インバウンドマーケティングとは?メリット・プロセス・事例を解説

 
最終更新日:2024.9.18

インターネットの普及で、企業からの情報発信が容易になったこともあり、コンテンツをきっかけにユーザーとの接点を生み出すインバウンドマーケティングを検討している企業も多いのではないでしょうか。

顧客を増加させ、売上を向上させるためには、効率的なマーケティングや営業活動が重要です。

本記事では、インバウンドマーケティングの概要やメリット・デメリット、アウトバウンドマーケティングとの違いを解説します。

インバウンドマーケティングを構築するプロセスや、実施時のポイントも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 
 
 
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インバウンドマーケティングとは「顧客を引きつけるマーケティング」

インバウンドマーケティングとは、見込み顧客を自社に引きつけるためのコンテンツを提供し、最終的にファン化させるまでの一連のプロセスや概念のことです。

インバウンドマーケティングを行うには、まず見込み顧客にとって有益な情報をコンテンツ化します。

企業の公式サイトやホワイトペーパー、動画などさまざまなチャネルに、多様な形態でコンテンツを用意します。

その上で、SNSでの告知やSEO対策を実施して、見込み顧客にアピールしていくのがインバウンドマーケティングの手法です。

興味を持った見込み顧客がコンテンツに触れ、自社製品・サービスを認知することで、単純に成約するだけではなく、興味・関心を高められる効果もあります。

アウトバウンドマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングでは、企業とユーザーの関係性が異なります。

インバウンドマーケティングはユーザーが関心のあるコンテンツを発信し、ユーザーに見つけてもらうプル型です。

一方でアウトバウンドマーケティングは、ダイレクトメールやテレアポ、展示会などで情報をユーザーに発信するプッシュ型です。

各マーケティングには、以下のようなメリット・デメリットがあります。

 
  メリット デメリット
インバウンドマーケティング

・有益な情報を継続的に提供することで、顧客との接点を増やせる

・自社製品に関心の低い顧客に対するアプローチで、信頼感を高められる

・魅力あるコンテンツを作らなければ、見込み顧客を引き込みにくい

・結果が出るまでにある程度の時間がかかる

アウトバウンドマーケティング

・短期間で多くのユーザーにアプローチできる

・対象となる母集団を一気に獲得できる

・相手の興味を引きつけるのが難しい

・DMや訪問営業など、全体的にコストがかかる

アウトバウンドマーケティングは、コストをかけることによって、短期的な成果を出しやすく、不特定多数にアプローチできるのが特徴です。

アウトバウンドマーケティングについては以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは、対象とする施策の範囲が異なります。コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの手法のひとつ、とも言えます。

インバウンドマーケティングは、さまざまなコンテンツの提供を通して顧客と交流し、製品やサービスへの関心を持ってもらうことを重視した手法です。

コンテンツマーケティングは、コンテンツの提供を手段として、認知の拡大や見込み顧客の育成などに重点を置いています。

アカウントベースドマーケティング(ABM)との違い

インバウンドマーケティングとアカウントベースドマーケティング(ABM)では、対象の顧客へのアプローチ方法が異なります。

インバウンドマーケティングは、比較的広い範囲の見込み顧客を対象にアプローチしていくマーケティング手法です。一方ABMは、企業単位に絞り込んでアプローチする手法であり、企業の課題を特定しながら、顧客獲得を目指していくモデルです。

ABMはターゲットを最初から絞っているため、効率的かつスピーディなアプローチができますが、対象の企業規模が小さいと成果が少なくなる場合もあります。

ABMの手法や導入手順などは以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はあわせてチェックしてみてください。

インバウンドマーケティングが重視される3つの理由

インバウンドマーケティングが重視されている理由は、以下の3つです。

  • 顧客の購買行動の変化に対応するため
  • アウトバウンドマーケティングの効果が低下してきたため
  • 企業の営業活動を効率的に行うため

顧客の購買行動がデジタル中心にシフトしている現代において、インバウンドマーケティングは不可欠な戦略といえます。

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顧客の購買行動の変化に対応するため

インターネットの普及により、顧客は簡単に製品・サービスの情報を手に入れられるようになり、購買行動も変化してきています。

その背景には、スマートフォンの普及によってどんな場所にいても情報収集ができるようになった点も考えられます。

総務省の調査によれば、2022年のインターネット利用率は84.9%となっており、その中でスマートフォンの利用率が71.2%だとわかりました。

参考元:情報通信白書 令和5年度(第11節 デジタル活用の動向)|総務省

BtoCの商材の場合、見込み顧客は何か欲しい商品があれば、まずはインターネットで検索し、製品の詳細やその評判を調べて比較検討します。

気に入った商品があれば、実店舗に足を運ばなくても、すぐにECサイトなどで商品が購入できます。

そして、近年注目を集めているのが、ECと実店舗を融合させた「売らない店舗」です。

実店舗では、商品を「見て、触って、体験する」ことを目的としており、実際に商品を購入する際はECサイトを利用してもらう仕組みです。

顧客の購買行動の変化は、BtoBの商材の場合も同様といえます。

従来は、営業で提案された製品の中から候補を絞って検討を進めるプロセスでしたが、現在では顧客自らが候補を調べ、直接購入先へ連絡するようになりました。

商材を問わず顧客行動が変化しているため、インバウンドマーケティングの必要性が高まっているのです。

アウトバウンドマーケティングの効果が低下してきたため

アウトバウンドマーケティングにおけるインターネット広告やダイレクトメールなど、企業からの一方的な情報提供では効果が得られにくくなっています。

インバウンドマーケティングが「プル型」のスタイルと呼ばれているのに対し、アウトバウンドマーケティングは「プッシュ型」の手法です。従来の営業は、「プッシュ型」のスタイルがほとんどであり、企業が注力している製品を見込み顧客に対して売り込んでいきます。

インターネットが普及した現在では、製品やサービスの情報を簡単に得られる状況です。そのため、アウトバウンドのようなプッシュ型のマーケティングは、対応に時間を要してしまう点が目立ってしまい、敬遠されるようになってきたのです。

変化を求められている営業において、必要なスキルや戦略は以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

企業の営業活動を効率的に行うため

営業部門のリソースを減らしつつ効率的な営業活動を行うため、見込み顧客の優先度を決めてアプローチできるインバウンドマーケティングが重視されています。

従来の営業は、顧客に対して電話やメールでアプローチする手法が主流でしたが、多くの時間と労力がかかる上に、効果も出にくい点が課題でした。

インバウンドマーケティングの場合は、Webサイトへの訪問頻度やコンテンツへの関心度など、定量的なデータをもとに顧客状態を推測できます。

そのため、見込み顧客を引きつけて育成し、成約に至るまでのプロセスを最適化することで、効率的な営業活動ができるのです。

インバウンドマーケティングの施策を行うメリット

インバウンドマーケティングの施策を行うことで、以下4つのメリットが得られます。

  • 顧客起点のマーケティングにより満足度が向上する
  • 低コストで費用対効果の高い運用ができる
  • 蓄積データをもとに見込み顧客にアプローチができる
  • 自社の有益な情報が拡散されやすい

インターネットの普及により購買行動が変化しているため、企業はインバウンドマーケティングに取り組む必要性が増しています。

顧客起点のマーケティングにより満足度が向上する

インバウンドマーケティングのメリットとして、自社の製品やサービスに対する「顧客満足度の向上」が挙げられます。

インバウンドマーケティングでは、提供された情報を顧客が自分のペースで分析し、製品やサービスの検討が可能です。そのため、顧客は自身が納得するまで時間をかけて検討し購入することで、満足感が得られやすくなります。

また「顧客が納得した上で問い合わせる」のように、顧客が自分のペースで能動的に動ける点も、顧客満足度の向上に影響しています。

従来の営業手法は企業から顧客に売り込む形でしたが、インバウンドマーケティングは、顧客からの反応を「待つ」スタイルの手法です。顧客のペースに合わせた営業活動を実現できる点は、顧客満足度の向上だけではなく、企業においても効率的にアプローチできるメリットがあります。

低コストで費用対効果の高い運用ができる

従来のマーケティングと比較して低コストで行える点も、インバウンドマーケティングのメリットです。

従来のアウトバウンドマーケティングの手法では、テレビや雑誌などへの広告出稿によって、莫大な広告費が発生するケースもありました。一方、インバウンドマーケティングでは、必要なコンテンツを制作したら、あとは顧客や見込み顧客を誘導するだけです。

SEO対策やネット広告などを併用することになりますが、従来の手法よりは費用対効果が高く、低コストで運用できます。

また、作成したコンテンツを中長期的に活用できる点も、コストの削減に貢献します。

蓄積データをもとに見込み顧客にアプローチができる

インバウンドマーケティングは、自社製品・サービスに興味を持った顧客の蓄積データをもとに、見込み顧客に対して効果的にアプローチができます。たとえば、特定のカテゴリの商品を購入した顧客情報から、そのカテゴリに関心を持つ見込み顧客が特定できれば、新商品情報や特典クーポンなどの提供が可能です。

顧客の興味関心にマッチしたコンテンツを継続的に提供できれば、自社に対してポジティブな印象を持つようになり、顧客満足度も高まっていきます。

蓄積データにもとづくアプローチによって、ターゲットとなる顧客のニーズや行動を深く理解し、最適なタイミングでコンテンツを届けられるのです。

自社の有益な情報が拡散されやすい

企業が提供するコンテンツの価値が高く、顧客にとって興味関心を引くものであれば、SNSや口コミによって拡散されやすいです。拡散された情報が他の人の目にとまり、有益なコンテンツだと認知が広がれば、当初のターゲットを超えた幅広い層にアプローチできます。

たとえば、ある企業が最新AIを駆使した製品のWeb記事を公開し、AIに詳しい著名人に記事がシェアされれば、情報の拡散効果は大きいものになります。

インバウンドマーケティングでは、自社の有益な情報が拡散されやすい環境を作り出せるため、幅広い層の興味関心を引きけられる点もメリットです。

企業から直接提案するよりも、SNSなどを通して企業の良さを認識してもらうほうが、顧客に受け入れられやすくなります。

インバウンドマーケティングの施策を行うデメリット

インバウンドマーケティングの主なデメリットには、以下の2点が挙げられます。

  • 効果が現れるまでには時間を要する
  • コンテンツ制作には専門的な知識が必要になる

コンテンツを制作・発信してもすぐに顧客を集客できるわけではありません。

ある程度のコンテンツを発信したタイミングで、成果があらわれる傾向があるため、継続して施策を打つことが大切です。

効果が現れるまでには時間を要する

インバウンドマーケティングは長期的な視点で成果を上げる戦略であり、効果があらわれるまでに時間がかかる点がデメリットといえます。

オウンドメディアやSNSを立ち上げたあとは、各チャネルのコンテンツに対する顧客からの反応を待たなければなりません。アウトバウンドのプッシュ型のマーケティングとは異なり、顧客への直接的なアピールをしないため、効果がすぐにはあらわれにくいです。

また、顧客はコンテンツを通して情報収集し、自分のペースで購買意欲を高めていくため、顧客育成していく期間も長くなります。

コンテンツ制作には専門的な知識が必要になる

インバウンドマーケティングを成功させるには、顧客を引きつけるための質の高いコンテンツを制作しなければなりません。そのため、WebサイトのSEO対策やSNS運用、ホワイトペーパー制作など、専門的な知識・技術を持った人材が必要になります。

有益なコンテンツを提供する上では、視覚的にわかりやすい動画やインフォグラフィックも重要な要素であり、デザインやマルチメディア制作のスキルも必要です。

インバウンドマーケティングを進める前に、社内で担当者や役割を決めておき、継続的なコンテンツ制作と情報提供が成功のカギといえます。

インバウンドマーケティングのプロセス

インバウンドマーケティングを実施する際は、全体のプロセスを4つに分けて進めましょう。

  1. ターゲットを引きつける(ATTRACT)
  2. ターゲットを見込み顧客へと育成する(CONVERT)
  3. 見込み顧客と商談し成約する(CLOSE)
  4. 顧客に満足してもらう(DELIGHT)

インバウンドマーケティングは企業にとって多くのメリットがあるため、各プロセスの要点を確認してみてください。

1.ターゲットを引きつける(ATTRACT)

インバウンドマーケティングの最初のプロセスは、魅力的なコンテンツでターゲットを引きつけることです。

顧客や見込み顧客が「何を求め、どのような情報を探しているのか」を意識し、宣伝が過剰にならないようなコンテンツを作ることが重要です。そのコンテンツが有益な情報として認識されることで、ターゲットとの関係性を構築していきます。

魅力的なコンテンツができたら、SNSでの周知を図るというように、コンテンツがターゲットの目に触れるための施策を打ちましょう。

2.ターゲットを見込み顧客へと育成する(CONVERT)

ターゲットが自社製品・サービスを認知した段階で、見込み顧客へと育成するための施策を行います。

企業の有益な情報をコンテンツ化したホワイトペーパーや動画、メールマガジンなどの手法を用いて、氏名やメールアドレスなどの情報を獲得していきます。

自社への興味関心を維持しつつ「ターゲットにとって有益なコンテンツは何か」と検討を重ね、定期的なコミュニケーションを通して見込み顧客へと育成していきましょう。

 
 
 
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3.見込み顧客と商談し成約する(CLOSE)

ターゲットから育成された見込み顧客に対して、次のプロセスで商談化・成約を目指します。

見込み顧客の検討や意思決定を尊重しつつ商談を進めますが、育成が不十分な状態では、契約がうまく進まないこともあります。

ターゲットと丁寧にコミュニケーションを重ねつつ、適切なタイミングでの商談化・成約を目指しましょう。

4.顧客に満足してもらう(DELIGHT)

最後のプロセスは、顧客に自社の製品やサービスに満足してもらうことです。

インバウンドマーケティングは成約で終わりではありません。限定コンテンツの配信やサポートの充実などで顧客を満足させ、製品やサービスに好印象を持ち続けてもらうことが大切です。

顧客の満足度が高ければ、クロスセルやアップセルにつながる可能性も高まります。

また、自社のファンとなってくれた顧客が周囲に紹介してくれ、新たな顧客やリードの獲得も期待できます。

アップセルとクロスセルについては、違いや成功事例を以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

企業がインバウンドマーケティングを構築する手順

企業がインバウンドマーケティングを構築する際は、以下のような手順で実施します。

  1. 目的・ゴールを明確化する
  2. 自社の現状を把握する
  3. 戦略を検討・立案する
  4. 施策を選定する
  5. PDCAサイクルを実施する

各プロセスを解説しますので、効果的なマーケティング戦略を展開するためのポイントを把握しておきましょう。

1.目的・ゴールを明確化する

まずは、以下のようにインバウンドマーケティングの目的やゴールを明確化し、企業の戦略的な方向性を定めます。

目的やゴールを決める際は、企業のビジョンやミッションにもとづいて、短期および長期の目標を区別させ、達成基準を明確に設定します。

目標達成に向けて「どの程度の予算をかけるのか」「担当部署・役割はどうするのか」といった、社内体制の検討も必要です。

2.自社の現状を把握する

次に、現在のマーケティング活動における成果について、データ分析を通して評価・把握を行います。

具体的には、以下のような点の現状を把握します。

  • 顧客獲得方法(イベント・DMなど)における成果
  • 成約に至るまでの期間
  • 成約率・失注率
  • マーケティング活動における問題点

現状把握を通して、自社の強みや弱みを浮き彫りにし、競合他社にはない独自のマーケティング戦略につなげましょう。

3.戦略を検討・立案する

続いて、インバウンドマーケティングの目的を達成するため、ターゲットとなる市場や顧客層(ペルソナ)を詳細に定義するフェーズです。

ターゲット市場を決める際は、顧客の年齢層や住んでいる地域などに細分化するセグメンテーションの活用が不可欠です。

アプローチする顧客に対して「どの接点(タッチポイント)で何を届けるか」といった、自社製品・サービスに興味・関心を引きつける戦略を検討します。

各マーケティングのプロセスにおいて、情報発信するチャネルのイメージを持ちつつ、予算配分やリソース管理の計画を立てましょう。

マーケティング戦略やセグメンテーションについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

4.施策を選定する

検討した戦略にもとづいて、プロセスごとに最適な施策を選定しましょう。

具体的なWebマーケティングの施策例は、以下のとおりです。

 
施策例 内容
コンテンツSEO ターゲット層が検索するキーワードをリサーチし、SEO対策を行って有益なコンテンツを作成・提供する
SNSマーケティング SNSプラットフォームを活用し、定期的な情報発信とフォロワーとの交流を行う
ホワイトペーパー 業界の専門知識やデータにもとづいた資料を作成・配信し、リード情報を獲得する
ウェビナー トレンドや最新情報を共有するためのウェビナーを開催する

顧客が必要とするコンテンツを提供するため、各施策に適したツール・プラットフォームをよく検討し導入しましょう。

また、マーケティング活動を効率化させるMAツールの導入もおすすめです。MAツールの詳しい説明については後述していますので、ぜひ確認してみてください。

▶ お役立ち動画「5分でわかる『デジタルマーケティング』の始め方〜基礎編〜」を視聴してみる

5.PDCAサイクルを実施する

コンテンツを提供しただけで終わらせるのではなく、設定した目標に対して、施策の効果を定期的にモニタリングしましょう。

データ分析を通して、目標達成度や費用対効果を評価し、顧客からのフィードバックを考慮しながら改善点を特定します。成功した施策はさらに強化し、失敗した施策は軌道修正するといった、PDCAサイクルを活用した持続的かつ柔軟な改善が求められます。

また、新たな施策やアイデアを取り入れながら実験を繰り返し、マーケティング戦略を進化させていく取り組みも行っていきましょう。

PDCAサイクルについては、以下の記事で事例を用いて運用のコツを解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

インバウンドマーケティングを行う際のポイント

インバウンドマーケティングを行う際は、以下の4つのポイントを押さえることが大切です。

  • 自社の製品やサービスを知ってもらう
  • 自社の製品やサービスの理解を深めてもらう
  • 他社と比較・選択してもらう
  • ファンになってもらう

各ポイントを把握し実践することで、自社製品・サービスに顧客を引きつけるマーケティングが可能になります。

自社の製品やサービスを知ってもらう

ターゲットを引きつけるプロセスでのコンテンツ作成のポイントは、自社の製品やサービスを多くの人に知ってもらうことです。

製品やサービスごとに、ターゲット層のペルソナを作り「どのようなテーマや課題に対し、関心があるか」を考えた上でコンテンツを作ります。

記事広告やプレスリリース、SNSを活用して広範囲に発信するとともに、自社のブログといったコンテンツで中長期的な効果を狙うのも有効です。

自社の製品やサービスの理解を深めてもらう

ターゲットを見込み顧客へと育成するプロセスでは、製品やサービスを深く理解してもらうことが重要なポイントです。

この段階では、課題解決のために情報収集をしているユーザーがターゲットです。コンテンツ提供を通して、疑問に答えるとともに「抱えている課題を、自社の製品やサービスがどのように解決できるか」をイメージしてもらう必要があります。

ターゲットによって必要な情報はさまざまです。そのため、想定される情報を細かいトピックに切り分け、自社ブログに記事として掲載したり、ホワイトペーパーを用意したりするのも効果的です。

セミナーやウェビナーなどを実施できれば、見込み顧客の疑問や課題に対面で応えられ、信頼感の醸成につながります。

他社と比較・選択してもらう

商談化して成約へと向かうプロセスでは、他社と比較し、自社を選択してもらうことがポイントです。

多くの場合、この段階の見込み顧客はすでに購買は決めているものの「どの製品・サービスにするか」は検討中という状態です。自社を選んでもらうために、コンテンツを通じて、差別化できる点をアピールしましょう。

自社の製品やサービスを使って、課題解決するイメージを感じてもらうためには、デモやトライアルなどのコンテンツを用意し、実際に操作してもらうことも有効です。

使ってみた上での疑問や質問、不安に応えられるよう「導入事例」や「よくある質問」などのコンテンツも必要です。

ファンになってもらう

成約した顧客に対しては、自社の製品やサービスのファンとなってくれるようなコンテンツを用意することがポイントです。

製品やサービスを購入・契約してもらっても、満足感を得られなければ、顧客が離れてしまう可能性があります。

インバウンドマーケティングでは、成約後も、顧客の定着化やリピート購入のためのコンテンツを提供し続けなければなりません。

顧客向けサイトを用意して、顧客限定で情報を発信したり、コミュニティでユーザー間の情報交換の場を提供したりすれば、定着率の向上にもつながります。

 
 
 
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インバウンドマーケティングを効率化するMAツール

インバウンドマーケティングを効率化するためには、MA(マーケティングオートメーション)の活用が効果的です。

MAとは、マーケティング活動において発生する業務を自動化できるツールのことです。新規顧客の獲得や、見込み顧客の育成に必要な施策を効率化できる上に、顧客の購買意欲に合わせて、適切なタイミングで施策を打てます。

SalesforceのMAツール「Marketing Cloud」は、顧客データとAIを活用して「顧客一人ひとりのニーズ」に合ったコンテンツを提供できるツールです。Marketing Cloudの操作や活用方法のデモ動画を用意していますので、興味のある方はぜひ視聴してみてください。

 
 
 
AI搭載マーケティングオートメーション
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顧客データを1つのプラットフォームに集約し、AIを活用してマーケティング施策を拡大しましょう。
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インバウンドマーケティングを導入した企業の成功事例

インバウンドマーケティングを導入して成功した企業事例を4社紹介します。

  • freee株式会社
  • 株式会社ネオキャリア
  • 株式会社土屋鞄製造所
  • キリン株式会社

インバウンドマーケティングの導入を検討している方は、各企業の取り組みを参考にしてみてください。

freee株式会社

クラウド会計ソフトを提供しているfreeeは、オウンドメディアの「経営ハッカー」を運営しています。

経営ハッカーでは、中小企業の方に対して、会計や会社設立、経理などに関するコンテンツを発信しています。

また、個人事業主の方に向けた、開業や確定申告などの情報も掲載されており、ターゲットとなる顧客を引きつけるコンテンツばかりです。

テキストだけではなく図解を用いて、複雑な情報をわかりやすく提供している点が特長です。

株式会社ネオキャリア

採用支援や就労支援の事業を展開している株式会社ネオキャリアは、企業の成長を応援するメディア「HR NOTE」を運営しています。

テレアポの文化が根強かった同社では「HR NOTE」といったメディアを通して、インバウンドマーケティングの強化を図りました。

「HR NOTE」の立ち上げによって、年間数千件のリード送客ができるようになり、メディアの知名度も向上しています。

株式会社土屋鞄製造所

レザーブランドである土屋鞄製作所は、SNSとWebサイトを運用してコンテンツを発信して集客しています。

Facebookアカウントでは、テキストだけでなく画像・動画を使って自社商品を魅力的に発信している点が特長です。キャンペーンの告知や、鞄制作の裏側のストーリー、お役立ち情報のコンテンツも投稿しています。

 

また、Instagramでは鞄の利用シーンを写真で紹介したり、リール動画を用いて制作過程を配信したりするなど、SNSを積極的に活用しています。

 

キリン株式会社

キリン株式会社が運営する「キリンレシピノート」では、ビールやワイン、お茶などのさまざまな飲み物にあうレシピを公開しています。

キリンレシピノートでは、同社が販売するビールなどの大々的な宣伝はしていません。レシピに合う飲み物として紹介し、閲覧した人が「ビールをつい飲みたくなる」といった、興味を引きつける戦略を取り入れています。

インバウンドマーケティングにおける、自社商品の認知とファン化を成功させた事例といえます。

インバウンドマーケティングは施策の組み合わせが成功のカギ

インバウンドマーケティングは、従来の手法とは異なる顧客起点のスタイルによって、企業に多くのメリットをもたらします。

しかし、従来のアウトバウンドマーケティングによる直接的なアプローチも無視できないため、両者の手法を組み合わせて効果的に運用することが重要です。

マーケティングを効率化するMAツールの活用によって、顧客情報にもとづいた最適なコンテンツが提供できます。

Salesforceでは、インバウンドマーケティングについて解説したコンテンツもご用意しています。ぜひ、以下の資料もご覧ください。

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