休眠顧客とは?意味と掘り起こし方法、メール例文や成功事例を解説
顧客へアプローチをしても反応がなく、取引から遠ざかってしまうのは企業にとっても深刻な悩みです。
過去に取引があったものの、何らかの理由でやり取りがなくなり、一定期間以上の取引のない顧客を「休眠顧客」と呼びます。休眠顧客の掘り起こしは、新規顧客の獲得よりもコストを低く抑えられるうえに、取引関係の再構築によって安定的な売上が見込めます。
本記事では、休眠顧客が生まれる原因から掘り起こしの方法、メールの例文まで紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
休眠顧客とは?
休眠顧客とは、過去に取引や問い合わせがあったものの、その後に一定期間以上やり取りのない顧客のことです。たとえば、問い合わせや初回購入にはつながったのに、何らかの理由でそれ限りになってしまった顧客を指します。
休眠顧客の定義は企業によってさまざまですが、半年〜1年程度のやり取りのない顧客を指すのが一般的です。
休眠するのは、商品の価格・機能への不満などの理由があるため、その点を見極めることが必要です。
休眠顧客と離反顧客の違い
休眠顧客 | 何らかの理由でやり取りが停滞している状態の顧客 |
離反顧客 | 明確な意思決定の結果、取引関係を断ち切った状態の顧客 |
休眠顧客の掘り起こしが重要な理由
休眠顧客にアプローチし、一般顧客へと引き上げていくことを「掘り起こし」といいます。
休眠顧客の掘り起こしが重要となる理由は、新規顧客を獲得するよりも少ないコストで成約へとつなげられるからです。すでに企業の商品・サービスを知っている休眠顧客は、購買意欲を高めるためのナーチャリング(顧客育成)によって、再び関心を引きつけられます。
一方で、新規顧客の開拓も、売上を伸ばすためには欠かせない取り組みです。マーケティングやインサイドセールス、フィールドセールスなどの稼働コストや効率性を考慮すると、休眠顧客にアプローチして効率的に一般顧客を増やす必要があります。
競合他社に顧客を奪われてしまう可能性がある中で、休眠顧客を一般顧客へと掘り起こし、継続的な取引につなげることが重要です。
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休眠顧客が生まれる原因|BtoB・BtoCに分けて解説
【BtoB】休眠顧客が生まれる4つの原因
BtoB(企業間で行われる取引)の場合に考えられる主な理由には、以下のようなものがあります。
- 検討期間が長く見送りになった
- 料金面の課題があった
- 情報収集が目的だった
- 他社への乗り換えた
対企業のビジネスでは、比較や承認に時間がかかるなど、検討期間が長くなりがちです。その間に、顧客側の興味や意欲が低下したり、増加していく顧客に対して営業側のフォローが難しくなったりすることで、休眠状態に入ることがあります。
料金面では、金額の大きな取引に顧客側の社内決裁が下りないことや、一定以上の値引きができないことが原因となることが多いのです。情報収集するための問い合わせも一定数あると認識しておきましょう。
【BtoC】休眠顧客が生まれる4つの原因
BtoC(企業と一般消費者間で行われる取引)の場合に考えられる主な理由には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスに不満があった
- 環境の変化により不要になった
- 商品・サービスを購入したことを忘れていた
- 他のブランドへの乗り換えた
対個人のビジネスでは、検討期間や金額よりも、商品・サービスそのものに対する不満があるケースが多く見られます。興味関心や生活スタイル、職場異動など環境の変化によって、購入した商品・サービスが不要になることも珍しくありません。
また、商品・サービスを購入したことを忘れているパターンもあります。
休眠顧客の掘り起こしに効果的な4つの方法
休眠顧客を掘り起こす際は、以下4つの方法が効果的です。
- メールマーケティング
- ダイレクトメール(DM)
- 電話営業(テレアポ)
- 無料セミナー(ウェビナー)
それぞれの方法には適した場面や状況があるため、自社のマーケティング方法に合うものを検討してみましょう。
メールマーケティング
メールマガジン | キャンペーン情報などのメールを定期的に配信 |
ターゲティングメール | 顧客属性のニーズに応じた内容のメールを配信 |
ステップメール | シナリオに沿ってアクションを促すメールを段階的に配信 |
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ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメール(DM)とは、郵便や宅配便などの郵送サービスを通じて、休眠顧客に資料やカタログを直接送付する方法です。
商品・サービスのカタログやキャンペーンはがきが手に届くため、顧客の目にとまりやすいうえに、多くの情報量を届けられます。一方で、資料やカタログの制作費用や郵送費がかかるため、コストが高くなってしまう点がデメリットです。
商品を売り込むようなDMではなく、イベントへの参加やアプリのダウンロードなど、比較的アクションを起こしやすい情報を届けましょう。
電話営業(テレアポ)
電話営業(テレアポ)とは、営業担当者が顧客へ直接電話をかけてコミュニケーションを図り、訪問や面談などの約束を取る方法です。短時間かつ効率的にターゲットへのアプローチができ、自社社員での対応であれば、コストをかけずに実施できます。
顧客と直接対話することで、取引をしなくなった理由や、商品・サービスに対する要望が聞き取りやすく、解決策を検討して再提案することも可能です。一方で、電話を受けることに抵抗を感じる可能性があるため、電話をかけるタイミングや頻度を考慮する必要があります。
無料セミナー(ウェビナー)
オフラインでのセミナーや、地理的な制約を受けないオンラインのウェビナーを開催し、役立つ情報を無料で届ける方法です。
無料で参加できるイベントは興味を持ちやすく、実際に参加した顧客が有益な情報だと感じれば、自社への関心を再び引き寄せられます。ただし、自社商品・サービスを訴求するだけのセミナーでは営業色が強く、さらに顧客との距離が離れていってしまいます。
顧客が求めている情報を提供しつつ、質問やディスカッションを通して顧客の悩みを解決することが、セミナーの大きな役割です。
休眠顧客の掘り起こしを効率化する「MAツール」
MAとはMarketing Automationの略で、予め設定したEmailをシナリオやお客様のエンゲージメントレベルにもとづいて配信するソフトウェアです。MAツールを活用することで、顧客獲得から商談まであらゆるマーケティング活動を自動化でき、休眠顧客を掘り起こすためのプロセスを効率化できます。
以前に取引があった顧客の情報はMAツールによって管理でき、資料請求の履歴やWebサイトへのアクセス状況などの把握が可能です。その情報をもとに、役立つ情報やアクションを促すメールを届けられれば、自社への関心持っていただくことができ、再び顧客として取引関係が構築できます。
SalesforceのMA「Marketing Cloud」は、顧客一人ひとりの状況に合わせた「顧客体験」を提供できるツールです。以下から製品のデモ動画が視聴できますので、休眠顧客の掘り起こしを効率化したい方はぜひご覧ください。
休眠顧客を掘り起こす手順5ステップ
ここでは、休眠顧客を掘り起こす流れについて5ステップで解説します。
- 休眠顧客の定義
- 顧客情報の管理
- 休眠理由の分析
- 休眠顧客をセグメント
- ターゲットへのアプローチ
何らかの理由で休眠している顧客にアプローチする際には、各手順に沿って掘り起こしを図りましょう。
1.休眠顧客の定義
最初のステップとして、自社における休眠顧客は「どのような状態を指すのか」を定義しましょう。
【具体例】
- 最後の商品購入から、半年以上経過している顧客
- 過去1年間の取引がなく、アプローチしても反応がない顧客
- 会員制サービスの利用が停止し、3ヶ月以上ログインや利用がない顧客
このように定義することで、いつどのタイミングでアクションを起こすのかが明確になり、顧客管理もしやすくなります。
2.顧客情報の管理
顧客の属性や休眠理由に合ったアプローチを行うためには、顧客の情報を正確に管理することが大切です。次のステップ「休眠理由の分析」に備えて、以下のような項目で分類しましょう。
- 過去の利用頻度
- 過去の利用金額
- 休眠期間
過去の利用頻度や利用金額は、休眠期間に入る前に「どのように商品・サービスを利用していたか」がわかります。利用頻度や金額が高い状態または一定だった場合、優良顧客であったことを意味しますが、何らかの環境の変化によって、休眠に入ったと考えていいでしょう。
その一方、1回だけ利用しそれ以降休眠に入っている顧客は、商品・サービスに何らかの不満があったと考えられます。利用金額が少額かつ数回で利用が停止しているようなケースについても、何かしら不満があったと見ていいでしょう。
また、休眠から1年以上経過している場合には、すでに興味を失っているか、競合他社を利用している可能性が高いといえます。
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3.休眠理由の分析
顧客情報から休眠に至った理由を分析し、顧客に合わせたアプローチ方法を検討します。たとえば、以下のようなことが起こっていないか確認しましょう。
- 商品・サービスの値上げ
- 商品・サービスのリニューアル
- 商品・サービスのキャンペーン終了
商品・サービスの値上げは、顧客離れを起こすきっかけとしてよくある理由です。商品・サービスそのものに問題があったのではなく、値上げという理由から休眠に入ったと考えられます。
リニューアルも顧客離れを起こしやすく、気に入っている商品・サービスではなくなり、メリットを感じられなくなったと考えるのが自然です。
このような場合、社内で上位または下位の商品・サービスが発売された時期と照らし合わせて、競合他社の類似商品・サービスも確認しましょう。
その一方で、初回キャンペーン利用のみで休眠に入った顧客の掘り起こしは難しいため、この段階で掘り起こし対象から外すのが得策です。
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4.休眠顧客をセグメント
休眠顧客をセグメント(細分化)し、確度の高い休眠顧客にターゲットを絞ります。
たとえば、以下のような分類です。
- 休眠期間が〇ヶ月以内
- 過去の利用金額累計が〇円以上
- 過去の利用頻度が〇回以上
商品・サービスの特性に合わせて、掘り起こし対象にする休眠期間を設定しましょう。
前述のとおり、休眠期間が長い場合には、顧客側の変化で興味を失っている可能性が高いからです。あまり短く設定すると、サービス利用のインターバル中のケースもあります。
一定金額または一定回数以上の利用実績がある顧客は、商品・サービスに魅力を感じていた顧客です。
分析によって見えてきた休眠理由をもとに仮説を立て、確度別にいくつかのセグメントに分類しておくことをおすすめします。
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5.ターゲットへのアプローチ
ターゲットを確定したら、なるべく早いタイミングでアプローチを行います。主なアプローチの手段は、以下の3つです。
- メール
- 電話
- ダイレクトメール(郵送)
- セミナー
メールは内容変更が簡単な上に配信にかかるコストも安く、セグメントごとに異なる内容を送信できます。
電話は、架電にかかるコストが比較的高い一方で、顧客から商品・サービスについて不満や意見を直接聞ける方法です。また、オフラインのコミュニケーションを好む顧客の場合は、営業担当者が直接訪問することで、対話を通じて顧客の要望を聞き取りながら商談へと持ち込めます。
コストや効果測定のしやすさから、おすすめなのはメールでのアプローチです。
顧客管理や休眠顧客への適切なタイミングでアプローチをする際は、MAツールの導入によって効率的な営業活動ができるようになります。
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休眠顧客を掘り起こすメール|4つの例文
ここでは、休眠に至った4つの原因別に、休眠顧客の掘り起こしメールの例文を紹介します。
- 商品・サービスへの不満が原因の場合
- 料金への不満が原因の場合
- 顧客の変化が原因の場合
- 忘却が原因の場合
例文1:商品・サービスへの不満が原因の場合
仕様変更やリニューアルなどが原因で休眠に至ったと考えられる場合、新商品・サービスの理解不足または不満がどこにあるかを理解しましょう。
このようなケースでは、新商品・サービスの活用方法やメリットの再訴求、アンケートでの意見収集により、顧客にアプローチするのが有効です。
【例文】
- 「ご意見やご不満をお聞かせください」
- 「(商品・サービス)改善のため、お客様のご意見をお伺いしています」
- 「(利用に際して)わかりにくい点がございましたでしょうか」
休眠の理由が商品・サービスに対する理解不足であっても、提示した情報が不足していなかったかお伺いを立て、詳しい説明をします。仕様変更やリニューアルが原因の場合、何が顧客の不満につながったのかを知ることがポイントです。
また、アンケートで顧客の不満や意見を聞き出す際は、ただ回答を求めるのではなく商品・サービスの改善に役立てることを示し、具体的な改善内容も例示できると説得力が増します。
例文2:料金への不満が原因の場合
価格改定、値上げなどが原因で休眠に至ったと考えられる場合は、価格面について訴求しましょう。
たとえば、お得な料金プランの提示や割引クーポンなど、価格が下がることを示して興味を引くようにします。
【例文】
- 「お得な割引クーポンをご用意しました」
- 「期間限定で特別プランのお申し込みが可能です」
- 「ご愛顧いただいたお客様向に〇〇(商品・サービス名)をご案内します」
料金に不満がある場合、商品・サービスそのものには不満がなかったことを意味します。
料金面と機能面とのバランスが良くないことを示しているため、その点を解消するアプローチが有効です。
期間限定の値引きや、以前に契約していた商品・サービスの低価格版を案内してみましょう。
例文3:顧客の変化が原因の場合
環境や年齢の変化など、顧客の状況変化が原因と考えられる場合には、関連する別商品・サービスの提案をしてみましょう。「どのような変化があり、現在のニーズがどこにあるか」の仮説を立てた上でアプローチします。
【例文】
- 「新商品の無料トライアルのご案内」
- 「限定〇名様 SNSの効果的な使い方セミナー」
- 「〇代女性に新サービスプラン登場」
利用履歴のある商品・サービスに関連するものを提案する場合、無料トライアルやモニター、限定商品などを案内し、顧客が何に興味を示すか確認しましょう。
ニーズそのものや予算に加えて、年齢・家族構成・健康状態なども変化します。反応がなければ内容を変え、何度か繰り返しアプローチしてみましょう。
例文4:忘却が原因の場合
商品・サービスが忘れられたと考えられる場合には、利用を思い出してもらえるようなアプローチが必要です。
顧客の購入履歴や写真の挿入といったリマインドに加えて、顧客のメリットにつながる情報を送る方法もあります。
【例文】
- 「〇〇のご購入ありがとうございました。ご利用状況はいかがでしょうか?」
- 「活用の事例集をお送りします」
- 「ポイントの有効期限が迫っています。使い方をご確認ください」
アプローチのポイントは「思い出してもらうこと」であるため、現状伺いの挨拶で問題ありません。または、商品・サービス活用の事例集やアイデア集のようなお役立ち情報を提供し、使ってみようと思わせる方法もあります。
購入に対してポイントが付与される場合は、有効期限や交換できるものを提示してみましょう。
休眠顧客を掘り起こすための4つのポイント
休眠顧客へのアプローチを行う際は、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
- 長期間放置せず早めに動く
- 休眠顧客の心理・行動の理解を深める
- 長期視点を持って継続的にアプローチする
- データ分析にもとづく施策を実行する
サービスの再契約を促す直接的なメッセージではなく、利用しなくなった顧客の心理を読み取ってアプローチしていきましょう。
長期間放置せず早めに動く
休眠している状態が長期間に及ぶと、自社への興味関心がより薄れてしまうため、早めのアプローチが大切です。
早めに動くためには、休眠状態になったことを素早く察知できるように、休眠顧客の定義づけと組織内の仕組みづくりが必要です。過去の取引履歴をもとに、商品・サービスの利用を停止した原因を探り、顧客が必要としている情報を適切なタイミングで届けなければ効果はありません。
また、顧客が不満を抱えていた場合は迅速に問題解決を図り、信頼回復に努めることも重要です。
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休眠顧客の心理・行動の理解を深める
自社商品・サービスに対して、再び興味を持ってもらうためには「なぜ購入しなくなったのか」と、顧客の心理・行動への深い理解が必要です。
顧客が休眠状態になる理由は、商品価格の問題やアフターサービスへの不満、顧客自身の状況変化などさまざまです。そのため、顧客一人ひとりの購買履歴などの情報を確認し、場合によってはアンケート調査やSNSを活用しながら、顧客心理を探る必要があります。
顧客の行動や考えは常に変化していくため、定期的なコミュニケーションを通してデータを収集しておきましょう。
長期視点を持って継続的にアプローチする
休眠状態の顧客を掘り起こすのは、一度のアプローチだけでは困難なため、長期的な視点を持って継続した対応ができるように戦略を立てなければなりません。
一度は自社と取引をしている休眠顧客は、新規開拓を行うよりも時間や労力をかけることなく、再び自社への興味関心を取り戻せます。
新規顧客の獲得や既存顧客への継続的な取引を優先しがちですが、それと並行して、休眠顧客を掘り起こすための施策も検討していきましょう。
データ分析にもとづく施策を実行する
休眠顧客の掘り起こしを成功させるためには、顧客情報のデータ分析にもとづく施策が不可欠です。過去の購買履歴やWebサイトの閲覧履歴、メールの開封状況などを多角的に分析することで、顧客がいま求めている情報が明確になります。
しかし、分析によって導き出した施策を実行したとしても、すべての休眠顧客を掘り起こせるとは限りません。休眠顧客の中でも、商談に進められそうな属性(セグメント)にターゲットを絞り、営業活動を行っていくことが重要です。
アプローチを行う際は、顧客の状況を詳しく調査し「メールを配信すべきか」「電話で直接話を聞くべきか」など、顧客にとって最適な方法を選択しましょう。
休眠顧客の掘り起こしに成功した4つの事例
休眠顧客の掘り起こしに成功した事例を4社紹介します。
- ナーチャリング対象の顧客を抽出してメルマガを配信
- 休眠顧客を地図上に表示させて営業活動を効率化
- 顧客情報の管理と展示会を掛け合わせた「攻め」の営業
- リード獲得~継続のデータを可視化し、顧客へのアプローチを最適化
さまざまな業種の成功事例を通して、自社の課題や目標に合った手法を検討してみてください。
ナーチャリング対象の顧客を抽出してメルマガを配信
同社では、以前からデジタル化への取り組みを行っていましたが、顧客情報が複数システムに分散しており、売上管理の手間がかかっている状況でした。そこで、Sales CloudとAccount Engagementを導入したことで、顧客データの一元化と営業プロセスの効率化が実現し、社内のDXを一気に加速させています。
顧客データベースの構築の次に着手したのが、休眠顧客の積極的な掘り起こしです。物件検討のタイミングを見逃さないようにするため、顧客の希望条件を軸として、ナーチャリングの対象顧客を抽出する仕組みを構築しました。
顧客の状態・条件に応じてセグメントを分けて、週に5パターンのメールマガジンを発行し「物件の良さ」の提案を行っています。
顧客データの整備により、休眠顧客を含めたターゲットの絞り込みが容易になったことで、メールマーケティングの効果も向上しました。
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休眠顧客を地図上に表示させて営業活動を効率化
同社では、売上状況と営業データとの連携ができておらず、経営状況をリアルタイムに把握できない課題に直面していました。そこで、顧客行動やメール閲覧の履歴など、あらゆるデジタルデータを一元化できるSales Cloudに将来性を感じ、基盤システムとして導入しています。
当社はSalesforceのシステムを活用し、以下のような取り組みを行いました。
- 受注から請求までの業務工程を一元管理
- 営業と製造のデータ一元化
- 商談の進捗や売上などを可視化
- 休眠顧客の発掘や地図上での視覚化
顧客の状況が明確になったことで、顧客ごとに最適化されたメールやビデオを送ることが可能となり、最終的に利用するユーザーへのマーケティング効果も向上しました。
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顧客情報の管理と展示会を掛け合わせた「攻め」の営業
同社では、顧客情報が担当者の頭の中にある状態で、データとして蓄積・共有されておらず、取引の途絶えた休眠顧客が300社に達している状況でした。そこで、顧客・商談情報を管理できるSales Cloudを導入し、各営業担当者が持っている情報や日報の入力を行い、情報の共有化を図っています。
顧客管理の体制が整い、最適なコンテンツのメール配信で既存顧客の集客に力を入れながら、展示会で獲得したリード情報をもとに営業の強化も図りました。
顧客情報と展示会を掛け合わせた「攻め」の営業によって、展示会の来場者数が増加したうえに、担当者の感覚に頼らない営業活動も可能になったのです。
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リード獲得~継続のデータを可視化し、顧客へのアプローチを最適化
同社では、インサイドセールスから架電しても、すぐにアポを取れない顧客のほうが圧倒的に多く、クリックした方一人ひとりに架電するしかありませんでした。
当時のシステムは、一斉メールを送信するくらいの機能しかなく、顧客に対して最適なアプローチを確認・検討することは難しかったそうです。
そこで、MAツールの導入を決断し、以下の理由からAccount Engagementを選択しています。
- 顧客管理ツールとの連携がいい
- 使いやすく、詳細なシナリオを簡単に組める
- 今後もツールとして進化を続けるという期待感があった
いままで見えなかった顧客の動きやアプローチ方法・履歴が可視化されたことで、アプローチの最適化ができるようになりました。
リード獲得までのアクションや受注・失注という最終結果から、どのタッチポイントからどのようなタイミングで、どのアクションを取ると効果的なのかを分析しています。
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休眠顧客の掘り起こしはツール活用が効率的
休眠顧客を掘り起こすには「なぜサービスを利用しなくなったのか」と、顧客の心理・行動を読み取って明らかにする必要があります。そのためには、顧客のあらゆる情報を一元化するための基盤を整えることが必要です。
顧客に合わせた適切なアプローチを行うためには、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理ツール)を活用しましょう。紹介した成功事例のように、顧客データの一元管理や進捗のリアルタイム管理が可能で、顧客に対するアクションやそのリアクションの履歴もデータとして蓄積されます。
成約の理由や失注の原因を分析することも、有効な対策の実施につながりますので、まずは、SalesforceのMAツール「Marketing Cloud」のデモ動画で体験してみてください。休眠状態の顧客をセグメント化し、フェーズごとのマーケティング施策を最適なタイミングで実行できるツールです。