CDPとは?ビジネス上の意味や基本機能、活用事例を解説

 
2024.1.23
CDP(Customer Data Platform)は、日本語では「顧客データ基盤」を意味し、顧客データの収集や、統合的な管理・活用をするためのプラットフォームです。ここでは、CDPの基本機能や目的、メリット、DMPとの違いなどを解説します。
 
 

アニメで学ぶCDP

 
この短編アニメーションシリーズでは、顧客データプラットフォーム(CDP)について詳しく解説します。マーケターの視点から、データの統合、キャンペーンの最適化、顧客を満足させるパーソナライズされた体験の提供にCDPを活用する方法をご紹介します。

CDPは顧客データ管理・活用のためのプラットフォーム

CDPは、顧客データを収集し統合的に管理・活用するためのプラットフォームです。データ収集や統合、分析などの機能が備わっています。CDPの特徴は、さまざまなシステムと相互に接続できることです。複数システムに蓄積したデータをCDPに集約して分析することで、膨大なデータの活用が可能になります。

CDPが連携して格納できるデータは、顧客の年齢や性別といった属性データだけではなく、アクセスログや、顧客識別用のメールアドレス・ID、顧客の行動データ、環境パラメーター、アンケートデータなども対象です。

CDPの目的は、顧客に合わせた最適な体験を提供すること

CDPの最終的な目的は、顧客に合わせた最適な体験を提供することです。そのために、顧客データを収集して分析し、マーケティング活動などに活用していきます。

CDPの魅力は、社内に散らばっているさまざまなデータを1つのプラットフォームにまとめ、活用できることです。データは単独で活用するよりも、複数のデータと相互に比較したり、掛け合わせて分析をしたりすることで真価を発揮します。

この比較や分析に特化したプラットフォームがCDPであり、CDPによって、ばらばらに存在していたデータを一元化し、顧客の傾向やニーズをつかめるようになります。

 
 

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この短編アニメーションシリーズでは、顧客データプラットフォーム(CDP)について詳しく解説します。マーケターの視点から、データの統合、キャンペーンの最適化、顧客を満足させるパーソナライズされた体験の提供にCDPを活用する方法をご紹介します。

CDPが必要とされる2つの背景

CDPが必要とされる背景には、顧客の購買行動の変化により、顧客一人ひとりに合わせたマーケティングが求められていることが挙げられます。ここでは2つの背景を紹介します。

<2つの背景>
顧客の購買行動の変化
1to1マーケティングの広がり

顧客の購買行動の変化

CDPが必要とされる背景には、顧客の購買行動の変化があります。近年、決済サービスの多様化やSaaSやシェアリングサービスなどの普及により、顧客の購買行動が以前より複雑になっています。複雑化した購買行動を理解するために、CDPを活用して、顧客が抱えるニーズの傾向や、属性とニーズの相関などを明らかにする必要があるのです。

1to1マーケティングの広がり

1to1マーケティングの広がりも、CDPが必要とされる背景として挙げられます。1to1マーケティングは一人ひとりの顧客に対し、それぞれに最適化されたマーケティング施策を展開する手法です。顧客の購買活動やニーズが多様化したことで、企業はこれまで以上に、一人ひとりの顧客の特性に合わせ、マーケティング活動を進める必要があります。CDPによるデータの分析はこの1to1マーケティングの実現にも貢献します。

CDPの3つの機能

CDPは、データを収集して、1つに統合し、それらを掛け合わせて分析をするという3つの機能から成り立ちます。3つの機能について詳しく見ていきましょう。

<3つの機能>

  • データの収集
  • データの統合
  • データの分析

データの収集

CDPの3つの機能のひとつには、データ収集があります。CDPは、社内基幹システム、MA(マーケティングオートメーション)ツールやSFA(営業支援システム)、CRM(Customer Relationship Management)といったさまざまなシステムと連携し、顧客情報を収集します。データ共有を前提としたシステムはもちろん、これまで顧客データを共有していなかったデータベースからも収集可能です。さらに、実店舗で獲得できるオフラインデータに対応しているケースもあります。

多くのデータを収集できると、より精度の高い顧客インサイトを獲得できるようになるでしょう。精度の高い情報を基に、OMO(オンラインとオフラインの融合)や、MAによる1to1マーケティングを進めることが重要です。さまざまなデータをCDPに統合することは、顧客に寄り添いながら共に歩んでいくカスタマージャーニー設計に欠かせないものといえるでしょう。

データの統合

データの統合もCDPの機能のひとつです。CDPで収集する前の顧客データには、ウェブサイトやSNS、アプリなどの閲覧・行動履歴、購買履歴、アンケートデータ、スマートフォンの位置情報などさまざまなものがあり、すべてばらばらの状態です。それをCDPにより一元化することで、あらゆる情報を個々の顧客に紐づけて統合できます。

一度紐づければ、その後の顧客の行動はひとかたまりのデータとして1つに集約されます。これにより、たとえば、メールキャンペーンがきっかけで始まったやりとりを顧客情報に関連づけて、ウェブサイト上でも同じ顧客に引き継ぎが可能となるクロスデバイスIDなども実現できます。

データの分析

CDPにはデータ分析の機能もあります。CDPでは、収集・統合したデータ同士を掛け合わせることで傾向や相関関係などを分析できます。また、分析データをMAツールやCRMツールなどで活用することも可能です。これによって顧客インサイトが明らかとなり、新たなソリューションを提供できる可能性も出てきます。

顧客の統合プロファイルをリアルタイムに活用することで、顧客ごとに最適な体験を設定することも可能です。メール送信やコンテンツ管理などのデータとも連携でき、分析データは幅広く活用できます。また、自社で保有するデータだけでなく、外部サービスのデータとも連携可能です。既存顧客情報と新たな情報を組み合わせての分析もできます。

CDPとDMPとの違い

DMP(Data Management Platform)は、データを収集・管理するためのプラットフォームです。CDPとDMPとでは、データの収集対象や種類、利用目的が異なります。また、DMPのおもな機能は、インターネット上で収集されたデータの取得で、デジタル広告施策の最適化を目的としています。

取得できるデータは、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動履歴や属性データといった匿名性の高いものが基本で、それらを分析した結果から、ユーザーに最適なデジタル広告を配信します。一方のCDPは顧客データプラットフォームであり、顧客に紐づくデータを収集します。
また、CDPでは属人性が高いクローズドなデータを取り扱う点も、DMPとは異なります。CDPはオンライン・オフラインでデータを収集し、顧客ひとりひとりを識別して取り扱うしくみです。

CDPの2つのメリット

CDPを活用し、顧客のニーズや嗜好、行動をより深く理解することで、企業のさまざまな活動を向上させられます。ここではCDPの2つのメリットを紹介します。

<2つのメリット>

  • データ分析やマーケティング施策の効率化
  • 部門間の情報共有

データ分析やマーケティング施策の効率化

CDPのメリットは、データ分析やマーケティング施策の効率化が実現できる点です。CDPの導入によって、データの収集や統合を自動化すれば、データ分析にかかる時間を大幅に短縮できます。また、これまで分析に活用できていなかったデータも分析対象とすることで、より正確なマーケティング施策を立てることが可能です。CDPによって企業のデータ分析やマーケティング施策が大幅に改善できます。

部門間の情報共有

部門間での情報共有が容易になる点もCDPのメリットです。CDPは部門を超えた、多岐にわたるデータを収集します。各部門に協力を依頼せずとも、全社的なデータが蓄積されていきます。分析結果もさまざまな部門で活用できるため、CDPはマーケティング施策や新たな製品・サービスの開発など多様な活動に貢献します。

CDPで収集・統合・分析したデータの活用例

CDPで収集・統合・分析したデータの活用例をご紹介します。下記の図は、CRMから得た会員情報・購買履歴、基幹システムから得た商品カタログデータ・コンテンツデータ、ECサイトから得た行動データを、CDPが収集・統合して分析した例です。
これら3つのデータは、単独ではデータ以上の情報を得られませんが、それぞれを掛け合わせて分析することで、そこに内包されている顧客のニーズや好みとその背景、買い物のしかたや頻度などが明らかになります。顧客の人物像が明らかになることで、適切な商品・サービスのピックアップやベストタイミングでのアプローチにつながります。
 
 

アニメで学ぶCDP

 
この短編アニメーションシリーズでは、顧客データプラットフォーム(CDP)について詳しく解説します。マーケターの視点から、データの統合、キャンペーンの最適化、顧客を満足させるパーソナライズされた体験の提供にCDPを活用する方法をご紹介します。

CDPの導入で顧客データの分析を進化させよう

CDPの導入は顧客データの管理や分析に大きなメリットをもたらします。データの収集、統合、分析を通じて、顧客体験の向上が可能です。

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