リスキリングとは?リカレントとの違いや導入方法を解説!無料コンテンツを配布

 
最終更新日:2024.5.16
リスキリングとは、ビジネスモデルや技術の変化に対応するために新たな知識やスキルを獲得する、あるいはさせること。DX時代の人材戦略において注目を集めています。リスキリングの意味や定義、リカレント教育との違い、導入方法、そして成功のポイントまで詳しく解説します。
 
 
 
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リスキリングとは、ビジネスモデルや技術の変化に対応するために業務上で必要な新しいスキルを獲得することを目的とした人材育成・人材開発の取り組み

リスキリング(Re-skilling)とは、ビジネスモデルや技術の変化に対応するために業務上で必要な新しいスキルを獲得することを目的とした人材育成・人材開発の取り組みを指します。

近年、DX人材育成に注力している経済産業省では、リスキリングを以下のように定義しています。

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」

経済産業省の他にも、文部科学省や経団連が学びなおしの重要性を認識しており、2022年10月には岸田内閣総理大臣の所信表明演説にて、リスキリングの公的支援に「5年間で1兆円」を投じるとの表明がありました。

今リスキリングが必要とされている理由は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるもの

昨今はさまざまな業種・業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。これに伴い、これまでとは仕事の進め方が変化したり、新たな仕事が生み出されたりすることが予測されているのです。

そこで変化に対応するために必要となるスキルを習得するため、リスキリング(学びなおし)が求められています。

人材戦略という面から、従業員に対してリスキリングの機会を提供し、これから必要となる知識・技能を持つ人材の育成に取り組む企業が増えてきました。

セールスフォース・ジャパンでもリスキリングの一環として、DX人材育成プログラムを提供しております。興味ある方はぜひ下記の記事をご覧ください。

 
 
 
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リスキリングとリカレント教育との違い

リスキリングと似た概念として、リカレント教育があります。リカレント教育の「リカレント(recurrent)」とは「繰り返す」といった意味になります。

学校教育を終えて社会人になった後、再び仕事を離れて大学等に通い、学習を経て仕事へと戻るのがリカレント教育です。以下に、リスキリングとリカレント教育の違いを比較しました。

 
  リスキリング
リカレント教育
期間 短期間 長期間
目的 学習/スキル習得 多い
実施責任 企業 個人
講座提供 民間企業 大学/教育機関
学習分野 デジタル/ビジネス分野など 広範囲

リスキリングが企業側から従業員に学習機会を提供するのに対して、リカレント教育は自らが大学等に通って学びます。リスキリングではDX時代に求められるデジタル/ビジネス分野のスキルを獲得しますが、リカレント教育はこの限りではありません。

その他にも混同されやすい概念がありますので、下記でそれぞれの違いを確認しておきましょう。

リスキリングとアンラーニングとの違い

アンラーニングとは、「学習棄却(ききゃく)」とも呼ばれ、すでに保有している知識等のうち不要なものを捨て、代わりに新しく有用な知識を学び直すことです。

変化に対応するために学習するという点は、リスキリングと同じです。

ただし、アンラーニングは“知識”を得ることが目的ですが、リスキリングは知識ではなく“スキル(技術)”を獲得するという点が異なります。

リスキリングとOJTとの違い

OJT(On The Job Training)とは職場内での教育訓練を指し、実務を通じて業務に必要となる知識やスキルを伝えるものです。

企業側がスキル習得の機会を与えるという部分は、リスキリングと共通します。ただし、リスキリングは既存の業務にとらわれず、むしろ社内に保有者のいないスキルを学ぶことも少なくありません。

そうした場合は社外に学びの場を求めることもあり、この点がOJTとは異なります。

企業がリスキリングを導入する3つのメリット

企業がリスキリングを導入するメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 人材不足に対応できる
  • 社内業務への即対応が可能
  • 自律型人材の育成

社会の変化する速度は激しさを増しており、ビジネスに大きな影響を与えています。そうした変化に対応し続けるには、変化に順応した、あるいは順応できるポテンシャルを持つ人材を確保しなくてはいけません。

しかし、そもそも先進的なスキルを持つ人材は少なく、他企業も求めるため採用が困難です。しかし、新規に採用するのではなくリスキリングで自社の従業員にそうしたスキルを習得してもらえば、人材不足に陥らず変化に対応できます。

また、スキルを身につける人材が自社の業務に精通していれば、スキル獲得後すぐに業務へ活かすことができるでしょう。実際、社員のトレーニングに投資した企業は、投資しなかった企業よりも利益を24%増加させた調査結果(*1)も出ています。

そして、自ら新しいスキルを習得しようという考えが社内に広がり、自然と自律型人材が育成できる環境に変わっていきます。

リスキリングの4ステップの導入方法

リスキリング導入方法について解説します。「リスキリングだから」といきなり特別なことをするわけではありません。

<リスキリングの4ステップのの導入方法>

  1. 人材像、スキルを定める
  2. プログラムの決定
  3. 社員に取り組んでもらう
  4. 習得したスキルを業務に活かす

1)人材像、スキルを定める

まずは、求める人材像やスキルを定めましょう。自社にとってどんな能力を持った人材が必要なのかを明確にしたうえで、獲得してもらうスキルを決定します。

2)プログラムの決定

次に、リスキリングのプログラムや使用するコンテンツ、学習方法を決めます。取り組みやすい学習方法としては、Web上で学習できるオンライン講座やeラーニング、従来からある紙ベースのテキストなどが挙げられます。

3)社員に取り組んでもらう

実際にプログラムに取り組んでもらいます。取り組む時間については、事前に企業側から決めておいても、従業員に自由に選んでもらっても構いません。ただし、就業時間外の学習は負担となり、不満につながる可能性が高いでしょう。従業員からも希望など意見を吸い上げながら、負担にならないよう調整してください。

4)習得したスキルを業務に活かす

リスキリングで習得したスキルを業務に活かせるよう、実践の機会を作りましょう。その結果に対してフィードバックを行い、実務上でそのスキルをより磨き上げられるようにサポートします。

リスキリングを成功させる4つのポイント

リスキリング導入する際のポイントや、注意点について解説します。

<リスキリングを成功させる4つのポイント>

  • 現場の声を取り入れる
  • 社員のモチベーション管理
  • 社員が取り組みやすい環境作り
  • 外部コンテンツの活用

現場の声を取り入れる

事前に社員にヒアリングを行い、必要なスキルやプログラムを検討しましょう。現場の声を取り入れることで、より的確に習得してもらうべきスキルが分かります。

社員のモチベーション管理

スキル獲得へのインセンティブなど、社員のモチベーションが維持できるような仕組みを用意しましょう。複数名で学べるようにしたり、ステップ毎に習得度を確認できるようにしたりすることも有効です。

社員が取り組みやすい環境作り

社内の理解を得て、社員が取り組みやすい環境を整えます。場合により、まずは管理職や上司などが自らスキルを習得して見せるのも良いでしょう。社内全体がリスキリングに対して前向きな風土を作り上げます。

外部コンテンツの活用

社内で必要なスキルに合ったコンテンツが用意できないことも考えられます。そうした際は、社外サービスや専門家などの外部リソースを活用しましょう。例えばTrailheadなら、“無料”で“沢山の最新コンテンツ”を“いつでも、どこでも”学べます。
 
 
 
将来に役立つスキルで
社員の能力を育成しましょう
 
Trailhead は、システム管理者、ユーザー、開発者のそれぞれに合ったカリキュラムが用意されています。

DX時代において注目されている、リスキリングについて解説しました。リスキリングとは仕事の進め方の変化や新しい職種の登場などに対応するため、企業が従業員に対して新たなスキル習得を促進する取り組みです。人材不足への対応や自律型人材の育成などメリットがあり、多くの企業が導入を始めています。

まずは現場の声を聞き、自社に求められるスキルを明確にすること。そのうえで、社員が学びやすい環境を整え、リスキリングの機会を提供しましょう。

ただし、社内でスキルに合ったコンテンツを用意できず、思うような課題解決につなげられない可能性も考えられるでしょう。そうした際には、社外サービスを利用したり、専門家に相談したりするのも一つの方法です。

 
 
 
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