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シンガポール経済産業省が最新のデジタルG2Bエンゲージメントプラットフォームを構築
シンガポール経済産業省、企業と政府をクラウド上で接続
シンガポール経済産業省(MTI)は、ターゲットプランと大規模な展開、業界全体の目標と実用的な戦略、政府全体のアプローチと機関独自の優先事項を実現するためのバランスを見いだしました。同省はコラボレーションに適したデジタルプラットフォームを通じてこれを実現しましたが、下記のような課題に取り組むすべての部門、機関、省庁の見本としての役割も果たしています。
民間企業等の外部組織と、公共機関内の連携を強化し、ユーザー体験を向上
より効果的、的確且つタイムリーな企業支援を実現するため、様々な公共機関に分散する幅広い分野の専門性を活用(あらゆる分野の専門家に付け焼刃の知識なるのではなく)デジタルソリューションを推進・成長させるべく、データと情報を単一のプラットフォームとソースにまとめ、機能を再利用することで、業務基盤を構築
「行政と企業の関係を強化することは、シンガポールの競争力を維持する上で非常に重要です。だからこそ、このチームがここで成し遂げたことは重要なのです。効果的かつ効率的に、企業へのタイムリーな支援が可能になります」と、シンガポール経済産業省、Ministry Family CIOのSharon Ng氏は述べます。
MTIのミッションは、経済成長を促進し、魅力的な仕事を創出し、シンガポール国民の生活の質の向上を実現することです。法定機関と協力し、シンガポール経済の競争力を維持し、投資を呼び込み、グローバルなシンガポール企業の強い土台を育成します。
同省は、シンガポールのスマートネーション構想を支援する役割も担っています。この構想は、先端技術を取り入れ、同国をデジタルでつながった社会に変革することが目的です。テクノロジー、データ、イノベーションを活用することで経済成長を促進し、行政機関と企業の変革を実現します。
「私たちはデジタルリーダーシップの育成を重視し、いつでも動ける組織を構築し、強力で革新的な文化を培い、シンガポールのスマートネーション構想を支えています」シンガポール貿易産業省Ministry Family CIOのSharon Ng氏は言います。
MTI、公共機関が抱える共通課題を行動を促すアクションに変換
MTIは多様で多彩な行政機関です。経済産業省の管轄下には9つの法定機関と1つの部局で構成されています。MTIの業務が多岐にわたるため、経済に重大な影響をもたらしています。つまりNg氏とチームにとって、業務遂行に重大な責任を負っていることを意味します。
「政府調達には、スキルが必要です」Ng氏は説明します。「大規模な取り組みの場合、複数機関横断ですり合わせ、リソースを出し合うことは、各機関独自調達よりも、複雑なプロセスになりがちです」
その結果、作業や投資の重複、そしてデータの重複(多くの場合、非構造化データ)が発生し、多くの領域で機会損失を招くこととなります。
スピード | AIが一夜にしてあらゆる業界を作り替えようとしていると言っていいでしょう。プロセスやオペレーションのデジタル化が当たり前になったポストデジタル時代の今、我々はついに、統計に基づいたリコメンドを出すのに十分なデータを獲得できるようになったからです。情報の保存方式に一貫性のない組織は、AIが必要なデータ量を捻出するのに時間がかかってしまい、当然、その後の調達と導入プロセスにも、さらに時間を要します
規模 | 異なるプラットフォームで運用している組織は、お互いのインサイト、ベストプラクティス、相乗効果などを活用するのは難しくなります。こうした事態を裏付けるのは次のような例です。顧客が問い合わせや問題解決をするのに、複数の連絡先に電話をしている場合。それらの回答や解決策が似たようなガバナンスやコンプライアンス要件にも関わらず、それらを見つけるプロセスやワークフローが大きく異なっている場合。手作業でのデータアップロードやレポート作成など、職員が事務作業に時間を費やしている場合
持続可能性 | あるシステムにアプリケーションや機能強化を行った場合、多くの場合はレガシーシステム全体で再構築、再テスト、再デプロイが必要になる
「我々はMTIの垣根を越えた横断チームを発足させてアイディアを出し合い、政府と民間企業間のビジネス体験を変革するために、何が役立つのか検討しました。その結果、チームはプラットフォームアプローチを採用し、政府全体で活用できる拡張性の高いソリューションを設計しました」Ng氏は続けます。
部門横断型G2Bプラットフォームを導入
Ng氏とチームは、BizEngageという、政府と企業間のエンゲージメントプラットフォームを公共機関向けSalesforce Customer 360上に立ち上げました。これにより、MTIはチーム、データ、専門領域を統合し、「一度聞けば解決」できるコラボレーションの場を提供しました。
その仕組みをご紹介します。
- 問い合わせ受付 | 企業または一般市民がサポート(機関のポリシーや計画についての問い合わせ)を必要とする場合、Service Cloud上に構築されたBizEngageに問い合わせをします。
- エンゲージメント | 問い合わせのクエリがシステムに取り込まれると、カスタマーサービス担当者は、適切な回答を提供するためのベストプラクティスのナレッジ記事を調査・参照しながら解決できます。こうした情報は、一元化されたナレッジリポジトリに保存され、効果的なカスタマーサービス実現に役立ちます。
- サービスデリバリー | フォローアップが必要な質問やサポート対応がある場合、ケースが割り当てられたチームにプッシュ通知が送信されます。担当チームは、Chatterを使用して対応します。BizEngage環境を離れることなく、Salesforce Connectを介して、その他のリアルタイム情報にアクセスすることも可能です。
- 分析 | CRM Analytics上に構築されたレポートとダッシュボードにより、チームは提供したサービスに関するレポートを作成し、パターンを可視化し、トレンドを発見し、要因を特定します。さらに、シンガポール経済を動かす企業に大きな影響を与えるサービスについて、データに基づくインサイトを提供します。
- AI | Einsteinでこのデータ駆動型戦略をさらに拡張し、過去の結果にもとづいて、予測やケースレコメンドを行うことができます。たとえば以前同様のケースが一般市民や企業によって送信された場合、Einsteinはそのケースをレコメンデーションとして提供します。
- プラットフォームレベルのサービス | フィードバック管理は、で、すべてのタッチポイントから調査データを収集することで、MTIが顧客体験を微調整するのに役立ちます。その改善に新しい機能やアプリが必要な場合、チームはSandbox内でそれらをテストしてから、本番組織で展開することが可能です。Data Maskはこのテスト環境に新たなセキュリティ階層追加し、Security CenterとShieldは本番環境全体で、ガバナンス、プラットフォーム暗号化、イベント監視、二要素認証機能などを提供します。
- 「私たちのチームは、3週間でPoCを実施し、その90日後にBizEngageを本稼働させました。時間を無駄にすることなく、重要なマイルストーンととビジネス上の問題解決に集中しました」と、Ng氏は振り返ります。
日常レベルから広範囲な影響をもたらすBizEngage
Ng氏とチームが経済産業省の関連機関を統合するためにとった戦略は、政府全体のアプローチになりました。「俊敏性に富み、つながりある未来に向けたビジョンにリーダーも巻き込むことで、政府全体の進化を目指すデジタル変革の一体化を図っています」と、Ng氏は付け加えました。
その他の成果は以下のとおりです。
- Business Engagementのユーザー導入率が65%増加
- リード/イベントおよびケース管理の採用率が80%増加
- 生産性が31%向上
- サービスを届けるまでの時間を20%短縮
- 市場投入までの期間を9か月短縮
- 運用経費(複数のCRMの導入およびメインテナンス)を削減し、MTIは5年間で約1,170万ドルを節約
- 契約にかかる費用を削減し、MTIは年間200万ドルから300万ドルを節約
- 職員向けの実用的でパーソナライズされたレポートにより、顧客とのやり取りが体系立てて確認できるように
- 経済変革を推進するための企業対応力の強化
- ベンダー、パートナー、行政機関のコラボレーションをデータに基づいて頻繁に実施
さらに、以下の素晴らしいメリットが得られました。
チーム全体が新たなスキルを獲得。Salesforceの認定資格を取得した職員や、これまでよりも大きな役割を担うことになった職員もいます。そして全員が360度ビューで顧客を中心に考えることが、各個人に大きな影響をもたらすことも学びました
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