SFAとは?CRM・MAとの違いや効率的な営業活動のための活用方法を解説
SFAとは、営業支援システムのことです。SFAを使いこなせると、営業活動を効率化および最適化できます。ところが、うまく使いこなせず宝の持ち腐れになってしまっている企業が少なくありません。
SFAの導入にあたり、SFAがどのようなシステムで何ができるのかを正しく理解することが大切です。
本記事では、SFAの機能やCRM・MAとの違い、メリット・デメリットを解説します。
また、SFAを活用して営業力を強化するセールス・イネーブルメントの取り組み事例をいまから始める Sales Enablement 勝てる営業組織を仕組みで作る 5 つのステップでご紹介しています。あわせてご覧ください。
SFAとは
SFAとは「Sales Force Automation」の頭文字をとった略語で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれています。おもな機能は、営業メンバーの行動管理や商談の進捗状況管理などです。商談結果の蓄積も可能で、営業活動の効率化やフィードバックに役立ちます。
日本で普及が進んだのは、2000年代からです。近年のモバイル端末の進化もあり、導入を進める企業は増えています。
SFAツールを導入してできること
SFAツールでは、おもに以下のような業務が可能です。
- 顧客情報や営業ステータスの一元管理および共有
- 営業メンバーの行動管理および活動サポート
- 売上の管理および予測
- 営業データの蓄積および分析
- 顧客へのメール配信
SFAツールには、営業活動を仕組み化するためのさまざまな機能が備わっています。
いまから始める営業支援システムでもご紹介していますが、SFAを導入すると営業活動やその結果を管理しやすくなるのはもちろん、属人性の強い営業業務のノウハウを標準化することにも役立ちます。ノウハウの共有によって、営業メンバー間のスキルや経験差が小さくなると、営業部門全体の底上げも可能です。
SFAとMA、CRMの違い
ツール |
概要 |
MA (Marketing Automation) |
営業活動の一部を自動化し、マーケティング活動を効率的する |
SFA (Sales Force Automation) |
営業業務を仕組み化・標準化し、営業活動を効率化する |
CRM (Customer Relationship Management) |
顧客の氏名や所属、役職などを一元管理し、顧客との関係性を管理する |
MAはマーケティング活動の具体的な施策を実施するために使われます。
SFAは営業活動に入った後の情報や進捗などを管理可能です。そして、CRMは顧客化した後の顧客管理やコミュニケーションツールとして活用します。SFAとCRMは役割が似ている、もしくは重複している部分があるため、2つを統合したSFA/CRMツールも出ているわけです。
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SFAがもつ重要な機能
SFAには、主に以下の5つの機能があります。
- 案件管理機能|個々の商談を時系列とともに管理する
- 顧客管理機能|無駄のない営業活動を実現する
- 活動管理機能|戦略的な営業が実践できる
- 予実管理機能|目標達成までのプロセスを可視化する
- 報告支援機能|営業報告を効率化する
SFAの機能は、営業活動の効率化とともにリソースを最大化し、営業活動の幅を拡げてくれます。SFAの導入時に機能を最大限に生かせるよう、それぞれについて理解を深めておきましょう。
いまから始める営業支援システムでは、SFAの機能を解説と共にわかりやすくまとめていますので、社内共有用にぜひご覧ください。
案件管理機能|個々の商談を時系列とともに管理する
案件管理機能は、見込み顧客の発掘から成約に至るまで、営業に関わるあらゆる情報を管理する機能です。
提案商品や案件の進捗、停滞や障害の有無、受注見込みなどを管理・分析できます。案件の進捗やプロセスが可視化されることで、次のアクションへとつなげやすくなるのも特徴です。チーム全体で情報を共有できるので、担当者以外も案件の改善点を洗い出しやすくなります。
顧客管理機能|無駄のない営業活動を実現する
顧客管理機能とは、顧客ごとの名前や所属、役職、電話番号などを管理する機能です。営業活動時や展示会などで得た顧客情報を一元管理し、共有することで、より多くのチャンス創出に寄与します。
また、顧客管理機能は、既存顧客の分析にも活用できます。たとえば、大口顧客を対象に、顧客の企業規模や業種、会社形態などでフィルタリングをすることで、大口顧客になり得る顧客の特徴が見えてくるわけです。
従来の営業活動において、営業先および営業活動の決定は、これまでは個人が培った経験に頼りがちでした。しかし、こうしたSFAの機能で顧客をデータにもとづき客観的に顧客を分析し、営業戦略に活用できれば、組織全体の営業成績のアップが期待できます。
活動管理機能|戦略的な営業が実践できる
活動管理機能とは、営業活動に関するさまざまな指標を記録・管理する機能です。たとえば、下記のデータを記録および可視化できます。
- 営業件数
- 提案数
- 成約率
- 受注率
営業担当ごとの成績も数値でわかるようになるため、社員に対して業務の効率化に向けたフィードバックや公正な評価を行えます。成績が良好な担当者の営業活動を分析し、成功要因がわかれば、ほかの社員の教育に活用することも可能です。
たとえば、営業件数や提案数、成約率、受注率などを記録でき、これらのデータをおよび可視化することで、さらなる業務の効率化に対するフィードバックや従業員への公正な評価などにつなげられます。
また、成績が良好な担当者の情報を分析すれば、成功の理由を理解して、ほかの社員の教育に活用できます。
予実管理機能|目標達成までのプロセスを可視化する
予実管理機能は、あらかじめ入力した予算と実績データから売上を予測する機能です。たとえば、納品予定日と納品予定商品の金額を照合し、自動で売上予測を立ててくれます。
営業活動では、予算と実績に大きな差がないかチェックが必要となります。大きな差が生じると、企業全体の生産性や売上に悪影響を及ぼすためです。予算と実績の差を最小限に抑える、あるいは予算以上の成果を出すためには、定期的な目標達成状況のチェックと課題分析、改善が重要です。
SFAは、リアルタイムでデータが反映され、目標達成状況をいつでもチェックできるため、営業活動の改善までのプロセスの効率化に寄与します。
報告支援機能|営業報告を効率化する
報告支援機能は、日報や週報といった営業報告を支援し、効率化する機能です。
営業報告は、担当者の稼働をチェックし、プロジェクトや営業部門全体の動きを把握するために必要です。しかし、担当者にとっては作業負荷が重く、上司にとっては確認に手間がかかるというデメリットがあります。
SFAを使うと、フォーマット化された報告書に必要事項のみを入力すればよいため、報告書の作成業務を削減できます。さらに、報告内容を自動で分析してくれるため、上司の確認作業の負担も軽減可能です。
SFAは、負担が大きい報告業務を簡略化および効率化し、リソースを最大化してくれます。
SFA導入による6つのメリット
SFA導入によるメリットは、次の6つです。
- 情報共有で属人性を排し、営業の組織化が図れる
- 営業活動を可視化できる
- 精度の高い売上予測を立てられる
- 行動のタイミングを逃さない
- ノウハウの共有がパフォーマンスの底上げと人材育成につながる
- ニーズにフィットした提案で顧客満足度を向上させる
メリットを読んでひとつでも魅力を感じるものがあれば、SFAの導入を検討してみることをおすすめします。
SFA導入の検討にあたっては、いまから始める営業支援システムにてまとめている日本のSFA導入率や、SFAの主要機能の解説を一度ご覧ください。
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1)情報共有で属人性を排し、営業の組織化が図れる
SFAを導入すると、これまで属人化されがちだった営業のノウハウや情報を営業部門全体で共有可能です。ノウハウを共有できると、担当者のスキルや仕事の取り組み方が標準化され、全体の底上げにつながります。すると、担当者が不在でも、だれもが同じ対応をできるようになるわけです。
SFAは、従来は属人性が高い職種だった営業職を組織化し、効率的かつ効果的に成果を上げられるようサポートしてくれます。
2)営業活動を可視化できる
SFAを導入すると、各担当者の営業活動が可視化され、リアルタイムで確認できるようになります。
従来の日報や週報方式の場合、各担当の営業活動を確認する回数が1回に留まります。その日の終わりや週末に営業報告を受けても、対応できるのは翌日が最短です。従来の営業報告は、タイムリーに対応しなければならない事案や必要なサポートが遅れる仕組みでした。
SFAによって営業活動がその都度更新されるようになると、対応速度が上がります。対応速度の上昇は、課題の分析および改善サイクルを加速させ、生産性の向上を促します。
3)精度の高い売上予測を立てられる
SFAに営業活動や顧客に関するデータが蓄積されると、データをもとに自動で精度の高い売上予測を立てられるようになります。売上予測をもとに、最適な受注タイミングを提案してくれるため、従来のデータ管理および分析業務が簡略化されます。
プロジェクトの進捗や各種データの管理をExcelやスプレッドシートで行っている場合は、SFAによる作業の効率化を実感できるでしょう。
4)行動のタイミングを逃さない
SFAによって営業活動の進捗やプロセスが可視化され、リアルタイムで更新されるようになると、タイミングを逃さず行動できるようになります。
従来は、報告書や担当者の話から進捗やプロセスを把握していました。従来の方法では手間がかかるうえ、ラグが生じるのがデメリットです。SFAを導入すると、従来の方法のデメリットを解消でき、スピーディーに必要な対応を行えます。
たとえば、担当者の活動履歴から手が空いていることがわかれば、次の指示を出すことが可能です。あるいは、売上予測や課題の分析をもとに、的確なフィードバックを実現します。
SFAの導入で、タイミングを逃さず行動できるようになると、成約率や売上の向上を期待できます。
5)ノウハウの共有がパフォーマンスの底上げと人材育成につながる
SFAでノウハウやナレッジを共有できるようになると、担当者それぞれが自己成長を図れるようになります。
担当者は、共有されたノウハウやナレッジをもとに、自身の営業活動をブラッシュアップできます。SFAが各人の強みと弱みを可視化してくれるため、効率的な人材育成にも活用可能です。担当者ごとに的確な教育を施せるため、教育コストの削減も期待できます。
SFAは、自己成長による底上げと焦点化された人材育成を実現し、生産性のアップを実現します。
6)ニーズにフィットした提案で顧客満足度を向上させる
SFAを導入すると、営業活動が効率化され、組織全体のパフォーマンスが向上します。データをもとにした顧客分析によって、顧客ニーズの深掘りも可能です。
蓄積されたデータや分析によって、顧客ニーズにフィットした提案を実現します。顧客ニーズが満たされると、顧客満足度の向上が期待できます。
SFAは、業務を効率化するだけでなく、顧客にとっても有益なサービスの提供につながるわけです。
SFA導入による2つのデメリット
SFAのデメリットは、導入や運用におけるハードルにあります。おもなデメリットとして、下記の2点が考えられます。
- 導入コスト
- 入力作業の負荷
SFAはID数に応じた月額課金形態をとっているケースが多く、いきなり大量導入すると、コストと成果が見合わない状況に陥りがちです。そのため、営業規模に合わせた予算確保が重要となります。
SFAにデータを入力するには、どうしても人の手が必要になり、担当者の負担となります。事務作業をほかの社員に代わってもらう、あるいは営業活動に割く時間を見直すなどして、担当者の負担を軽減しましょう。
SFAの効果的な活用方法
以下は、SFAを効果的に活用する方法です。
- 計画性とともに売上を積み上げる
- データをもとに明確な目標値を設定する
- 外出先で利用する
- CRMと連携する
- SFAとMAを連携させて効果を最大化する
SFAを導入しても、適切に活用できなければ効果を得られません。SFAの効果を最大化するためにも、活用方法について理解を深めましょう。
計画性とともに売上を積み上げる
初回アポイントから受注までの営業プロセスを可視化できる「パイプライン管理」を行い、SFAで分析すると、リードの商談化率や成約率、成約までにかかる時間や手間などが見えてきます。
分析結果をベースにすることで、設定した売上目標から逆算して、必要なリソースのタイミングを弾き出せます。タイミングが明確になれば、計画的に売上を積み上げられるというわけです。
データをもとに明確な目標値を設定する
SFAでデータ分析をすると、営業部門の強みや弱みも見えてきます。
たとえば、リードの商談化がスムーズにもかかわらず成約率が低い場合、原因を特定するのにSFAに蓄積されたデータが役立ちます。原因が特定できると、今後の営業活動の指針や改善点が見えてくるわけです。
データにもとづいた分析と改善を定期的に行うことで、長期にわたり成果を上げられるとともに、営業部門全体のパフォーマンスアップを期待できます。
外出先で利用する
SFAの多くはクラウドサービスとして提供されており、モバイルデバイスからアクセスできます。
営業活動における情報のすべてをSFAに記録・共有できるため、移動時間に日報を作成したり、資料作成をほかのメンバーに依頼したりも可能です。外出先からもスムーズに業務を進められるようになると、業務効率を高められます。
CRMと連携する
SFAをCRMと組み合わせ、顧客とのコミュニケーション履歴を統合すると、ファーストコンタクトから商談、販売に至るまでのプロセスを俯瞰できます。
各プロセスでのデータを分析することで「なぜ売れたのか」「なぜ失注したか」を解き明かし、営業活動の改善が可能です。CRMだけでなく、会計システムや生産管理システムと連携できれば、社内の基幹システムにもなります。
あらかじめ連携できる製品を選定しておくと、スムーズにシステムを構築できます。
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SFAとMAを連携させて効果を最大化する
SFAとMAは連携することで、それぞれの機能や特徴を掛け合わせて、営業力をさらに強化します。
ビジネスは、どのような分野でも「一度売れば終わり」ではありません。クロスセルやアップセルは有力な販売機会になり、失注した顧客も条件さえ整えば、再び商談に持ち込むことが可能です。
SFAとMAの連携は、こうしたアクションを現実的にし、より多くのチャンスをもたらします。
MAでできること
MAは、効率的なマーケティングを実現するためのツールです。MAができることは、おもに次の3つです。
- シナリオに沿ったリードナーチャリング
- リードの状況に合わせた対応が可能
- リードの行動によってスコアリングを行う
シナリオに沿ったリードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードを顧客に引き上げることです。Webサイトからの問い合わせや展示会でのアンケート、名刺交換など、さまざまなタッチポイントで獲得したリードの購買意欲を高め、顧客への成長を促します。
手法としては、あらかじめ用意したシナリオに沿って、おもにメールを用いてアプローチします。リードをホワイトペーパーのダウンロードやデモ版の試用などへ導き、同時にタイムリーな情報や有益なWebコンテンツを提供して、自社製品への興味と関心を高めることが可能です。
リードの状況に合わせた対応が可能
MAを利用すれば、リードの状況に合わせた、きめ細かなアプローチができます。
MAのシナリオはあらかじめ多くの分岐が用意され、リードの行動によって異なるアプローチ方法が選択可能です。さらに、複数のシナリオを用意しておけば、流入経路となるタッチポイントごとに使い分けられます。
リードの行動によってスコアリングを行う
スコアリングとは、リードがとった受注につながる行動を数値化し、アプローチの優先順位を決めていくことです。
MAにはリードの行動を自動でスコアリングする機能があり、たとえば「送信したメールを開いたら1点」「リンクをクリックしてサイトを訪問したら3点」のように、細かい条件付けが可能です。
リードの行動を定量化して一定の点数まで貯まったら「購入意欲が十分に高まった」とみなし、セールス部門にパスする見極めを可視化できるようになります。
SFAとMAの連携で生まれるメリット
SFAとMAの連携は、ツールを通じてマーケティング部門とセールス部門を連携させることにもつながります。マーケティング部門には「せっかく獲得し、育てたリードなのだから、大事に商談を進めてほしい」という思いがあります。一方、セールス部門には「もっときちんと育成してから、セールスにパスしてほしい」という思いがあり、思いの違いから衝突しがちです。
効率的な売上獲得やLTVの最大化など、最終目標は両部門とも共通しています。SFAやMAなどのツールを導入すると、目標や仕事のプロセスを共有でき、適切な連携が可能となります。ツールは、複数組み合わせて使用すると効果的です。
SFAとMAを連携すると、次の4つのメリットが生まれます。
- 商談をよりスムーズに進行できる
- クロスセル、アップセルを容易にする
- 失注顧客をリサイクルする
- スコアリング精度を高められる
商談をよりスムーズに進行できる
MAをSFAと連携させることで、リード情報の一元管理が可能となります。マーケティング部門は、セールス部門へパスしたリードの進捗状況を知れるとともに、リードが商談に至るまでの経緯を理解できるので、よりスムーズに商談を進められます。クロスセル、アップセルを容易にする
顧客の状況は常に変化しており、事業規模が拡大することで、追加発注や高機能版への更新などのニーズが発生する可能性もあります。セールス部門がMAを用いて顧客をトレースしておくと、状況に応じてマーケティングに戻し、タイミングを逃さずクロスセルやアップセルを仕かけられます。失注顧客をリサイクルする
商談中に失注しても、失注理由や原因を記録しておくことで、後日あらためて商談につなげられる可能性があります。「機能が不足していた」「価格が折り合わなかった」といった原因がわかっていれば、それを解決する高機能版や廉価版が開発できたときに、有力なホットリードとしてリサイクルできます。スコアリング精度を高められる
購買意欲が不十分なまま商談化してしまうと、失注率が高くなります。これを防ぐには、MAでのスコアリングと、セールスにパスするタイミングの再検討が必要です。MAに蓄積したリードの行動データと、SFAの商談記録を突き合わせれば、スコアリングの項目やセールスにパスするタイミングの妥当性をチェックできます。
また、ファーストコンタクトから成約まですべてのプロセスを再検討すれば、成約確度や効率の向上も期待できます。
SFAの運用を定着させるコツ
SFAを導入し、組織に定着させるためには、次の2つのコツがあります。
- 「使って当然」という環境を作る
- スモールスタートを切るのもよい方法
SFAを導入しただけで終わらず、使いこなせるようになるためには、組織全体で取り組むことが大切です。SFAの導入前に、システムを浸透させる環境や体制づくりにも目を向けましょう。
「使って当然」という環境を作る
「SFAを導入したのはいいけれど、現場になかなか定着しない…」というのは、よくある悩みです。
解決するための効果的な方法のひとつが、トップダウン型のプッシュです。経営陣から指示を出したり、SFAベースでのワークフローに移行したりすれば、否応なくSFAを使うように誘導できるでしょう。加えて、SFAを積極的に使いこなすメンバーにインセンティブを与えると、さらなる効果を期待できます。
「これだけメリットが多いSFAなのだから、使うのは当然だ」と実感として理解できる状況を生み出せると、SFA活用が進むでしょう。
スモールスタートを切るのもよい方法
SFAの導入は、企業に大きな変革をもたらす可能性を秘めているだけに、一気に全社へ移行するのは難しい一面もあります。まずは、6〜7名程度のチーム単位でスモールスタートを切り、その効果を見るのも方法のひとつです。
SFAの導入には、その運用や活用について予測できない障害が発生することもあります。最小単位で導入し、効果や障害・不具合などの発生状況をチェックしたうえで、徐々に社内全体へと普及させるとよいでしょう。
SFAを選ぶときのポイント
SFAを導入する際は、次の8つのポイントを押さえて製品を選ぶことが大切です。
- クラウドサービスであること
- 使い勝手がよいこと
- 必要十分な機能と拡張性があること
- カスタマイズが簡単であること
- 万全のサポートが用意されていること
- ユーザーコミュニティが活発であること
- セキュリティが万全であること
- 常に進化し続けていること
よりよいSFAを導入し、営業活動の効率化を促進しましょう。
クラウドサービスであること
SFAには、その提供形態によってオンプレミス(自社構築)、パッケージ、クラウドといった種類があります。
クラウドは初期の導入コストが安く、スモールスタートを切るのに適しています。サーバーメンテナンスの必要がないうえに、社内PCのリプレースも影響なく行える点が強みです。
さらに大きな利点として、外出の多い営業担当者が外出先から操作できる点が挙げられます。もし自社に合わない場合も、契約解除すればそれ以上のコストがかかりません。
使い勝手が良いこと
SFA の使い勝手が悪いと、毎日使うこと自体がストレスになりかねません。
使い勝手のよいSFAツールを選ぶには、選定段階でいくつかの製品に絞り込み、デモ版を使ってみるのがオススメです。まずは導入予定のチームで試し、操作性や画面の見やすさ、アクセスの容易さなどを評価・検討しましょう。
必要十分な機能と拡張性があること
SFAは、基本的機能こそどの製品も充実していますが、拡張性は千差万別です。「他の部門のシステムと連携したい」「将来的には社内の基幹システムとして活用したい」といった要望に応えられるかどうか、製品を選ぶ際にチェックしましょう。
導入前にそこまでの見通しが立てられなくても、将来的に事業が拡大し、SFAを主軸のシステムとして使い続けることを考えると、拡張性のある製品を選ぶのが無難です。
カスタマイズが簡単であること
SFAはどのような企業にもフィットするよう、機能の面である程度の幅を持たせた仕様になっています。しかし、企業によっては特殊なビジネスモデルを採用しているケースがあるため、目的や用途に応じてカスタマイズが必要になることもあります。
SFAそのものがプラットフォームとして機能し、必要な機能を組み合わせて使えるといった自由度の高さがあると、さまざまな状況に対応できるはずです。
万全のサポートが用意されていること
SFAは、企業の基幹システムとしても活用できます。基幹システムとして導入する際は、万が一のときに万全のサポートを受けられるかは重要なポイントです。
導入時や運用が定着するまでは、大小さまざまな問題やトラブルが起こりやすいものです。困ったときに的確なアドバイスやフォローを受けられると、安心して使い続けることが可能です。
SFAは「導入して終わり」ではありません。むしろ、導入後の定着と運用が大切です。長く使い続けるためには、サポート体制がしっかりしているベンダーを選ぶことが大切です。
ユーザーコミュニティが活発であること
製品によっては、SFAのユーザーがコミュニティを形成し、自主的なセミナーの開催や意見交換などを活発に行っているケースがあります。こうしたコミュニティでは、ユーザー目線のコメントを多々チェックできるため、ベンダーのサポートとはまた違う心強さがあります。また、貴重なナレッジや運用のヒントを得られることも魅力です。
ユーザーコミュニティが活発に活動しているのは、それだけ多くの導入事例や成功事例がある証拠です。さらに「もっと使いこなそう」という熱意をもった、アクティブなユーザーが多いことも示しています。製品のユーザーコミュニティの活発度合いは、製品の信頼性を測るうえでも、大いに参考にできます。
セキュリティが万全であること
SFAには、顧客情報が集積されるので、万全のセキュリティが必須です。したがって、製品の選定においては、どれほどのセキュリティ対策をとっているかを確認する必要があります。
金融機関や政府系機関など、最高レベルのセキュリティを要求される組織への導入実績を見ると、製品のセキュリティレベルを推し量ることが可能です。
常に進化し続けていること
市場は、常に動き続けており、なかでもSFAをはじめとするデジタルツールの世界は、日々新たなテクノロジーが誕生し、高速で進化し続けている分野です。したがって、ベンダーにとっては、最新の技術や概念、ユーザーからの意見をくみ取り、適切な形でブラッシュアップを重ねていく姿勢が必要です。
ブラッシュアップを重ねている姿勢が見えるベンダーの製品であれば、安心して使い続けられるはずです。
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SFAの活用事例
SFAの活用事例を4つ紹介します。
- 事例1 古い体質を抜け出し、抜本的な営業改革を推進
- 事例2 積極的にツールを活用、集客数3倍以上、商談数は4倍以上に!
- 事例3 業務の効率化・高速化で、収益構造を変革
- 事例4 在宅中でも、出社時と同じ「抜け漏れゼロ」の業務を実現
それぞれの事例をもとに、SFA導入のイメージを深めてみてください。
事例1 古い体質を抜け出し、抜本的な営業改革を推進
1912年創業の株式会社荏原製作所。しかし、その長い歴史ゆえに、営業部門には古い体質も残っていました。やがて、「拠点の数だけ営業スタイルがある」という状態になってしまい、抜本的な業務改革の一環として「Salesforce」の導入に至ります。
最初に行ったのは業務の可視化。すると、営業担当者が1日1時間程度しか、営業活動に時間を割けていないという驚きの事実が明らかになりました。そこで、書類作成などのノンコア業務を全国で数か所に集約し、担当者がコア業務に専念できる環境を整備。拠点ごとにバラバラだった営業業務を分析し、高スキルの営業スタイルとして標準化しました。
また、過去のメンテナンス履歴を分析し、必要なタイミングで必要なサービスを提案できる体制も構築。現在では理想の体制を目指し、営業に関する多くのプロセスの標準化にあたっています。
事例2 積極的にツールを活用、集客数3倍以上、商談数は4倍以上に!
事例3 業務の効率化・高速化で、収益構造を変革
電子部品用の研磨材市場において、世界トップのシェアを誇るMipox株式会社。ところが、2005年の売上高110億円、営業利益13億円をピークに低迷を続け、2009年には売上高30億円・営業利益マイナス13億円にまで落ち込んでしまいます。その原因は、高いシェアと知名度から来る「受け身の営業」でした。顧客とのコンタクトが少ないうえ、社内での情報共有体制も貧弱なままだったのです。
そこで「Salesforce」を導入しました。まず、すべてのデータを「Salesforce」上に統合し、時間ばかりかかる会議や週報・月報を撤廃しました。営業業務が一気に効率化し、顧客とのコンタクト回数も増加。商談数・成約数ともに大きな伸びを見せました。
情報共有化を加速するため、社内コミュニケーションをメールからSNSへ移行。その結果、稟議決裁の平均日数が0.4日という、驚異的なスピードを実現したのです。収益構造を改革し、13億円の赤字から5億円の黒字へと回復を果たしています。
事例4 在宅中でも、出社時と同じ「抜け漏れゼロ」の業務を実現
一般的に士業は属人性が強く、業務の標準化や効率化が難しいとされています。しかし、職員の能力差や経験差を放置していては、サービスの品質にばらつきが出てしまいます。さらに、職員の退職によるノウハウの逸失は、大きな経営課題です。そこで、税理士法人耕夢 塩尻公認会計士事務所では、「Sales Cloud」の導入に踏み切りました。
導入によって、まず業務の進捗・工数管理が容易になりました。自動生成されるチェックリストに沿って作業するだけで、漏れなく業務を完了できます。もうひとつの成果は、事業全体が可視化されることで、マネージャーが職員へ必要なアドバイスを与えたり、業務量を調整したりすることが可能になったことです。
この変化は、職員の柔軟な働き方の実現にも役立っています。家庭や子育てと仕事の両立は、女性職員にとって難しいことですが、「Sales Cloud」によって在宅でも出社時と同クオリティの業務を可能にしたのです。効率化だけでなく、働き方の改革まで実現できました。
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SalesforceのSFAが選ばれる理由
株式会社TSUIDEが行った調査によると、SFA/CRMツールを導入した企業のうち、48.4%がSalesforceを選んでいることがわかっています。Salesforceの製品が選ばれる理由には、次の4つがあります。
- カスタマイズ性が高く自社に合った使い方ができる
- AI搭載で業務を最大限効率化できる
- お客様のビジネスやニーズに最適なサポート、ガイダンス、専門知識の提供を受けられる
- CRM機能も有している
Salesforceと他社製品を比較し、自社に合ったものを選ぶ際の参考にしてみてください。
カスタマイズ性が高く自社に合った使い方ができる
SalesforceのSFA「Sales Cloud」は、入力項目やページレイアウトを自由にカスタマイズできるので、自社に合った入力画面を作成できます。
細かな設定をせずに使えるテンプレートが充実しているので、使い慣れないうちはテンプレートをベースにするとよいでしょう。使っていくなかで自社に合った項目やレイアウトがわかってくるはずです。
少しずつカスタマイズすることで、使いやすいツールへと進化させることが可能です。
AI搭載で業務を最大限効率化できる
セールス向けAIは、蓄積されたデータを学習したAIから営業機会予測やプロダクトの提案を受けられます。適切なタイミングで提案してくれるため、行動の機会を逃さず営業活動を勧められるのが魅力です。
たとえば、データ分析によって商談につながる可能性が高い見込み顧客や商談を予測します。Sales Cloudの予測をもとに、スピーディーに見込み顧客へのアプローチへ移ることが可能です。AIによる提案が、商談の成約率を高めます。
お客様のビジネスやニーズに最適なサポート、ガイダンス、専門知識の提供を受けられる
SalesforceのSFAを使いこなすために、お客様のニーズに合った最適なサポートを受けられるのも魅力です。
Sales Cloudには、お客様のニーズに合わせて以下の3つのSuccess Planをご用意しています。
Success Plan |
サポートの概要 |
Standard | お客様ご自身で、すぐに利用できるセルフサービス型のリソースを使って自分のペースで学習できます。自発的に学ぶのに最適な環境が用意されています。 - Trailblazerのグローバルコミュニティからベストプラクティスを習得 - オンデマンドリソースでチームをスキルアップ |
Premier | Standard Success Planの内容に加えて、お客様のビジネス成果に合わせてSalesforceのエキスパートから得られるガイダンスを活用して目標をより迅速に達成できます。 - Salesforceエキスパートによる個別のコーチングプログラムでチームを強化 - パーソナライズされたアセスメントとビジネス価値レビューからアクションにつながるインサイトを獲得 - 24時間365日対応のサポートに迅速にアクセスしてビジネスの中断を最小化 |
Signature | アクティブでパーソナライズされたSalesforceの専門知識を活用して、Salesforceソリューションを最適化できます。ビジネスを最大のパフォーマンスで行うために必要な安心が手に入れられます。 - 担当テクニカルアカウントマネージャーと最も緊密なレベルで連携 - お客様に合わせたデータ主導型のインサイトと技術的なヘルスレビューの提供により、長期的な成功を実現 - Proactive Monitoringと主要イベント管理(祝祭日イベント支援など)によってビジネス中断を防止 - 技術力の高いサポートエンジニアが最短の応答時間で対応(24時間365日対応) |
CRM機能も有している
Sales Cloud Engagementなら、CRM機能も有しており、顧客情報の管理も行えます。見積書や請求書の作成や発行もでき、事務作業を効率化できます。さらに、蓄積されたデータを自動分析し、成約率がもっとも高そうな見込み顧客と要因を提案してくれるため、顧客分析にかかる時間も削減可能です。
顧客情報と営業活動の管理を一体化することで、営業部門全体の効率化を実現します。
まとめ:SFAの定着で営業効果を最大化できる
SFAは、営業活動を効率化する営業支援システムです。従来の日報や週報といった事務作業を簡略化するとともに、営業活動の進捗やプロセスを可視化します。さらに、営業部門ではとくに属人化されがちなノウハウやナレッジも共有できるようになり、担当者のスキルやレベルを標準化可能です。
SFAは導入後に定着させるところまで注力しなければ、効果を最大化できません。不慣れなツールを定着化させるには、手厚いサポートのある製品を選ぶことが大切です。
SalesforceのSFAツール「Sales Cloud」では、お客様のビジネスやニーズに合った最適なサポートを用意しています。複数の関連製品から、よりお客様お客さまに合ったツールをご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。
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