営業進捗管理の方法や項目は?Excelテンプレート参考例を紹介
営業進捗管理は営業プロセスがどこまで進んでいるか管理することで、受注の確度や売上目標の達成率などを可視化するために行います。成果の出る営業進捗管理の方法から、Excel・スプレッドシートなど表計算ソフトでのテンプレート参考例、ツールまでまとめました。
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営業進捗管理とは、案件ごとに営業プロセスがどこまで進んでいるのかを管理すること
営業進捗管理とは、案件ごとに営業プロセスがどこまで進んでいるのかを管理することです。おもな目的は営業の活動効率化や精度向上で、組織内における営業成績の平準化も含まれます。
営業成績がエース社員に偏ってしまう問題は、多くの企業が抱えているのではないでしょうか。
「最終的に組織目標がクリアできればいい」という考え方もありますが、転職などで人材の流動性が高まり人材不足が深刻化している昨今では、無視できない問題になっています。
どうしても営業ノウハウは、属人的になりがちです。営業成績の偏りによる問題が表面化するまえに、営業進捗管理を取り入れ、ノウハウの共有や営業成績の平準化を行う必要があるのです。
営業進捗管理の3ステップの方法
営業進捗管理の手順は、大きく以下の3ステップから構成されています。
1)営業のプロセスを細分化する
2)各プロセスを数値化する
3)営業中の案件の見込売上を算出
1、2のステップは、業務を評価しやすくするために、属人的な営業ノウハウや成績を一度バラして数値化するフェーズ。3のステップは、数値化された業務から見込売上を算出するフェーズです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1)営業のプロセスを細分化する
営業進捗管理の最初のステップでは、初回アポ取得から受注まで、一続きになった営業プロセスの細分化とフェーズ分けを行います。一般的な分類区分は以下のとおりです。
【フェーズ1】初回アポ取得段階
【フェーズ2】顧客ヒアリング段階
【フェーズ3】商品・サービス提案段階
【フェーズ4】見積もり・クロージング段階
【受注】
ここで気を付けたいのは、プロセスの区分方法とそれぞれの達成条件を明確にしておくことです。営業活動においてどのフェーズに入れるか悩む場面も出てくるため、組織内で相談しながら実務ベースでフェーズの定義を統一しましょう。
フェーズの定義が統一されていないと、正確な数値が得られない恐れがあります。
2)各プロセスからの受注率を数値化する
営業プロセスの細分化が完了したら、次は各フェーズにおける受注まで到達する確率を算出します。逆に言えば各フェーズにおいて失注してしまう確率を算出する必要があります。このとき、受注のフェーズは100%として記載します。
各プロセスの数値化の例
【フェーズ1】初回アポ取得:10%
【フェーズ2】顧客ヒアリング:20%
【フェーズ3】商品・サービス提案:50%
【フェーズ4】見積もり・クロージング:80%
【受注】100%
各プロセスの数値は、それぞれ今までの実績から算出します。過去の全データから算出するのは大変なので、まずは1年や3年など、期間を区切って算出しましょう。
算出にあたって過去データの数値化が進めば、任意の期間ごとに数値を算出し、時期に応じた受注率の比較や分析なども可能になります。
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3)営業中の案件の見込売上を算出する
数値化まで完了したら、営業中の案件に受注確率を乗じて売上見込を算出します。
たとえば10万円の案件がフェーズ3の段階にある場合、案件価格の10万円とフェーズ3の受注到達確立である50%を用いて以下のように計算します。
- 10万円×50% = 5万円
ここで重要なのは、数値化した割合を乗じた値をそのまま見込売上とすることです。
「受注できなければ0円になる」という考え方もありますが、ここでは営業の成否は考慮しません。営業件数を重ねていくことで、総売上額が見込売上の総額に近づくという考え方です。
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営業進捗管理表のExcelやスプレッドシートのテンプレート参考例
営業進捗管理は、SFA(Sales Force Automation/営業支援システム)という専用のシステムを使うと効率的です。しかし、まずは導入の入口としてExcel(エクセル)やスプレッドシートといった表計算ソフトを使う方法もあります。
ここでは、表計算ソフトで進捗管理する場合の参考例を紹介します。
営業進捗管理表に必要な8つの項目
表計算ソフトで進捗管理を行うときには、一般的に以下のような項目を用います。
- 会社名
- 担当者
- 進捗状況
- 商品名
- 金額
- 見込売上
- 流入経路
- 次回アクション
このように、管理する項目はそこまで多くありません。必要なのは、案件単位の進捗管理と、見込売上が算出できることです。
また、流入経路も同時に管理しておけば、案件につなげやすい流入経路の把握にも役立ちます。
営業進捗をExcel(エクセル)やスプレッドシートで管理するメリット・デメリット
参考例から分かるように、表計算ソフトでの営業進捗管理はかなり簡易的なものとなっています。そのため、いつでも気軽に始められるのがメリットである一方、簡単なだけに機能も限られていて、以下のようなデメリットもあります。
- 詳細な分析や比較が難しい
- 他ツールと連携できない
- 目的別にシートが増え続ける
- 時系列での把握が難しい
そもそも表計算ソフトは、データベース管理を目的としていません。そのため、ビッグデータの管理には不向きで、データ量が増えると管理が煩雑になったり、動作が重くなったりする可能性があります。
また、専門的な分析や比較をしたくても、ほかの専用ツールと連携ができないため、分析に費やすリソースが多くなりすぎたり、分析の精度が低くなったりする問題もあります。
一方で、SFA(営業支援システム)を活用できれば、営業活動の情報を集約し、「どの属性の企業にアプローチすれば営業成績が伸ばせるのか」「どこが営業のボトルネックになっているのか」を判別できるようになります。
いまから始める Sales Enablement 勝てる営業組織を仕組みで作る 5 つのステップでは、SFAを活用した営業組織の生産性向上の取り組みをご紹介しています。あわせてご覧ください。
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営業進捗管理ツールなら効率的に成果を出せるSFAツールがおすすめ
具体的・効率的な営業進捗管理が必要なら、営業進捗管理を専門とするSFAツールの導入が欠かせません。
SFAツールのおもな機能は、営業進捗の一元管理や共有、売上の管理や予測、営業データの蓄積や分析などです。マーケティング分野で用いられるMA(マーケティングオートメーション)ツールや、顧客関係管理に使われるCRMツールとの連携も可能です。
また、SFAツールには、以下のようなメリットも見込めます。
まさに、営業進捗管理に欲しい機能がそろったツールとなっています。導入費用は必要になりますが、日々の営業データを自社の資産として活用できる点は魅力的で、エース社員の退職が売上に大きく影響することへのリスク対策やこれまで漏らしていた営業機会の獲得を考えれば、必要な投資として検討する価値はあるのではないでしょうか。
また、管理リソースの削減効果が高く、全社的な業務効率化や営業社員の営業活動への注力など売上向上への貢献も見込まれ、これらは導入が早いほどメリットを多く享受できます。
いまから始める営業支援システムでは、日本でも導入率が上昇しているSFAの普及要因や、SFAの必要性についてわかりやすくまとめています。SFA導入にあたっての参考としてご覧ください。
成果の出る進捗管理で確実な目標達成を
営業進捗管理は行うべきことがシンプルな一方で、精密に行うほど企業にとって利益が多くなる、営業における縁の下の力持ち的存在です。
実際に取り組むには、まず進捗状況を可視化して管理することから始めましょう。Excel(エクセル)などの表計算ソフトによる簡易な管理方法でも、確実な売上目標達成につながるのが分かれば、営業進捗管理の効果を実感できるはずです。
SFAツールを導入すれば、さらに詳細な分析や売上予測も可能となります。営業部門をより強固にするために、自社に合った方法で営業進捗管理をスタートしましょう。
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