業務フローとは?わかりやすい業務フロー図の書き方

 
2023.2.21

業務フローとは、業務の一連の流れを図形や矢印を使ったフロー図で表したもので、業務内容や担当者、処理などを可視化し、関係者間で共有するために作成します。わかりやすい業務フロー図の書き方について解説します。

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業務フローとは

業務フローとは、業務の流れや手順を図形と矢印により可視化したフロー図のことです。図形には長方形や楕円形、ひし形などが用いられ、それぞれの図形に意味が割り振られています。

よく使われるシーンは、新規事業の計画策定や既存業務の課題洗い出しなど。業務の可視化と課題発見の両方に使える、汎用性の高いやり方です。

業務フロー図の目的・役割

業務フロー図のおもな目的には、以下があります。

  • 業務の可視化
  • 業務の共有
  • 課題の洗い出し
  • 改善策の検討

業務フローはシンプルな図で作成されるだけに視覚的に理解しやすく、業務の共有に役立ちます。

また、視覚的に分かりやすいフロー図は、各プロセスの管理にも便利です。現場の状況や進捗と見比べながら、課題の洗い出しや改善策の検討にも活用しましょう。

業務フロー図を作るメリット

業務フロー図を作成するメリットは、業務の可視化による管理・情報共有が簡単になること、そして課題や改善点が把握しやすくなることです。

業務をプロセスごとに区分することで、業務内容の整理や進捗管理に役立ち、業務チェックの土台も構築できます。

情報共有がしっかりできると、業務リソースのカットや生産性向上にもつながります。1つのフロー図を見るだけで認識を共有できれば、ムダな打ち合わせや会議などの削減も可能になるでしょう。

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業務フロー図の例

上図が業務フロー図の作成例です。

このフロー図の場合は、横軸が関係者、縦軸が時系列になっていて、関係者をまたぎながら終了まで進んでいます。また、プロセスごとに図形が異なるのが見て取れます。この各図形のルールも合わせて見ていきましょう。

業務フロー図の基本ルール

業務フロー図は、基本的に組織と時系列により構成されます。この組織ごとを軸とした書き方を、水泳のレーンに例えて「スイムレーン」と呼びます。

スイムレーンは縦書きと横書きどちらでも構いませんが、必ず組織区分ごとに区切ります。

また、時系列は必ず進む方向を統一します。担当や部署をまたいで複数の業務フロー図を作成する場合、書式がちぐはぐにならないように気を付けましょう。

業務フロー図によく使う記号

ここからは、業務フロー図によく使う記号の意味を紹介します。

端子
「端子」は、フローの開始と終了を表す記号です。図形は角丸で、スタートの端子にはフローのきっかけ(トリガー)を、終了の端子には結果や目標などを記載します。

矢印
「矢印」は、フローの順序を表す記号です。矢印の根元から先端に向かって進みます。

処理
「処理」は、フローチャートにおける各プロセスのタスクを表す記号です。図形は四角形で表されます。フローチャート内でとくに多く使われる記号で、図形の中に行うべきタスクを簡潔に記載します。

条件分岐
「条件分岐」は、特定の条件によりフローチャートのルートが分岐するところに使われる記号です。図形はひし形で、図形の中には分岐条件を、条件分岐の図形から伸びる矢印の根元には「Yes/No」や「真/偽」のような判断項目を記載します。

ループ開始・終了
「ループ開始・終了」は、何度も繰り返す処理の開始と終了を表す記号です。図形は、ループ開始に上向きの台形、ループ終了に下向きの台形が使われます。ループ開始と終了の間に、ほかの図形を用いたフローを組み込むこともできます。

データベース・システム
「データベース・システム」は、処理を行ったデータがデータベース・システムに保存されることを表す図形です。

ここで言うデータベースとは、一般ユーザーによる検索やフィルタリングなどが可能なデータ管理形式を指します。たとえば、業務で利用している顧客管理システム(CRM)やクラウドストレージ、Microsoft Accessなどが該当します。

業務フロー図の書き方

業務フロー図の作成は、基本的に以下の流れで進めていきます。

  • 目的を明確にする
  • 関係者を洗い出す
  • 作業・処理を洗い出す
  • 時系列を整理し並べていく

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1)目的を明確にする

業務フローには必ず目的を設定し、用途や提示する相手を明確にしておく必要があります。たとえば、引き継ぎ用マニュアルであれば、提示する相手は後任者、目的は業務内容の把握となります。

目的の設定とは、いわば業務フロー作成に関するコンセプトです。何のために、誰のために作成するのかがハッキリすれば、おのずと作成時の視点や価値観、ベクトルなどが定まり、書くべき内容も決まってきます。

2)関係者を洗い出す

目的が決まったら、スイムレーンの各レーンに記載すべき、業務に関わる担当者や部署、クライアントなどを洗い出します。ここでいう関係者とは、組織内だけに限定されません。

たとえば、フローのゴールが製品の納品である場合、ゴールに到達するためにクライアントのチェックが必要になることもあり、官公庁の許認可が必要であれば官公庁も関係者に設定されます。

3)作業・処理を洗い出す

関係者の洗い出しとスイムレーンの設定が完了したら、スタートからゴールまでに発生する作業や処理を洗い出し、リストアップします。作業や処理はなるべく詳細にピックアップし、タスクベースで記載しましょう。

4)時系列を整理し並べていく

作業や処理の洗い出しが終わったら、各タスクを業務の流れに合わせて時系列に並べ、矢印でつないでいきます。このとき、スイムレーンの割り振りやタスクに最適な図形設定も行います。

わかりやすい業務フロー図を書くポイント

業務フローを作成するにあたり、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

無計画に業務フローを作成しても、業務の書き出しで終わる恐れがあります。目的やメリットをしっかり把握し、業務フローをより実用的なものにしていきましょう。

1)記号の種類は最低限に

業務フローは、シンプルであるに越したことはありません。そのためにも、使う記号の種類が増えすぎないように注意しましょう。

業務フローは、業務の可視化や共有を目的に作成するものです。記号の種類が多いと、記号の意味を理解するための労力が必要になり、業務フローのメリットである分かりやすさがかすんでしまいます。

ちなみに、業務フローの空欄に、各図形の凡例を記載しておくとより親切です。

2)作業レベルを統一する

タスクとして書き出す作業内容は、詳細に区切り過ぎず、作業レベルを統一して書き出しましょう。タスクを細分化しすぎると、業務フローが煩雑になってしまいます。

どうしても記載したい細かな業務がある場合は、別途フローを作成して対応しましょう。

3)1枚のシートにまとめる

業務フローはなるべく1枚のシートにまとめ、収まりきらない場合は適宜分割しましょう。1枚のシートに収めることで、視覚的に全体像が把握しやすくなります。

また、紙に出力する場合は判読性を意識して、用紙や文字のサイズに注意しましょう。

用紙は一般的にA4を想定して作成します。ただ、書き込みながら使う場合は、A3やB4など大き目のサイズで出力することもあります。

業務フローの可視化で業務改善・効率化

業務フローは、複雑な業務でもシンプルな図に落とし込むことでわかりやすく可視化できる、汎用性の高い情報共有手法です。

使いこなせば、組織内における認識のズレやコミュニケーションコストの減少に役立つでしょう。

また、業務フローは、業務のチェックや課題発見にも活用できます。業務効率化に取り組みたいと考えている会社にもおすすめです。

あわせて、業務効率の改善では、AI活用も視野に入れることをおすすめします。中小企業の導入事例に学ぶ 誰でも簡単にできる「AI活用術」では、AI導入による業務効率化の成功事例について触れています。ぜひ参考としてご覧ください。

 

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