データにより、生涯にわたる顧客関係を育むウィリアムズ・ソノマ社

小売業者が、データ + AI + CRM + 信頼の方程式を活用して、顧客のあらゆるライフステージにおいてどのようにつながりを生み出したかをご紹介します。

読み終わるまでの時間:4.8分
 
 
およそ70年の時を経てもなお、ウィリアムズ・ソノマ社は、顧客を中心に捉えたマーケティング、イノベーション、パーソナライズにおいて創業者の伝統を継承し続けています。その要となるのが、データです。
 

ミキサー、キルト生地の掛け布団、椅子。どの家庭にもありふれた日用品は、時として、人生のあるステージから、次のステージへと引き継がれる貴重な宝物となります。大学進学を機にした一人暮らしや、新婚のカップルが新居の家具を揃える時など、ウィリアムズ・ソノマ社は、顧客一人ひとりのニーズに合った質の高い製品を提供し続けています。

これこそが、1956年、Chuck Williams氏が最初の店舗をオープンした際に構築した理念でもあります。現在ウィリアムズ・ソノマ社は、適切な顧客に適切なタイミングで感動とインスピレーションを届けることで、Chuck氏のビジョンである、顧客を中心に捉えたビジネスを実現しています。

Williams Sonoma、Pottery Barn、Pottery Barn Kids、PBteen、West Elm、Williams Sonoma Home、Rejuvenation、Mark & Graham、GreenRowからなる、ウィリアムズ・ソノマ社の9つのブランドそれぞれが、異なるオーディエンスをターゲットとしており、顧客に合わせたメッセージの配信が求められます。そのため、ウィリアムズ・ソノマ社は、ブランドを愛用する世界中の顧客に向けて、毎日数千万通のパーソナライズされたメールを配信しています。

世界トップクラスの自社技術を基盤とする小売業者である同社は、ブラックフライデーを含む繁忙期でも信頼できるプラットフォームとして、Einstein AIを採用しました。

「弊社は常に社内でのイノベーションに取り組んできました。しかし、Salesforceをパートナーとして迎えたことにより、そのイノベーションを促進し、顧客とのつながりを継続的に向上できるようになりました。弊社と共に成長し、信頼というコアバリューをお互い尊重しながら、弊社のマーケティングメールのプログラムの拡大をサポートしてくれています」と、CEOのLaura Alber氏は語ります。

ウィリアムズ・ソノマ社がSalesforceを活用して、適切なタイミングで顧客とつながり、持続的な関係を構築することで、何世代にもわたってブランドを愛用する顧客をどのように創出したかをご紹介します。

 
 

「Salesforceは、イノベーションの統合を可能にするだけでなく、それを受け入れてくれるパートナーです。Salesforceのプラットフォームにより、弊社の持つ可能性を最大限に発揮し、私たちが求める顧客体験を安全かつ確実に、幅広く提供することができます。」

Sameer Hassan氏 、技術部門SVP
 

1.カスタマイズされたメールで、顧客の心に残るメッセージを配信

Pottery Barnの顧客がインスピレーションを求める一方、GreenRowの顧客は持続可能なデザインに深い関心を寄せています。ブランドや海外サイトにより顧客の関心が多岐にわたる中、メールやSMSメッセージの構築には、綿密なオーディエンスの絞り込みとパーソナライズが必要とされます。

ウィリアムズ・ソノマ社は、オンライン・オフライン取引やブラウザ履歴などの膨大なファーストパーティデータ、およびサードパーティデータを保有しています。同社はData Cloudを使って顧客一人ひとりの全体像を創出し、データを大学生や新婚夫婦などのニッチなオーディエンスにセグメント化しています。そこからMarketing Cloudが適切なタイミングで、動的な画像やコンテンツを含んだメールのメッセージをトリガーします。たとえば、ベビーベッドの購入履歴にもとづき、顧客が幼児用ベッドの購入を検討している可能性があるとデータが示している場合、カスタマイズされたメールでベッド選びをサポートします。


「パーソナライズは必要最低限の要素です。製品をただ紹介するだけでなく、その使い方や調理の方法、お客様のご自宅にどのようにフィットするのかを伝えたいと考えています」と、マーケティング部門SVPのAbby Teisch氏は述べます。

またウィリアムズ・ソノマ社は、Salesforce Einsteinの生成AI機能を活用し、さらにパーソナライズされたコミュニケーションを効率的かつ大規模に提供することも視野に入れています。

 
 

2.計画的な導入およびマーケティングガイダンスがメールマガジン購読者数の向上に貢献

ウィリアムズ・ソノマ社は、膨大な配信を処理できるだけでなく、よりターゲットを絞った、パーソナライズされた顧客ジャーニーを提供し、長期的な企業成長を実現するマーケティングプラットフォームを構想していました。Salesforce Professional Serviceは、ウィリアムズ・ソノマ社を支援し、通常は12〜18か月を要するMarketing CloudおよびData Cloudの導入を8か月以内で実現しました。

また同社は、繁忙期における事業拡大およびセキュリティ確保のため、Salesforceのエキスパートサービスも活用しました。現在、ウィリアムズ・ソノマ社のチームは、同社のSignature Success Planの一環として、カスタマー・サクセス・マネージャーと定期的にミーティングを行なっています。このパートナーシップにより、パフォーマンスを最大化し、安定性を維持し、価値創出までの時間を加速することができます。同社はすでにMarketing Cloudを順調に導入し、メールプログラムの成長へとつなげています。

 
実際に導入に要した月数(通常12〜18か月)
 
新規購読者数
 
 

3.効率的な営業とサービスで、B2B顧客への販売および迅速なサポート提供を実現

ウィリアムズ・ソノマ社は、オフィス、Airbnbの物件、ホテル、カフェなどのB2B顧客に向けた、家具やインテリア雑貨の販売も行なっています。同社のチームは、Sales CloudService Cloudを使い、オンボーディングからサポートにいたるまで、より効率的なエンドツーエンドの営業プロセスを実現しています。企業はSalesforceを使って、交渉、承認、割引、コラボレーションにおいて、大量注文をすることが可能です。そこから、Sales CloudとService Cloudを活用して、B2Bチームは顧客の活動を分析し、アップセルの機会を生み出すことができます。

同社の注文管理システムにSalesforceが統合されているため、営業担当者は、顧客が製品を注文する際、先を見越した通知を受け取ることができます。ウィリアムズ・ソノマ社は、チャット統合機能により、サービス効率も向上させています。これにより、初回解決率が上がり、対応時間が減少し、顧客を迅速にサポートすることができます。

 
 

4.業務の自動化と一元化により、従業員の年間労働時間を数千時間削減

世界中の何千万人もの顧客にサービスを提供することは、ブランドや部門において容易なことではありません。ナレッジを集約し業務加速を図るため、ウィリアムズ・ソノマ社のITチームは、Slackを活用しています。

ウィリアムズ・ソノマ社は、IT部門が大々的に介入することなく、プロセスを根本的に変革することに成功しました。同社は27のサードパーティシステムの統合を通して、チーム、パートナー、顧客間において、データのサイロ化を解消し、ミーティングを排除し、生産性を向上させています。ウィリアムズ・ソノマ社は、AIや自動化を活用したWorkflow Builderを使い、業務フローの効率性も飛躍的に高めています。

実際に、ウィリアムズ・ソノマ社の社内テクノロジーチームはミーティング時間を短縮し、年間で十数万時間もの節約を実現しています。これにより、チームは製品開発といった戦略的な業務に、より多くの時間を費やすことができるようになりました。

 
 

5.AIの力を活用して、将来のビジネスを拡大

ウィリアムズ・ソノマ社は、大規模なパーソナライズや自動化された販売の一歩先を見据えています。創業者の意志を継ぎ、常に顧客を喜ばせる可能性を模索し続けるウィリアムズ・ソノマ社が今注目しているのは、AIです。社内独自のイノベーションとSalesforceを組み合わせることにより、機械学習や生成AI、自動化を活用した、さらに大規模なマーケティングを目指しています。

「AIにより、弊社のチームにおいて、より豊富な情報に基づいた意思決定が可能になっています。弊社のビジネス効率が向上し、世界中の何千万人のお客様と日々つながることで、迅速に業務を遂行することができます。」と、Alber氏は述べます。

 
 

最新情報と斬新なアイデアを
メールでお届けします