パーソナライゼーションとは?チャネルやメリット、具体例などを解説
パーソナライゼーションは情報提供やサポートの顧客ごとの最適化
パーソナライゼーションは、情報提供やサポートを顧客ごとに最適化することです。具体的には、企業が個人から収集した好みや購買傾向などを分析し、製品の紹介情報やサポートなどにアレンジを加えて提供することを指します。
たとえば、ECサイトにおけるレコメンド(おすすめ)機能や、ニュースサイトで興味のある記事を表示させる機能などが、パーソナライゼーションの一例です。顧客に対して、より興味を持ってもらえそうな情報やサポートを提供することで、自社の製品・サービスを利用してもらえる可能性が高まります。
パーソナライゼーションが求められる理由
パーソナライゼーションが求められるようになった理由は、多様化した顧客が、自身に最適化された体験を求めていることです。たとえば、音楽ストリーミングサービスでは、再生履歴にもとづいて自動的にユーザーの好みに合う曲を収集・選別してプレイリストを作成する機能があり、多くの人が好んで利用しています。
Salesforceが作成したレポート「コネクテッドカスタマーの最新事情」によれば、顧客の66%が企業に自身のニーズや希望を理解してほしいと期待しています。この需要に応え、顧客それぞれに最適化されたサービスを提供することは、顧客に「自分は尊重されている」と感じさせ、顧客満足度を高める効果があるのです。
パーソナライゼーションの対象チャネル
パーソナライゼーションは、多様化した顧客に対応し、顧客ごとの特性に合わせたコミュニケーションが必要となるため、実施は難しいと感じられるかもしれません。しかし実際には、企業と顧客との情報のやりとりが発生するチャネルさえあれば、多くの場合で実施可能です。パーソナライゼーションが可能なチャネルには以下のようなものがあります。
<パーソナライゼーションが可能なチャネル>
- Webサイト
- メール
- オンライン広告
- モバイルアプリ
- Webアプリ
- オンラインチャット
- コールセンター
それぞれのチャネルで、情報やサポートの提供形態は異なりますが、「顧客の興味」や「顧客との関連性・必要性」などを軸に、コミュニケーションを調整すれば、パーソナライゼーションは可能です。顧客がどのような情報やサポートを望むかを考え、パーソナライゼーションに取り組みましょう。
パーソナライゼーションに活用される情報
パーソナライゼーションは、これまでの顧客とのやりとりや、インターネット上で収集された情報などを基に実施します。これらの情報を踏まえることで、顧客の属性や特徴、ニーズに合わせたコミュニケーションが可能となるのです。パーソナライゼーションに活用できるおもな情報には、以下のようなものがあります。
<顧客とのやりとりから得られる情報>
- B2B向け企業情報(業界、企業、収益、従業員数、テクノロジースタックなど)
- 購買担当者のペルソナ
- 購買担当者のステータス(既存顧客か見込み客かなど)
- 前回の訪問、コールセンターとのやりとりからの経過時間
- 顧客生涯価値(LTV)
<インターネット上で収集できる情報>
- 位置情報
- アクセス時間帯
- ブラウザやデバイスの種類
- サイト訪問回数、ログイン回数、閲覧ページまたは画面数
- サイトに滞在した時間
- メール開封率・開封数
- プッシュ通知の消去数またはクリックスルー数
実際にパーソナライゼーションを実施するときには、これらの中から必要な情報を抜き出して活用します。どのような切り口や着眼点でパーソナライゼーションを行うかによって、適切な情報をピックアップしましょう。
パーソナライゼーションのメリット
マーケティングの効率化
顧客満足度向上
見込み顧客の掘り起こし
パーソナライゼーションとカスタマイズの違い
パーソナライゼーションとカスタマイゼーションは最適化を行う主体が異なります。両者は、情報やサービスを最適化する点では同じですが、パーソナライゼーションは、企業側が最適化を行って顧客に情報やサポートを提供します。一方、カスタマイゼーションは、顧客が自分で製品やサービスを最適化する行為です。ここでは顧客へのメール配信とオンラインショッピングを例に、パーソナライゼーションとカスタマイズの違いを解説します。
■パーソナライゼーションとカスタマイズの違い
顧客へのメール配信の場合
オンラインショッピングの場合
ECサイトでのオンラインショッピングのように、多くの情報が提供される場も、情報を取捨選択する主体によって、パーソナライゼーションかカスタマイズかが変わります。たとえば、パーソナライゼーションには、顧客のニーズに合った商品を表示するレコメンド機能や、購入履歴・閲覧履歴に関連するキャンペーン情報の送付などが挙げられます。
一方、ユーザーによる表示商品のフィルタリングや興味のある商品のリストアップはカスタマイズです。パーソナライゼーションとカスタマイズの相乗効果によって、顧客の情報が充実することで、より最適化したコミュニケーションが可能となるでしょう。
業種・業態別のパーソナライゼーション具体例
B2Bテック企業のABMの例
パーソナライゼーションに活用する情報:会社名
B2Cの靴小売店のパーソナライゼーションの例
パーソナライゼーションに活用する情報:カテゴリー別の閲覧履歴と滞在時間
金融サービスサイトのパーソナライゼーションの例
パーソナライゼーションに活用する情報:訪問者のサイトエンゲージメントから推測される興味や好み
メールを活用したパーソナライゼーションの例
パーソナライゼーションに活用した情報:カートに残った商品、訪問者のサイトエンゲージメントから推測される好み
SaaSアプリケーションのパーソナライゼーションの例
パーソナライゼーションに活用する情報:ユーザーのアクション
小売店のパーソナライゼーションドレコメンドの例
パーソナライゼーションに活用する情報:商品情報や訪問者のエンゲージメントから推測される好み
パーソナライゼーションを導入して良質な顧客体験を
パーソナライゼーションには、提供する情報を最適化することで、マーケティングの効率化や顧客満足度向上などのメリットをもたらします。従来の画一的なマスマーケティングから、顧客ごとのニーズに応えるコミュニケーションが重要視されるようになっており、企業にとってパーソナライゼーションは顧客との良好な関係を築く重要な手段といえるでしょう。
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また、Salesforceではパーソナライゼーションについて解説したコンテンツもご用意しています。ぜひ、以下のページもご覧ください。