※本記事は2025年3月19日に米国で公開された From Adaptability to AI Literacy: Critical Skills Needed to Succeed in the Digital Labor Revolution の抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
人間の労働力をインテリジェントなAIエージェントによって強化するデジタル労働力(英語)の台頭により、ビジネスのあり方は根本的に変わりつつあります。その結果、仕事そのものが変化し、その仕事で成功するために必要なスキルもまた大きく変化しています。
現在、AIを効果的に使用するために必要な教育やトレーニングを受けたことがある労働者はわずか15%にとどまっており、リスキリングの必要性と緊急性が今まで以上に高まっていることが明らかになっています。一方で、企業と従業員にとってリスキリングとはどのようなものなのでしょうか?
エージェント型AIの未来に向けたトップスキル
Salesforceでは、デジタル労働力革命に対応するため、従業員のスキルアップに注力しています。社内に存在する何百万ものデータポイント、業界調査、世界経済フォーラムから得られるベンチマークを基に、AIエージェントとともに将来的な成功を収めるために企業で求められるスキルのトップ 10 を以下3つのカテゴリーに分類しています。
- ヒューマンスキル:適応力、説明責任、協調性、感情的知性
- エージェントスキル:AIエージェントおよびAIに対するリテラシー、AIエージェントとの協働
- ビジネススキル:問題解決力、データ解釈力、創造的思考、ストーリーテリング
このような基礎的なスキルを特定してフレームワークを作成することで、Salesforce社内のリスキリング戦略を導くだけでなく、顧客企業においても従業員がデジタル労働力とともに働く方法を身につけるための支援をしています。
リスキリングの実践
しかし、必要なスキルの明示だけでは十分とは言えません。企業は、リスキリングを人材戦略の中心に据え、組織全体でスキルを実行する具体的な方法を構築する必要があります。
測定できないものに対処することはできません
測定できないものに対処することはできません。 そのためSalesforceでは、2025年末までに従業員の少なくとも80%がこのようなスキルを習得することを目標に掲げています。この高い目標を達成するために、以下のようなトレーニングやテクノロジーの基盤を整備しています。
- Agentblazer Ranch:Agentblazer Ranchは、米国サンフランシスコ本社の専用フロアです。従業員がSalesforceの企業向けデジタル労働プラットフォームAgentforceを活用して、ビジネス上の課題を解決し、顧客の成功を促進できるように設計されています。
- Career Connect:AIを活用した社内の人材マーケットプレイスであるCareer Connectを通じて、スキルの向上、Trailheadでの学習、社内の新たな職種の機会に関して、従業員ごとに最適化された提案を行います。 また、Career Agentsが、従業員がキャリア目標を達成するために必要なステップを具体的に提供します。
- 四半期ごとのAgentforceラーニングデー:四半期ごとに、Agentforceプログラミングの日を設け、従業員がAIツールやAIアシスタントの使い方を学ぶ機会を奨励しています。 直近では、世界中から11,000人以上が参加し、その76%が「Agentforce戦略について理解が深まった」、64%が「AIエージェントの活用に自信がついた」と回答しています。
- 学費補助制度(英語):Salesforceでは、認定プログラムや教育機関での研修・資格取得を推奨しており、それらに対する全額または一部の費用を補助しています。
このような取り組みを通じて、将来的にAIエージェントとシームレスに働けるような従業員のスキルアップを支援し、さらには100万人のAgentblazers(Agentforceを利用してAIイニシアチブを推進するSalesforce Trailblazers)の育成を目指しています。
管理職への投資がAI活用を後押し
AI活用には管理職からの支援が不可欠です。デスクワーカーの半数近くが、不正行為、怠慢、能力不足という認識を恐れ、上司にAIの利用を公表するのは気が引けると感じています。また、上司から信頼されていると感じている従業員では、業務関連のタスクでAIを試したことのある割合が94%高くなっています。
そのため管理職は、現代の人材を変革へ導き、エージェント型AIの活用に必要なイノベーションを推進するために、重要な役割を担っています。 AIリテラシーだけでなく、ヒューマンスキルやビジネススキルを育成することで、安心してAIエージェントを試せるような信頼性の高い環境作りにつながります。 そして、すべての従業員がAIエージェント(あるいはAIエージェントのチーム)を管理することになるため、誰もがマネジメントスキルを学ぶ必要があります。
Salesforceでは、「Managing at Salesforce」という新しい学習プログラムを開発し、管理職がデジタル労働力革命のリーダーとなるために必要なスキルと基礎知識を習得できるよう支援しています。
社内の人材流動性が持つ力
Career Connectのデータを通じて、Salesforceは従業員がすでに習得しているスキルを把握しています。これにより、優秀な人材を成長領域へ再配置し、社員のキャリア支援を行うことが可能になります。また、人材の流動化を促進することで、ビジネスの効率化と従業員の成長の両方を促進します。
デジタル労働力革命はすでに始まっており、職場のあり方そのものを変革しています
デジタル労働力革命はすでに始まっており、職場のあり方そのものを変革しています。そこで問われるのは、「自分の仕事が変わるかどうか」ではなく、「どのように変わるか」という点です。リスキリングは選択肢ではなく、必要不可欠なものです。デジタル労働力革命における成功は、変化に適応し、進化する意思を持つ人に訪れるのです。
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