マーケティングはどこまで自動化できる?できないことや事例も解説

 
2023.2.24
マーケティングに関する業務の一部はMA(マーケティングオートメーション)ツールで自動化し、効率化することが可能です。MAで自動化できること、できないことをまとめました。マーケティング自動化の事例もご紹介します。
 
 
 
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マーケティングは自動化できる?

作業量が多いデジタルマーケティングにおいて、マーケティングの自動化は多くの企業が抱える課題ではないでしょうか。

インターネットが発展し、顧客の購買行動が変化した現代では、マーケティングのパーソナライズは必須となりつつありますが、その作業量は膨大です。それらを人力でこなそうとすると、スタッフの大きな負担となるだけに、いまやMAツールの導入は不可欠です。

MAツールを使ってもマーケティングのすべてを自動化はできませんが、データ管理やリードの条件分けなど、リソースを多く必要とする場面で大いに役立ちます。パーソナライズされた施策を、効率的に実施するにあたり、心強い味方となるでしょう。

MA(マーケティングオートメーション)とは

MAとは、営業活動の自動化、または営業活動の自動化を支援するツールを指す言葉です。多くの場合、見込み顧客の状態に応じた様々な施策を実行することで自社製品・サービスへの興味を高め、最終的な商談化をサポートするものです。

ツールを指す場合、正しくは「MAツール」と呼びますが、MAツールの意味合いで「MA」と使われることも多いです。

MAの目的は、営業活動の部分的な自動化で、それに役立つさまざまな機能が搭載されています。初心者でも使えるシンプルな機能から上級者の手助けになる高度な分析まで、目的やレベルに合わせてMAが最適にサポートします。

参考:マーケティングオートメーション(MA)とは?機能・事例を紹介

 
 
 
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マーケティングオートメーション(MA)で自動化できること

MAでは、マーケティングのワークフローにおけるリード収集から、反応分析までの自動化が可能です。リードを効率よく収集し、属性ごとに分類、それぞれに最適な施策を実行します。

ただし、準備段階のコンテンツ制作や、実施後の改善活動など、具体的な作業や発案が必要なシーンでは人的作業が必要となります。


ここでは、MAで自動化できる部分について具体的に解説していきます。MAによって自動化できるのは、おもに以下の5つです。

1)リードの収集・管理
2)顧客のスコアリング・分類
3)キャンペーン管理
4)施策実行
5)分析

1)リードの収集・管理

MAには、ランディングページや登録フォーム作成など、リード(見込み顧客)の収集を補助する機能が備わっています。さらに、リードを属性や行動履歴などから分類・管理することも可能です。リードを獲得して適切な管理をすることで、効率的なマーケティング施策を実行する土台作りにつながります。

2)顧客のスコアリング・分類

顧客の行動をもとにスコアを付与する「スコアリング機能」も備わっています。顧客がメール開封やサイト訪問など、事前に設定した特定の行動を起こすごとにスコアを加点し、スコアが高くなるほど成約率も高いと見なします。スコアリングされた顧客は分類や抽出が可能で、顧客の受注見込み予測に役立ちます。

3)キャンペーン管理

「キャンペーン管理」とは、マーケティング施策のプランニングを支援する機能です。事前に設計した複数のマーケティング施策の中で、顧客の属性や行動履歴から効果的な施策を選択でき、最適なタイミングで配信するために役立ちます。

4)施策実行

各顧客に対して施策を実行する機能です。事前に実行する施策を決めておけば、MAが自動で実行します。実施する施策は顧客の分類ごとに設定できるため、複数の施策を同時進行も可能です。

5)分析

分析機能とは、顧客データや施策の結果データなどに統計処理を行い、レポートとして出力する機能です。メールの開封率やCVR(コンバージョンレート/顧客転換率)の算出といった基礎的なことから、自社の立ち位置を分析するためのSTP分析や、顧客をより詳細な属性から分析するセグメンテーション分析などの専門的な分析も可能です。

MAで自動化できない業務とは?

MAはデータの管理や分析などを得意としていますが、一方で具体的な思考を必要とする分野の自動化はできません。MAで自動化できない業務には、以下のようなものがあります。

1)目標設定
2)企画
3)コンテンツ制作
4)シナリオ設定
5)分析結果から改善

1)目標設定

目標設定とは、データから導き出される客観的な結果ではなく、自社が抱える課題や目的から導き出される主体的なものです。目標設定に必要なデータを導き出すことはMAでできますが、最終的な目標は人間が設定する必要があります。

2)企画

MAは顧客に適した施策の種類の提案はできますが、具体的な内容の決定はできません。たとえば、ターゲット設定や、開催場所などの個別具体的な要素の決定、実際に行う具体的な行動などは人力で対応するべき分野です。

3)コンテンツ制作

コンテンツ制作のようなクリエイティブな業務も、人力で担う必要があります。たとえば、メールの文章や、ポップアップバナーのデザイン、動画の制作などが該当します。もしコンテンツ制作を効率化したい場合は、アウトソーシングの活用や専門部署の創設などが選択肢に挙がってくるでしょう。

4)シナリオ設計

シナリオとは、顧客を成約へ導くために顧客の行動を予想し、その行動ごとに実施する施策を決定する作業です。MAにはシナリオを自動で実行する機能が備わっていますが、シナリオの設計はできません。

シナリオ設計のポイントは、ターゲットの明確化や適切なタイミング・コンテンツの選択などです。下記の記事では、シナリオ設計の基本からポイントまで詳しく説明しています。

5)分析結果から改善

MAツールの分析結果を、改善につなげるための仮説立ても、人力で行うべき領域です。改善作業とは、データだけから導けるものではなく、現場の状況や企画内容などの個別具体的な要素も考慮する必要があります。MAツールで改善に必要な素材を出力し、組立てて役立てる作業は人力で行います。

マーケティング自動化の事例

ここからはMAによってマーケティング自動化を行い、成功した事例を2つ紹介します。

優れたUIによる作業効率化で常時30本のシナリオを稼働複数チャネル、最適なタイミングでのアプローチが可能に

 
会社名:株式会社NTTぷらら
事業内容:インターネット接続サービス

インターネットプロバイダーのNTTぷららが取り組んだのは、ECサイトにおける顧客との関係構築です。

同社では、ショッピングサービス「ひかりTVショッピング」の顧客急増という背景があり、顧客に寄り添ったアプローチ方法を模索していました。しかし、リソースや人員が足りず、具体的な行動には移せずいました。

そこで目を付けたのが、MAツールのMarketing Cloudです。顧客を閲覧履歴や購入金額などで分類・スコアリングし、条件ごとに施策を実施するシナリオを作成。PDCAを回すことでブラッシュアップしながら、シナリオ本数を常時30本稼働まで拡大していきました。

結果、メール経由の売上が5年間で約12.5倍増加するという大きな成果につながりました。

会員属性に基づいた読者⽂脈に寄り添うパーソナライズを実現さらに上質な読者体験を⽬指して

 
会社名:プレジデント社
事業内容:総合出版社

総合出版社のプレジデント社では、Webメディアの既存会員により多く記事を読んでもらうため、MAツール・Marketing Cloudを使ったレコメンドメール自動送信の施策を実施。会員の嗜好情報にもとづいて興味のありそうな記事タイトルと画像、URLを抽出することで、コンテンツへのアクセスにつなげました。

レコメンドメールの送信は人力で行うには多くのリソースが必要でしたが、MAツールを使うことでリソース問題を解決。さらに、会員を属性や行動データで分類することで、より興味の高いコンテンツへ誘導できるようになりました。

結果、開封率は5~7%増加、CTRは1.5~2%増加という結果につながりました。

MAはマーケティングの一部を自動化し、効率化につなげる頼もしいサポートツールです。リソースやコストの削減を出発点として、顧客と向き合う具体的なマーケティング施策の実現にも役立ちます。

顧客の購買行動は年々変化していて、顧客と向き合う重要性もまた上がっています。デジタルマーケティングという分野で顧客に寄り添うためにも、リソースやコストの効率化に取り組む必要があるのではないでしょうか。

 
 
 
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