今後100年を見据えて顧客体験を見直したBentley Motors社

 
 

高級ブランドは、匠の技や特注生産、きめ細かなサービスで差別化を図っています。しかし、デジタル時代に、こうした特色をオンライン体験で完全に再現することは困難です。

Bentley Motors社(英語) は、100年以上にわたり、手作業の技術で高級車の購入体験を磨き上げてきました。しかし、1世紀にわたるビジネスによってデータとシステムが膨れ上がっている状況において、より整理された、一貫性のある顧客データを構築するとともに、今後100年を見据えたデジタル化による優位性の獲得を目指す方法を必要としていました。

そこで、同社はSalesforce Customer 360を使って顧客や見込み顧客一人ひとりをあらゆる角度から把握することにより、顧客体験を一新しました。ここでは、その方法をご紹介します。
 
 
 
 
 
目次

1.データを統合することで高度な可視化を実現

データを1か所に集めれば、一貫性のある顧客体験を実現する可能性は無限に広がります。Bentley Motors社では、レガシーシステムの統合から取り掛かり、応答時間の短縮、パーソナライズの追加、ブランドアドバイザー業務の合理化を図りました。現在では、多岐にわたるバックエンドシステムからデータを収集、統合。顧客をあらゆる角度から把握することで、よりパーソナライズされた体験を提供できるようになりました。
 
 
 
 
Bentley Motors社のブランドアドバイザーチームは、1つの画面で顧客情報を確認できます。そうすることで、きめ細かくパーソナライズされた顧客対応と、インバウンドやアウトバウンドの営業、および修理のお問い合わせに対する応答時間の短縮が可能となります。しかも、システム間の可視性が高まったことで、リアルタイムでスピーディなデータ分析が実現されます。簡潔に抽出されたデータが見やすく表示されることで、従業員は複数のデータソースを自動で確認・分析して、リアルタイムの意思決定を行えます。

2.顧客を一元管理

Bentley Motors社では、創業以来、顧客に合わせた接客をオフラインで展開してきましたが、オンラインでも魅力的な顧客体験を実現すべく、顧客情報の一元管理に着手しました。そして業界の専門知識(英語)技術的なガイダンスを活用して、顧客とのコミュニケーションを見直し、個人的なつながりを深めました。顧客レコードは、購入への関心、所有車両、過去の問い合わせ履歴、リードソースなどで構成するのが理想です。そのためには、すべてのタッチポイントをつないで信頼できる唯一の情報源を構築することが必要です。
 
 
営業、サービス、マーケティングの機能が1つのプラットフォーム上に統合されたことで、顧客データを常に最新の状態に保ち、最適なタイミングで顧客にメッセージを届けることが可能になりました。
 
 
 

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3.営業とサービスを最適化

Bentley Motors社では、ウェブやソーシャルメディアを手作業で管理して集客を行う代わりにリード管理プロセスを導入しました。これによって営業の合理化と自動化が進み、業務効率とフローの大幅な改善が実現されました。ブランドアドバイザーは最適化されたWebフォーム、Web-to-リードプロセス、設定済みのインテリジェンス(リードスコアリングや次のベストアクションなど)を活用して、すばやくリードにアプローチし、見込み顧客のエンゲージメントがもっとも高まった時点で関係を構築できます。

さらに、ケースの優先順位の決定が容易なため、応答時間の短縮と顧客満足度の向上を図ることが可能です。Bentley Motors社では、ライブチャットツールを試験導入。自社とリアルタイムでやりとり可能な、便利で新しいデジタルチャネルを顧客に提供することにより、カスタマーサービスをさらに変革しています。今後は、顧客がどのチャネルを利用しても、ブランドアドバイザーはあらゆるサービスタッチポイントを単一画面で確認できるようになります。

4.カスタマージャーニーをパーソナライズ

Bentley社では、オーディエンスデータの統合とセグメント化、有効活用を進めることで、顧客体験のさらなるパーソナライズを進める予定です。顧客一人ひとりのあらゆるデータを集約したことで、各顧客の条件に合わせてリーチするための無限の可能性が開かれました。営業データとサービスデータをデジタルマーケティングに活用することで、あらゆるマーケティングジャーニーをパーソナライズし、顧客エンゲージメントを高めて良質な需要を伸ばせます。

顧客がメール、SMS、ウェブ、ソーシャルメディアなど、どのチャネルからブランドにアクセスした場合でも、顧客の行動履歴、新規のプロモーションなどにもとづいた適切なタイミングでキャンペーンが開始、配信されます。メールキャンペーンをクリックするなどのインタラクションによっても、通話や予約申し込みなどのリード評価アクションが開始されます。次に、ブランドアドバイザーが顧客にリーチし、新しいプラットフォーム内で収集されたデータを活用して1対1の関係を構築します。

 
 
 

5.持続可能な高級車という新たなカテゴリーを創造

Bentley Motors社におけるDXは、顧客体験の改善にとどまるものではありません。自動車に乗る乗らないにかかわらず、あらゆる人々の幸せに貢献することを目指しています。次の100年でBentley Motors社が取り組むのは(英語)、エシカルな木材調達、バッテリーの軽量化、電動グランドツーリングカー、英国最大のソーラーカーポート、さらにはミツバチの個体数減少対策プロジェクトなど、より持続可能なビジネスの展開です。
 
 
 
Bentley社のサステナビリティへの取り組みは、エネルギー源に始まります。英国のBentley工場は、太陽光発電とグリーンエネルギー源で稼働しており、完全にカーボンニュートラルです。しかも、カーボンニュートラルな木材やもみ殻から作った塗料など、環境に配慮した原料の採用にも取り組み、完全な持続可能性というビジョンの実現に取り組んでいます。
 
 
Bentley Motors社は、今後100年を見据え、持続可能な高級車メーカーの中で、押しも押されもせぬリーダーとしての地位を目指しており、そのために不可欠な要素として、新しいデジタルプラットフォームを推進しています。そして、ビジネス全体でデータを連携し、精度を向上させたことで、ビジネスの成長と顧客エンゲージメントのパーソナライズを加速し、高級車業界における新次元のサービスを提供することができるようになったのです。
顧客をビジネスの中心に据える方法についてご確認ください。Customer 360 Solution Finder(英語)を使えば、Customer 360を自社に合わせてカスタマイズ可能です。
 

その他のリソース

 

お客様事例

一人ひとりのカスタマージャーニーに美しさをもたらしたe.l.f. Cosmetics社の方法(英語)

ガイド

変革のためのハンドブック

 
 

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