※本記事は2024年9月16日に米国で公開されたSalesforce Marketing Cloud Innovations Enable Marketers to Build Lasting Customer Relationships with Actionable Data and AI Agentsの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
米国Salesforce(以下、Salesforce)は、企業がビジネス全体のデータを通じてAgentforce のAIエージェントおよび自動化機能を駆使しながら、顧客関係を構築できるよう支援するMarketing Cloudの新しいイノベーションを発表しました。これにより、マーケティング担当者はマーケティングデータだけでなく、企業全体がアクセスできる実用的な統合データを活用し、メリットを得ることができます。
高度な自動化とAI機能を備えたMarketing Cloudの次期版であるMarketing Cloud Advanced Edition(英語)により、マーケティング担当者は、セールス、サービス、コマースのワークフローと連携し、マーケティング・ジャーニーにおけるあらゆる顧客との接点をパーソナライズできます。
Agentforce for Marketingは、エンドツーエンドのキャンペーン作成を支援し、マーケティング担当者の作業時間を削減します。これらの信頼できるAI エージェントは、生成AIと予測AIを統合し、定められたビジネス目標に基づいてキャンペーンを分析、生成、パーソナライズ、最適化します。
そしてEinstein Marketing Intelligenceは、すぐに活用できるマーケティング・インサイトと、データの統合、調和、可視化の自動化により、クロスチャネルのキャンペーンパフォーマンスを管理、最適化する環境をマーケティング担当者に提供します。またマーケティング担当者はキャンペーンのパフォーマンスを測定し、ROI (投資利益率)を継続的に改善できます。このような新しいイノベーションは、Salesforce Platform上に構築されており、顧客データとメタデータを基盤とするData Cloud を通じて、マーケティング担当者はビジネス全体の顧客履歴に迅速かつ実用的にアクセスできます。
重要な理由 :テクノロジーとプロセスの統合が不十分なため、企業に問い合わせを行った顧客の55%は、ひとつの案件に対しあらゆる部門とやり取りしていると感じています。また、認知の獲得からオンボーディング、リテンション、継続的なサポートに至るまで、顧客のライフサイクル全体でコンテンツをパーソナライズできているマーケティング担当者は57%に過ぎません。組織全体で実用的かつ統一されたデータにアクセスし、それらのデータから高度なAIと自動化機能を引き出すことで、チームは協力して顧客のライフサイクル全体にわたってハイパーパーソナライズされた顧客体験を提供できます。
製品の特徴:これらの新たなイノベーションは、顧客との関係改善に役立つだけでなく、チームの生産性と効率性を向上させます。
- Agentforce for Marketing:生成AIと予測AIを統合し、マーケターが主導しながら、AIエージェントが実行するエンドツーエンドのキャンペーン体験を提供します。Agentforce for Marketingはマーケティング担当者を次のように支援します。
- キャンペーンの計画、立ち上げ、最適化:マーケティング担当者が事前に設定したキャンペーン目標とブランドガイドラインに基づき、Agentforce Campaignsがキャンペーン全体の作成を支援します。ガイドラインの作成から、ターゲットオーディエンスの特定とセグメントの作成、Emailとランディングページの初稿作成からSalesforce Flowでのカスタマージャーニー構築まで行います。その後、キャンペーンのパフォーマンスを継続的に分析し、KPIに基づいてターゲットオーディエンス、コンテンツ、チャネルを最適化する方法を提案します。
- 1:1のエンゲージメントを大規模にパーソナライズ:リアルタイムのやり取りや会話、顧客プロファイルデータを活用し、Agentforce Personalizationが顧客のライフサイクル全体にわたりタッチポイントを自動的にパーソナライズして行動を促します。
- 例えば、通信事業者はAgentforce Campaignsを使用して、解約の可能性がある顧客に再度アプローチするためのキャンペーンを立ち上げることができます。デバイスの使用状況や今後の更新状況など、さまざまな部門のデータをまとめて対象顧客を特定することができます。Agentforce Campaignsは、更新やアップグレードを促すSalesforce Flowやメールの初稿作成など、パーソナライズされたマルチチャネルキャンペーンを生成できます。
- キャンペーンの計画、立ち上げ、最適化:マーケティング担当者が事前に設定したキャンペーン目標とブランドガイドラインに基づき、Agentforce Campaignsがキャンペーン全体の作成を支援します。ガイドラインの作成から、ターゲットオーディエンスの特定とセグメントの作成、Emailとランディングページの初稿作成からSalesforce Flowでのカスタマージャーニー構築まで行います。その後、キャンペーンのパフォーマンスを継続的に分析し、KPIに基づいてターゲットオーディエンス、コンテンツ、チャネルを最適化する方法を提案します。
- Marketing Cloud Advanced Edition:Marketing Cloud Growth Edition(英語)の機能拡張により、より高度なAIと自動化機能で中堅・中小企業を支援し、信頼できるデータを駆使してあらゆる部門にパーソナライゼーションを拡大します。Marketing Cloud Advanced Editionはマーケティング担当者を次のように支援します。
- Agentforceで複数言語のキャンペーンをパーソナライズ:マーケティング担当者は、Agentforce(英語)を使用して顧客の希望する言語でキャンペーン、報告書、メールを作成することで時間を節約し、業務を拡張できます。
- Salesforce Flow によるチームを横断したタスクの自動化:マーケターはセールスリードのルーティングやサービスリクエストなど、既存のSalesforce Flowの自動化機能と連携し、ジャーニーをリアルタイムにテストし、部門のワークフロー全体にわたって適切なメッセージを、適切なコンテキストで自動的に配信できます。
- SMSの会話を統合して顧客関係を改善:マーケティング、コマース、サービスの各分野で行われたSMSでの会話をまとめることで、顧客は1つのSMSで全ての領域において対話することができます。
- 例えば、ホテルはMarketing Cloud Advanced Editionを使用して、ホリデープロモーションを訴求するオムニチャネルキャンペーンを行うことができます。データをトリガーとしたワークフローの自動化を使用し、予約担当チームとサービス担当チームにキャンペーン期間中の顧客行動を通知します。
- 例えば、ホテルはMarketing Cloud Advanced Editionを使用して、ホリデープロモーションを訴求するオムニチャネルキャンペーンを行うことができます。データをトリガーとしたワークフローの自動化を使用し、予約担当チームとサービス担当チームにキャンペーン期間中の顧客行動を通知します。
- Einstein Marketing Intelligence(EMI):Data CloudとAIを活用してマーケティングデータの準備と分析を自動化し、マーケティング担当者がリアルタイムでコストとクロスチャネルのキャンペーン・パフォーマンスを最適化できる環境を提供します。EMIはマーケティング担当者を次のように支援します。
- より迅速な意思決定のためのデータ準備と自動化: EMIは、すぐに使えるコネクタと事前構築されたマーケティングデータモデルを駆使し、複雑なデータの取り込みや変換、ファーストパーティデータおよびサードパーティデータ間のマッピングを自動化します。これにより、時間を節約しデータ精度を向上させます。Einsteinは新しいディメンションを分類し、パターンを特定し、分析のための追加データを生成します。
- マーケティング支出に対する透明性の確保: マーケターは、統合されたデータとアトリビューションモデルを使用して、特定できないサイト訪問から成約収益まで、目標に対するクロスチャネルのキャンペーン・パフォーマンスとROIを予測および追跡できます。
- リアルタイムでのキャンペーンパフォーマンスの最適化:マーケティング担当者は、AIが生成したキャンペーンサマリー、即時に使用できるインサイトマーケティングに特化したTableauアナリティクスダッシュボードによって、マーケティングプログラムの健全性を評価し、パフォーマンスを最適化するために予算を調整できます。
- 例えば、ヘルスケア企業はEMIを使用して、最新のインフルエンザ予防接種キャンペーンのマーケティング目標に対するパフォーマンスを追跡できます。リアルタイムのインサイトにより、各チャネルでコストを調整し無駄を省き、コンバージョン数を向上します。
- 例えば、ヘルスケア企業はEMIを使用して、最新のインフルエンザ予防接種キャンペーンのマーケティング目標に対するパフォーマンスを追跡できます。リアルタイムのインサイトにより、各チャネルでコストを調整し無駄を省き、コンバージョン数を向上します。
- Einstein Personalization:AIに基づいた新しい意思決定エンジンとして、一人ひとりの体験を自動的にパーソナライズし、好みに基づいた最適な製品、コンテンツ、オファーを推奨します。
- ジャーニーのあらゆる接点をパーソナライズ: Einstein Personalizationは、秒単位以下のリアルタイムでData Cloudから得られる顧客データを活用し、パーソナライズされた体験をタイムリーに提供します。これによりセールス、サービス、コマースの各チームは最新のやり取りから Salesforceのプロファイル設定に基づき顧客と関わることができます。
- ダイナミックコンテンツによるテストと学習: マーケティング担当者は、Salesforce FlowでA/Bテストを行い、オーディエンス別にメールコンテンツを選択して送信できます。また、簡単にパフォーマンスを追跡するとともに、コンテンツを調整してパフォーマンスを向上できます。
- 顧客の意図とビジネス目標に合わせた最適化: マーケティング担当者はルールやAIベースの推奨を活用して、ビジネス目標に対して最も関連性の高い製品、コンテンツ、および記事を各個人に提供できるようになります。
- 例えば、小売企業は購買データ、顧客ロイヤルティのステータス、所在地などの基準に基づいて、ウェブサイトをリアルタイムでパーソナライズできます。 ユーザーの閲覧データは即座にプロファイルに追加されるため、店頭の販売担当者は最新の行動に基づいて顧客と関わることができます。
Salesforceの視点:Salesforce Marketing Cloud EVP 兼 GMのスティーブ・ハモンド(Steve Hammond)は以下のように述べています。
「今日、最も成功しているマーケターは、顧客の条件に合わせてアプローチを行い、営業やサービス担当者がよりパーソナライズされた会話ができるよう支援したり、アクティブでない顧客を再び取り込んだりするなど、顧客体験全体にわたって価値を増大させます。Data Cloud上に構築されたMarketing Cloudは、統合されたデータ、AgentforceのAIエージェント、強力な自動化によって、顧客のライフサイクル全体にわたってあらゆる部門と瞬間を結びつけ、マーケティング担当者がビジネスの成長、ロイヤルティ、ROIの最適化を促進できる最適なソリューションです」
Data Cloud上に構築されたMarketing Cloudは、統合データ、AIエージェント、自動化によって、顧客の全ライフサイクルを通じて各部門とつなぎ、マーケティング担当者がビジネスの成長とROIの最適化を促進するためのソリューションです
Salesforce Marketing Cloud EVP 兼 GM スティーブ・ハモンド(Steve Hammond)
提供時期:
- Agentforce Campaignsは、2025年2月より国内提供を開始する予定です。
- Agentforce Personalizationは、2025年夏に提供開始予定です。国内での提供時期は未定です。
- Marketing Cloud Advanced Editionは、2025年1月より国内提供を開始する予定です。
- Einsteinの日本語を含む多言語サポートは、Marketing Cloud Engagement で2024年10月に提供開始予定、Account Engagement(Advanced EditionおよびPremium Edition)では2024年10月にベータ版として提供開始予定です。
- Marketing Cloud Growth、Marketing Cloud Advanced Editionは2025年1月より国内提供を開始する予定です。
- Unified Conversations with SMSは、Marketing Cloud Advanced Editionと共に2025年1月より国内で提供開始予定です。
- Einstein Marketing Intelligenceは、2025年2月に提供開始予定です。日本での提供時期は未定です。
- Einstein Personalizationは、2024年10月中旬より国内提供予定です。
詳細情報:
- Marketing Cloudの詳細とDreamforceの視聴については、以下をご覧ください。Salesforce+(英語)