日本ピザハット株式会社

最小の負担で最大のマーケティング効果を
デジタルの力で
「カスタマージャーニー」を実現

各種Salesforce製品をフル活用することによって優良顧客を育てるカスタマージャーニーの設計・実行、レポーティング業務を大幅に効率化。顧客ロイヤルティを高めるためのロイヤルティプログラムの実施などを達成

宅配ピザチェーン大手のピザハットは現在、日本市場における認知度を高めてさらに売り上げを伸ばすべく、デジタル技術を活用した新たなマーケティング施策にチャレンジしています。そのためにSalesforceの「Marketing Cloud Engagement」「Marketing Cloud Intelligence」「Loyalty Management」を導入し、より魅力的で価値の高いカスタマージャーニーを顧客に提供すべくさまざまなデジタルマーケティング施策を推し進めています。
 
 

1. Marketing Cloudでカスタマージャーニーを実現

現在、世界100か国以上に19,000店舗を有する世界最大級のピザチェーン。日本では1973年に第一号店がオープンして以来、デリバリーを中心に全国で540店舗以上(2023年8月現在)を展開しています。ピザハットでは現在、デジタル技術を活用したマーケティング活動に力を入れています。その背景や目的について、同社 マーケティング部 デジタルオウンド課 課長 薮内浩平氏は次のように説明します。

「コロナ禍以前は同じ宅配ピザチェーンが競合相手でしたが、現在は宅配ビジネス全体が競合となっており状況は厳しくなっています。そのため、これまで中心だったファミリー層だけでなく、より多くの方々にピザハットのことを知っていただくことが重要です。その一環として若い方々に訴求していくためには、これまで紙のチラシやテレビCMだけではなく、SNSや動画プラットフォームといったデジタルチャネルで広くアピールしていく必要がありました」

同社がまず着手したのは、メルマガによる顧客接点の強化です。それまで発行していたメルマガは、登録している全顧客に同じ内容のものを一斉配信するというもので、その効果には限界がありました。そこで属性や購買行動によって顧客をセグメント化し、それぞれに最適化したメルマガコンテンツを届けることで優良顧客へと育てていく「カスタマージャーニー」の実践を目指したのです。ただし、マーケティング部門の限られた人材だけで、これらの作業を実施するのは不可能でした。

そこで、同社はメルマガを通じてカスタマージャーニーを設計・実行・評価する一連のプロセスを、システムによって自動化・省力化するためにツールの導入を検討。複数のツールについて費用・運用面・管理体制を比較しSalesforceの「Marketing Cloud」を選定しました。この狙いは見事に当たり、工数を抑えつつきめ細かなメルマガのキャンペーン設計やカスタマージャーニーの検討が可能になり、結果として顧客の購買頻度も明らかに向上したのです。

 
 

2. アプリのプッシュ通知機能で購買頻度が向上

続いて着手したのは、Marketing Cloudを使い同社のスマホアプリに「プッシュ通知」機能を追加することでした。

「スマホアプリはもともと2014年ごろから導入しており、アプリを使うお客様は使っていない方に比べて購買頻度が高いことが分かっていました。ダウンロードしていただいたアプリをなるべく多く使っていただけるよう、プッシュ通知で働きかける施策を打ちたいと常々考えていました」(薮内氏)

ここで大いに役立ったのが、Marketing Cloudが備えるモバイルアプリ用プラットフォーム「Mobile Studio」でした。Mobile Studioが提供するSDKを既存アプリに埋め込むことで、あとはMobile Studioのツール画面から簡単な操作をして短期間のうちにプッシュ通知の仕組みが実装できました。

同社がアプリのプッシュ通知機能をリリースした2020年以降、その効果はすぐに表れました。

「プッシュ通知でお客様にアプリの存在を想起させることで、より多く使っていただけるようになり、結果的に購買頻度も大きく向上しました。さらに直後に発生したコロナ禍で世の中の宅配需要が急増したことに伴い、弊社の売り上げも一気に伸びました。こうした環境変化にうまく適応できたのも、あらかじめMarketing Cloudを使ってアプリやメルマガといったデジタルチャネルの施策を強化していたおかげだったと思います」(薮内氏)

デジタルチャネル関連の業務をMarketing Cloudで効率化・省力化していたおかげで、市場環境の急変に対応するための施策やジャーニーの検討により多くの時間を割けるようになり、結果的に精度の高いマーケティング施策が可能になったと薮内氏は話します。

 
 
 
 

3.Salesforceでレポーティング作業を7割削減

ただしマーケティング施策を検討するための作業には、まだまだ非効率な面が残っていたと薮内氏は振り返ります。

「毎週月曜日の午前中にマネージメント会議があるのですが、そこで報告するためのデータをマーケティング部門のメンバーが月曜の早朝に出社して作成していました。そうしたレポーティング業務のほとんどはExcelでデータを集計するルーチン作業で、これに疲弊して本来の戦略的な仕事に時間をなかなか割けない状況を改善したいと考えていました」

そこで薮内氏が白羽の矢を立てたのが、Marketing Cloudが備えるデータ集計・分析・可視化機能「Marketing Cloud Intelligence」でした。この機能を使えば、Marketing Cloudが管理する各種マーケティングデータを自動的に集計・分析し、その結果をダッシュボード画面上でグラフィカルなグラフやチャートの形で可視化してくれます。

早速Marketing Cloud Intelligenceを導入し、それまでExcelで行っていたレポーティング作業をシステム化したところ、「それまで毎週月曜の朝7時から実施していたデータ集計作業の大半が不要になり、朝10時に出社してダッシュボードの内容を軽く確認するだけで済むようになりました。その他の煩雑なレポーティング作業も大幅に効率化された結果、レポーティング作業の概ね7割程度は削減できたと思います」(薮内氏)

さらには、これまで週1回が限度だったマーケティングデータの集計・分析も、Marketing Cloud Intelligenceの導入後は任意のタイミングで月次・週次・日次のデータを可視化できるようになりました。これによってマーケティング部門や営業部門の担当者はよりタイムリーに各種データを参照し、自身のビジネス施策に素早く反映できるようになりました。

 
レポーティング作業を7割削減
 
 

4.Loyalty Managementで新たなロイヤルティプログラムをスタート

同社はSalesforceの各種サービスを活用しながらマーケティング施策を進化させてきました。1to1マーケティングの取り組みをさらに強化すべく挑戦しているのが独自のロイヤルティプログラムです。具体的にはアプリを使い「スライス」と呼ばれるポイントを顧客に付与することで、より購買頻度やリピート率を上げることを目指しました。

この施策を実行に移す上で大きな役割を果たしたのが、Salesforceが2021年5月から提供を始めた顧客ロイヤルティマネジメント製品「Loyalty Management」でした。

「新たなロイヤルティプログラムのPDCAサイクルを短い期間で回すためには、やはりITツールの活用が不可欠でした。そこでちょうど当時リリースされたばかりのLoyalty ManagementのことをSalesforceの営業担当者から聞き、ぜひ使ってみたいと考えました」(薮内氏)

同社はLoyalty Managementを使って新たなロイヤルティプログラムを構築し、2022年9月からスタートした会員向け新ロイヤルティプログラム「HUT REWARDS(ハットリワード)」で提供を開始した。その結果、顧客リピート率の向上を果たしています。

Salesforceのさまざまなサービスを有効活用することで、同社は業界におけるデジタルマーケティングのリーダーとしての存在感をますます高めつつあります。薮内氏は今後もデジタル技術を用いたマーケティング活動をさらに強化していく上で、Salesforceの支援には大きな期待を寄せていると語ります。

「どの製品・サービスを導入する際も、Salesforceの営業担当者が私たちの課題に親身に寄り添っていただき、一緒に課題解決に取り組んでくれたのでとても心強かったですね。今後はLoyalty Managementで管理するポイントプログラムをMarketing Cloudのカスタマージャーニーの中に組み込むなど、各製品・サービスの連携を深めて新たな施策にトライしていきたいと考えており、その実現のためにもSalesforceさんには引き続き強力なご支援をお願いできればと考えています」

 
 
※ 本事例は2023年7月時点の情報です
 

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