業務改善とは?5つのステップや改善のアイデア、成功事例などを解説

 
最終更新日:2024.12.9

労働人口の減少や働き方の多様化など、企業の在り方が問われる今、業務改善は企業が生き残る上で重要な施策です。

しかしながら、業務改善に取り組む流れや具体的な改善方法がわからない方も多いでしょう。

本記事では、業務改善の概要から取り組むメリット、5つのステップ、注意点、活用できるツールなどを詳しく解説します。

 
 
 
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業務改善とは

 

業務改善とは、業務内容の見直しや課題解決、効率化などを通じて、業務をブラッシュアップすることです。業務の効率を高め、より大きな成果につなげることを目的に実施します。

なお、業務改善の例として有名なのが、トヨタ自動車の取り組みである「カイゼン」です。カイゼンとは、工場の製造現場におけるボトムアップ型の業務改善活動のことで、「KAIZEN」の名で海外にも知れわたっています。

新しいビジネス手法やIT技術が次々と生まれている時代です。時代に即した経営を行うためにも、適宜、業務内容を見直す必要があります。

業務改善が必要な理由

業務改善が必要な主な理由として、「労働人材の不足」「働き方改革」の2つが挙げられます。

少子高齢化による生産年齢人口の減少は、多くの業界で深刻な人材不足を引き起こしています。内閣府によると、2020年時点での生産年齢人口はおよそ7,406万人ですが、2065年には4,529万人にまで減少すると予測されているのです。この状況下で、企業が生き残るには、限られた人材でより高い生産性を実現する必要があります。

一方、長時間労働の是正や、ワークライフバランスの向上を目指してはじまったのが「働き方改革」です。少ない労働力で、より働きやすい環境を作るには、効率的な業務プロセスの導入やデジタル技術の活用、柔軟な勤務形態の整備などを通じて、業務改善をする必要があるのです。

業務効率化や生産性向上との違い

業務効率化とは、仕事からムリ・ムダ・ムラを排除し、業務を合理化することを指します。

一方、生産性向上とは、社員ひとりあたりのアウトプットの質と量を増加させることです。

業務改善は、業務内容を見直し、成果を生み出しやすいように改善するのが目的ですので、業務効率化や生産性向上を実現するための手段のひとつと言えます。

 
 
 
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業務改善に取り組む3つのメリット

 

業務改善は簡単に成果が出るものではありません。途中で断念しないためにも、業務改善に取り組むメリットを把握しておきましょう。

具体的なメリットは、以下の3つです。

  • 労働環境の改善につながる
  • 不要なコストの削減につながる
  • 生産性の向上が期待できる

それぞれ詳しく解説します。

労働環境の改善につながる

業務改善に取り組むことで、非効率な作業プロセスを見直せて、効率的な働き方を実現し、ムダな残業時間の削減につながります。残業が少なく働きやすい環境を作れると、従業員のストレス軽減にもつながり、メンタルヘルスの向上が期待できるでしょう。

また、業務改善によって時間が捻出されたことで、社員育成や新規事業開発などに力を入れられますし、従業員の働くモチベーションも向上し、組織全体の成長も期待できます。

不要なコストの削減につながる

業務改善への取り組みでは、ムダな作業や重複したプロセスを排除するため、人件費を含む不要なコストの適正化が図れます。

たとえば、残業を減らすと、不要な人件費をカットできるだけではなく、消耗品や設備の使用量をおさえられます。さらに、ペーパーレス化を進めれば、印刷や保管にかかる経費も大幅に節約できるでしょう。

コスト意識をもって改善に取り組むことで、企業の収益性や競争力の強化につながり、持続可能な経営基盤の構築も実現可能です。

生産性の向上が期待できる

業務改善を通して業務内容の見直しや作業を効率化させることで、組織の生産性向上が期待できます。

たとえば、自動化ツールを導入することで、単純作業にかかる時間を大幅に短縮できます。また、作業マニュアルを見直し平準化することで、ミスの防止につながり、品質向上が期待できるでしょう。

生産性が向上すると、従業員の数が増えなくても、より大きな成果を上げられるようになります。

業務改善の5つのステップ

業務改善は以下の5つのステップで進めます。

  1. 業務内容の可視化
  2. 優先順位をつける
  3. ムダやムリの洗い出し
  4. 改善計画の作成と実行
  5. 効果検証

ステップ全体の大きな流れは、現状把握とそれに対する改善から構成されています。

詳しく解説するので、読み進めてみてください。

Step1:業務内容の可視化

業務改善の最初のステップは、現状を正確に把握することです。

業務改善のスタート地点を明確にすることで、ゴールとのギャップを把握できます。業務内容を可視化するには、作業の流れや所要時間、使用するツールなど、各業務の詳細を洗い出すことが大切です。

フローチャートやプロセスマップを活用すると、全体像が把握しやすくなります。また、チーム内でのコミュニケーションを促進し、各メンバーの役割や責任を明確化することも重要です。

Step2:優先順位をつける

可視化された業務内容をもとに、重要度と緊急度を評価し、優先順位をつけます。

改善によって得られる効果や必要なリソースを考慮し、優先して着手する内容を決めてみましょう。また、短期的な成果と長期的な目標のバランスを取ることも重要です。必要に応じて優先順位の見直しも行い、状況に合わせて柔軟に対応できると効果的な業務改善が期待できます。

Step3:ムダやムリの洗い出し

続いて、業務内容や業務プロセスにムダやムリがないか確認していきます。

ムダやムリの具体例として、以下の内容が挙げられます。

  • 重複作業
  • 不必要な手順
  • 過剰な品質管理
  • 過度な会議
  • 属人性の高い作業
  • クオリティチェックの項目にバラツキがある など

洗い出す際は、リソースのムダ使いが発生していないかを確認しましょう。また、従業員の能力や時間的制約を越えた、ムリな要求をしていないかの確認も重要です。洗い出された課題は、優先度や改善の難易度に応じて整理しておきます。

Step4:改善計画の作成と実行

業務プロセスにおける課題を洗い出したら、具体的な改善計画を立案します。

計画を考える際は、目標や期限、担当者、必要なリソース、使える予算などを明確にし、マイルストーンを設定することが重要です。

計画の実行にあたっては、関係者全員に趣旨や手順を十分に説明し、協力を得ることが成功の鍵となります。小さくはじめて、徐々に範囲を広げていく方法も効果的でしょう。

Step5:効果検証

改善施策の実施後には、必ず振り返りを行い、PDCAサイクルを回すことが大切です。

振り返りを行う際は、生産性の向上率やコスト削減額など、定量的な成果の確認が欠かせません。また、従業員の満足度や顧客からのフィードバックなど、定性的な評価も重要です。

効果が期待通りでない場合は、原因を分析し、必要に応じてStep3やStep4に戻り計画の修正を行います。また、業務改善に成功した場合には、社内で共有し、他部門に採り入れてもらうことも検討しましょう。

業務改善する際の3つの注意点

 

業務改善でとくに注意するべきことは、以下の3つです。

  • 全社的に当事者意識をもたせる
  • 優先順位を定める
  • 振り返りを行う

それぞれ詳しく解説します。

全社的に当事者意識をもたせる

当事者意識の有無は、業務改善に対する関心や探求心の度合いに関係してくるだけに、企業のベースマインドとしてもっておきたいところです。

業務改善への関心を高めるためには、経営層や上層部が、現状と目指すべき姿を共有することが大切です。また、業務改善の成功がもたらすベネフィットを伝えられると、当事者意識が芽生えやすいでしょう。

業務改善に取り組む前から当事者意識の醸成に取り組み、参加者全員が一担当者目線で課題と向き合える環境が理想的です。

優先順位を定める

限られたリソースのなかで成果を上げるには、改善項目の優先順位づけが大切です。

優先順位を定めないと、リソースが分散してしまい、すべてが中途半端に終わってしまいます。また、優先順位を定めることで、従業員間でもやるべきことが明確になるので、モチベーションや方向性にズレが生じにくくなります。

優先順位を定める際には、業務改善を通じて達成したい目標をベースに考えてみましょう。

長期的な視点をもつ

業務改善は、数日や数週間で終わるような簡単なことではありません。

現状を可視化し、課題を洗い出し、優先順位をつけて改善を進めますが、定期的なデータ収集を行い振り返る必要もあります。また、振り返りの内容によって、あらためて課題を洗い出す際のステップに戻ることもあるでしょう。

当初の計画がズレることもあるので、ズレた場合には現状と今後の方向性を共有し、長期的な視点で改善を進めることが大切です。

業務改善に役立つ5種類のフレームワーク

 

業務改善は枠の大きな概念であり、それだけに多くのフレームワークが考案されています。数あるフレームワークのなかから、代表的な5種類を紹介します。

  • ECRS(イクルス)
  • QCD
  • PDCAサイクル
  • ロジックツリー(決定木分析)
  • KPT

それぞれ詳しく解説するので、読み進めてみてください。

ECRS(イクルス)

「ECRS(イクルス)」とは、改善の4原則とも呼ばれるフレームワークで、課題抽出と業務改善を目的としています。視点の異なる4つの方法から改善の可能性をチェックし、具体的な方法の考案につなげます。4つの方法は以下のとおりです。

E:Eliminate(排除):業務をなくす
C:Combine(結合):業務をまとめる
R:Rearrange(交換):業務における人や場所などの要素を入れ替える
S:Simplify(簡素化):業務の単純化

それぞれの頭文字を取って「ECRS(イクルス)」と呼ばれています。ECRSは、リソース削減の実現を土台とした考え方です。現状のリソースを活かした改善方法であるため、リソースが限られている場合に取り入れてみるとよいでしょう。

QCD

「QCD」とは、製造業務におけるおもな3要素である、以下3項目の頭文字を並べた言葉です。

Q:Quality(品質)
C:Cost(費用)
D:Delivery(時間)

QCDの3つの要素はどれも重要ですが、すべてを同じように向上させるのは困難です。また、相互に関係しているだけに、1つを向上させると他の要素が悪化することもあります。3つのバランスや優先順位を考えながら、改善に取り組んでいきましょう。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、業務改善を継続的に行うためのフレームワークです。

PDCAの4文字は、それぞれ下記の単語の頭文字をとったものです。

P:Plan(計画)
D:Do(実行)
C:Check(評価)
A:Action(改善)

PDCAサイクルのメリットは、業務を繰り返すほどに、よりブラッシュアップできる点にあります。そのため、事業成長を見込んだ業務と相性がよいです。また、PDCAを繰り返すなかで、業務の計画や評価に関するノウハウを獲得できる効果も見込めます。

なお、PDCAサイクルと似た考え方に「OODA(ウーダ)ループ」があります。OODAはブラッシュアップよりも最適化に特化した考え方で、よりスピード感をもって業務改善に取り組むことが可能です。

以下の記事ではPDCAについて詳しく解説し、OODAとの違いにも触れています。ぜひこちらもご一読ください。

ロジックツリー(決定木分析)

ロジックツリーとは、ある事柄を複数の要素に分解して考えるフレームワークです。分解していく過程が木の枝のように枝分かれすることから、この名前がつけられています。

ロジックツリーには、次の3種類があります。

  • Whatツリー(要素分解):含まれている要素を把握するためのロジックツリー
  • Whyツリー(原因追及):ある事象の原因を解明するためのロジックツリー
  • Howツリー(課題解決):ある課題を解決するための解決策を展開していくロジックツリー

ロジックツリーの強みは、論理的思考を可視化して共有できることです。また、段階的に分解するため、自らの思考を補助する効果も期待できます。そのほかにも、ロジックツリーを展開する副産物として、新たな発見を得られる可能性もあります。

KPT

「KPT」とは、業務結果の検証を行うためのフレームワークです。以下3つの評価軸から業務結果に対する意見を出し合うことで、業務の改善方法を考えます。

K:Keep(継続):継続すべきこと
P:Problem(問題):抱えている問題点
T:Try(トライ):次に挑戦したいこと

KPTの強みは、業務をフラットな視点から評価し、共有できることです。KPTの実施時に「意見を絞らず、自由に発言する」ルールを設けることで、数多くの発見を得られ、意見交換や思考の共有に役立ちます。

業務改善の6種類のアイデア・手法

 

業務改善について、以下の6種類のアイデアと手法を紹介します。

  • ムダな業務の削減
  • 紙文書の電子化
  • アウトソーシングの検討
  • マニュアル・手順書の策定
  • 業務担当の見直し
  • ツール導入による自動化

どれも多くの企業が取り組める一般的な方法であるため、ひとつでも採り入れてみてください。

ムダな業務の削減

業務の削減は、コスト面とリソース面の両方に効果が期待できる手法です。削減したコストとリソースを別の作業に割り当てられるため、業務のブラッシュアップだけでなく、本当に取り組みたい業務に注力できるようになります。

業務の削減例としては、目的の不明確な会議の開催や、不要な資料・報告書の作成などが考えられます。

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紙文書の電子化

紙文書の電子化は、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の一環として取り組んでいる企業も多いでしょう。

紙文書はデジタル文書に比べて、作成や配布、保管など、さまざまな分野でリソースが多くかかります。たとえば、印刷すれば紙やインクの費用がかかり、配布は物理的にわたす手間が、保管には専用の場所が必要です。

また、文書のデジタル化には、データの一元化やリアルタイム共有ができるメリットもあります。組織の意思決定をスピーディーにする効果も期待できるため、電子化には積極的に取り組みましょう。

アウトソーシングの検討

アウトソーシングは、マンパワーの節約に効果的な手法です。業務委託料は必要ですが、業務の「作業」部分をアウトソーシングできれば、事業の本質部分にマンパワーを集中できます。また、事業拡大をしたい場合にもおすすめです。

マニュアル・手順書の策定

マニュアルや手順書、業務フローなどの策定は、コミュニケーションコスト削減に効果的な手法です。業務手順の確認や疑問点の解消など、断続的に発生するコミュニケーション削減が期待できるため、業務に集中できる環境作りにつながります。

また、業務を標準化することで、担当者間における作業時間や品質の差を減らす効果も期待できます。

業務担当の見直し

マンパワーが重要となる職場においては、人員配置や担当部署の見直しも有効です。従業員の能力や適性はそれぞれ異なるため、特徴を把握し最適な部署・担当に配置することで、業務効率や成果の上昇が期待できます。

ツール導入による自動化

業務改善には、時間や手間の節約に役立つツールが欠かせません。たとえば、業務改善に有効なツールには以下のようなものがあります。

  • 顧客情報管理ツール
  • 会計管理ツール
  • スケジュール管理ツール
  • 決裁・承認ツール
  • コミュニケーションツール

上記ツールが得意とするのは、業務の「作業」部分の自動化やコミュニケーションコストの削減などです。とくに、顧客情報管理ツールやスケジュール管理ツールを使うと、情報の一元管理とリアルタイム共有を実現できるため、チャンスを最大化しやすくなります。

業務改善に活用できるツール

 

業務改善を進める際には、フレームワークだけではなく、以下のようなツールも役立ちます。

  • クラウドストレージ
  • ビジネスチャット
  • RPA
  • SFA
  • MA

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

クラウドストレージ

クラウドストレージは、業務改善に欠かせないツールとして、導入している企業も多く見受けられます。

書類を紙媒体で保管する場合、保管場所を確保したり一度に利用できる人数が限られたりとなにかと不便です。クラウドストレージであれば、データをオンライン上で保存・共有でき、場所や時間の制約なく情報へのアクセスを可能にします。社内に書類の保管場所を作る必要もありません。

さらに、モバイルデバイスとの連携によって、外出先からでもスムーズな業務遂行を行えます。クラウドストレージの導入は、ペーパーレス化や作業効率の向上にも貢献するでしょう。

ビジネスチャット

ビジネスチャットは、組織内のコミュニケーションを円滑にし、業務効率を大幅に向上させるツールです。

リアルタイムでメッセージ交換ができたり、画像やファイルも共有できたりするため、迅速な情報共有や意思決定が可能になります。チャンネル機能を活用すれば、プロジェクトや部署ごとでのチャットもできます。

また、外部サービスとの連携により、タスク管理や予定調整などの機能を統合することも可能です。ビジネスチャットの導入は、メール依存からの脱却や会議時間の削減への効果が期待できます。

RPA

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、定型的な業務を自動化するツールのことです。

たとえば、日次レポートの作成や勤怠管理、在庫管理、競合他社の価格調査など、単純作業において効果を発揮します。

RPAを導入することで、従業員を単調な作業から解放し、そのぶんコア業務に集中させることが可能です。また、人為的ミスの削減にも貢献し、作業の精度と品質の向上も期待できます。

SFA

SFA(セールス・フォース・オートメーション)は、営業活動におけるさまざまな業務を支援するツールです。

たとえば、以下のような使い方ができます。

  • 顧客情報や商談履歴を一元管理し、営業チーム全体で共有
  • 案件の進捗情報の可視化とフォローアップ
  • 見込み顧客への適切な営業の提案
  • 売上予測や分析レポートの自動生成
  • スケジュール管理 など

SFAの導入は、営業力強化と顧客満足度の向上だけではなく、コスト削減や営業担当者の脱属人化も期待できます。

MA

MA(マーケティング・オートメーション)は、新規顧客獲得におけるマーケティング活動の自動化と効率化を進めるツールです。

たとえば、顧客のデータを収集・分析し、個々の興味関心に合わせたパーソナライズされたコンテンツを提供します。スコアリング機能により、見込み客の購買意欲を数値化し、優先順位をつけた営業活動も可能です。

また、メール配信やSNS投稿などのタスクを自動化し、マーケターの作業負荷を軽減します。さらに、CRMやSFAと連携することで、マーケティングから営業活動までを包括した顧客対応を実現可能です。

業務改善の2つの成功事例

 
業務改善のイメージを具体化するため、実際に業務改善に取り組み、成功へと導いた事例を紹介します。業務改善による環境の変化が、どのような効果をもたらすのかに注目してご覧ください。

クラウド連携での業務改善による生産性向上の事例

 
会社名:株式会社霊園・墓石のヤシロ
事業内容:霊園・納骨堂事業

霊園・墓石のヤシロは、霊園・納骨堂事業を中心に、葬送・供養関連のサービスを手掛ける会社です。同社では、顧客の問い合わせ経路の変化に対応するために、クラウドツールを用いた業務改善を行いました。

同社の顧客獲得ルートは、以前まで、テレビ広告やチラシから電話問い合わせを促すのが主体でした。しかし、時代の変化とともにWeb検索からの問い合わせが増加し、ついには問い合わせの75%がWeb経由という状態になりました。この変化により、Webを通じて情報をどう伝えるか、リードの行動をいかに可視化するかが課題となったのです。

そこで対策として、Web上における行動の可視化や情報の取得・分析ができる「Sales Cloud」と「Account Engagement」を導入。Web上の行動が可視化されたことで、リードがどのくらい契約に近づいているかを把握できるようになり、課題発見や対策の考案といった業務改善にも取り組めるようになりました。

その結果、新人の初年度の契約率が約40%から54%まで上昇する成果も得られています。

ワークフロー標準化、ペーパーレス化による業務変革成功事例

 
会社名:三菱UFJ信託銀行株式会社
事業内容:信託銀行

三菱UFJ信託銀行株式会社は、一般的な銀行業務に加えて信託業務も取り扱っています。同社は約1,500種の帳票のペーパーレス化という業務改善を通じて、社内のマインドチェンジおよび業務変革を実現しました。

同社では以前より、幅広い業務を取り扱う特性から、業務が幅広くワークフローが煩雑化したり、業務スタイルを変化させにくかったりといった課題があったのです。なかでも、根強く残る紙ベースの業務は、帳票の回付に時間がかかるなどの問題があり、リモートワーク推進の障壁となっていました。

そこで取り組んだのが、リモートワークを阻害する業務の棚卸と業務フローの改善です。業務のペーパーレス化を推し進めるとともに、ワークフローシステム改善のためにSalesforceを採用しました。

その結果、約1,500種類の帳票を電子化するとともに、申請や承認、確認などの業務をSalesforce上に集約。関連会社を含めて9,000人以上が利用する“使われるシステム”の構築に成功し、リモートワーク環境へのシフトをけん引するに至りました。

AI機能を搭載したSalesforceの業務改善ツール

 

Salesforceでは、業務の分業化や時間管理、ペーパーレス化、情報の一元管理・共有などを簡単に行えます。業務改善にこれから取り組む企業も、すでに取り組んでいる企業も、さらなる最適化のためにSalesforceを取り入れてみてはいかがでしょうか。

Salesforceが提供するSFAツール「Sales Cloud」やMAツール「Marketing Cloud」は、担当者の意思決定を効果的にサポートできるように、以下のような特徴があります。

  • カスタマイズ性が高く自社に合った使い方ができる
  • お客様のビジネスやニーズに最適なサポート、ガイダンス、専門知識の提供を受けられる
  • CRM機能も有している

また、SalesforceのAIである「Einstein」を搭載しており、成約率をアップさせるための顧客分析や顧客ごとにパーソナライズされたオファーの提案などを行えます。

Salesforceのツールが各担当者の業務を強力にサポートします。

便利なツールも活用しながら業務改善を進めてみよう

 

業務改善は、業務環境という成果を生み出す土台をブラッシュアップする作業です。業務を成長させ続けるためにも、ムダの排除や改善計画の策定などは重要で、早く取り組むほどその効果は大きくなります。

まずは小さな改善からスタートし、ゆくゆくは企業基盤を変革するほどの大きな業務改善に取り組むのもよいでしょう。重要なのは、企業に業務改善のマインドを浸透させ、つねに革新を続けようという姿勢を身に着けることです。

 
 
 
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