ボンバルディア社

AIとデータの活用で生産性の向上とリード評価の効率化を実現したボンバルディア社

ボンバルディア社の営業チームがリアルタイムのインサイトでリード評価と売上アップをどのように加速しているのかご覧ください。

 

ボンバルディア社は、Salesforceと連携することで、分断したデータを統合し、AIを営業サイクルに組み込みました。その結果、リアルタイムのインサイト取得とリードの優先順位付けが可能になり、高級ジェット機市場で売上アップを達成し、パーソナライズされたカスタマーエンゲージメントを強化しています。

ボンバルディア社について

ボンバルディア社は、カナダのモントリオールを拠点とする大手ビジネスジェット機メーカーです。世界中の個人、法人、政府向けの高級プライベートジェット機の設計、製造、整備を手がけています。

ボンバルディア社が抱えていた課題

データの分散で販売サイクル速度が低下

プライベートジェット機販売というリスクの高い業界では、パーソナライズされた高級な体験の構築が鍵になります。しかし、ボンバルディア社はレガシーシステムとデータの分散化という課題を抱えており、クライアントの購入時期の見極めが困難になっていました。

このビジネスではタイミングが重要です。販売サイクルはわずか72時間での成約から、15年以上かかるケースまで、一様ではありません。こうした販売サイクルには、クライアントとの関係、経済状況、政治的な情勢、個人的な好みなどが影響します。米国セールス担当VPのFrank Vento氏が述べているように「販売サイクルはクライアント次第です。クライアントとの関係やタイミングにより大きく異なります」。

新たな買い手を獲得するために、同社はこうした複雑で多面的な販売サイクルを管理できる先を見越した戦略を必要としていました。

50人体制の営業チームは、他の部署とともに、多くの異なる情報源からデータを収集する必要がありました。その範囲は、航空機の詳細、イベントへの参加状況、フライト記録、ミッションプロファイル、企業特性、資産データ、競合他社の情報など、多岐にわたります。時間をかけてこうしたすべてのデータをまとめることで、営業ディレクターは各リードのニーズと関心を明確に把握し、現在の機体に対する満足度、競合他社の機体への関心、高級機体のイベントやショーへの参加状況などの要素を考慮し、購入の可能性を正確に判断します。

以前は、こうしたデータをまとめて有望な見込み客を見極めるために、広範囲に及ぶ手作業が必要でした。この膨大な作業を進める中で情報が古くなることも多々あり、作業の遅れが生じて営業機会を失うケースもありました。最新のクライアントデータや市場の状態を把握できないため、営業担当者が重点的に取り組むべきリードを見極めるのが困難になっていました。

Salesforceがどのように役だったか

顧客データの一元化で、営業担当者は広い視野を獲得

ボンバルディア社はSalesforceと協力し、統合された顧客データプラットフォームを構築しました。Salesforce Professional Serviceを利用し、Data Cloud、MuleSoft、CRMアナリティクス、AIをボンバルディアの社内データと統合する専用のシステムを設計しました。

新しいシステムは、Data Cloudを使用し、ボンバルディア社のすべての顧客情報をリアルタイムプロファイルとして集約します。営業ディレクターは富裕層の個人や私企業から株式公開企業や政府機関に至るまで、すべての顧客やリードの全体像を把握できるようになりました。この包括的なインサイトを得た上で、一般公開されている資産情報、IPOや合併などの主な財務イベントといった要素にもとづいて、購入準備が整っている見込み客をすばやく特定し、営業活動に集中できます。さらに、こうした詳細な情報で補強することで、営業チームはより有意義なセールストークを展開できます。

Einstein リードスコアリングをボンバルディア社の営業プロセスに組み込むことで、主な購入シグナルやエンゲージメント指標にもとづいて、リードの優先度を自動的に判定できます。システムはクライアントのフライト習慣などの具体的なデータポイントを分析し、購入への関心を正確に測定します。その結果、営業ディレクターはもっとも有望な商談に専念できるようになり、成約率と収益の大幅な向上を達成しました。

MuleSoftを利用することで、Sales Cloudの顧客データをジェット機保有状況や財務データなどの市場情報を統合し、優先度の高い顧客に関する詳細なインサイトを得ることができるようになりました。営業チームは主な購入シグナルを把握し、世界の富裕層に影響するグローバルなトレンドへの理解を深めることができます。

導入以前、営業リーダーはミーティングや営業ディレクターからの報告から各リードの現状を把握していました。今後は、Sales Cloudが出力するリアルタイムのダッシュボードで各リードの全体像を捉えることができます。営業ディレクターは、クライアントと再び面談すべき重要な日付の自動通知を受け取り、ロイヤルティを育成して、アップセルの機会を開拓できます。

 

今後の見通し:AIが営業ディレクターによるパーソナライズのレベルアップを支援

プライベートジェット機を買い求める‌顧客は、一人一人が異なる、高度にパーソナライズされた購入体験を期待します。ボンバルディア社では、Einstein AIを営業サイクルに統合することで、このパーソナライズ面を強化し、営業ディレクターが各顧客の具体的なニーズを把握できるようにする予定です。たとえば、イベントリマインダーの送信、商談の更新、次のステップの要約などのタスクをEinsteinに任せることで、営業ディレクターはもっとも重要な責務に集中できるようになります。

Einsteinは、音声からテキストを抽出する営業アシスタントを使用し、セールストークからレコードを自動的に更新することで、データ入力などのタスクも合理化します。このツールにより、営業ディレクターは顧客とのやり取りの詳細な履歴を一元化し、より魅力的で一貫した今後の体験に活かすことができます。

Agentforceプロンプトビルダーなどの生成AIを営業ワークフローに組み込むことで、やり取りのデータを分析して独自のレコメンデーションを提案できます。たとえば、顧客がイベントでモントリオールにいる場合、AIによって顧客のエグゼクティブアシスタントに連絡し、ボンバルディア社の本社を訪問するように促すことができます。このData Cloudからのリアルタイムのガイダンスにより、関連性が深くタイムリーなレコメンデーションを提示できます。

ルーティン業務については、AIがSalesforce、SAP、Databricksなど、さまざまなシステムから統合したデータを使って自動化します。営業チームはCRMの更新などの管理業務から解放され、見込み客との関係構築に割く時間を増やすことができます。また、AIは、パーソナライズされた営業メールの作成や音声ベースの営業ツールにより、営業担当者を強力にサポートし、業務効率化にも貢献します。

 
“お客様との関係は、私たちのビジネスの鍵であり、成功を収めるための最優先事項です。(お客様の)全体像を把握することで、より良い対応を実践し、取りまとめることができます。お客様とやり取りする際は、いつも心を込めた応対ができるのです。”

Frank Vento氏

営業担当Vice President、ボンバルディア社

他社にはないSalesforceの価値

AIから最高の成果を引き出すには、信頼できるデータが欠かせません。ボンバルディア社ではEinstein 1を使用することにより、公開されている市場データや顧客データなど、多くのデータ情報源を集約して最高の成果を得ています。AIがあらゆるアプリケーションに組み込まれているため、営業ディレクターはツールをその都度切り替えなくてもAIを活用できます。リードの選別が自動化され、顧客のジェット機購入準備が整うタイミングが担当者に通知されるため、営業サイクルが加速します。担当者は、それぞれの顧客のリアルタイムの全体像を把握できるようになり、新たな関係を築き、上質な顧客体験の新たな基準を確立できます。
※ 本事例は2024年時点の情報です
 

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