エシカル消費とは?今からできること・3つの具体例を解説
エシカル消費とは
エシカル消費が求められる背景
2015年に国連で決定された17個の目標(SDGs、持続可能な開発目標)のうち、エシカル消費は12番目「つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みです。「つくる責任 つかう責任」とは、地球の資源には限りがあるため、持続可能な生産および消費のバランスを作ろうというもの。このSDGsの考え方を取り入れた経営方針として、注目されているのが「サステナブル経営」です。
サステナブル経営とは、環境や社会、経済といった観点すべてにおけるサステナビリティ(持続可能性)を経営の根幹に据え、実現を目指すという経営方針のこと。人々の暮らしが豊かになる一方、昨今はCO2排出量の増加など環境への負荷が高まり、気候変動や海洋汚染といった環境問題が深刻化しています。これを受け、消費者側も社会あるいは環境等に配慮したエシカル消費を行うケースが増えてきました。こうしたことから、企業におけるサステナブル経営は注目されています。
また、サステナブル経営に取り組むことは、外部に対する企業のブランディングや企業価値の向上などに繋がるでしょう。その結果、税制面での優遇をはじめ、経営そのものにもメリットが考えられ、重要度が高まっているのです。
エシカル消費の具体例
環境に配慮した消費の例
- リユース、リサイクル商品の購入
- エコバックの利用
- 食べ残し(食品ロス)が起きない量で購入
- 商品棚の手前にある、比較的期限が短い商品を選ぶ「てまえどり」の実践
- 環境負荷の少ない材料で作られたものを購入
社会、人に配慮した消費の例
- フェアトレード製品の購入
- 福祉作業所等で制作された製品の購入
- 寄付付き商品などの応援消費
- 応援している地域で作られたものを購入
地域に配慮した消費の例
- 地元産品の購入
- 地元商店での買い物
- 災害被災地等の産品の購入
企業にとっての重要性・メリット
エシカル消費への取り組みは、企業においても重要となります。その理由は以下の通りです。
- 企業の社会的責任(CSR)
- ブランドイメージや信頼性の向上
- 産業や市場での影響力
SDGsなどを背景として、エシカル消費への配慮は企業にとって社会的責任とも言える状況にあります。特に若い世代はサステナブルな社会に関心が深い傾向にあり、取り組みの有無は企業に対する印象を大きく左右するでしょう。しかし現状、まだ具体的な取り組みを本格化できている企業は多くありません。だからこそエシカル消費に早期から取り組めば、消費者あるいは投資家等に対するブランドイメージや信頼性を高めることに繋がるでしょう。また、幅広い産業においてエシカル消費の市場規模は拡大が予測されるため、早期の取り組みは企業にとって重要性が高いと言えます。
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エシカル消費の問題点とは?
企業が今からできるエシカル消費への取り組み
企業のエシカル消費への取り組み方には、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- 環境に配慮した製造過程の実施
- フェアトレードの原材料の利用
- 認証ラベルやマークの取得
まずは商品の製造過程の見直し、例えば農薬等の使用を控えたり、工場内で使用するすべての照明をLED化したり等の方法があります。また、フェアトレード(公正な取引)による原材料を利用することも効果的でしょう。「エコマーク」「国際フェアトレード認証ラベル」「GOTS(オーガニックテキスタイル世界標準)」をはじめとした認証ラベルやマークを取得すれば、対外的に自社がエシカル消費に取り組んでいることを知ってもらうことができます。
エシカル消費に関連するマーク・認証ラベル
エシカル消費に関する認証ラベルとは、第三者機関によって審査を行い、「エシカルな消費である」と認定された場合に商品へ付けられるラベルです。エシカル消費に関心のある消費者が商品を選ぶ際の基準となり得るため、企業にとっては他社との差別化にも繋がるでしょう。具体的に、例えば以下のような種類があります。
- エコマーク
- 国際フェアトレード認証ラベル
- GOTS
- 有機JASマーク
- RSPO認証
- MSC認証
- FSC認証 など
認証ラベルによって内容・基準、さらに認定機関は異なります。例えば「国際フェアトレード認証」では、生産者に対して以下のような守るべき基準を設けています。
- 社会
生産者は組合を作り、透明性のある民主的な活動を行う。安全な労働環境、人権の尊重、人種差別・児童労働・強制労働の禁止などILO条約(国際労働条約)を守る。 - 経済
商品代金とは別に支払われるプレミアム(奨励金)を民主的に運用し、組織と地域全体の社会・環境にとって持続可能な発展に取り組む。また付加価値の向上や品質管理への取組みなどを通して生活向上を目指す。 - 環境
農薬・薬品の使用規制、農薬・薬品を取り扱う生産者・労働者の健康・安全対策の強化、廃棄物の適正管理、リサイクルの促進、土壌・水源の保護、生物多様性の保全と向上、遺伝子組み換え作物の禁止 などの環境に関する基準を守る。
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企業のエシカル消費の取り組み事例
株式会社船場
事業内容:商業施設やオフィス空間、サービス空間の企画・デザイン、設計、監理並びに施工
ビッグローブ株式会社
事業内容:ビッグローブ光に代表される固定回線サービス、モバイル回線サービスの運営
株式会社セールスフォース・ジャパン
事業内容:クラウド型ソフトウェアの提供
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