第3章:買い物客が集まる場所で買い物客と交流する

顧客がよく使うチャネルでブランドの存在感を出しましょう。

 
 
 
 
消費者が利用するブランドとのタッチポイントは、平均9つあります。買い物客がよく使うアプリ、サイト、スペースで顧客と交流するために小売業者がすべきことを以下にまとめました。

顧客の全体像を把握する

一貫性のある体験は重要です。事実、顧客の76%が部門間で一貫したやり取りを期待しています。タッチポイントがどこであれ、一貫性のある体験を提供するには、マーケティング、コマース、サービスの各チャネルを連携させる必要があります。単一のプラットフォームに集約すれば、各チームが顧客に関するあらゆる情報にアクセスすることができます。各タッチポイントから買い物客の貴重な情報を入手し、そのデータを使ってそれぞれの買い物客にパーソナライズした、関連性の高い体験を提供しましょう。
 

“Customer 360の価値は、今後何十年にわたって顧客関係を構築できるという点にあります。私たちが力を注いでいるのはまさにこの点であり、Salesforceがすばらしいパートナーである理由もそこにあります。”

Sonos社、CEO、Patrick Spence氏(英語)

どのプラットフォームにおいても買い物客にブランドの存在感をアピールする

買い物客がブランドとやりとりを行う場所や頻度にかかわらず、それぞれの体験には一貫性が必要です。API(アプリケーションプログラミングインターフェース)(英語)を使用すると、お使いのコマースプラットフォームにサードパーティ製アプリケーションを接続し、チャネル間でブランドの一貫性を保つことができます。APIはソーシャルメディアチャネルからメッセンジャーアプリまで、あらゆるものに使用できます。たとえば、ブランドのPinterestボードで年末に使えるレシピを目にした買い物客がそれをクリックして関連商品を調べ、ブランドの商品ページに直接アクセスして購入する、といったことが可能になります。

ソーシャルコマースを実現する

ソーシャルメディアからEコマースサイトへ流入するトラフィックは上昇の一途(英語)をたどっており、InstagramやFacebookなどのプラットフォームはオンラインショッピングモールへと変化しつつあります。自社ブランドにもっとも適したソーシャルプラットフォーム上で商品を展開するとよいでしょう。たとえば、Instagramショップを利用すれば、スタイルにこだわる買い物客にアプリから直接購入してもらうことができます。あるいは、バーチャルイベントを開催してもよいでしょう。店舗で実際に試着したい気持ちを高める効果があります。

Eコマースとサービスを連携させる

チャットコマース(英語)では、Facebook MessengerやWhatsAppなど、さまざまなメッセージングチャネル内で買い物客のエンゲージメントと取引が行われます。コマースとサービスのインスタンスを連携させることで、担当者は最近の注文や買い物客の好みを把握できます。店員兼スタイリストとして、パーソナライズされた体験を提供し、商品のクロスセルやアップセルを図ることも可能です。サポートの規模を拡大するため、営業担当者とカスタマーサービス担当者のクロストレーニングを行い、チャットボットを用意して一般的な質問や自動メッセージ、ライブヘルプを提供しましょう。年末にふさわしいメッセージを表示し、季節感と関連性を演出するとよいでしょう。

モバイルプログラムを優先的に実施する

ここ数年、モバイルショッピングは常に年末にピークを迎えており、特にサイバーウィーク、クリスマスイブ、クリスマスに急上昇します。実店舗が復活する2021年も同じような傾向が見込まれますが、購買意欲はさらに高まると思われます。
 
“私たちは、お客様を中心に据えてパーソナライズした、モバイルファーストの発想を重視しています。だからこそ、厳しい時期にも持ちこたえることができたのだと思います。”
Rack Room Shoes社、オムニチャネル担当CRMディレクター、Donna Mull氏(英語)
モバイルマーケティングプログラムでアプリやSMS、プッシュ通知を活用すれば、買い物客への直接的なコミュニケーションとマーケティングが容易になります。その際には、コンテンツがモバイル環境に合わせて最適化されていることを確認しましょう。モバイルで使いづらい体験をすると、買い物客はすぐに離れていきます。事実、2020年第3四半期におけるモバイルでのカート放棄率は88%(英語)に達しているというデータがあります。マーケティングチャネルとサービスチャネルは確実に連携させましょう。そうすれば、買い物客が注文時にプロモーションのメッセージに関して質問した場合でも、サービス担当者がその場で問題を解決できるようになります。
 
2020年第3四半期のモバイルでのカート放棄率は88%に達しています。『2020 Holiday Retail Insights(2020年年末商戦インサイト)』(Salesforce、2021年1月)(英語)より。

デジタルチャネル全体でサービスを提供する

2020年には、オンラインチャット、ビデオサポート、メッセンジャーアプリなど、デジタルのカスタマーサービスオプションを利用する顧客の割合が2桁増加しました。デジタルのカスタマーサービスチャネルは、カスタマーサービスチームが顧客の期待に応え、スピーディかつ柔軟にサポートするのに役立っています。過去のやり取りからデータを保存したり、担当者がパーソナライズされたやり取りを一度に複数受け持つことも可能です。このようなカスタマーサービスのエンゲージメントの進化を考慮して、チャネルの組み合わせを考え直す必要があります。
 
2021年にあらゆるコンタクトセンターが求めている、デジタルカスタマーサービスチャネルを紹介します。

顧客からの電話を一貫したサービス体験に変える

カスタマーサービスの中でもっとも多く利用されているチャネルは、依然として電話です。Service Cloud Voiceを使用すれば、電話もデジタルチャネルになります。クラウド技術によって顧客情報がすべて担当者の画面に表示され、通話内容が文字起こしされるので、担当者はメモを取る必要がありません。Service Cloud Voiceでは、AIが起動して関連性の高いナレッジ記事や次のステップが表示されるので、担当者は顧客との会話に集中しながら解決策をすばやく見つけることができます。
 
 
 
 

次の項目:第4章:実店舗での接客にデジタルを活用する

エンゲージメントのパーソナライズでリアルな世界とデジタルの世界をつなげましょう。
 
内容:
  • 実店舗の予約をしやすくする
  • 非接触型の決済と返品方法を用意する
  • 店舗スタッフに適切なツールとトレーニングを提供する
 
 

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