

アフラック生命保険株式会社(以下、アフラック)は、1974年に日本初のがん保険を発売して以来、医療保険やがん保険の分野でトップクラスのシェアを誇る外資系生命保険会社です。“生きるための保険”をテーマに、安心と信頼を届ける保険商品を幅広く提供しています。長年にわたり、がん保険や医療保険など“もしも”に備えるための商品開発に注力し、日本市場に深く根ざしたサービスを展開していることが特徴です。
深刻化する労働力不足におけるAIエージェントの必要性
日本では少子高齢化などの影響により労働力不足が年々深刻化しており、保険業界もその例外ではありません。多様化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応する一方、業務プロセスの効率化や標準化を進めて限られた人材を有効活用することが急務となっています。アフラックの二見 通 取締役専務執行役員 CTO1・CDIO2(以下、二見CTO)は「保険商品のバリエーションが増えるほど、商品設計や販売、アフターサービスなどの専門知識が必要になります。少人数のチームでそれら全てに対応するのは至難の業です。AIエージェントを活用して業務プロセスを大幅に効率化し、一人ひとりが高い付加価値を生み出す業務に専念できるようにしたい」と述べ、人手不足対策としてのAIエージェント導入の重要性を強調しています。
*1 チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー
*2 チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー
Salesforceプラットフォームと融合したAgentforce
アフラックでは既に顧客ポータルサイト、代理店募集人向けポータル、コンタクトセンター、マーケティングなど、あらゆる業務領域でSalesforceを活用しています。二見CTOは「すでに社内基幹業務の多くをSalesforceで運用していましたから、Agentforceの組み込みも自然でした。まさに“すぐに使えて、全て連携できる”という点が決め手でした」と述べ、新たに「Agentforce」を導入した際にも既存プラットフォームとの連携がスムーズに進んだといいます。さらに、エンタープライズ向けの厳しいセキュリティ要件もSalesforceプラットフォーム側で担保されており、企業データは企業の管理下に、AIエンジン部分はSalesforce側に置くという分離構成を実現しています。
Agentforce x Data CloudによるAI活用の深化
Agentforceの大きな利点の一つは、Marketing CloudやService Cloudなどのサービスだけでなく、Data Cloudとも組み合わせて活用できる点にあります。アフラックが保有する膨大な顧客データと社外の関連データを集約し、Agentforceがリアルタイムに最適な判断や提案を行う仕組みを支えています。二見CTOは「当社にとってAI活用のカギはデータです。AgentforceとData Cloudを組み合わせることで、これまで蓄積してきた保険契約や顧客情報などを横断的に分析し、最適な提案ができる見通しが立ちました」と述べ、AI×データ連携の重要性を強調しています。
AI活用成功の鍵は人
システム導入後の使いこなし方や活用ノウハウなど、単なるツール提供を超えたサポートを得られることもアフラックにとって大きなメリットです。二見CTOは「Salesforceのプロダクトを熟知したうえで、企業視点に立ったコンサルティングをしてくれることは、コストとROIをきちんと結びつける意味でもありがたいですね」と述べ、Salesforceのカスタマーサクセスチーム(CSG)が組織変革やDX推進を伴走支援してくれる点を高く評価しています。
Agentforceは、特別な人だけが使うツールではなく、社員・代理店募集人全員の“相棒”として常にそばにある存在になるでしょう。新人でもベテランでも、同じレベルで顧客に最適な提案ができますし、多様化するニーズに合わせて自動化・高度化された保険プランを示せるようになります。
二見 通 氏取締役専務執行役員・CTO・CDIO, アフラック生命保険株式会社
Agentforceは特別な人だけが使うツールではなく、社員・代理店募集人全員の“相棒”として機能し、新人でもベテランでも同等のレベルで顧客に最適な提案が可能になると、二見CTOは語っています。多様化するニーズに合わせて、自動化・高度化された保険プランを提示することで、労働力不足の課題解消につながる点も大きな特徴です。また、既存プラットフォームとのシームレスな連携や高いセキュリティを誇るSalesforceを活用することで、膨大な契約・顧客データをData Cloudで分析し、リアルタイムに高度な提案の早期実現を目指しています。導入後はカスタマーサクセスチームが組織変革を伴走し、コストとROIを結びつけやすい環境を整備。さらに、チャットだけでなく音声領域への拡張や、AI同士が連携して新たなユーザー体験を生み出す取り組みも進められています。二見CTOは「新人でもベテラン並みに適切な提案ができる。会話をシームレスにデータ化し、瞬時に保険プランを提示する」可能性を強調し、Agentforceがもたらす保険ビジネスの変革に大きな期待を寄せています。