ローコード開発とは?ノーコードとの違いや将来性、メリット・デメリットを解説

 
2024.1.25
ローコード開発とは、コードを書く作業を可能な限り減らし、最小限のコーディングでシステムやアプリを開発する手法のことで、高度なプログラミングのスキルがなくても迅速にシステム構築が可能なため、近年注目を集めています。ローコード開発でできることから、メリット・デメリット、将来性、役立つツールや事例まで解説します。
 
 

ローコード開発がDXを加速する
現場の「ほしい」を素早く開発 - ローコード開発ハンドブック

 
本資料は「ローコード開発ハンドブック」と題して、変化に直面する企業の課題に対し、いかにローコード開発が今必要なテクノロジーであり、企業の課題をどう解決に導いていくことができるのかを3つのセクションに分けてわかりやすく紹介していきます。
  1. 自動化でスピーディにイノベーションを起こすには
  2. 動的なユーザーエクスピリエンス(UX)を誰もが構築できるようにするには
  3. 自信を持って拡張するには

ローコード開発とは、コーディングを削減したシステム開発の手法

ローコード開発とは、コーディングを削減したシステム開発の手法です。従来、システム開発には専門的な知識・技術によるコーディングの作業が必要でした。しかし、ローコード開発では高い専門性を持つエンジニアでなくても、システム開発が可能になります。

ローコード開発でできること

ローコード開発はしばしばおもちゃのブロックに例えられます。ローコード開発の環境では、さまざまな機能を持ったプログラムが、あらかじめブロックのようなコンポーネントとして用意されています。それを画面上でドラッグ&ドロップして組み合わせることで、必要なシステムを構築することが可能です。操作は直感的・視覚的なため、プログラミングスキルの高い方ではなくても開発できるでしょう。
 
 

ローコード開発がDXを加速する
現場の「ほしい」を素早く開発 - ローコード開発ハンドブック

 
本資料は「ローコード開発ハンドブック」と題して、変化に直面する企業の課題に対し、いかにローコード開発が今必要なテクノロジーであり、企業の課題をどう解決に導いていくことができるのかを3つのセクションに分けてわかりやすく紹介していきます。
  1. 自動化でスピーディにイノベーションを起こすには
  2. 動的なユーザーエクスピリエンス(UX)を誰もが構築できるようにするには
  3. 自信を持って拡張するには

ノーコードとローコードの違い

ローコードとよく似たものに、「ノーコード」があります。これは、文字どおり「コーディングを一切せずに、システムやアプリを開発する手法、あるいは環境」のこと。コーディングの作業が不要なため、プログラミングスキルがなくても誰でも開発できます。ただし、コーディングがない分だけ機能のカスタマイズや拡張が難しく、他システムとの連携も難しいので注意が必要です。大規模開発には不向きで、主に日常で使う小さなアプリケーション等の開発に向いた手法と言えるでしょう。例えば実務の担当者が、自身の業務効率化のためにアプリを開発するといった際に使われます。

ローコード開発の将来性

ローコード開発の市場は、年々拡大の傾向にあります。
「ITR」の市場調査レポート「ローコード/ノーコード開発市場2022」によると、ローコードの市場は年々拡大しています。2020年には516億円だった市場が、2025年には3倍近い1,539億円になると予想されているほどです。拡大幅も2019年から2020年では約10億円の増加だったのに対し、2022年から2023年では約20億円の増加と広がっています。

ローコードが注目されている3つの理由

今ローコードが注目されている理由には、以下のようなものが考えられます。

  • 市場の変化に迅速に対応できる
  • エンジニアの不足
  • DXへの対応

インターネットの普及により、SNSなどで個人の発信力が高まりました。そのため、個人のニーズや市場動向も、目まぐるしく変化しています。こうした変化に柔軟かつ迅速に対応するため、ローコードを活用したシステム開発の内製化に取り組む企業が増えているのです。
また、ビジネスのみならず生活でもITは欠かせない存在となっており、専門性の高いエンジニアの需要も高まっています。エンジニア不足が顕著化しており、システム開発に携わるエンジニアの十分な確保が困難になっている企業は少なくありません。基礎的な知識のみで開発が進められるローコード開発を活用すれば、人材確保の課題解決が可能です。

なお、ここ数年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の対応を進めています。DXとは、蓄積されたデータとデジタル技術を活用することで新たなサービスを生み出し、企業の活動や企業文化の変革にまで切り込んでいくもの。このためには、業務フローを見直し、効果的な基幹システムの構築やそれによる生産性向上に取り組むことが欠かせません。一連のプロセスを迅速に進めるため、ローコード開発によるシステム開発の内製化が求められています。

ローコード開発の3つのメリット

ローコード開発のメリットは、主に以下の3点です。

  • 短期間で開発でき、コストを圧縮できる
  • 安定した品質が期待できる
  • 業務フローの変化に対応しやすい

システムの仕様などは事前にしっかり策定しておく必要がありますが、ローコード開発はコードを1から書き起こさなくて良いため、開発期間が大幅に短縮できます。また、エンジニアの起用がなく作業工程も減るため、コスト削減にもつながります。

そして、ローコード開発なら安定した品質も期待できるでしょう。フルスクラッチの場合はエンジニアの知識・技術によって、仕上がりが大きく左右されます。しかし、ローコード開発はベンダーの用意したコンポーネントを組み合わせるのみなので、品質差が生まれません。また、すでにセキュリティ対策の施されたツールやプログラムを利用するので、セキュリティに関する作業負荷も軽減できます。バグも起こりにくく、その修正に伴う時間やコストが軽減できるのもメリットです。

なお、昨今はDX推進などで、業務フローの改善や効率化が求められています。その過程では、システムの機能や仕様の変更を迫られることもあるでしょう。そのような場合でも、ローコードならコーディングをやり直すことなく、仕様変更が可能です。日々開発される新技術をいち早く取り入れていくことで、機能の強化や拡張も容易に行えます。

ローコード開発の2つのデメリット

ローコード開発には、以下のようなデメリットが考えられます。

  • できることに制約がある
  • ある程度のITスキルを持つ人材が必要

ローコードでも機能の拡張やカスタマイズ、他システムとの連携等は可能です。しかし、フルスクラッチと比べれば自由度は低く、できることに制約があります。自社の業務スタイルやフローに、100%フィットしたシステムの実現は難しいかもしれません。
また、ローコード開発はコーディングが一切不要ということではなく、場合によりプログラムの追加・修正のためコードを書くことが求められます。フルスクラッチほどではありませんが、ある程度のスキルを持つ人材の確保が必要です。

 
 

Salesforce Platform製品デモ動画

 
このデモ動画では、業務アプリの開発プラットフォームであるSalesforce Platformの実際の操作と解説をまじえながら、以下のユースケースをご紹介します。
  • ローコード、ノーコードによるAIを搭載したアプリの作成方法
  • Salesforce Platformと外部サービスとの連携によるデータ活用
  • 営業、サポート、マーケティングなどの業務にあわせた機能の開発
  • 作成したアプリのUIが、お客様側からどう見えるか

ローコード・ノーコード開発の2つの事例

Salesforce Platformを活用した、ローコード開発の事例をご紹介します。

企画からわずか1週間。完全なノーコード開発で、社員の健康管理アプリをリリース

 
会社名:日本カルミック株式会社
事業内容:ヘルスケア・ライフサイエンス
法人向けに、ウォッシュルームや厨房、オフィス空間という3分野でビジネスを展開している日本アルカミック株式会社。コロナ禍で顧客先を訪問しづらい状況となり、安心して訪問を受け入れてもらうため、マスクや手袋、防護服を調達するなど努めてきた。そして、別のアプローチから衛生対策の一環として、子どもが学童保育などで用いる健康チェックシートに着目。体温や自覚症状、行動管理など9項目について、パソコンとスマートフォンいずれからも社員が自ら入力できる仕組みを想定し、「健康パスポート」アプリを開発した。短期間での開発が求められる中、Salesforceでの実現可能性を探りノーコード/ローコード開発の情報を入手。小学生の子を持つワーキングマザー3人が主体となり、プロトタイプの試用などを経て、実質2.5人日という期間で開発した。使い勝手の良さもあり、利用率は平均95%、100%になる日もあるほど社内で活用されている。

Salesforceを基盤としたシステム開発で開発費用1/3、開発期間2/3を実現

 
会社名:株式会社三菱UFJ銀行
事業内容:金融・保険

株式会社三菱UFJ銀行ではSalesforce Platformの導入により、クラウド基盤上にカタログ開発環境を整備。Salesforce Platformの標準機能であるワークフローや検索、顧客管理などの業務機能、シングルサインオン、ログ管理、権限制御などの共通機能を活用した機能カタログを用意しました。これらを組み合わせにより、業務上の様々なニーズに応える業務カタログを構築し、それらをひな型としてシステム構築時の個別開発部分を極小化しています。

これまで同社では、新たに整備した開発環境を利用して50以上のアプリケーションを開発した。その中、標準仕様や部品の活用が進んでいるシステムでは、Salesforceを基盤としたローコード化により開発費用が1/3、開発期間は2/3での開発が実現されています。

ローコードを利用して、システムの内製化を実現しよう

ローコードは、システムの内製化を実現する有用な手法です。市場規模は拡大傾向にあり、活用することで安定した品質のシステムを短期間かつ低コストで開発できます。ただし、機能の拡張やカスタマイズ、他システムとの連携などは可能なものの、フルスクラッチと比べると自由度が低い点がデメリットです。そのため、ローコード開発は、まず開発の目的や必要となる機能等を明確にしたうえで利用しましょう。
 
 

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