Salesforce、Einstein 1 Platformに新しくData Cloud ベクトルデータベースとEinstein Copilot Searchを追加
〜Data Cloud ベクトルデータベースがビジネスデータを含むLLMを使用することでEinstein 1 Platform全体にわたりAI、分析、自動化機能を強化〜
- Data Cloud ベクトルデータベースにより、PDF、メール、トランスクリプトなどの非構造化データを含むすべてのビジネスデータをCRMデータと統合することで、AIプロンプトやEinstein Copilotのグラウンディングを可能にし、LLMモデルのコスト高で複雑な微調整が不要に
- Data Cloud ベクトルデータベースがEinstein 1 Platformに組み込まれることで、あらゆるビジネスアプリケーションは、ワークフロー、分析、自動化を通じて非構造化データの力を活用することが可能に
- Einstein Copilot Searchにより、対話型AIエクスペリエンスでData Cloudから的確な回答を瞬時に導き出すAI検索機能を提供し、あらゆるビジネスユーザーの生産性を向上へ
※本資料は2023年12月14日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳版です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
米国セールスフォース(以下 Salesforce)は、Einstein 1 Platformの大幅なアップデートをし、新たにData Cloud ベクトルデータベースとEinstein Copilot Searchを追加することを発表しました。
正確で適切な生成AIのプロンプトを実現するには、最も包括的な企業のデータセットに基づくことが求められます。従来は、コストも人手もかかるモデルの微調整が必要でした。Data Cloud ベクトルデータベースは、統合されたビジネスデータをあらゆるAIプロンプトに迅速かつ容易に取り込むことで、この課題を解決します。これにより、顧客は既存の大規模言語モデル(LLM)を微調整することなく、すべてのSalesforceアプリに信頼できる適切な生成AIを組み込むことが可能となります。
Einstein 1 Platformに組み込まれたData Cloud ベクトルデータベースにより、意思決定と顧客インサイトを改善するために、すべてのSalesforceのCRMアプリにわたりAI、自動化、分析が可能となります。またData Cloudにより、Einstein Copilot Searchが強化されます。Salesforceの生成AIアシスタントであるEinstein Copilotは、すべてのビジネスデータを活用して、業務フローの中でより的確な情報を便利に提供するAI検索機能を備えています。
新機能:
- Data Cloud ベクトルデータベース
- Data Cloud ベクトルデータベースにより、あらゆるビジネスデータをシームレスに活用してAIプロンプトを強化することで、顧客はLLMを微調整する必要がなくなり、ビジネスアプリケーションやワークフロー全体で多様なデータタイプを使用できるようになります。これにより、PDFやメール、ドキュメント、トランスクリプトなどの非構造化データと、購入履歴、カスタマーサポートケース、製品在庫などの構造化データが統合され、すべてのSalesforceアプリにおいてAI、自動化、分析機能が強化され、ビジネス価値とROIが向上します。
- たとえば、カスタマーサービスのリーダーは、ケースが作成された瞬間、関連するナレッジ記事をサービスエージェントに事前に提示するプラットフォームを活用することで、効率性と顧客満足度を高めることができます。これにより、類似したケースを迅速に識別し、自動化の統合が可能になり、ケースの解決時間が短縮され、顧客体験全体が改善されます。
- Einstein Copilot Search
- Einstein Copilotには、非構造化データを含む多様なデータソースを活用することでユーザーからの複雑なクエリを解釈して回答する、強化されたAI検索機能が含まれています。Einstein Copilot Searchは、Einstein Copilotを強化し、セールスやカスタマーサービス、マーケティング、コマース、ITの各チームがリアルタイムの非構造化および構造化ビジネスデータにアクセスして問題を解決し、コンテンツを生成できるAIアシスタントを提供します。顧客は、これまでのトレーニングデータに制約がある基礎的なLLMでは得られなかったインサイトやナレッジにアクセスすることで複雑なクエリを理解して対処できるようになったAIアシスタントのメリットを活用できます。Einstein Copilot Searchには、出典資料の引用元が明記されます。SalesforceのEinstein Trust Layerにより、データガバナンスとセキュリティを維持しながら、AIによって生成されたコンテンツに対する信頼と信用を確保できます。
- たとえば、カスタマーサービスにおいて、Einstein Copilot Searchは、構造化されていないメールや電話のトランスクリプトから顧客の懸念を特定し、構造化されたサポートチケットの履歴に紐づけします。これにより、サービス担当者は、その顧客の問題と経緯を詳細に理解し、AIによって生成されたデータに裏付けられた解決策を提案することができます。また、引用元が明記されることで、AIが生成したインサイトに対する信頼感が高まります。
重要な理由:正確で卓越した顧客体験を提供し、AIイノベーションを推進するためにはデータが不可欠です。しかし、企業データの90%(英語)は、PDFやメール、ソーシャルメディアへの投稿、オーディオファイルなどの非構造化形式で存在しており、ビジネスアプリケーションやAIモデルからはアクセスすることが極めて困難です。Forrester社(英語)は、2024年までに企業が管理する非構造化データの量は倍増すると予測しており、これが喫緊の課題であることを強調しています。ITリーダーの80%(英語)は、データをさらに効果的に活用することができる生成AIの革新的な潜在能力を認識していますが、59%はこの能力を活用するためには統合データ戦略が必要だと考えています。
Salesforceの視点:ユニファイド・データ・サービスおよびEinstein担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのラウール・アウラドカー(Rahul Auradkar) は次のように述べています。
「Data Cloud ベクトルデータベースは、非構造化データの価値を活用するための、コストのかかる複雑なプロセスという課題を解決します。企業データのすべての領域を理論的に分析して、ビジネスアプリケーションをより効果的に運用できます。構造化データと非構造化データを統合することで、当社の新しいData Cloud ベクトルデータベースは、メールからドキュメント、トランスクリプト、ソーシャルメディアへの投稿まで、あらゆるビジネスデータを価値あるインサイトに変換します。このData Cloudの進化はLLMの力と相まってゲームチェンジャーとなり、AI、CRM、自動化、Einstein Copilot、分析がデータを実践的なインテリジェンスに変え、イノベーションを牽引するデータドリブンなエコシステムを育成します」
ユースケース:
- 消費者はより良くより自動化されたカスタマーサービスを享受することができます。セルフサービスページを訪れた消費者はEinstein Copilotを搭載したチャットボットに対して、アップグレードの適格性について質問ができます。チャットボットは、複数のナレッジソースから関連する詳細情報を引き出し、特定の出典資料を引用して回答します。
- サービスリーダーは、サービス関連のトレンドを理解することで、生産性と顧客体験を向上させることができます。コールセンターのリーダーは、顧客体験を向上させるために、非構造化データとAIを使用して自動的にケースを比較し、その目的が類似しているケースを識別し、新しいケースが重複している可能性がある場合には、ケースの所有者に警告する自動化されたフローをトリガーすることができます。また、サービスリーダーは、Tableauなどの分析ツールを使用してナレッジ記事をクラスタ化し、新たに作成されたケースや記事の全体的な傾向を把握することで、より優れた顧客体験を提供するための新しい方法を発見することも可能です。
- マーケティング担当者は、消費者の意向と行動に基づいてキャンペーンを調整できます。キャンペーンを構築する際に、マーケティング担当者は、Marketing Cloud Intelligenceを使用してData Cloud内の非構造化調査データやトランスクリプトを分析し、消費者の意向を理解します。それにより、メールテンプレートを改善し、Einstein Copilot内から自然言語の指示に従って直接コピーして編集することができます。
- コマースチームは、新製品の説明書をより迅速に作成できます。ブランドマネージャーは、製品説明書を作成する際に、Einstein Copilotに依頼すれば、類似する既存製品と新製品の詳細を比較することができます。密接に関連する製品のカタログに含まれる情報を使用して、関連する説明を迅速に生成できます。
- 営業担当者は、AIを使用して過去の顧客とのやり取りからインサイトを得ることで、売上を増加させることができます。営業担当者は、顧客との会議に備え、Einstein Copilotに顧客の決算報告書や過去のメールのやり取りなど、特定の非構造化データを参照させ、そのデータについて質問することができます。その回答には、顧客企業の来期における上位3つの取り組みや、新たに選任された役員などの関連情報が含まれ、営業担当者は会議に向け貴重なインサイトを得ることができます。
- IT担当者は、製品のテレメトリーから問題や異常を検出できます。機械のログ、センサーの読み取りデータ、画像、オーディオ録音など、機械の動作により生成された非構造化コンテンツをData Cloudに取り込むことができます。Tableauはこのデータを分析し、Einsteinは意味的な類似性を通じて異常なデータポイントを特定し、その機器の問題点を明らかにすることができます。
詳細情報:
- Einstein 1 Platformの詳細をご覧ください。
- 毎日1,000億件以上の顧客レコードを処理するSalesforce Data Cloudの詳細をご覧ください。
- 検索拡張生成(RAG)の詳細をご覧ください。(英語)
*Forrester、2024年の予測:データとアナリティクス、ゼイド・カーター(Zeid Khater)著、2023年10月26日
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