コラボレーションを推進して活気のある社風を醸成したIBM
次の100年の働き方を大きく変えるためにIBMが導入したチャンネルベースコミュニケーションをご紹介します。
IBMのような大企業では、仕事の流れそのものが、従業員の生産性からパートナーとの関係、顧客体験まで、あらゆるものに影響を及ぼします。しかし、IBMはこのような大きな変革には慣れています。1911年に設立されたIBMは、情報化時代のパイオニアとしての役割を担い、新しい機械やプロセスを開発によって企業のシステム(や暮らし)の利便性を高めてきました。
今日、同社は世界中に数十万にも及ぶ従業員や顧客を持つまでに成長し、クラウド、SaaS、グローバルビジネス、テクノロジーサービスに加え、同社の主要なAIソリューションであるIBM Watsonによってさらなる飛躍を遂げようとしています。そして、IBMのマシンが機能するためには、完璧なサービスと真のコネクテッドエクスペリエンスが不可欠です。
IBMに30年間勤務し、Watson、Hybrid Cloud、情報管理、コグニティブソフトウェアなどでの役職を歴任したArvind Krishna氏は、2020年度の初め、未来の働き方に変化が訪れ、従業員と顧客のサポートが求められた重要な時期に、会長兼CEOに就任しました。
そして単一の統合プラットフォーム、Salesforce Customer 360を導入し、チャンネルベースのコミュニケーションと迅速な意思決定をついに実現しました。また、Salesforceのグローバル戦略パートナー、そして世界最大のSlackカスタマーとして、IBMは、ビジネスと働き方に変革をもたらすことで、再び業界を牽引しています。Krishna氏とIBMの全従業員が、Salesforceで従業員のワークフロー、サービス、営業をどのように変革しているかを見てみましょう。
目次
1.チャンネルベースのコミュニケーションで、社内外の業務を加速する。
世界最大のテクノロジー企業の一つであるIBMは、170のグローバルオフィスに38万人を超える従業員を抱えています。すべての従業員同士のつながりを維持するため、IBMはSlackをいち早く導入し、2016年に70人のエンジニアに限定して利用を開始しました。そのわずか2年後には、10万人以上の従業員がこのアプリを使用するようになりました。
Slackにより、社内の働き方が大きく変わりました。コミュニケーションとビジネスが加速し、社内の告知メールも過去のものになりました。CEOとしての初日、Krishna氏が始めに行ったことは、Slack上で380,000人の従業員全員にメッセージを送信したことでした。また、透明性とトップダウンからの意思疎通をさらに向上させるため、同氏は経営幹部によるQ&Aセッションや「Ask Me Anything」コミュニティ(AMA)(英語)を実施し、従業員が自らや他のIBMリーダーと交流できる場を設けました。
従業員が米国や世界での社会的不公正に関連してつながり、問題を議論し、理解したいと考えるようになる中、従業員同士のつながりを維持することの重要性は、過去1年間でさらに増しています。Slackは、従業員が同じ考えを持つ個人や仲間を見つけ、フォーラムでの会話を通じて、お互いの意見から学んだり、取るべきアクションを決定したりするのに役立っています。
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2.好みのサービスチャンネルを顧客が選べるようにする。
IBMは、10のビジネスユニットでサービス部門の変革を行い、一貫性のない体験を、すばらしいカスタマーサービスとセルフサービスへと変えることができました。顧客は、IBMサポートコミュニティ、ライブチャット、メール、電話、またはWatsonチャットボットなど、好みのチャンネルを選んで利用することができます。急を要する重大な問題では、Slackを使用することができます。
たとえば、大規模なグローバルブランドのシステムがダウンした場合、複数の製品エリアにわたるIBMの各チームが集まり、問題に容易に対処できます。Slackを使用することで、サポート担当者は、別のチームに転送するのではなく、他のチームメンバーを招待して、問い合わせに対するエンドツーエンドのコラボレーション、リアルタイムでの会話、問題の診断、および迅速な解決を行うことができます。さらに、IBMは、Service Cloud、ディスパッチ、フィールドサービスなどの、新人のサービス担当者のオンボーディングや研修のためのハイパーケアSlackチャンネルを作成し、リアルタイムで質問をしたり問題解決をしたりできる場を設けています。
また、チャットボットやカスタマーサポートコミュニティなどのセルフサービスオプションにより、顧客が自分で回答を探せるようになっています。各コミュニティでは、ボットやコミュニティフォーラムなどのデジタルチャンネルを通じて、顧客がケースをオープンしたりステータスを確認したりできます。さらに、Salesforce EinsteinとIBM Watsonのインテリジェンスの組み合わせにより、顧客はより迅速に、より正確な回答を受け取ることができ、ケース分類のブレを支援する便利なリソースにアクセスすることができます。Krishna氏は、セルフサービスオプションが、最終的には顧客、チーム、パートナーの体験の中でさらに浸透していくと確信しています。
「消費者として、私たちは好きな時に、好きな方法でやり取りしたいと考えます」と、Krishna氏は述べます。「そして、自分に関係のあるデータを振り分けてもらうことを期待しています」
さらなる機能とセルフサービスイノベーションを実現するため、IBMはAppExchange ISVパートナー、Copadoとの統合を行いました。Copadoは自動開発機能を持っており、サービス部門や営業部門、製品部門が連携している社内だけでなく、社外の顧客に対してもダウンタイムを防止します。これらの自動化されたアクティビティにより、IBMの製品チームは人による作業を最終的に削減でき、より高品質かつスピーディな生産が可能になります。また、顧客にアップデートを待たせることなく、カスタマーコミュニティに新しいフロントエンド機能を即座に公開することができます。同時に、Copadoによりこのプロセスを円滑かつ効果的にすることができます。
3.首尾一貫した営業体験で営業速度を向上させる。
顧客の声に直接耳を傾けることは、サービスと営業のどちらにとっても重要なことです。Slackを使用すれば、営業担当者は社内外とコミュニケーションをとることができ、顧客の声を直接聞くことで商談サイクルを加速できます。
「顧客の内側でリアルタイムに起こっている、微妙な雰囲気を把握することが重要なのです」と、グローバルマーケットセールスのバイスプレジデント、Jennifer Kady氏は述べます。「Slackを使用することで、これが可能になります。担当の導入チームと話すときも、当社のプラットフォームを利用しているエンドユーザーと協力するときも、これらの会話を細分化することができます。Slackプラットフォームなら、これを安全に行うことができるのです。"
さらに、Customer 360を使用すると、営業担当者は、Slackと営業データの連携が可能です。顧客のアイデアを聞き取り、必要な人材や情報にアクセスして、IBMがクライアントをどのように支援できるかを議論し、前進に向かって次の行動に移すためのソリューションを構築することができるのです。
また、一元的なビューでチームをまとめることで、営業の速度と意思決定能力を加速することもできます。以前は、IBMの営業プロセスの多くが、スプレッドシートやプレゼンテーションなど、プラットフォームの外で行われていました。関連項目がサイロ化されていることで、営業担当者がどの数字が正しいのか確信が持てず、取引先全体の予測をする際に混乱が発生していました。現在では、コミュニティベースのコラボレーションのために組み込みのテンプレートを使用して、チームが足並みを揃えることができ、アカウントプランニングなどのビジネスプロセスを拡大できるようになりました。さらに、AIを活用することで、IBMは営業プロセスを自動化し、取引先のビジネスの予測を向上させることができるようになりました。
「営業担当者が、変革のための多くのトレーニングや人材育成に対応する必要がなくなりました」と、Kady氏は述べます。「このプラットフォームにアクセスすれば、初期のダッシュボードからでも相当の情報を収集することができるのです」。