データドリブン広告の実践ガイド
未来を乗り切るための実践ガイド
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しかし、広告がどう変化しようと、変わらないものが1つあります。それは、広告を成功させるには、データのテストと評価を行って顧客を把握し、顧客にとって関連性の高いやり取りを行うことが必要であるという(前世紀から変わらない(英語))事実です。今日のデータとテクノロジーにより、マーケターはかつてないほど顧客を理解するための機会を得られるようになりました。
このフィールドガイドは、顧客中心の戦略策定から、クロスチャネルキャンペーンの展開とデータ分析まで、データドリブン広告の未来を考える際のガイドとしてお使いください。
変革のための3つのステップ
第1章:データを通じて顧客を把握する方法
ほとんどの企業は、何らかの方法で顧客データを収集しています。しかし、すべての企業が、積極的にデータを活用して顧客を理解したり、顧客に手を差し伸べて「企業に知ってもらっている、見てもらっている」と感じさせたりしているわけではありません。適切なテクノロジーを通じてつなぎ合わされた顧客データは、顧客にとってより優れたジャーニーを構築するのに役立つ、インサイトの宝庫となる可能性があります。マーケターの78%が、自社の顧客エンゲージメントがデータドリブンであると回答しているのは、この理由からかもしれません。
すべての顧客関係を同意の上で始める
データプライバシーに関する法改正が世界中で行われており、数年前は問題ないとされていたことが、現在では苦情や訴訟の原因となることがあります。プライバシーの尊重や透明性の確保は、オーディエンスが提供に同意したデータを通じて、信頼できる、顧客に寄り添った顧客関係を構築するための鍵となります。この理由から、世界でもっとも利用されているインターネットブラウザーが、サードパーティのデータ収集のサポートを段階的に廃止(英語)しており、業界を牽引するマーケターは、ファーストパーティデータ、つまり、顧客が企業に収集を許可したデータへの注力にシフトしています。
顧客の58%が、対価として受け取る価値に納得できれば、情報の共有に前向きである(英語)と回答しています。そのため、多くのマーケターが、今日のプライバシー規制を満たすだけでなく、規制を上回る取り組みを進めています。自社でこれを行うには、顧客とのコミュニケーションを通じて同意を得て、カスタマージャーニーに同意フォームと手順を追加するデータプライバシーツール(英語)を使用する方法があります。ただし、プライバシーを取り巻く状況は急速に変化しているため、すばやく適用できるツールを使用することが重要です。
サイロから脱却し、顧客データをつなぎ合わせる
データドリブン広告の未来を実現するには、データを統合する必要があります。今日の業界を牽引するマーケターは、マーケティングオートメーションを使用して、匿名のチャネルデータをデータ管理プラットフォーム(DMP)を通じて統合しています。統合した後、このデータを顧客データプラットフォーム(CDP)で保管されている顧客プロファイルと組み合わせることで、あらゆるチャネルにおける、すべての既知の顧客アクティビティを一元管理します。つまり、これがデータドリブン広告の鍵なのです。
データソースの統合を始めるには、営業やカスタマーサービスなど、他の部門と連携して、企業全体の関連するすべてのデータを評価することが重要です。顧客との過去のすべてのやり取りを把握するため、外部の代理店やパートナーと協力する必要がある場合もあります。
データの場所を特定できたら、あとはデータを正確に整理し、DMPとCDPにアップロードするだけです。マーケティングオートメーションの助けを借りながら、注意深く管理することで、驚くほど簡単に統合データから一貫性のある顧客体験の構築が可能です。
データ戦略を策定する
顧客データをうまく連携させるための第一歩は、明確な戦略の策定です。つまり、計画から始めて、どの種類のデータが必要か、オーディエンスをどのようにセグメント化するか、データをどのように使用して顧客エンゲージメントをパーソナライズするかを決定するということです。
こうした点についての詳細な計画が戦略に盛り込まれていれば、統合プラットフォームで顧客データの収集を開始した後、どのように進めて行くかを明確に把握できます。