※本記事は、2023年5月10日に米国で公開された Tableau Chief Product Officer: Generative AI Will Level the Data Playing Field の抄訳です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
編集部注：AI Cloud、Einstein GPT、その他のクラウドGPT製品はEinsteinになりました。Salesforce Einsteinの最新情報はこちら。
データ主導の世界では、企業はデータを理解し、インサイトを集め、迅速に意思決定を下す必要があります。
歴史的に、データを見たり理解したりするのはデータの専門家に限られていました。しかし、これからの時代は、統合されたリアルタイムのデータを活用し、データが意味するところと、それに基づいて誰がどのように行動できるかを、生成AIを活用して説明することで、業務の流れの中で誰もがインサイトにアクセスできるようになります。
Salesforceは、データをよりよく理解し、対話するために生成AIを使用するTableau GPTと、AIと統合されたリアルタイムデータを活用し、自然言語とビジュアル形式でパーソナライズされたインサイトをプロアクティブに表示するTableau Pulseを発表し、その未来に大きく飛躍しました。
本記事では、Tableau の最高製品責任者である フランソワ・エージェンスタット（Francois Ajenstat）が、アナリティクスに生成AI の力をもたらし、それを Data Cloud と組み合わせることで、Tableau がどのように誰もがよりスマートでデータドリブンな意思決定を行えるようにしているを語ります。
Q. Tableauがデータへのアクセスのしやすさにこだわるのはなぜですか。
組織が存続し、繁栄するためには、データドリブンでなければなりません。現実には、データドリブンな企業のほうがより成功しており、顧客を維持し、収益性の高い成長を実現し、働きやすい企業となっています。しかし、組織のほとんどの人々は、意思決定を行うためにデータを咀嚼して、解釈するためのトレーニングを受けておらず、習得する時間もありません。彼らはそれを、余力のない少数の専門家に任せている状態です。
Tableauのミッションは、誰もがデータを見て理解し、より良い意思決定ができるようにすることです。データアナリストであろうと一般的なビジネスユーザーであろうと、すべての人がデータとアナリティクスを仕事の流れに組み込み、簡単に行動できるよう支援できれば、その組織にとってより良い意思決定と成果を促進することができます。
Q. 新しく発表されたTableau GPTイノベーションの重要な点は何ですか。また、それはどのように機能しますか。
Tableauでは、常に複雑なものをシンプルにすることに注力してきました。
Tableau GPTは、データとアナリティクスに生成AIを導入し、データの専門家でなくてもデータを理解できるようにします。ユーザーはTableau内で質問をすることで、会話形式でインサイトを生成できます。Tableau Pulseは、Tableau GPTを使用してアナリティクスを自動化し、自然言語とビジュアル形式の両方でインサイトを表示するため、ユーザーは消化しやすく共有可能な形式でプロアクティブなインサイトを受け取ることができます。
Tableau GPTテクノロジーは、当社独自のビジュアルクエリ言語であるVizQLの上にレイヤー化されており、人間の意図をデータベースクエリに変換するのに役立ちます。Tableau GPTは、人々がどのような種類の質問をしているかを学習し、それをバックグラウンドでVizQLに送信します。データを自然言語のストーリーに変換するData Storiesのおかげで、クエリの結果を視覚化したり、完全なナラティブにもすることができます。
Tableau GPTを使用すると、データはあなたの背中を押してくれる同僚のように感じられるようになり、あなたが関わるべきことがあれば肩を叩いてくれるようになります。その同僚と協力すればするほど、その同僚も協力してくれるようになり、一緒に問題を解決することで、一人で作業するよりも早く、より確実に解決策を見つけることができるのです。
Tableau GPTを使用すると、データはあなたの背中を押してくれる同僚のように感じられるようになり、あなたが関わるべきことがあれば肩を叩いてくれるようになります。その同僚と協力すればするほど、その同僚も協力してくれるようになり、一緒に問題を解決することで、一人で作業するよりも早く、より確実に解決策を見つけることができるのです。
Q. Tableau Pulseが企業のデータ活用にどのように役立つのか、例を挙げてください。
複雑な月次売上を手作業で分析して売上減少の理由を探ったり、在庫の滞留の影響を理解したりする時間を減らし、顧客とのつながりにもっと時間を費やして収益を上げたいと考えている店舗マネジャーがいると想像してみてください。Tableau Pulseを使えば、この店長はビジネスの全体像をSlackや受信トレイで直接把握することができます。異常や異常値のあるメトリクスに注意を向けることができます。また、「在庫はどのくらいあるのか」や「最も返品が多かった商品はどれか」など、データについて自然言語で質問し、簡単な回答をすぐに得て、商品表示に反映させることも可能です。
あるいは、サプライチェーンを追跡しているメーカーを想像してみてください。Tableau Pulseは、特定の製品が納期に間に合わなかったり、データに異常値や混乱があった場合に、プロアクティブに通知を送ることができます。
他の非常に強力な使用例は、分析の実行を支援するアシスタントとしてTableau GPTを使用することです。以前は、計算式を書いたり、変換を構築したりする専門知識を持っているのはデータアナリストのごく一部だけでしたが、Tableau GPTのおかげでこのデータを見たりアクセスしたりできる人の数は10倍になりました。その結果、誰もがより多くのデータ情報を得られるようになります。
Q. 私たちは、AIはその原動力となるデータがあるからこそ意味を持つと言ってきました。SalesforceとTableauのAI + データの特徴は何ですか。
生成AIを最大限に活用するためには、人々は自分たちが尋ねた質問に対して信頼できる答えが返ってくると信用する必要があります。Tableau GPTでは、インターネット上の情報だけでなく、企業独自の信頼できるデータに直接基づいた分析結果が常に出力されます。このデータは、Data Cloudのおかげで、Salesforce Customer 360全体からもリアルタイムで提供されます。
通常、データが生成されてから、ユーザーがそのデータにアクセスし、操作できるようになるまでには、長いプロセスがかかります。Customer 360 の中核にデータとアナリティクスを統合することで、ユーザーはAIを活用したインサイトをリアルタイムで作成し、顧客により良いソリューションを提供することができます。
Q. TableauをData Cloudと組み合わせて使うことで、これまでとは違って企業はデータとインサイトに対して何ができるようになりますか。
企業はデータに溺れ、インサイトが不足しています。多くのデータがかつてないスピードで入ってきており、全体像を把握することはこれまで困難でした。最近のSalesforceの調査によると、今日の組織は1,000を超えるアプリケーションを使用していますが、その70%は互いに切り離されたままであり、ビジネスの中核からも切り離されているため、データのサイロ化につながっていることがわかりました。
Data Cloud を使用することで、データ接続、データ統合、調和を実現し、あらゆる顧客接点を統一されたリアルタイムの顧客プロファイルに変えることができます。これらのデータはすべて、Tableauからネイティブにアクセスでき、視覚化情報のように、ユーザーが簡単に共有できる、高速で分析可能なコンテンツを提供します。
行動につながらないデータ分析では機会を失ってしまいます。Data Cloudはデータを提供し、Tableauは分析を提供し、それらを組み合わせてユーザーがより意味のあるアクションを推進できるよう支援します。
Q. SalesforceはCRMに革命を起こし、Data Cloudでリアルタイムデータを顧客に提供し、企業向けに世界初の生成AIを導入しました。AI + データ + CRMは企業にとってどのような意味を持つのでしょうか。
今日、顧客がデジタルトランスフォーメーションを加速させるにつれて、かつてないほど多くのデータが生成されています。Tableauは、Customer 360内にあるデータの価値を解き放ち、企業が全く新しいかたちで顧客とつながることができるよう支援しています。生成AIを含むAIは、すべてをよりシンプルかつ強力にするインテリジェントなシステムをCustomer 360に組み込むことで、チームがこれまでの退屈で単調なタスクではなく、重要なことにより多くの時間を費やせるようにします。
私はこう考えます。Salesforceは顧客を中心に企業を結びつけます。Tableauはデータを中心に人々を結びつけます。そして今、EinsteinやTableauなどに搭載された生成AIによって、私たちはこれを以前よりもさらにインテリジェントに行えるようになりました。
Q. ビジネスリーダーの41％が、データが複雑すぎる、あるいは十分にアクセスできないために、データに対する理解が不足していると答えています。ビジネスリーダーの3分の1（33％）は、データからインサイトを生み出す能力の欠如を挙げています。顧客と話すとき、彼らのデータに関する経験と最大の懸念は何ですか。
お客様と話をすると、大半は自分のデータにアクセスできていません。期待していたようなアプローチができないのです。
裏を返せば、データを最大限に活用しているお客様は、「データによって従業員に力を与えれば、誰もが成功できる」というシンプルな教訓を学んでいます。私は最近、ファイナンシャルアドバイザーがより良い顧客サービスを提供できるよう支援しようとしている顧客に会いました。彼らはアドバイザーが顧客の全体像を把握し、実用的で信頼できる分析データを既存のシステムから見えるようにして、より良いサービスを提供できるようにしたいと考えていました。彼らは現在、Tableauを使用しており、アドバイザーはより多くの情報を入手し、業務に従事し、重要なこと、つまり顧客との関係を深めることに集中できるようになりました。
信頼は非常に重要です。企業は自社のデータを信頼する必要があり、これは私たちSalesforceの活動にとっても非常に重要です。また、好奇心と探求を可能にする簡単なソリューションも必要です。障壁を増やすようなテクノロジーではなく、既存の壁を取り払い、日々の業務の中で人々が探求し、学びを共有できるように支援するようなものです。私たちの未来は、仕事の流れの中で民主化されたアナリティクスと、新しい方法でデータを見て理解するのに役立つAIアシスタントをすべての人に提供することです。
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