄付しています。

さらに、マークとリン・ベニオフ夫妻は、ハワイ州の公教育を支援するために、追加で300万ドルをDonorsChoose(英語)に寄付します。これは、ベニオフ夫妻が過去20年にわたりハワイで続けてきた慈善活動の一環で、これまでに総額2億5,000万ドル以上を寄付してきました。

加えて、Dreamforce自体がサンフランシスコ市に9,300万ドルの経済効果をもたらすと見込まれています。

詳細情報

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  • DreamforceをSalesforce+で無料視聴するのはこちら(英語)。
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