※本記事は、2024年3月6日に米国で公開された How Salesforce’s Einstein 1 Platform Transforms Customer Experiences with CRM, AI, Data, and Trust の抄訳版です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
ビジネスリーダーの94%は、 データからもっと価値を引き出すべきだと考えています。これに応えるかたちでSalesforceは、Einstein 1 Platformを発表しました。このプラットフォームは、セールス、サービス、マーケティング、eコマース、アナリティクス、業種別ソリューションにわたるSalesforceのアプリケーションスイートを統合するものです。また、生成AI、データ管理、CRM機能、信頼できるシステムをシームレスに融合し、企業の生産性を高め、より深い顧客関係を築き、利益を高めることを可能にします。
Einstein 1 Platformは、生成AI、データ管理、CRM機能、信頼できるシステムをシームレスに融合し、企業の生産性を高め、より深い顧客関係を築き、利益を高めることを可能にします。
この統合は、SalesforceのMetadata Platformを介して提供されます。Metadata Platformは、2008年に発表された強力なメタデータフレームワークで、安全でコンプライアンスに準拠したデータ利用を確保しながら、アプリの構築とカスタマイズをサポートします。さらに最近、Data Cloudと呼ばれるUnified Data Layerが登場し、顧客はすべての企業データと顧客データをSalesforceに取り込むことができるようになりました。Unified Data Layerは、接続された各システムのさまざまなデータモデルを調和させ、Salesforceのメタデータフレームワークにマッピングすることで、360度の顧客ビューとCRMアプリケーション間でのデータの有効化を可能にします。
Einstein 1 Platformの生成AI機能は、Metadata PlatformとUnified Data Layerの統合によって実現されます。この2つのコンポーネントが連携することで、AI主導のプロセスとパーソナライズされた顧客戦略に必要な基盤が提供されます。これにより、企業はオーダーメイドの顧客体験を創造し、従業員をAIで「強化」することができるようになります。
さらに、Einstein 1 Platformには Einstein Trust Layerが含まれており、AIバイアス検出機能によるデータの信頼性、AIガバナンス機能によるデータセキュリティ、AIアクセス制御とデータ分類ツールによる規制順守を保証します。
統合されたデータとメタデータプラットフォームのパワーを解き放つ
Einstein 1 Platformのメタデータプラットフォームは、Salesforceを構成および拡張する強力なツールであり、独自のビジネス課題を解決し、顧客エンゲージメントを強化し、優れた成果をもたらします。
予測やコンテンツ生成のための Einstein AI 、 自動化のためのFlow、 ユーザーインターフェースのためのLightningなど、さまざまなローコードプラットフォームサービスを使用して、企業はあらゆるユーザー体験をカスタマイズし、データに基づいたアクションを起こすことができるようになります。これらのカスタマイズは、コストがかかり、不安定になりがちな統合用のコードを記述することなく、組織の他のコアアプリケーションから即座に利用できます。さらに、Salesforce は年に 3 回自動アップグレードを行い、メタデータフレームワークによって、統合、カスタマイズ、セキュリティモデルの破損を防ぎます。
Metadata Platformは、ユーザーとのやり取りやビジネスプロセスに関する貴重な情報も保持しています。このメタデータを分析することで、お客様は、より高いクリックスルー率(CTR:Click Through Rate)を生み出すEメールの返信に関するインサイトを得たり、組織の成功指標を支援するための自動化プロセスを特定したりすることができます。生成AIは、この貴重なメタデータを活用して、カスタマイズされた根拠のある回答を提供します。
Salesforceのエンジニアは、データ統合を簡素化し、システム間で統一されたデータのビューを顧客に提供するために、Unified Data Layerを開発しました。Unified Data Layer は、Salesforce アプリケーションの内部と外部に閉じ込められたデータの課題を解決し、メンテナンスと統合作業を効率化させます。
Data CloudはSalesforceのEinstein 1 Platformに深く統合され、プラットフォームとすべてのSalesforceアプリケーションの基盤として機能し、生成AIの高品質な出力を作成するために必要な基盤を提供します。
たとえば、Service Cloudとの やり取りによって、 顧客サービスに関するデータが提供され、 Commerce Cloudでは購入履歴に関する情報を保持し、 Marketing Cloudでは 製品のクリックを含むメールでのやり取りを追跡します。Unified Data Layerは、顧客エンゲージメントを強化し、パーソナライズされたAIを活用した体験を提供するために、これらのデータを集約し、調和させます。
生成的AIで顧客エンゲージメントを強化
Unified Data Layerが提供する特定の顧客情報を活用することで、AIはメールコミュニケーションを含むあらゆるビジネスタスクを最適化できます。たとえば、マーケティングメールを作成するよう促されたとき、AIは、顧客のこれまでの販売促進へのエンゲージメントを組み込み、パーソナライズされた関連性の高いメッセージを確実に作成することができます。
データはメタデータとともに、文脈に即したコンテンツを提供します。見込み客への紹介メールを作成する際、AIは以前に作成した見込み客へのメールを参照し、メタデータに基づいて関連情報を組み込むことができます。これにより、AIが以前行ったコミュニケーションに言及し、見込み客が特定の製品に興味を持っているかを参照でき、よりパーソナライズされた魅力的なやりとりを育むことができます。
Salesforceの Einstein Copilotや Einstein 1 Studioのような次世代AI機能は 、チームや業界が生産性とパーソナライゼーションを強化し、あらゆるアプリや業務フローに生成AIを組み込む方法を変革します。
Salesforceの Einstein Copilotや Einstein 1 Studioのような次世代AI機能は 、チームや業界が生産性とパーソナライゼーションを強化し、あらゆるアプリや業務フローに生成AIを組み込む方法を変革します。営業担当者は、自然言語を使って、記録を要約したり、カスタマイズされたコミュニケーションを生成し、よりパーソナライズされた顧客エンゲージメントを提供することで、取引の成約を加速することができます。カスタマーサービスとフィールドサービス担当者は、異なるシステムから関連する回答、オファー、データを表示することで、ケースの解決を効率化させ、顧客満足度を高めることができます。
市場におけるEinstein 1の差別化
SalesforceのEinstein 1 Platformは、Metadata Platform、Unified Data Layer、生成AIからなる3つのコア機能を独自に組み合わせることで、市場での差別化を図っています。競合ソリューションの中には、これらの分野のうち1つまたは2つに強みを持つものもありますが、Salesforceは包括的で統合的なアプローチが特徴となっています。