State Trustees of Victoria

顧客を中心に据えたState Trustees of Victoriaの変革

データとCRMを活用してサービスを変革し、効率アップを図り、効果をもたらす方法をご覧ください

 

State Trustees of Victoriaは、政府系企業であり、オーストラリアのビクトリア州民すべてに、人生の大切な節目における金融サービスや法的サービスを提供しています。独立した受託組織として、コンサルタントは、障がい、病気等の理由で自分自身の管理ができない人々のために遺言書の作成、遺産管理、財務管理を支援しています。

「私たちは、コミュニティでもっとも弱い立場にある人々の日常生活をサポートしており、その責任を非常に誇りに思っています」と、State Trustees of Victoriaの最高財務責任者兼コーポレートサービス担当ジェネラルマネージャー、Brett Comer氏は語っています。

2019年、Guardianship Administration Act(後見管理法/G&A法)(英語)が成立し、管理者の任命に関する枠組みが更新されました。個人の意思を尊重する権利が重視されるようになったことで、その使命はより強化されました。その結果、State Trusteesチームは、コンプライアンス要件を満たし、サービスレベルを維持しながら顧客のニーズに対応するために、業務プロセスを進化させました。

顧客を変革の中心に据えたState Trustees

リスクに直面している人たちは、財務管理や法的手続きを自力で管理するための資源や、家族や友人といった支援が不足していることがあります。場合によっては、政府機関の介入がなければ、ますます不利な立場に陥り、さらなる困難に直面することもあります。そこで、State Trusteesのような組織が人々の権利を保護し、よりインクルーシブで思いやりのあるコミュニティを育くむために重要な役割を果たすのです。

「例えば、自立した生活から介護施設への移行、住居の変更、一時的に困難に直面することもあります。ホームレスや刑務所など、非常に特殊な状況にある人々もいます。あらゆる人々に思いやりのあるサポートが必要なのです。」とComer氏は語ります。

State Trusteesチームの使命の中核は、G&A法に則って顧客の優先順位を設定し、包括的なアプローチで顧客を完全に理解することでした。「顧客のニーズに応じてサービスを提供できるようにしたいと考えました。それには支援プロセスやシステムを再構築し、単一のプラットフォーム上で最新のツールを使用して、統一された業務と提供モデルを確立する必要がありました。」とComer氏は説明します。

State Trusteesは、Salesforceプロフェッショナルサービスの支援を受けながら戦略的な計画を立てるところからスタートし、顧客とカスタマーサービスコンサルタントのために人間中心のデザインソリューションを構築しました。さらに、CRM戦略や実施計画、成功測定の枠組みを共同で設計し、取締役会の承認を得るための概念実証(Proof of Concept, PoC)も開発しました。

エンドツーエンドでサービス提供を可能にする統合ソリューションの導入

State Trusteesは、財務管理対象の顧客向けに、Salesforce Financial Services Cloud上にCRMを基盤としたサービス提供プラットフォームであるInTrustを発表しました。

「InTrustは、顧客に最適な結果を提供するために我々のチームをサポートする、顧客体験を具現化したシステムです。顧客の全体像を把握し、コラボレーションを促進し、顧客の期待に応えることを可能にします」と、InTrust開発兼変更管理責任者のHannah Burton氏は語ります。

以下はその仕組みです。

顧客が財務コンサルタントに連絡し、資金へのアクセス依頼などの情報や支援を求めます。State Trusteesのコンサルタントは、Service Cloud上に構築されたポータルを介して顧客の記録(レコード)にログインします。顧客データは統合されているため、顧客のステータスや対応履歴(顧客登録日、支払い履歴、最近提供されたサービス等の主なマイルストーン)を一目で確認できます。

複数のチームのプロセスが単一ワークフローに集約されることで、意思決定を明確に追跡できるようになります。MuleSoftのインテグレーション機能により、コンサルタントの支払い手続きを自動化できます。また、アプリ内ガイダンスとナレッジデータベースにより、コンサルタントが必要な情報や手順にアクセスするべくシステムを切り替える必要がなくなるので、顧客対応に集中できるようになります。

Einsteinケース分類では、顧客からの問い合わせを適切なチームメンバーに割り当て、効率的に解決できるようになります。合理化された新たなプロセスにより、重複を排除し、個人のメール受信箱の数を17から1に削減できました。Einstein 1 AI機能を利用することで、手動での対応が必要な顧客からの問い合わせは徐々に減少すると期待されています。これにより、ケースのバックログや解決までの時間という長年の課題も直接改善されていくでしょう。

また、CRM Analyticsを利用して、リアルタイム価格チェックを含む予算管理の洞察を提供し、チームがサービスレベルと透明性を担保できるようサポートしています。Shieldは、プラットフォームにセキュリティを強化するために追加されました。

「このプラットフォームのおかげで、私たちは俊敏性と先見性のある対応ができるようになり、顧客と職員体験を向上できています。そして、State Trusteesが常にコミュニティの最善の利益を考えて行動していることを示しています。」とComer氏は述べています。

State Trusteesは真の効果をもたらす独自のサポートを提供

チームは、人間中心のアプローチでテクノロジーを活用した結果、プラットフォーム導入以来多くの成果をあげています。これにより、次のようなことが可能になりました。

  • 生産性向上とリアルタイムでの顧客対応 「私たちは、サービスセンターのコンサルタントが電話を受け、顧客のニーズを理解して対応した上で、さらに「他に何かお困りのことはありますか?」と尋ねるまでのプロセスを効率化できるようになりました」(Burton氏)
  • データと実践的な洞察で影響力を最適化 「例えば毎週電話をかけてくる顧客がいるとします。今では、彼らがどのような状況でこうした行動に至っているのか、また彼らをサポートするためにどのようなアクションが必要かを捉えられるようになりました」(Burton氏)
  • 顧客の期待に応えるサービス提供 「実際に苦情や問題の件数が明らかに減少し、顧客体験指標も改善されています」(Burton氏)

プラットフォームの拡張性により、チームは新たなコンセプトを受け入れる基盤を獲得したことで、今後は、例えばAIを利用して面倒なレポート作成を効率化したりExperience Cloudを活用して顧客向けポータルを作成することを計画しています。

戦略的な政策変更を実務に落とし込むことは簡単ではありませんが、Comer氏は、State Trusteesのような変革実績は、他の行政機関にとっても可能性を示すものだと考えています。「政策変更が効果的であればチームメンバーとのエンゲージメントが高まり、利用率も向上し支援という恩恵を受ける住民満足度も高まるでしょう」

Comer氏にとって特に嬉しいのは、チームが新しいスキルを身につけ、リーダーシップを発揮している姿を目にすることです。「私たちは、人々の生活に意味のある変化をもたらしています。再現可能な機能に加え、進化し続けることのできるプラットフォームを構築しました。私たちが作り上げたものは今後も効果を発揮するでしょう」と彼は語っています。

数字で見るInTrustプラットフォーム

 
 

749k

統合した顧客アカウント/
レコードの数

 

24

作成した顧客の
ライフイベントの数

 

27.5k

毎月の応対数
 

 
 

4.2k

毎週処理する支払い件数
 
 

 

360

トレーニングを受けて
プラットフォームを
活用している新規ユーザー数

 

12

導入したワークフロー数
(ワークフローを管理していた
レガシーソリューションは廃止)

 
 

5

サービスセンター/コンサルタント/
チームリーダー用に個別に
作成したダッシュボードの数

 

45

作成したナレッジ記事の数
 
 

 

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